治療スケジュール
概要
監修医師

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
100mg/m² 点滴静注1Day 1~3

CBDCA:カルボプラチン(パラプラチン®)

投与量コース投与日
AUC5 (最大800mg) 点滴静注1Day 2

IFM:イホスファミド(イホマイド®)

投与量コース投与日
5,000mg/m² 24hr持続点滴1Day 2

Mesna:メスナ(ウロミテキサン®)

投与量コース投与日
5,000mg/m² 24hr持続点滴<IFM内に混注>1Day 2

前投薬

Day 1~3:5-HT3受容体拮抗薬.
RIT併用時:解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬.
NK1受容体拮抗薬を使用の場合、 イホスファミドによる神経毒性リスクに注意.

その他

1コースは21日間.
CD20陽性の場合、 Day0かDay1にRIT 375mg/m²投与を考慮.
CBDCAは目標AUC5とし、 カルバート式を用いて計算 (最大800mg).
本法には投与量、 投与日数の違いによる変法あり (詳細は概要欄を参照).
出血性膀胱炎の予防目的にメスナを投与 (詳細は概要欄を参照).
レジメン
ICE
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28(27):4184-90より引用¹⁾。 詳細な有害事象頻度について記載なし。

骨髄抑制

  • 白血球減少
  • 貧血
  • 血小板減少

重大な有害事象

  • 発熱性好中球減少症を伴う感染症 (≧Grade3 17%)

その他

  • 腎障害 (≧Grade3 1%)

特徴と注意点

  • ICE療法は、 再発難治性DLBCLに対する救援治療の一つとされる.
  • 本法には変法の報告があり、 これは、 イホスファミドは用量と投与日数、 カルボプラチンは用量、 エトポシドは投与日数の違いによる. 投与スケジュールは投与施設や患者状態を考慮した上での選択が検討される.
  • 変法の一例²⁾ : IFM 1200mg/m² Day1-5 + CBDCA 400mg/m² Day1 + ETP 100mg/m² Day1-5.
  • CD20陽性の場合、 リツキシマブの併用を考慮する.
  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.

感染対策

  • 発熱性好中球減少症のリスク (年齢>65歳、 Alb≤3.5g/dL、 好中球数<1500/µl、 肝疾患合併) に応じてG-CSF製剤の1次予防投与を推奨.
  • ST合剤の予防内服を考慮.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • リツキシマブはinfusion reactionのリスクが高いため、 予防薬の投与を行い、 バイタルサインのモニタリングを行った上で段階的に投与速度をあげる.
  • イホスファミドは出血性膀胱炎リスクがあるため、 メスナ (ウロミテキサンⓇ) の使用、 尿量確保のため十分な輸液・水分補給 (目安 : 2,000~3,000mL/ m²/日)、 尿のアルカリ化を行う.
  • メスナは5,000mg/m²をイホスファミド点滴内に混注し24時間持続投与.
  • イホスファミドによる脳症が報告されており、 症状があった場合は直ちに投与を中止.

関連する臨床試験の結果

J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28(27):4184-90.¹⁾

概要

  • CD20陽性の進行性非ホジキンリンパ腫396人 (DLBCL97%) に対する第3相ランダム化比較試験.
  • R-ICE群とR-DHAP群について、 全奏効率 (CR+CRu+PR)、 OS、 EFS、 PFS、 毒性について比較.
CR : 完全奏効 CRu : 不確定完全奏効 PR : 部分奏効 OS : 全生存期間 EFS : 無イベント生存期間 PFS : 無増悪生存期間

結果

  • 追跡期間中央値27ヵ月.
  • 全奏効率 : R-ICE群63.5% (95%CI 56.8-70.7)、 R-DHAP群62.8% (95%CI 55.6-69.7).
  • 3年OS : 49% (95%CI 43-55)、 両群に有意差なし (p=0.4).
  • 3年EFS : 31% (95%CI 26-36)、両群に有意差なし (p=0.6).
  • 3年PFS : 37% (95%CI 31-42)、 両群に有意差なし (p=0.4).
  • 毒性 : Grade3以上の血液毒性、 非血液毒性ともにR-DHAP群でより重度の傾向があった.
  • 本試験により、 R-ICEのR-DHAPに対する非劣勢が証明され、 毒性についてはR-ICEで少ない傾向があった.
  • 診断後12か月以上経過した再発患者のEFS、 PFS、 OSに差はなかったが、 早期再発かつリツキシマブの前治療を受けた患者では奏効率が低く、 3年PFSは23%に留まっていた.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28(27):4184-90.
  2. Int J Hematol. 1998 Dec;68(4):431-7.

最終更新:2022年8月29日
執筆:牛久愛和総合病院薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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イホスファミド、 カルボプラチン、 エトポシド
2024年07月24日更新

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
100mg/m² 点滴静注1Day 1~3

CBDCA:カルボプラチン(パラプラチン®)

投与量コース投与日
AUC5 (最大800mg) 点滴静注1Day 2

IFM:イホスファミド(イホマイド®)

投与量コース投与日
5,000mg/m² 24hr持続点滴1Day 2

Mesna:メスナ(ウロミテキサン®)

投与量コース投与日
5,000mg/m² 24hr持続点滴<IFM内に混注>1Day 2

前投薬

Day 1~3:5-HT3受容体拮抗薬.
RIT併用時:解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬.
NK1受容体拮抗薬を使用の場合、 イホスファミドによる神経毒性リスクに注意.

その他

1コースは21日間.
CD20陽性の場合、 Day0かDay1にRIT 375mg/m²投与を考慮.
CBDCAは目標AUC5とし、 カルバート式を用いて計算 (最大800mg).
本法には投与量、 投与日数の違いによる変法あり (詳細は概要欄を参照).
出血性膀胱炎の予防目的にメスナを投与 (詳細は概要欄を参照).

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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主な有害事象

J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28(27):4184-90より引用¹⁾。 詳細な有害事象頻度について記載なし。

骨髄抑制

  • 白血球減少
  • 貧血
  • 血小板減少

重大な有害事象

  • 発熱性好中球減少症を伴う感染症 (≧Grade3 17%)

その他

  • 腎障害 (≧Grade3 1%)

特徴と注意点

  • ICE療法は、 再発難治性DLBCLに対する救援治療の一つとされる.
  • 本法には変法の報告があり、 これは、 イホスファミドは用量と投与日数、 カルボプラチンは用量、 エトポシドは投与日数の違いによる. 投与スケジュールは投与施設や患者状態を考慮した上での選択が検討される.
  • 変法の一例²⁾ : IFM 1200mg/m² Day1-5 + CBDCA 400mg/m² Day1 + ETP 100mg/m² Day1-5.
  • CD20陽性の場合、 リツキシマブの併用を考慮する.
  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.

感染対策

  • 発熱性好中球減少症のリスク (年齢>65歳、 Alb≤3.5g/dL、 好中球数<1500/µl、 肝疾患合併) に応じてG-CSF製剤の1次予防投与を推奨.
  • ST合剤の予防内服を考慮.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • リツキシマブはinfusion reactionのリスクが高いため、 予防薬の投与を行い、 バイタルサインのモニタリングを行った上で段階的に投与速度をあげる.
  • イホスファミドは出血性膀胱炎リスクがあるため、 メスナ (ウロミテキサンⓇ) の使用、 尿量確保のため十分な輸液・水分補給 (目安 : 2,000~3,000mL/ m²/日)、 尿のアルカリ化を行う.
  • メスナは5,000mg/m²をイホスファミド点滴内に混注し24時間持続投与.
  • イホスファミドによる脳症が報告されており、 症状があった場合は直ちに投与を中止.

関連する臨床試験の結果

J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28(27):4184-90.¹⁾

概要

  • CD20陽性の進行性非ホジキンリンパ腫396人 (DLBCL97%) に対する第3相ランダム化比較試験.
  • R-ICE群とR-DHAP群について、 全奏効率 (CR+CRu+PR)、 OS、 EFS、 PFS、 毒性について比較.
CR : 完全奏効 CRu : 不確定完全奏効 PR : 部分奏効 OS : 全生存期間 EFS : 無イベント生存期間 PFS : 無増悪生存期間

結果

  • 追跡期間中央値27ヵ月.
  • 全奏効率 : R-ICE群63.5% (95%CI 56.8-70.7)、 R-DHAP群62.8% (95%CI 55.6-69.7).
  • 3年OS : 49% (95%CI 43-55)、 両群に有意差なし (p=0.4).
  • 3年EFS : 31% (95%CI 26-36)、両群に有意差なし (p=0.6).
  • 3年PFS : 37% (95%CI 31-42)、 両群に有意差なし (p=0.4).
  • 毒性 : Grade3以上の血液毒性、 非血液毒性ともにR-DHAP群でより重度の傾向があった.
  • 本試験により、 R-ICEのR-DHAPに対する非劣勢が証明され、 毒性についてはR-ICEで少ない傾向があった.
  • 診断後12か月以上経過した再発患者のEFS、 PFS、 OSに差はなかったが、 早期再発かつリツキシマブの前治療を受けた患者では奏効率が低く、 3年PFSは23%に留まっていた.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28(27):4184-90.
  2. Int J Hematol. 1998 Dec;68(4):431-7.

最終更新:2022年8月29日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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