概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

リムパーザ® (添付文書¹⁾/ 適正使用情報²⁾*)

PARP阻害薬 オラパリブ *MSD株式会社の外部サイトへ遷移

投与スケジュール

電子添文¹⁾の用法用量

BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌

オラパリブ1回300mgを1日2回経口投与する

[用法及び用量に関連する注意] 100mg錠と150mg錠の生物学的同等性は示されていないため、 300mgを投与する際には100mg錠を使用しないこと。
リムパーザ®電子添文 (2024年11月改訂第6版)¹⁾より作図

特徴と注意点

コンパニオン診断薬について

BRCA病的バリアントは、 生殖細胞系列で9%程度、 体細胞系列で9%程度認められる。 本レジメンの使用には以下のコンパニオン診断薬での診断が必要である (2024年11月現在)。

 - BRACAnalysis®
 - FoundationOne®CDx
 - FoundationOne Liquid®CDx
監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

KeyData|臨床試験結果

PROfound試験³⁾

相同組換え修復関連遺伝子変異陽性、 かつ前治療として新規ホルモン薬による治療を行い、 病勢進行が認められた前立腺癌患者において、 PARP阻害薬オラパリブの有効性および安全性を、 エンザルタミドまたはアビラテロン酢酸エステルを対照に検証した第Ⅲ相比較試験PROfoundの結果より、 画像上の無増悪生存期間 (rPFS) に対する有益性が示された。

rPFS中央値 コホートA

  • オラパリブ群 : 7.4ヵ月
  • 対照群 : 3.6ヵ月
HR 0.34 (95%CI 0.25-0.47)、 p<0.001

rPFS中央値 全患者

  • オラパリブ群 : 5.8ヵ月
  • 対照群 : 3.5ヵ月
HR 0.49 (95%CI 0.38-0.63)、 p<0.001

ORR コホートA

  • オラパリブ群 : 33%
  • 対照群 : 2%
オッズ比 20.86 (95%CI 4.18-379.18)、 p<0.001

ORR 全患者

  • オラパリブ群 : 22%
  • 対照群 : 4%
オッズ比 5.93 (95%CI 2.01-25.40)

TTPP率 (6ヵ月時) コホートA

  • オラパリブ群 : 84%
  • 対照群 : 67%
HR 0.44 (95%CI 0.22-0.91)、 p=0.02

TTPP率 (6ヵ月時) 全患者

  • オラパリブ群 : 85%
  • 対照群 : 75%
HR 0.64

OS中央値 コホートA

  • オラパリブ群 : 19.1ヵ月
  • 対照群 : 14.7ヵ月
HR 0.69 (95%CI 0.50-0.97)、 p=0.02

OS中央値 全患者

  • オラパリブ群 : 17.3ヵ月
  • 対照群 : 14.0ヵ月
HR 0.79 (95%CI 0.61-1.03)

遺伝子解析による探索的解析

  • BRCA1変異 : HR 0.42 (95%CI 0.12-1.53)
  • BRCA2変異 : HR 0.59 (95%CI 0.37-0.95)
  • BRCA以外 : HR 0.95 (95%CI 0.68-1.34)

PSA50奏効率 コホートA

  • オラパリブ群 : 43%
  • 対照群 : 8%

PSA50奏効率 全患者

  • オラパリブ群 : 30%
  • 対照群 : 10%

循環腫瘍細胞消失率 コホートA

  • オラパリブ群 : 30%
  • 対照群 : 11%

循環腫瘍細胞消失率 全患者

  • オラパリブ群 : 27%
  • 対照群 : 10%

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 46.1% (21.5%)
  • 食欲減退 30.1% (1.2%)
  • 疲労 26.2% (1.2%)
  • 下痢 21.1% (0.8%)
  • 嘔吐 18.4% (2.3%)
  • 便秘 17.6% (0%)
N Engl J Med. 2020 May 28;382(22):2091-2102³⁾より引用

各プロトコル

投与開始基準

PROfound試験³⁾のプロトコル例

リムパーザ®適正使用ガイド (2023年8月作成)²⁾より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文¹⁾の減量・休薬・中止基準

リムパーザ®電子添文 (2024年11月改訂第6版)¹⁾より作図

出典

  1. アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®電子添文 (2024年11月改訂第6版) [最終閲覧 : 2024/11/29]
  2. アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®適正使用ガイド 前立腺癌 (2023年8月作成) [最終閲覧 : 2024/11/29]
  3. Olaparib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer. N Engl J Med. 2020 May 28;382(22):2091-2102. PMID: 32343890
最終更新日 : 2024年11月29日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
Olaparib
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
Olaparib
レジメン
Olaparib

Olaparib

オラパリブ (リムパーザ®)
2024年11月29日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

リムパーザ® (添付文書¹⁾/ 適正使用情報²⁾*)

PARP阻害薬 オラパリブ *MSD株式会社の外部サイトへ遷移

投与スケジュール

電子添文¹⁾の用法用量

BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌

オラパリブ1回300mgを1日2回経口投与する

[用法及び用量に関連する注意] 100mg錠と150mg錠の生物学的同等性は示されていないため、 300mgを投与する際には100mg錠を使用しないこと。
リムパーザ®電子添文 (2024年11月改訂第6版)¹⁾より作図

特徴と注意点

コンパニオン診断薬について

BRCA病的バリアントは、 生殖細胞系列で9%程度、 体細胞系列で9%程度認められる。 本レジメンの使用には以下のコンパニオン診断薬での診断が必要である (2024年11月現在)。

 - BRACAnalysis®
 - FoundationOne®CDx
 - FoundationOne Liquid®CDx
監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

KeyData|臨床試験結果

PROfound試験³⁾

相同組換え修復関連遺伝子変異陽性、 かつ前治療として新規ホルモン薬による治療を行い、 病勢進行が認められた前立腺癌患者において、 PARP阻害薬オラパリブの有効性および安全性を、 エンザルタミドまたはアビラテロン酢酸エステルを対照に検証した第Ⅲ相比較試験PROfoundの結果より、 画像上の無増悪生存期間 (rPFS) に対する有益性が示された。

rPFS中央値 コホートA

  • オラパリブ群 : 7.4ヵ月
  • 対照群 : 3.6ヵ月
HR 0.34 (95%CI 0.25-0.47)、 p<0.001

rPFS中央値 全患者

  • オラパリブ群 : 5.8ヵ月
  • 対照群 : 3.5ヵ月
HR 0.49 (95%CI 0.38-0.63)、 p<0.001

ORR コホートA

  • オラパリブ群 : 33%
  • 対照群 : 2%
オッズ比 20.86 (95%CI 4.18-379.18)、 p<0.001

ORR 全患者

  • オラパリブ群 : 22%
  • 対照群 : 4%
オッズ比 5.93 (95%CI 2.01-25.40)

TTPP率 (6ヵ月時) コホートA

  • オラパリブ群 : 84%
  • 対照群 : 67%
HR 0.44 (95%CI 0.22-0.91)、 p=0.02

TTPP率 (6ヵ月時) 全患者

  • オラパリブ群 : 85%
  • 対照群 : 75%
HR 0.64

OS中央値 コホートA

  • オラパリブ群 : 19.1ヵ月
  • 対照群 : 14.7ヵ月
HR 0.69 (95%CI 0.50-0.97)、 p=0.02

OS中央値 全患者

  • オラパリブ群 : 17.3ヵ月
  • 対照群 : 14.0ヵ月
HR 0.79 (95%CI 0.61-1.03)

遺伝子解析による探索的解析

  • BRCA1変異 : HR 0.42 (95%CI 0.12-1.53)
  • BRCA2変異 : HR 0.59 (95%CI 0.37-0.95)
  • BRCA以外 : HR 0.95 (95%CI 0.68-1.34)

PSA50奏効率 コホートA

  • オラパリブ群 : 43%
  • 対照群 : 8%

PSA50奏効率 全患者

  • オラパリブ群 : 30%
  • 対照群 : 10%

循環腫瘍細胞消失率 コホートA

  • オラパリブ群 : 30%
  • 対照群 : 11%

循環腫瘍細胞消失率 全患者

  • オラパリブ群 : 27%
  • 対照群 : 10%

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 46.1% (21.5%)
  • 食欲減退 30.1% (1.2%)
  • 疲労 26.2% (1.2%)
  • 下痢 21.1% (0.8%)
  • 嘔吐 18.4% (2.3%)
  • 便秘 17.6% (0%)
N Engl J Med. 2020 May 28;382(22):2091-2102³⁾より引用

各プロトコル

投与開始基準

PROfound試験³⁾のプロトコル例

リムパーザ®適正使用ガイド (2023年8月作成)²⁾より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文¹⁾の減量・休薬・中止基準

リムパーザ®電子添文 (2024年11月改訂第6版)¹⁾より作図

出典

  1. アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®電子添文 (2024年11月改訂第6版) [最終閲覧 : 2024/11/29]
  2. アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®適正使用ガイド 前立腺癌 (2023年8月作成) [最終閲覧 : 2024/11/29]
  3. Olaparib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer. N Engl J Med. 2020 May 28;382(22):2091-2102. PMID: 32343890
最終更新日 : 2024年11月29日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。