監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
通常14mg/m²を28日サイクルの1、8、15日目に4時間かけて静脈内投与される。
有害事象が発現した場合、 治療を中断し、 回復後に再開するが、 有害事象の重症度や種類によって同量で再開しても良い場合と、 用量を10 mg/m²に減量して再開する場合があり、 詳細は添付文書を確認されたい。 特に骨髄抑制やQT間隔延長が発生した場合は慎重なモニタリングが必要である。
難治性の皮膚T細胞リンパ腫、 特に進行期の菌状息肉症やセザリー症候群において使用される。 全身治療としては3次治療以降に使用される。 同じHDAC阻害剤であるボリノスタットとは投与方法が異なる。 ボリノスタットが内服であるのに対し、 ロミデプシンは点滴による投与である。 なお、 米国では2009年に皮膚T細胞リンパ腫を適応症として承認されているが、 本邦におけるロミデプシンの保険適応は、 再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫である¹⁾。
海外では皮膚T細胞リンパ腫に対する臨床試験として、 2本の論文報告があるが、 いずれも臨床試験名はない。 米国で2種類以上の全身療法に抵抗性の菌状息肉症/セザリー症候群を対象とした第2相試験³⁾では、 奏効率34%、 完全奏効率6%、 奏功持続期間中央値13.7か月であった。
欧米の8か国で行われた1種類以上の全身療法に抵抗性の菌状息肉症/セザリー症候群を対象とした第2相試験⁴⁾でも奏効率は34%、 完全奏効率は6%であった。 奏効までの期間中央値は2ヵ月で奏効持続期間中央値は15ヵ月であった。 また、 この試験では皮膚以外に対する効果も確認されており、 血液浸潤がある37例の患者のうち12例 (32%) が奏功し、 そのうち2例は完全奏功を達成している。 リンパ節病変に関しては37例のうち13例 (35%) で縮小が確認されている。 主な副作用としては悪心・嘔吐などの消化器症状、 無力症、 好中球減少、 血小板減少、 心電図異常が報告されている。
本邦では第1層試験⁵⁾において2例の皮膚T細胞リンパ腫が含まれているが、 末梢性T細胞リンパ腫を主な対象とした臨床試験であり、 皮膚T細胞リンパ腫に関する詳細なデータはない。
本邦での適応に皮膚T細胞リンパ腫が含まれていないこともあり、 ロミデプシンの皮膚T細胞リンパ腫に対する有効性や副作用に関するデータは海外のものに限られことから、 本剤の使用に当たって慎重な判断が求められる。 本剤の投与により、 QT延長などの心電図異常があらわれることがあるので、 投与前後の心電図検査や電解質検査 (K、 Mg、 Ca) が必須である。
1) ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社. イストダックス®電子添文 (2022年07月改訂第2版) [最終閲覧 : 2025/1/7]
2) ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社. イストダックス®適正使用ガイド (2022年07月作成) [最終閲覧 : 2025/1/7]
最終更新日 : 2025年1月7日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
通常14mg/m²を28日サイクルの1、8、15日目に4時間かけて静脈内投与される。
有害事象が発現した場合、 治療を中断し、 回復後に再開するが、 有害事象の重症度や種類によって同量で再開しても良い場合と、 用量を10 mg/m²に減量して再開する場合があり、 詳細は添付文書を確認されたい。 特に骨髄抑制やQT間隔延長が発生した場合は慎重なモニタリングが必要である。
難治性の皮膚T細胞リンパ腫、 特に進行期の菌状息肉症やセザリー症候群において使用される。 全身治療としては3次治療以降に使用される。 同じHDAC阻害剤であるボリノスタットとは投与方法が異なる。 ボリノスタットが内服であるのに対し、 ロミデプシンは点滴による投与である。 なお、 米国では2009年に皮膚T細胞リンパ腫を適応症として承認されているが、 本邦におけるロミデプシンの保険適応は、 再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫である¹⁾。
海外では皮膚T細胞リンパ腫に対する臨床試験として、 2本の論文報告があるが、 いずれも臨床試験名はない。 米国で2種類以上の全身療法に抵抗性の菌状息肉症/セザリー症候群を対象とした第2相試験³⁾では、 奏効率34%、 完全奏効率6%、 奏功持続期間中央値13.7か月であった。
欧米の8か国で行われた1種類以上の全身療法に抵抗性の菌状息肉症/セザリー症候群を対象とした第2相試験⁴⁾でも奏効率は34%、 完全奏効率は6%であった。 奏効までの期間中央値は2ヵ月で奏効持続期間中央値は15ヵ月であった。 また、 この試験では皮膚以外に対する効果も確認されており、 血液浸潤がある37例の患者のうち12例 (32%) が奏功し、 そのうち2例は完全奏功を達成している。 リンパ節病変に関しては37例のうち13例 (35%) で縮小が確認されている。 主な副作用としては悪心・嘔吐などの消化器症状、 無力症、 好中球減少、 血小板減少、 心電図異常が報告されている。
本邦では第1層試験⁵⁾において2例の皮膚T細胞リンパ腫が含まれているが、 末梢性T細胞リンパ腫を主な対象とした臨床試験であり、 皮膚T細胞リンパ腫に関する詳細なデータはない。
本邦での適応に皮膚T細胞リンパ腫が含まれていないこともあり、 ロミデプシンの皮膚T細胞リンパ腫に対する有効性や副作用に関するデータは海外のものに限られことから、 本剤の使用に当たって慎重な判断が求められる。 本剤の投与により、 QT延長などの心電図異常があらわれることがあるので、 投与前後の心電図検査や電解質検査 (K、 Mg、 Ca) が必須である。
1) ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社. イストダックス®電子添文 (2022年07月改訂第2版) [最終閲覧 : 2025/1/7]
2) ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社. イストダックス®適正使用ガイド (2022年07月作成) [最終閲覧 : 2025/1/7]
最終更新日 : 2025年1月7日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。