治療スケジュール
概要
監修医師

AZA:アザシチジン(ビダーザ®)

投与量コース投与日
75mg/m²1~Day 1~7
(主に皮下注)-(Day 1~5も可)

前投薬

5-HT3受容体拮抗薬

その他

AZAは7日間投与が推奨される.
利便性により5日間投与も普及している.
1コース28日間として繰り返す.
原則として皮下注を選択.
出血傾向等で皮下投与が困難な場合は点滴静注.
レジメン
AZA
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「日本新薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

国内臨床第1/2相試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 81.1%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 64.1%)
  • 貧血 (≧Grade3 71.7%)

主な有害事象

  • 便秘 (73.6%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 倦怠感 (52.8%、 ≧Grade3 0%)
  • 発熱 (45.3%、 ≧Grade3 7.5%)
  • 注射部位反応 (39.6%、 ≧Grade3 0%)
  • 発疹 (37.7%、 ≧Grade3 0%)
  • ALT増加 (43.4%、 ≧Grade3 3.8%)
  • AST増加 (39.6%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 食欲不振 (37.7%、 ≧Grade3 5.7%)
  • 血中アルブミン減少 (39.6%、 ≧Grade3 5.7%)
  • 発熱性好中球減少症 (30.2%、 ≧Grade3 30.2%)
  • 肺炎 (13.2%、 ≧Grade3 13.2%)

その他重要な有害事象

  • 敗血症 (3.8%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 腎不全 (1.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 腎尿細管性アシドーシス (国内第1/2相試験では認めず)
  • 低血圧 (国内第1/2相試験では認めず)

特徴と注意点

  • アザシチジンはDNAに取り込まれてDNAのメチル化を抑制することで遺伝子発現を回復させ、 またRNAに取り込まれることでタンパク合成を阻害して殺細胞効果を示す.
  • 骨髄異形成症候群 (MDS) 急性骨髄性白血病 (AML) に保険適用.
  • 移植非適応の高リスクMDSに対する標準治療.
  • AMLには単剤、 もしくはベネトクラクスと併用.
  • 効果が得られるまで4~6回の投与が必要な場合がある.
  • 7日投与と5日投与に関して前向き比較試験によるエビデンスは確立していない.
  • 腎尿細管性アシドーシスが起こることも. 静脈血HCO3・Cr・BUNを測定.
  • 次コースの治療開始の延期 (休薬) ・減量基準の詳細は添付文書、及びビダーザ投与量自動判定ツールを参照.
*「日本新薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

関連する臨床試験の結果

AZA-001試験²⁾

概要

  • 高リスクMDSを対象とした海外臨床第3相試験 (ランダム化非盲検比較試験) .
  • AZAの有効性と安全性を通常治療と比較する.
  • AZAは最低6コースとし、 中止基準に該当しない限り継続.
  • 通常治療は、 支持療法、 少量シタラビン療法、 標準化学療法の中から、 医師がランダム化に先立ち各被験者に最適と思われる治療を選択して決定された.

結果

  • 生存期間中央値:AZA群 24.5ヵ月 vs 通常治療群 15.0ヵ月 (HR 0.58、 95% CI 0.43-0.77、 p=0.0001)
  • AZAによる生存期間の延長は9.4ヵ月 (p=0.0001)
  • AZAによる死亡リスク低下は42% (HR 0.58、 95% CI 0.43-0.77、 p=0.0002)
  • 下図はAZA-001試験の生存曲線を示す.

国内第1/2相試験¹⁾

概要

  • MDSを対象とした非ランダム化非盲検試験.
  • AZA皮下又は静脈内投与した時の薬物動態及び安全性を確認する.
  • AZAは最低4コースとし、 最大18コース.

結果

  • 血液学的寛解 (CR+PR+marrowCR) 率:28.3% (15/53例)
  • 血液学的寛解の基準到達までの期間中央値:113日
  • 血液学的改善率:54.9% (28/51例)
  • 血液学的改善率の基準到達までの期間中央値:53.5日
  • 皮下投与と点滴静注に効果の差は認めず.

参考文献

  1. Cancer Sci. 2011 Sep;102(9):1680-6.
  2. Lancet Oncol. 2009 Mar;10(3):223-32.

最終更新:2023年5月26日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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アザシチジン(ビダーザ®)
2023年05月26日更新

AZA:アザシチジン(ビダーザ®)

投与量コース投与日
75mg/m²1~Day 1~7
(主に皮下注)-(Day 1~5も可)

前投薬

5-HT3受容体拮抗薬

その他

AZAは7日間投与が推奨される.
利便性により5日間投与も普及している.
1コース28日間として繰り返す.
原則として皮下注を選択.
出血傾向等で皮下投与が困難な場合は点滴静注.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「日本新薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

国内臨床第1/2相試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 81.1%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 64.1%)
  • 貧血 (≧Grade3 71.7%)

主な有害事象

  • 便秘 (73.6%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 倦怠感 (52.8%、 ≧Grade3 0%)
  • 発熱 (45.3%、 ≧Grade3 7.5%)
  • 注射部位反応 (39.6%、 ≧Grade3 0%)
  • 発疹 (37.7%、 ≧Grade3 0%)
  • ALT増加 (43.4%、 ≧Grade3 3.8%)
  • AST増加 (39.6%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 食欲不振 (37.7%、 ≧Grade3 5.7%)
  • 血中アルブミン減少 (39.6%、 ≧Grade3 5.7%)
  • 発熱性好中球減少症 (30.2%、 ≧Grade3 30.2%)
  • 肺炎 (13.2%、 ≧Grade3 13.2%)

その他重要な有害事象

  • 敗血症 (3.8%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 腎不全 (1.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 腎尿細管性アシドーシス (国内第1/2相試験では認めず)
  • 低血圧 (国内第1/2相試験では認めず)

特徴と注意点

  • アザシチジンはDNAに取り込まれてDNAのメチル化を抑制することで遺伝子発現を回復させ、 またRNAに取り込まれることでタンパク合成を阻害して殺細胞効果を示す.
  • 骨髄異形成症候群 (MDS) 急性骨髄性白血病 (AML) に保険適用.
  • 移植非適応の高リスクMDSに対する標準治療.
  • AMLには単剤、 もしくはベネトクラクスと併用.
  • 効果が得られるまで4~6回の投与が必要な場合がある.
  • 7日投与と5日投与に関して前向き比較試験によるエビデンスは確立していない.
  • 腎尿細管性アシドーシスが起こることも. 静脈血HCO3・Cr・BUNを測定.
  • 次コースの治療開始の延期 (休薬) ・減量基準の詳細は添付文書、及びビダーザ投与量自動判定ツールを参照.
*「日本新薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

関連する臨床試験の結果

AZA-001試験²⁾

概要

  • 高リスクMDSを対象とした海外臨床第3相試験 (ランダム化非盲検比較試験) .
  • AZAの有効性と安全性を通常治療と比較する.
  • AZAは最低6コースとし、 中止基準に該当しない限り継続.
  • 通常治療は、 支持療法、 少量シタラビン療法、 標準化学療法の中から、 医師がランダム化に先立ち各被験者に最適と思われる治療を選択して決定された.

結果

  • 生存期間中央値:AZA群 24.5ヵ月 vs 通常治療群 15.0ヵ月 (HR 0.58、 95% CI 0.43-0.77、 p=0.0001)
  • AZAによる生存期間の延長は9.4ヵ月 (p=0.0001)
  • AZAによる死亡リスク低下は42% (HR 0.58、 95% CI 0.43-0.77、 p=0.0002)
  • 下図はAZA-001試験の生存曲線を示す.

国内第1/2相試験¹⁾

概要

  • MDSを対象とした非ランダム化非盲検試験.
  • AZA皮下又は静脈内投与した時の薬物動態及び安全性を確認する.
  • AZAは最低4コースとし、 最大18コース.

結果

  • 血液学的寛解 (CR+PR+marrowCR) 率:28.3% (15/53例)
  • 血液学的寛解の基準到達までの期間中央値:113日
  • 血液学的改善率:54.9% (28/51例)
  • 血液学的改善率の基準到達までの期間中央値:53.5日
  • 皮下投与と点滴静注に効果の差は認めず.

参考文献

  1. Cancer Sci. 2011 Sep;102(9):1680-6.
  2. Lancet Oncol. 2009 Mar;10(3):223-32.

最終更新:2023年5月26日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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