治療スケジュール
概要
監修医師

LEN:レナリドミド(レブラミド®)

投与量コース投与日
25mg/日 経口1~Day 1~

その他

1日1回内服.
“休薬せず” 連日内服.
多発性骨髄腫における内服方法と異なるため注意.
レジメン
Lenalidomide
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ATLL-002試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 65.3%)
  • 貧血 (≧Grade3 19.2%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 23.1%)
  • リンパ球減少症 (≧Grade3 38.5%)

主な有害事象

  • 肺炎 (15.4%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 上咽頭炎 (15.4%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 発疹 (23.1%、 ≧Grade3 7.7%)
  • 腫瘍フレア (11.5%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 末梢性神経障害 (15.4%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 不整脈 (34.6%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 腎不全 (19.2%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 肝障害 (73.1%、 ≧Grade3 11.5%)

その他重要な有害事象

  • 静脈血栓塞栓症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 動脈血栓塞栓症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)

特徴と注意点

  • レナリドミド (LEN) は免疫調節薬であり、 サイトカイン産生調節作用、 造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、 血管新生阻害作用等の薬理作用を持つと考えられている. 
  • レナリドミド使用時は 「RevMate® (レブラミド®・ポマリスト®適正管理手順)」を遵守. 妊娠回避を徹底.
*適正管理手順は「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.
  • 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
  • 血小板減少または好中球減少発現時の用量調節の目安.

LENの腎機能による投与量調整(成人T細胞白血病リンパ腫)

  • LENは腎機能 (CrCLやeGFR)により投与量を調整する.
  • 30≦CrCL<60mL/minの場合:LEN 10mgより開始し、 投与開始56日経過後忍容可能なら15mgへ増量検討.
  • 透析を行っておらずCrCl<30mL/minの場合:LEN 15mg/日を2日に1回.
  • 透析患者の場合:LEN 5mgを1日1回 (透析日は透析後に投与).

LENの減量基準

関連する臨床試験の結果

ATLL-002試験¹⁾

概要

  • 国内第2相多施設非盲検試験.
  • 対象は20歳以上の急性型、 リンパ腫型、 予後不良因子を有する慢性型で、 同種幹細胞移植を受けたことがなく、 既治療経験のある再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者26例. 
  • 観察期間中央値3.9ヵ月.
ORR:奏効率 CR/CRu:完全奏効 PD:部分奏効 SD:病勢安定 PD:病勢進行 PFS:無増悪生存期間 OS:全生存期間

結果

  • 《全患者26例》ORR:42% (95% CI 23%-63%)、 CR/CRu:19%、 PR:23%、 SD:31%、 PD:27%.
  • 《急性型15例》ORR:33%、 CR/CRu:20%、 PR:13%、 SD:40%、 PD:27%.
  • 《リンパ腫型7例》ORR:57%、 CR/CRu:29%、 PR:29%、 SD:0%、 PD:43%.
  • 《予後不良因子を有する慢性型4例》ORR:50%、 CR/CRu:0%、 PR:50%、 SD:50%、 PD:0%.
  • PFS中央値:3.8ヵ月 (95% CI 1.9-not estimable).
  • OS中央値:20.3ヵ月 (95% CI 9.1-not estimable).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2016 Dec;34(34):4086-4093.

最終更新:2022年8月29日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レナリドミド(レブラミド®)
2023年06月04日更新

LEN:レナリドミド(レブラミド®)

投与量コース投与日
25mg/日 経口1~Day 1~

その他

1日1回内服.
“休薬せず” 連日内服.
多発性骨髄腫における内服方法と異なるため注意.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ATLL-002試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 65.3%)
  • 貧血 (≧Grade3 19.2%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 23.1%)
  • リンパ球減少症 (≧Grade3 38.5%)

主な有害事象

  • 肺炎 (15.4%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 上咽頭炎 (15.4%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 発疹 (23.1%、 ≧Grade3 7.7%)
  • 腫瘍フレア (11.5%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 末梢性神経障害 (15.4%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 不整脈 (34.6%、 ≧Grade3 3.8%)
  • 腎不全 (19.2%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 肝障害 (73.1%、 ≧Grade3 11.5%)

その他重要な有害事象

  • 静脈血栓塞栓症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 動脈血栓塞栓症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)

特徴と注意点

  • レナリドミド (LEN) は免疫調節薬であり、 サイトカイン産生調節作用、 造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、 血管新生阻害作用等の薬理作用を持つと考えられている. 
  • レナリドミド使用時は 「RevMate® (レブラミド®・ポマリスト®適正管理手順)」を遵守. 妊娠回避を徹底.
*適正管理手順は「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.
  • 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
  • 血小板減少または好中球減少発現時の用量調節の目安.

LENの腎機能による投与量調整(成人T細胞白血病リンパ腫)

  • LENは腎機能 (CrCLやeGFR)により投与量を調整する.
  • 30≦CrCL<60mL/minの場合:LEN 10mgより開始し、 投与開始56日経過後忍容可能なら15mgへ増量検討.
  • 透析を行っておらずCrCl<30mL/minの場合:LEN 15mg/日を2日に1回.
  • 透析患者の場合:LEN 5mgを1日1回 (透析日は透析後に投与).

LENの減量基準

関連する臨床試験の結果

ATLL-002試験¹⁾

概要

  • 国内第2相多施設非盲検試験.
  • 対象は20歳以上の急性型、 リンパ腫型、 予後不良因子を有する慢性型で、 同種幹細胞移植を受けたことがなく、 既治療経験のある再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者26例. 
  • 観察期間中央値3.9ヵ月.
ORR:奏効率 CR/CRu:完全奏効 PD:部分奏効 SD:病勢安定 PD:病勢進行 PFS:無増悪生存期間 OS:全生存期間

結果

  • 《全患者26例》ORR:42% (95% CI 23%-63%)、 CR/CRu:19%、 PR:23%、 SD:31%、 PD:27%.
  • 《急性型15例》ORR:33%、 CR/CRu:20%、 PR:13%、 SD:40%、 PD:27%.
  • 《リンパ腫型7例》ORR:57%、 CR/CRu:29%、 PR:29%、 SD:0%、 PD:43%.
  • 《予後不良因子を有する慢性型4例》ORR:50%、 CR/CRu:0%、 PR:50%、 SD:50%、 PD:0%.
  • PFS中央値:3.8ヵ月 (95% CI 1.9-not estimable).
  • OS中央値:20.3ヵ月 (95% CI 9.1-not estimable).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2016 Dec;34(34):4086-4093.

最終更新:2022年8月29日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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