治療スケジュール
概要
監修医師

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~Day 1、4、8、11

RIT:リツキシマブ(リツキサン®)

投与量コース投与日
375mg/m² 点滴静注1~Day 1

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
750mg/m² 点滴静注1~Day 1

ADM:アドリアマイシン(ドキソルビシン)(アドリアシン®)

投与量コース投与日
50mg/m² 点滴静注1~Day 1

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
100mg/body 経口or点滴静注1~Day 1~5

前投薬

RIT投与前:解熱鎮痛薬・抗ヒスタミン薬.
CPA、 ADM投与前:5-HT3受容体拮抗薬.

その他

1コースは21日間.
原則、 最大6コースまで.
6コース目に初めて奏効が得られた場合8コースまで.
レジメン
VR-CAP
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.
*適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

LYM-3002試験 ¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (88%、 ≧Grade3 85%).
  • 血小板減少症 (72%、 ≧Grade3 57%).
  • 貧血 (51%、 ≧Grade3 15%).
  • 白血球減少症 (50%、 ≧Grade3 44%).
  • リンパ球減少症 (31%、 ≧Grade3 28%).
  • 発熱性好中球減少症 (17%、 ≧Grade3 15%).

主な有害事象

  • 下痢 (30%、 ≧Grade3 5%).
  • 便秘 (25%、 ≧Grade3 1%).
  • 嘔気 (25%、 ≧Grade3 1%).
  • 感染症 (60%、 ≧Grade3 21%).
  • 肺炎 (12%、 ≧Grade3 7%).
  • 末梢神経障害 (30%、 ≧Grade3 8%).
  • 末梢感覚ニューロパチー (22%、 ≧Grade3 5%).
  • 発熱 (29%、 ≧Grade3 3%).
  • 疲労・倦怠感 (23%、 ≧Grade3 6%).
  • 咳 (20%、 ≧Grade3 1%).
  • 食欲減退 (19%、 ≧Grade3 1%).
  • 無力症 (16%、 ≧Grade3 3%).
  • 末梢性浮腫 (15%、 ≧Grade3 1%).

3. 特徴と注意点

  • R-CHOPのビンクリスチンをボルテゾミブに置換したレジメン.
  • 66歳以上あるいは強化型化学療法の適用が困難な場合に推奨される.
  • 2015年の発表ではPFSが有意に延長したがOSには有意差がなかった.
  • 2018年に発表された長期フォローアップ試験でOSも有意差が示された.
  • R-CHOP療法後にはリツキシマブ維持療法が推奨されているが、 VR-CAP療法におけるエビデンスはない.

副作用と対策

ボルテゾミブ

  • 末梢神経障害に注意が必要.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.
  • CYP3A4関連の相互作用に注意.

リツキシマブ

  • 感染症予防にST合剤、抗真菌薬等の予防投与を推奨.
  • Infusion reactionに注意し、段階的に投与速度を上げる.

シクロホスファミド

  • 水分摂取励行・利尿により出血性膀胱炎のリスクを軽減する.

アドリアマイシン

  • 非可逆的な心毒性があり、 累積投与量は500mg/m²が上限.

4. 関連する臨床試験の結果

MCL:マントル細胞リンパ腫、 PFS:無増悪生存期間、 ORR:全奏効率、 CR:完全奏効、 TTR:奏効までの期間、 TTP:無増悪期間、 OS:全生存期間

LYM-3002試験 ¹⁾ 

概要

  • 国際共同ランダム化第3相試験(オープンラベル)
  • 対象:移植非適応の初発MCL患者487例
  • 介入群:VR-CAP療法
  • 対照群:R-CHOP療法
  • 主要評価項目:PFS
  • 副次評価項目:ORR、 CR率、 TTR、 TTP、 OS、 安全性

結果

  • PFS中央値:VR-CAP群 24.7ヵ月 vs R-CHOP群 14.4ヵ月 (p<0.001).
N Engl J Med. 2015 Mar 5;372(10):944-53.より引用
  • VR-CAP群ではR-CHOP群に比べ好中球減少症や血小板減少症等の血液毒性が多かった.

LYM-3002試験(長期フォローアップ) ²⁾  

  • OS中央値:VR-CAP群 90.7ヵ月 vs R-CHOP群 55.7ヵ月 (p=0.001).
Lancet Oncol. 2018 Nov;19(11):1449-1458.より引用

参考文献

  1. N Engl J Med. 2015 Mar 5;372(10):944-53.
  2. Lancet Oncol. 2018 Nov;19(11):1449-1458.

最終更新:2022年8月30日
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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ボルテゾミブ、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン
2023年06月06日更新

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~Day 1、4、8、11

RIT:リツキシマブ(リツキサン®)

投与量コース投与日
375mg/m² 点滴静注1~Day 1

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
750mg/m² 点滴静注1~Day 1

ADM:アドリアマイシン(ドキソルビシン)(アドリアシン®)

投与量コース投与日
50mg/m² 点滴静注1~Day 1

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
100mg/body 経口or点滴静注1~Day 1~5

前投薬

RIT投与前:解熱鎮痛薬・抗ヒスタミン薬.
CPA、 ADM投与前:5-HT3受容体拮抗薬.

その他

1コースは21日間.
原則、 最大6コースまで.
6コース目に初めて奏効が得られた場合8コースまで.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

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主な有害事象

LYM-3002試験 ¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (88%、 ≧Grade3 85%).
  • 血小板減少症 (72%、 ≧Grade3 57%).
  • 貧血 (51%、 ≧Grade3 15%).
  • 白血球減少症 (50%、 ≧Grade3 44%).
  • リンパ球減少症 (31%、 ≧Grade3 28%).
  • 発熱性好中球減少症 (17%、 ≧Grade3 15%).

主な有害事象

  • 下痢 (30%、 ≧Grade3 5%).
  • 便秘 (25%、 ≧Grade3 1%).
  • 嘔気 (25%、 ≧Grade3 1%).
  • 感染症 (60%、 ≧Grade3 21%).
  • 肺炎 (12%、 ≧Grade3 7%).
  • 末梢神経障害 (30%、 ≧Grade3 8%).
  • 末梢感覚ニューロパチー (22%、 ≧Grade3 5%).
  • 発熱 (29%、 ≧Grade3 3%).
  • 疲労・倦怠感 (23%、 ≧Grade3 6%).
  • 咳 (20%、 ≧Grade3 1%).
  • 食欲減退 (19%、 ≧Grade3 1%).
  • 無力症 (16%、 ≧Grade3 3%).
  • 末梢性浮腫 (15%、 ≧Grade3 1%).

3. 特徴と注意点

  • R-CHOPのビンクリスチンをボルテゾミブに置換したレジメン.
  • 66歳以上あるいは強化型化学療法の適用が困難な場合に推奨される.
  • 2015年の発表ではPFSが有意に延長したがOSには有意差がなかった.
  • 2018年に発表された長期フォローアップ試験でOSも有意差が示された.
  • R-CHOP療法後にはリツキシマブ維持療法が推奨されているが、 VR-CAP療法におけるエビデンスはない.

副作用と対策

ボルテゾミブ

  • 末梢神経障害に注意が必要.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.
  • CYP3A4関連の相互作用に注意.

リツキシマブ

  • 感染症予防にST合剤、抗真菌薬等の予防投与を推奨.
  • Infusion reactionに注意し、段階的に投与速度を上げる.

シクロホスファミド

  • 水分摂取励行・利尿により出血性膀胱炎のリスクを軽減する.

アドリアマイシン

  • 非可逆的な心毒性があり、 累積投与量は500mg/m²が上限.

4. 関連する臨床試験の結果

MCL:マントル細胞リンパ腫、 PFS:無増悪生存期間、 ORR:全奏効率、 CR:完全奏効、 TTR:奏効までの期間、 TTP:無増悪期間、 OS:全生存期間

LYM-3002試験 ¹⁾ 

概要

  • 国際共同ランダム化第3相試験(オープンラベル)
  • 対象:移植非適応の初発MCL患者487例
  • 介入群:VR-CAP療法
  • 対照群:R-CHOP療法
  • 主要評価項目:PFS
  • 副次評価項目:ORR、 CR率、 TTR、 TTP、 OS、 安全性

結果

  • PFS中央値:VR-CAP群 24.7ヵ月 vs R-CHOP群 14.4ヵ月 (p<0.001).
N Engl J Med. 2015 Mar 5;372(10):944-53.より引用
  • VR-CAP群ではR-CHOP群に比べ好中球減少症や血小板減少症等の血液毒性が多かった.

LYM-3002試験(長期フォローアップ) ²⁾  

  • OS中央値:VR-CAP群 90.7ヵ月 vs R-CHOP群 55.7ヵ月 (p=0.001).
Lancet Oncol. 2018 Nov;19(11):1449-1458.より引用

参考文献

  1. N Engl J Med. 2015 Mar 5;372(10):944-53.
  2. Lancet Oncol. 2018 Nov;19(11):1449-1458.

最終更新:2022年8月30日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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