治療スケジュール
概要
監修医師

DARA-SC:ダラツムマブ(ダラキューロ®)

投与量コース投与日
1800㎎/body 皮下注1~3Day 1、8、15
1800㎎/body 皮下注4~Day 1

DARA-IV:ダラツムマブ(ダラザレックス®)

投与量コース投与日
16mg/kg 点滴静注1~3Day 1、8、15
16mg/kg 点滴静注4~Day 1

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~8Day 1、4、8、11

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
20mg/body*1~8Day 1、2、4、5、8、9、11、12
20mg/body*1~8Day 15*
20mg/body*9~Day 1*
*経口又は点滴静注 *医師の判断

前投薬

ダラムツズマブ投与開始1~3時間前に、 抗ヒスタミン薬と解熱鎮痛薬

その他

1~8コース目は1コースは21日間.
9コース目からは1コース28日間.
1~8コース目Day15と、9コース以降Day1は医師の判断で実施.
DARAはダラキューロ®配合皮下注かダラザレックス®点滴静注のどちらかを選択.
ダラキューロ®を投与する場合は1800mg/bodyを3~5分かけて臍周囲の腹部皮下へ投与
ダラザレックス®を投与する場合は添付文書記載の希釈後の総量と投与速度の規定に従う.
ダラザレックス®の用量は16mg/kg.
原法では、 ダラザレックス®投与日のDEXは点滴静注と経口合わせて計20mgで、 ダラザレックス®非投与日のDEXは20mg 経口.
レジメン
DBd(DVd)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

MMY3004 (CASTOR) 試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (17.7%、 ≧Grade3 12.8%)
  • 発熱性好中球減少症 (1.6%、 ≧Grade3 1.6%)
  • リンパ球減少 (13.2%、 ≧Grade3 9.5%)
  • 血小板球減少 (58.8%、 ≧Grade3 45.2%)

主な有害事象

  • 感染症 (67.5%、 ≧Grade3 21.4%)
  • Infusion reaction (64.2%、 ≧Grade3 11.9%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー (47.3%、 ≧Grade3 4.5%)
  • 下痢 (31.7%、 ≧Grade3 3.7%)
  • 咳嗽 (23.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 疲労・倦怠感 (21.4%、 ≧Grade3 4.5%)
  • 便秘 (19.8%、 ≧Grade3 0%)
  • 不眠症 (16.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 末梢性浮腫 (16.5%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 発熱 (15.6%、 ≧Grade3 1.2%)
  • 悪心 (14.0%、 ≧Grade3 0%)
  • 肺炎 (11.9%、 ≧Grade3 8.2%)
  • 嘔吐 (10.7%、 ≧Grade3 0%)

その他重要な有害事象

  • 帯状疱疹 (5.3%、 ≧Grade3 1.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.4%、 ≧Grade3 0.4%)

特徴と注意点

  • Bd療法にダラツムマブを上乗せしており、 Bd療法より深い奏効が期待できる.
  • MMY3004試験はプロテアソーム阻害剤抵抗性の患者が除外されている試験である点に注意.
  • infusion reactionに注意と適切な対処が必要.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.
  • ダラツムマブによる間接クームス試験への干渉あり.

関連する臨床試験の結果

MMY3004 (CASTOR) 試験¹⁾

概要

  • 対象:再発または難治性の多発性骨髄腫患者498人
  • 介入群:ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン (DBd)
  • 対照群:ボルテゾミブ+デキサメタゾン (Bd)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間
  • 副次評価項目:全奏効率、 VGPR率

結果

  • 無増悪生存期間中央値:DBd群 未到達 vs Bd群 7.2ヵ月 (HR0.39、 95%CI 0.28-0.53、 p<0.001)
  • 全奏効率:DBd群 83% vs Bd群 63% (p<0.001)
  • VGPR率:DBd群 59% vs Bd群 29% (p<0.001)
  • CR率:DBd群19% vs Bd群9% (p=0.001)
  • 有害事象:上記参照

参考文献

  1. N Engl J Med. 2016 Aug 25;375(8):754-66.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
2023年05月07日更新

DARA-SC:ダラツムマブ(ダラキューロ®)

投与量コース投与日
1800㎎/body 皮下注1~3Day 1、8、15
1800㎎/body 皮下注4~Day 1

DARA-IV:ダラツムマブ(ダラザレックス®)

投与量コース投与日
16mg/kg 点滴静注1~3Day 1、8、15
16mg/kg 点滴静注4~Day 1

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~8Day 1、4、8、11

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
20mg/body*1~8Day 1、2、4、5、8、9、11、12
20mg/body*1~8Day 15*
20mg/body*9~Day 1*
*経口又は点滴静注 *医師の判断

前投薬

ダラムツズマブ投与開始1~3時間前に、 抗ヒスタミン薬と解熱鎮痛薬

その他

1~8コース目は1コースは21日間.
9コース目からは1コース28日間.
1~8コース目Day15と、9コース以降Day1は医師の判断で実施.
DARAはダラキューロ®配合皮下注かダラザレックス®点滴静注のどちらかを選択.
ダラキューロ®を投与する場合は1800mg/bodyを3~5分かけて臍周囲の腹部皮下へ投与
ダラザレックス®を投与する場合は添付文書記載の希釈後の総量と投与速度の規定に従う.
ダラザレックス®の用量は16mg/kg.
原法では、 ダラザレックス®投与日のDEXは点滴静注と経口合わせて計20mgで、 ダラザレックス®非投与日のDEXは20mg 経口.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

MMY3004 (CASTOR) 試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (17.7%、 ≧Grade3 12.8%)
  • 発熱性好中球減少症 (1.6%、 ≧Grade3 1.6%)
  • リンパ球減少 (13.2%、 ≧Grade3 9.5%)
  • 血小板球減少 (58.8%、 ≧Grade3 45.2%)

主な有害事象

  • 感染症 (67.5%、 ≧Grade3 21.4%)
  • Infusion reaction (64.2%、 ≧Grade3 11.9%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー (47.3%、 ≧Grade3 4.5%)
  • 下痢 (31.7%、 ≧Grade3 3.7%)
  • 咳嗽 (23.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 疲労・倦怠感 (21.4%、 ≧Grade3 4.5%)
  • 便秘 (19.8%、 ≧Grade3 0%)
  • 不眠症 (16.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 末梢性浮腫 (16.5%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 発熱 (15.6%、 ≧Grade3 1.2%)
  • 悪心 (14.0%、 ≧Grade3 0%)
  • 肺炎 (11.9%、 ≧Grade3 8.2%)
  • 嘔吐 (10.7%、 ≧Grade3 0%)

その他重要な有害事象

  • 帯状疱疹 (5.3%、 ≧Grade3 1.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.4%、 ≧Grade3 0.4%)

特徴と注意点

  • Bd療法にダラツムマブを上乗せしており、 Bd療法より深い奏効が期待できる.
  • MMY3004試験はプロテアソーム阻害剤抵抗性の患者が除外されている試験である点に注意.
  • infusion reactionに注意と適切な対処が必要.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.
  • ダラツムマブによる間接クームス試験への干渉あり.

関連する臨床試験の結果

MMY3004 (CASTOR) 試験¹⁾

概要

  • 対象:再発または難治性の多発性骨髄腫患者498人
  • 介入群:ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン (DBd)
  • 対照群:ボルテゾミブ+デキサメタゾン (Bd)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間
  • 副次評価項目:全奏効率、 VGPR率

結果

  • 無増悪生存期間中央値:DBd群 未到達 vs Bd群 7.2ヵ月 (HR0.39、 95%CI 0.28-0.53、 p<0.001)
  • 全奏効率:DBd群 83% vs Bd群 63% (p<0.001)
  • VGPR率:DBd群 59% vs Bd群 29% (p<0.001)
  • CR率:DBd群19% vs Bd群9% (p=0.001)
  • 有害事象:上記参照

参考文献

  1. N Engl J Med. 2016 Aug 25;375(8):754-66.

最終更新:2023年5月7日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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