治療スケジュール
概要
監修医師

ELO:エロツズマブ(エムプリシティ®)

投与量コース投与日
10mg/kg1、2Day 1、8、15、22
10mg/kg3~Day 1、15

LEN:レナリドミド(レブラミド®)

投与量コース投与日
25mg/body 経口1~Day 1~21

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
28mg/body 経口1、2Day 1、8、15、22
28mg/body 経口3~Day 1、15
40mg/body 経口3~Day 8、22

前投薬

抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン.
ELO投与の45分前までにDEX6.6mgを静脈内投与.

その他

1コースは28日間.
年齢>75歳のときDEX 28mgは8mgへ、 DEX 40㎎は20㎎へ減量.
レジメン
ERd(ELd)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

CA204004試験 (ELOQUENT-2試験)¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (≧Grade3 22.6%)
  • リンパ球減少 (≧Grade3 16.1%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (72.3%、 ≧Grade3 8.5%)
  • 感染症 (81.4%、 ≧Grade3 30.5%)

その他重要な有害事象

  • 間質性肺疾患 (12.9%、 ≧Grade3 3.2%)
  • 二次性悪性腫瘍 (10.1%、 ≧Grade3 6.3%)
  • 白内障 (12.3%、 ≧Grade3 6.6%)

特徴と注意点

  • ヘルペスウイルス感染症の易感染状態となるため抗ウイルス薬の予防投与を考慮.

エロツズマブ(Elotuzumab:ELO)

  • ELOはsignaling lymphoytic activation molecule F7 (SLAMF7:別名CS1)に結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体.
  • SLAMF7は骨髄腫細胞やNK細胞に高発現している.
  • 抗骨髄腫効果だけでなく、 NK細胞を直接活性化したり可溶性SLAMF7を中和する作用機序も報告されている.²⁾³⁾
  • 0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いて投与.
  • ヒト化IgGκモノクローナル抗体のため、 血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の両方で検出される可能性あり.

レナリドミド(Lenalidomide:LEN)

*適正管理手順は「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.
  • 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
  • その他LENに関する詳細はLd療法の項目を参照.

その他の注意点

  • ヘルペスウイルス感染症予防に抗ウイルス薬の投与を考慮.

関連する臨床試験の結果

CA204004試験(ELOQUENT-2試験)¹⁾

概要

  • 再発又は難治性多発性骨髄腫に対する国際共同第3相試験.
  • 再発・難治性多発性骨髄腫へのレナリドミド+デキサメタゾン療法に対するエロツズマブの上乗せ効果を評価 (追跡期間 5ヵ月).

結果

  • 無増悪生存率:1年: ELd群 68% vs Ld群 57%、 2年: ELd群 41% vs Ld群 27% (HR 0.70、 95%CI 0.57-0.85、 p<0.001).
  • 全奏効率: ELd群 79% vs Ld群 66% (p<0.001).
  • 完全寛解率 (sCR+CR): ELd群 4% vs Ld群 7%.

参考文献

  1. N Engl J Med. 2015 Aug 13;373(7):621-31.
  2. Blood Lymphat Cancer. 2014 Jun;2014(4):15-27.
  3. Leukemia. 2020 Jan;34(1):180-195.

最終更新:2023年5月7日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
ERd(ELd)
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
ERd(ELd)
レジメン
ERd(ELd)

ERd(ELd)

エロツズマブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
2023年05月07日更新

ELO:エロツズマブ(エムプリシティ®)

投与量コース投与日
10mg/kg1、2Day 1、8、15、22
10mg/kg3~Day 1、15

LEN:レナリドミド(レブラミド®)

投与量コース投与日
25mg/body 経口1~Day 1~21

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
28mg/body 経口1、2Day 1、8、15、22
28mg/body 経口3~Day 1、15
40mg/body 経口3~Day 8、22

前投薬

抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン.
ELO投与の45分前までにDEX6.6mgを静脈内投与.

その他

1コースは28日間.
年齢>75歳のときDEX 28mgは8mgへ、 DEX 40㎎は20㎎へ減量.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

CA204004試験 (ELOQUENT-2試験)¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (≧Grade3 22.6%)
  • リンパ球減少 (≧Grade3 16.1%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (72.3%、 ≧Grade3 8.5%)
  • 感染症 (81.4%、 ≧Grade3 30.5%)

その他重要な有害事象

  • 間質性肺疾患 (12.9%、 ≧Grade3 3.2%)
  • 二次性悪性腫瘍 (10.1%、 ≧Grade3 6.3%)
  • 白内障 (12.3%、 ≧Grade3 6.6%)

特徴と注意点

  • ヘルペスウイルス感染症の易感染状態となるため抗ウイルス薬の予防投与を考慮.

エロツズマブ(Elotuzumab:ELO)

  • ELOはsignaling lymphoytic activation molecule F7 (SLAMF7:別名CS1)に結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体.
  • SLAMF7は骨髄腫細胞やNK細胞に高発現している.
  • 抗骨髄腫効果だけでなく、 NK細胞を直接活性化したり可溶性SLAMF7を中和する作用機序も報告されている.²⁾³⁾
  • 0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いて投与.
  • ヒト化IgGκモノクローナル抗体のため、 血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の両方で検出される可能性あり.

レナリドミド(Lenalidomide:LEN)

*適正管理手順は「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.
  • 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
  • その他LENに関する詳細はLd療法の項目を参照.

その他の注意点

  • ヘルペスウイルス感染症予防に抗ウイルス薬の投与を考慮.

関連する臨床試験の結果

CA204004試験(ELOQUENT-2試験)¹⁾

概要

  • 再発又は難治性多発性骨髄腫に対する国際共同第3相試験.
  • 再発・難治性多発性骨髄腫へのレナリドミド+デキサメタゾン療法に対するエロツズマブの上乗せ効果を評価 (追跡期間 5ヵ月).

結果

  • 無増悪生存率:1年: ELd群 68% vs Ld群 57%、 2年: ELd群 41% vs Ld群 27% (HR 0.70、 95%CI 0.57-0.85、 p<0.001).
  • 全奏効率: ELd群 79% vs Ld群 66% (p<0.001).
  • 完全寛解率 (sCR+CR): ELd群 4% vs Ld群 7%.

参考文献

  1. N Engl J Med. 2015 Aug 13;373(7):621-31.
  2. Blood Lymphat Cancer. 2014 Jun;2014(4):15-27.
  3. Leukemia. 2020 Jan;34(1):180-195.

最終更新:2023年5月7日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。