概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

リムパーザ® (添付文書 / 適正使用情報*)

PARP阻害薬 [一般名:オラパリブ]
ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ阻害薬
*MSDの外部サイトへ遷移します

用法用量 (連日投与)

効果・効能

BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌の場合

通常、 成人には1回300mgを1日2回経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。

[用法及び用量に関連する注意]  100mg錠と150mg錠の生物学的同等性は示されていないため、 300mgを投与する際には100mg錠を使用しないこと。 

投与開始基準

PROfound試験¹⁾での選択基準

休薬基準

主な有害事象

PROfound試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 46.1% (21.5%)
  • 食欲減退 30.1% (1.2%)
  • 疲労 26.2% (1.2%)
  • 下痢 21.1% (0.8%)
  • 嘔吐 18.4% (2.3%)
  • 便秘 17.6% (0%)

特徴と注意点

BRCA病的バリアントは、 生殖細胞系列で9%程度、 体細胞系列で9%程度認められる。

使用にはコンパニオン診断薬であるBRACAnalysis®あるいは、 FoundationOne®CDxあるいはFoundationOne Liquid®CDxでの診断が必要。

関連する臨床試験|PROfound試験¹⁾

PROfound試験¹⁾

相同組換え修復関連遺伝子変異陽性、 かつ前治療として新規ホルモン薬による治療を行い、 病勢進行が認められた前立腺癌患者において、 PARP阻害薬オラパリブの有効性および安全性を、 エンザルタミドまたはアビラテロン酢酸エステルを対照に検証した第Ⅲ相比較試験PROfoundの結果より、 画像上の無増悪生存期間 (rPFS) に対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

rPFS中央値

コホートA

  • オラパリブ群:7.4ヵ月
  • 対照群:3.6ヵ月
HR 0.34  (95%CI 0.25-0.47)、 p<0.001

全患者

  • オラパリブ群:5.8ヵ月
  • 対照群:3.5ヵ月
HR 0.49  (95%CI 0.38-0.63)、 p<0.001

ORR

コホートA

  • オラパリブ群:33%
  • 対照群:2%
オッズ比 20.86  (95%CI 4.18-379.18)、 p<0.001

全患者

  • オラパリブ群:22%
  • 対照群:4%
オッズ比 5.93 (95%CI 2.01-25.40)

TTPP率 (6ヵ月時)

コホートA

  • オラパリブ群:84%
  • 対照群:67%
HR 0.44  (95%CI 0.22-0.91)、 p=0.02

全患者

  • オラパリブ群:85%
  • 対照群:75%
HR 0.64

OS中央値

コホートA

  • オラパリブ群:19.1ヵ月
(95%CI 17.4-23.4ヵ月)
  • 対照群:14.7ヵ月
(95%CI 11.9-18.8ヵ月)
HR 0.69  (95%CI 0.50-0.97)、 p=0.02

全患者

  • オラパリブ群:17.3ヵ月
(95%CI 15.5-18.6ヵ月)
  • 対照群:14.0ヵ月
(95%CI 11.5-17.1ヵ月)
HR 0.79  (95%CI 0.61-1.03)

遺伝子解析による探索的解析

BRCA1のみに変異を有する患者:HR 0.42 (95%CI 0.12-1.53)

BRCA2のみに変異を有する患者:HR 0.59 (95%CI 0.37-0.95)

BRCA以外の遺伝子に変異を有する患者:HR 0.95 (95%CI 0.68-1.34)

PSA50奏効率

コホートA

  • オラパリブ群:43%
  • 対照群:8%

全患者

  • オラパリブ群:30%
  • 対照群:10%

循環腫瘍細胞消失率

コホートA

  • オラパリブ群:30%
  • 対照群:11%

全患者

  • オラパリブ群:27%
  • 対照群:10%

参考文献

  1.  Olaparib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer. N Engl J Med. 2020 May 28;382(22):2091-2102. PMID: 32343890
最終更新日:2023年12月21日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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オラパリブ (リムプーザ®)
2023年12月21日更新
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PARP阻害薬 [一般名:オラパリブ]
ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ阻害薬
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用法用量 (連日投与)

効果・効能

BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌の場合

通常、 成人には1回300mgを1日2回経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。

[用法及び用量に関連する注意]  100mg錠と150mg錠の生物学的同等性は示されていないため、 300mgを投与する際には100mg錠を使用しないこと。 

投与開始基準

PROfound試験¹⁾での選択基準

休薬基準

主な有害事象

PROfound試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 46.1% (21.5%)
  • 食欲減退 30.1% (1.2%)
  • 疲労 26.2% (1.2%)
  • 下痢 21.1% (0.8%)
  • 嘔吐 18.4% (2.3%)
  • 便秘 17.6% (0%)

特徴と注意点

BRCA病的バリアントは、 生殖細胞系列で9%程度、 体細胞系列で9%程度認められる。

使用にはコンパニオン診断薬であるBRACAnalysis®あるいは、 FoundationOne®CDxあるいはFoundationOne Liquid®CDxでの診断が必要。

関連する臨床試験|PROfound試験¹⁾

PROfound試験¹⁾

相同組換え修復関連遺伝子変異陽性、 かつ前治療として新規ホルモン薬による治療を行い、 病勢進行が認められた前立腺癌患者において、 PARP阻害薬オラパリブの有効性および安全性を、 エンザルタミドまたはアビラテロン酢酸エステルを対照に検証した第Ⅲ相比較試験PROfoundの結果より、 画像上の無増悪生存期間 (rPFS) に対する有益性が示された。

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rPFS中央値

コホートA

  • オラパリブ群:7.4ヵ月
  • 対照群:3.6ヵ月
HR 0.34  (95%CI 0.25-0.47)、 p<0.001

全患者

  • オラパリブ群:5.8ヵ月
  • 対照群:3.5ヵ月
HR 0.49  (95%CI 0.38-0.63)、 p<0.001

ORR

コホートA

  • オラパリブ群:33%
  • 対照群:2%
オッズ比 20.86  (95%CI 4.18-379.18)、 p<0.001

全患者

  • オラパリブ群:22%
  • 対照群:4%
オッズ比 5.93 (95%CI 2.01-25.40)

TTPP率 (6ヵ月時)

コホートA

  • オラパリブ群:84%
  • 対照群:67%
HR 0.44  (95%CI 0.22-0.91)、 p=0.02

全患者

  • オラパリブ群:85%
  • 対照群:75%
HR 0.64

OS中央値

コホートA

  • オラパリブ群:19.1ヵ月
(95%CI 17.4-23.4ヵ月)
  • 対照群:14.7ヵ月
(95%CI 11.9-18.8ヵ月)
HR 0.69  (95%CI 0.50-0.97)、 p=0.02

全患者

  • オラパリブ群:17.3ヵ月
(95%CI 15.5-18.6ヵ月)
  • 対照群:14.0ヵ月
(95%CI 11.5-17.1ヵ月)
HR 0.79  (95%CI 0.61-1.03)

遺伝子解析による探索的解析

BRCA1のみに変異を有する患者:HR 0.42 (95%CI 0.12-1.53)

BRCA2のみに変異を有する患者:HR 0.59 (95%CI 0.37-0.95)

BRCA以外の遺伝子に変異を有する患者:HR 0.95 (95%CI 0.68-1.34)

PSA50奏効率

コホートA

  • オラパリブ群:43%
  • 対照群:8%

全患者

  • オラパリブ群:30%
  • 対照群:10%

循環腫瘍細胞消失率

コホートA

  • オラパリブ群:30%
  • 対照群:11%

全患者

  • オラパリブ群:27%
  • 対照群:10%

参考文献

  1.  Olaparib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer. N Engl J Med. 2020 May 28;382(22):2091-2102. PMID: 32343890
最終更新日:2023年12月21日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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