治療スケジュール
概要
監修医師

5-FU:Fluorouracil(5-FU®)

投与量コース投与日
700mg/m² 点滴1~Day1~4、 Day29~32

CDDP: Cisplatin(ランダ®)

投与量コース投与日
70mg/m² 点滴1~Day1、 29

前投薬

パロノセトロン0.75mg day1 点滴 デキサメタゾン 9.9mg day1、 6.6mg day2-4 点滴 アプレピタント 125mg day1、 80mg day2-3、 オランザピン 5mg day1-4 経口 (糖尿病がない場合のみ)

その他

1コース35日間。
5-FU+CDDPでFP療法と呼ぶ。
レジメン
FP+RT(41.4Gy)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*日本化薬の外部サイトへ遷移します

用法用量

JCOG0508試験⁴⁾のプロトコル

Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3.⁴⁾より作図

前投薬

HECレジメンとして扱う。

  • パロノセトロン0.75mg day1 点滴
  • デキサメタゾン 9.9mg day1、 6.6mg day2-4 点滴
  • アプレピタント 125mg day1、 80mg day2-3 
ホスアプレピタント150mg day1点滴、 ホスネツピタント 235㎎ day1 点滴でも可
  • オランザピン 5mg day1-4 経口 (糖尿病がない場合のみ)
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

投与開始基準

JCOG0508試験⁴⁾のプロトコル

Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3.⁴⁾より作図

主な有害事象

JCOG0508試験⁴⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 好中球減少 91.7% (22.9%)
  • 血小板減少 39.6% (4.2%)
  • Hb減少 30.2% (1.0%)
  • 悪心 44.8% (2.1%)
  • 粘膜炎 / 口内炎 22.9% (1.0%)
  • 発熱 10.4% (0%)
Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3.⁴⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

治療対象

FP+RT (41.4Gy) の対象は内視鏡診断でSM1-2と深達度診断され (MMとSM1が鑑別困難な症例を含む)、 ESD後の病理組織の結果が垂直断端陰性であり、 かつ①pMM 以浅かつ脈管侵襲陽性もしくは②pSM1-2の症例が対象となる。 本治療は再発防止目的の予防照射として行われる。 垂直断端陽性例に対しては根治照射となるFP+RT (50.4Gy) が行われる。

腎機能について

シスプラチンの腎機能による投与量についてはCrClを参考に決定する。 Cockcroft-Gault式を用いて計算し、 CrCl≧60mL/minでは100% dose、 50-60mL/minでは1段階減量、 40-50mL/minでは2段階減量とする。 Cockcroft-gault式では高齢者や女性で推定値が実測値より低値となりやすいため、 血中クレアチニン値のわりにCrClが低い症例については畜尿により実測値を用いてCrClを測定する。

執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

特徴と注意点

効果判定はFP2コースもしくはRT終了してから3-5週を目途に内視鏡およびCTで効果判定を行う。 再発がなければ4ヵ月毎に内視鏡およびCTでフォローする。 本治療ではCRT後に追加治療としてのFP療法は行われない。 本治療が評価されたJCOG0508試験⁴⁾では3年以降のフォローアップは規定されていないが、 3年目以降も5年目までは6ヵ月毎のフォローアップを検討する。

執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

関連する臨床試験|JCOG0508試験⁴⁾

粘膜下層への浸潤が疑われる食道扁平上皮癌患者において、 内視鏡的切除術 (ER) と選択的化学放射線療法 (CRT) の併用療法の効果を検討した単群の前向き研究JCOG0508の結果より、 ERと選択的CRTの併用療法の有効性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

予防的CRT併用群の3年OS率

90.7%

(95%CI 84.0-94.7%)

OS率

全患者

92.6% (3年時)、 90.9% (5年時)

予防的CRT併用群

89.7% (5年時)

PFS率

全患者

89.7% (3年時)、 87.5% (5年時)

予防的CRT併用群

86.2% (5年時)

出典

  1. 協和キリン株式会社. 5-FU®電子添文 (2024年3月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  2. 日本化薬. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/04/02]
  3. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/02]
  4. Efficacy of Endoscopic Resection and Selective Chemoradiotherapy for Stage I Esophageal Squamous Cell Carcinoma. Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3. PMID: 31014996
最終更新日 : 2024年4月15日
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

レジメン
FP+RT(41.4Gy)
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
FP+RT(41.4Gy)
レジメン
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フルオロウラシル (5-FU®)+シスプラチン (ランダ®)
2024年04月17日更新

5-FU:Fluorouracil(5-FU®)

投与量コース投与日
700mg/m² 点滴1~Day1~4、 Day29~32

CDDP: Cisplatin(ランダ®)

投与量コース投与日
70mg/m² 点滴1~Day1、 29

前投薬

パロノセトロン0.75mg day1 点滴 デキサメタゾン 9.9mg day1、 6.6mg day2-4 点滴 アプレピタント 125mg day1、 80mg day2-3、 オランザピン 5mg day1-4 経口 (糖尿病がない場合のみ)

その他

1コース35日間。
5-FU+CDDPでFP療法と呼ぶ。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

JCOG0508試験⁴⁾のプロトコル

Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3.⁴⁾より作図

前投薬

HECレジメンとして扱う。

  • パロノセトロン0.75mg day1 点滴
  • デキサメタゾン 9.9mg day1、 6.6mg day2-4 点滴
  • アプレピタント 125mg day1、 80mg day2-3 
ホスアプレピタント150mg day1点滴、 ホスネツピタント 235㎎ day1 点滴でも可
  • オランザピン 5mg day1-4 経口 (糖尿病がない場合のみ)
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

投与開始基準

JCOG0508試験⁴⁾のプロトコル

Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3.⁴⁾より作図

主な有害事象

JCOG0508試験⁴⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 好中球減少 91.7% (22.9%)
  • 血小板減少 39.6% (4.2%)
  • Hb減少 30.2% (1.0%)
  • 悪心 44.8% (2.1%)
  • 粘膜炎 / 口内炎 22.9% (1.0%)
  • 発熱 10.4% (0%)
Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3.⁴⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

治療対象

FP+RT (41.4Gy) の対象は内視鏡診断でSM1-2と深達度診断され (MMとSM1が鑑別困難な症例を含む)、 ESD後の病理組織の結果が垂直断端陰性であり、 かつ①pMM 以浅かつ脈管侵襲陽性もしくは②pSM1-2の症例が対象となる。 本治療は再発防止目的の予防照射として行われる。 垂直断端陽性例に対しては根治照射となるFP+RT (50.4Gy) が行われる。

腎機能について

シスプラチンの腎機能による投与量についてはCrClを参考に決定する。 Cockcroft-Gault式を用いて計算し、 CrCl≧60mL/minでは100% dose、 50-60mL/minでは1段階減量、 40-50mL/minでは2段階減量とする。 Cockcroft-gault式では高齢者や女性で推定値が実測値より低値となりやすいため、 血中クレアチニン値のわりにCrClが低い症例については畜尿により実測値を用いてCrClを測定する。

執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

特徴と注意点

効果判定はFP2コースもしくはRT終了してから3-5週を目途に内視鏡およびCTで効果判定を行う。 再発がなければ4ヵ月毎に内視鏡およびCTでフォローする。 本治療ではCRT後に追加治療としてのFP療法は行われない。 本治療が評価されたJCOG0508試験⁴⁾では3年以降のフォローアップは規定されていないが、 3年目以降も5年目までは6ヵ月毎のフォローアップを検討する。

執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

関連する臨床試験|JCOG0508試験⁴⁾

粘膜下層への浸潤が疑われる食道扁平上皮癌患者において、 内視鏡的切除術 (ER) と選択的化学放射線療法 (CRT) の併用療法の効果を検討した単群の前向き研究JCOG0508の結果より、 ERと選択的CRTの併用療法の有効性が示された。

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予防的CRT併用群の3年OS率

90.7%

(95%CI 84.0-94.7%)

OS率

全患者

92.6% (3年時)、 90.9% (5年時)

予防的CRT併用群

89.7% (5年時)

PFS率

全患者

89.7% (3年時)、 87.5% (5年時)

予防的CRT併用群

86.2% (5年時)

出典

  1. 協和キリン株式会社. 5-FU®電子添文 (2024年3月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  2. 日本化薬. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/04/02]
  3. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/02]
  4. Efficacy of Endoscopic Resection and Selective Chemoradiotherapy for Stage I Esophageal Squamous Cell Carcinoma. Gastroenterology. 2019 Aug;157(2):382-390.e3. PMID: 31014996
最終更新日 : 2024年4月15日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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