JAVELIN Merkel 200試験³⁻⁵⁾のプロトコル
10mg/kgを2週間間隔、 1時間以上かけ点滴静注
JAVELIN Merkel 200試験³⁻⁵⁾のプロトコル
電子添文¹⁾の基準
主な有害事象 (カッコ内はGrade3)
メルケル細胞癌の薬物療法は従来、 同じ神経内分泌腫瘍である小細胞肺癌に準じて殺細胞性抗がん薬が使用されてきた。 直接比較した臨床試験は無いものの、 第II相臨床試験の結果をもって承認されたアベルマブが1次治療となっている。
なお、 アベルマブはヒト型抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体であり、 免疫チェックポイント阻害薬に分類される。 自己免疫性疾患などの既往や合併症がある患者には慎重に適応を判断する必要がある。
アベルマブ1回10mg/kgを2週間間隔で1時間以上かけて点滴静注する。 副作用発現時には、 副作用の内容、 CTCAEの重症度に応じて休薬や中止を検討する。
内分泌系の副作用ではホルモンの補充を行いながら継続することも可能であるが、 他の副作用ではGrade2以上の場合は休薬や中止が必要である。 原則、 減量は行わない。 休薬や中止、 再開の判断は適正使用ガイドなどを参考にするが、 他の免疫チェックポイント阻害薬と同様の対応が必要である。
アベルマブ投与によりアナフィラキシー、 発熱、 悪寒、 呼吸困難などのinfusionreactionが現れることがあり、 投与時には緊急対応ができる準備を整える必要がある。 初回投与時に多く見られ、 投与回数が増えると発現例数は減少する。 症状を軽減させるために初回から4回投与までは抗ヒスタミン剤、 解熱鎮痛剤などの前投薬が推奨されている。 Grade1程度で治療中断を要さない場合は投与速度を50%に落として慎重に経過観察するが、 Grade2以上の場合は中断して治療を行い、 症状に応じて再開を検討する。
国際共同第II相非盲検試験のJAVELIN Merkel 200試験³⁻⁵⁾はパートAで化学療法既治療の88症例、 パートBで未治療の116例が登録された。 パートAでは奏効率33.0%、 OS中央値12.6ヵ月、 5年OS 26%、 パートBでは奏効率39.7%、 OS中央値20.3ヵ月であった。 治療関連による死亡の報告は無く、 重篤な有害事象の発現割合はパートAで6%、 パートBで14.7%であった。 免疫関連有害事象に加え、 本薬剤で特徴的な副作用にinfusionreactionがあり、 パートAで17%、 パートBで29.3%に見られた。
最終更新日 : 2024年7月29日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
JAVELIN Merkel 200試験³⁻⁵⁾のプロトコル
10mg/kgを2週間間隔、 1時間以上かけ点滴静注
JAVELIN Merkel 200試験³⁻⁵⁾のプロトコル
電子添文¹⁾の基準
主な有害事象 (カッコ内はGrade3)
メルケル細胞癌の薬物療法は従来、 同じ神経内分泌腫瘍である小細胞肺癌に準じて殺細胞性抗がん薬が使用されてきた。 直接比較した臨床試験は無いものの、 第II相臨床試験の結果をもって承認されたアベルマブが1次治療となっている。
なお、 アベルマブはヒト型抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体であり、 免疫チェックポイント阻害薬に分類される。 自己免疫性疾患などの既往や合併症がある患者には慎重に適応を判断する必要がある。
アベルマブ1回10mg/kgを2週間間隔で1時間以上かけて点滴静注する。 副作用発現時には、 副作用の内容、 CTCAEの重症度に応じて休薬や中止を検討する。
内分泌系の副作用ではホルモンの補充を行いながら継続することも可能であるが、 他の副作用ではGrade2以上の場合は休薬や中止が必要である。 原則、 減量は行わない。 休薬や中止、 再開の判断は適正使用ガイドなどを参考にするが、 他の免疫チェックポイント阻害薬と同様の対応が必要である。
アベルマブ投与によりアナフィラキシー、 発熱、 悪寒、 呼吸困難などのinfusionreactionが現れることがあり、 投与時には緊急対応ができる準備を整える必要がある。 初回投与時に多く見られ、 投与回数が増えると発現例数は減少する。 症状を軽減させるために初回から4回投与までは抗ヒスタミン剤、 解熱鎮痛剤などの前投薬が推奨されている。 Grade1程度で治療中断を要さない場合は投与速度を50%に落として慎重に経過観察するが、 Grade2以上の場合は中断して治療を行い、 症状に応じて再開を検討する。
国際共同第II相非盲検試験のJAVELIN Merkel 200試験³⁻⁵⁾はパートAで化学療法既治療の88症例、 パートBで未治療の116例が登録された。 パートAでは奏効率33.0%、 OS中央値12.6ヵ月、 5年OS 26%、 パートBでは奏効率39.7%、 OS中央値20.3ヵ月であった。 治療関連による死亡の報告は無く、 重篤な有害事象の発現割合はパートAで6%、 パートBで14.7%であった。 免疫関連有害事象に加え、 本薬剤で特徴的な副作用にinfusionreactionがあり、 パートAで17%、 パートBで29.3%に見られた。
最終更新日 : 2024年7月29日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
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