治療スケジュール
概要
監修医師

nab-PTX:アルブミン懸濁型パクリタキセル(アブラキサン®)

投与量コース投与日
125mg/m² 点滴1~Day1,8,15

GEM:ゲムシタビン(ジェムザール®)

投与量コース投与日
1000mg/m²1~Day1,8,15

その他

1コース28日間。
レジメン
GEM+nab-PTX
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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*大鵬薬品の外部サイトへ遷移します

用法用量

投与開始基準

VTCAE4.0

継続基準

各コースの開始前日又は当日に確認

Day8、 Day15に確認

減量・休薬基準

コース内投与量調整基準Day8

コース内投与量調整基準Day15

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

CA046試験:MPACT試験¹⁾²⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 46.1% (12.6%)
  • 好中球減少 45.8% (36.1%)
  • 血小板減少 35.4% (14.0%)
  • 白血球減少 18.1% (12.4%)
  • 疲労 53.7% (16.6%)
  • 悪心 49.2% (4.0%)
  • 下痢 37.1% (5.7%)
  • 嘔吐 31.6% (4.5%)
  • 発熱 29.0% (1.9%)
  • 食欲減退 27.3% (3.1%)
  • 便秘 11.9% (0.7%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 50.1% (1.4%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 48.9% (15.7%)

特徴と注意点

有害事象について

投与初期は血液毒性、 非血液毒性ともに軽微であることが多いが、 治療継続に伴い、 脱毛、 末梢感覚性/運動性ニューロパチー、 疲労、 倦怠感、 末梢浮腫、 爪変形などが現れることがある。これらの有害事象は主にナブパクリタキセルに伴うものであり、 重篤性に合わせて、 ナブパクリタキセルの減量、 休薬を検討する。

ガイドラインでの扱い

膵癌診療ガイドライン2022年版において、 遠隔転移を有する膵癌に対してFOLFIRINOX療法と並んで推奨されているレジメンである。 本レジメンは、 76歳以上の高齢者やPS2の患者への適用も可能であるが、 年齢やPS以外にも併存症などを加味して、 適用を判断する。

排泄方法

ナブパクリタキセルは胆汁排泄性であるため、 胆道閉塞、 Bil高値例では投与を避ける。

関連する臨床試験

CA046試験:MPACT試験¹⁾²⁾

前治療のない転移性膵癌患者861例を対象とし、 アブラキサン+ゲムシタビン併用療法 (アブラキサン併用群) とゲムシタビン単独療法について有効性、 安全性を比較するための多施設共同無作為化非盲検比較試験。 主要評価項目は全生存期間 (OS) 、 副次評価項目は安全性、 無増悪生存期間 (PFS) 、 全奏効率(ORR) 、 病勢コントロール率 (DCR) 、 治療成功期間 (TTF) 等とされた。

N Engl J Med. 2013 Oct 31;369(18):1691-703. 

ClinicalTrials.gov. February 16, 2009

参考文献

  1. Increased survival in pancreatic cancer with nab-paclitaxel plus gemcitabine. N Engl J Med. 2013 Oct 31;369(18):1691-703. PMID: 24131140
  2. Phase III Study of ABI-007(Albumin-bound Paclitaxel) Plus Gemcitabine Versus Gemcitabine in Metastatic Adenocarcinoma of the Pancreas. ClinicalTrials.gov. February 16, 2009
最終更新日:2023年7月7日
執筆医:神奈川県立がんセンター 消化器内科  小林 智先生
監修医:神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生

レジメン
GEM+nab-PTX
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HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
GEM+nab-PTX
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GEM+nab-PTX

GEM+nab-PTX

ゲムシタビン (ジェムザール® ) +アルブミン懸濁型パクリタキセル (アブラキサン®)
2024年04月13日更新

nab-PTX:アルブミン懸濁型パクリタキセル(アブラキサン®)

投与量コース投与日
125mg/m² 点滴1~Day1,8,15

GEM:ゲムシタビン(ジェムザール®)

投与量コース投与日
1000mg/m²1~Day1,8,15

その他

1コース28日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

投与開始基準

VTCAE4.0

継続基準

各コースの開始前日又は当日に確認

Day8、 Day15に確認

減量・休薬基準

コース内投与量調整基準Day8

コース内投与量調整基準Day15

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

CA046試験:MPACT試験¹⁾²⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 46.1% (12.6%)
  • 好中球減少 45.8% (36.1%)
  • 血小板減少 35.4% (14.0%)
  • 白血球減少 18.1% (12.4%)
  • 疲労 53.7% (16.6%)
  • 悪心 49.2% (4.0%)
  • 下痢 37.1% (5.7%)
  • 嘔吐 31.6% (4.5%)
  • 発熱 29.0% (1.9%)
  • 食欲減退 27.3% (3.1%)
  • 便秘 11.9% (0.7%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 50.1% (1.4%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 48.9% (15.7%)

特徴と注意点

有害事象について

投与初期は血液毒性、 非血液毒性ともに軽微であることが多いが、 治療継続に伴い、 脱毛、 末梢感覚性/運動性ニューロパチー、 疲労、 倦怠感、 末梢浮腫、 爪変形などが現れることがある。これらの有害事象は主にナブパクリタキセルに伴うものであり、 重篤性に合わせて、 ナブパクリタキセルの減量、 休薬を検討する。

ガイドラインでの扱い

膵癌診療ガイドライン2022年版において、 遠隔転移を有する膵癌に対してFOLFIRINOX療法と並んで推奨されているレジメンである。 本レジメンは、 76歳以上の高齢者やPS2の患者への適用も可能であるが、 年齢やPS以外にも併存症などを加味して、 適用を判断する。

排泄方法

ナブパクリタキセルは胆汁排泄性であるため、 胆道閉塞、 Bil高値例では投与を避ける。

関連する臨床試験

CA046試験:MPACT試験¹⁾²⁾

前治療のない転移性膵癌患者861例を対象とし、 アブラキサン+ゲムシタビン併用療法 (アブラキサン併用群) とゲムシタビン単独療法について有効性、 安全性を比較するための多施設共同無作為化非盲検比較試験。 主要評価項目は全生存期間 (OS) 、 副次評価項目は安全性、 無増悪生存期間 (PFS) 、 全奏効率(ORR) 、 病勢コントロール率 (DCR) 、 治療成功期間 (TTF) 等とされた。

N Engl J Med. 2013 Oct 31;369(18):1691-703. 

ClinicalTrials.gov. February 16, 2009

参考文献

  1. Increased survival in pancreatic cancer with nab-paclitaxel plus gemcitabine. N Engl J Med. 2013 Oct 31;369(18):1691-703. PMID: 24131140
  2. Phase III Study of ABI-007(Albumin-bound Paclitaxel) Plus Gemcitabine Versus Gemcitabine in Metastatic Adenocarcinoma of the Pancreas. ClinicalTrials.gov. February 16, 2009
最終更新日:2023年7月7日
執筆医:神奈川県立がんセンター 消化器内科  小林 智先生
監修医:神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

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