本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.
薬剤情報
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主な有害事象
ATLL-002試験¹⁾より引用
骨髄抑制
- 好中球減少症 (≧Grade3 65.3%)
- 貧血 (≧Grade3 19.2%)
- 血小板減少症 (≧Grade3 23.1%)
- リンパ球減少症 (≧Grade3 38.5%)
主な有害事象
- 肺炎 (15.4%、 ≧Grade3 3.8%)
- 上咽頭炎 (15.4%、 ≧Grade3 0.0%)
- 発疹 (23.1%、 ≧Grade3 7.7%)
- 腫瘍フレア (11.5%、 ≧Grade3 0.0%)
- 末梢性神経障害 (15.4%、 ≧Grade3 0.0%)
- 不整脈 (34.6%、 ≧Grade3 3.8%)
- 腎不全 (19.2%、 ≧Grade3 0.0%)
- 肝障害 (73.1%、 ≧Grade3 11.5%)
その他重要な有害事象
- 静脈血栓塞栓症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)
- 動脈血栓塞栓症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)
特徴と注意点
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- 血栓リスクが高いと判断される場合、主治医判断でアスピリン又は他の抗血栓薬を予防投与.
ATLL-002試験では、巨大腫瘤病変や血栓症の既往のある患者、血栓症を誘発する可能性のある併用薬を投与されている患者、血液凝固亢進状態にある患者に対し、主治医判断で抗血栓薬を予防的に投与するよう治験実施計画書で規定された.
- 血小板減少または好中球減少発現時の用量調節の目安.
LENの腎機能による投与量調整(成人T細胞白血病リンパ腫)
- LENは腎機能 (CCrやeGFR) により投与量を調整する.
- 30≦CCr<60mL/minの場合:LEN 10mgより開始し、 投与開始56日経過後忍容可能なら15mgへ増量可能.
- CCr<30mL/min (透析不要) の場合:LEN 15mgを2日に1回.
- 透析患者:LEN 5mgを1日1回 (透析日は透析後に投与).
LENの減量基準


関連する臨床試験の結果
概要
- 国内第2相多施設非盲検試験.
- 対象は20歳以上の急性型、 リンパ腫型、 予後不良因子を有する慢性型で、 同種幹細胞移植を受けたことがなく、 既治療経験のある再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者26例.
- 観察期間中央値3.9ヵ月.
ORR:奏効率 CR/CRu:完全奏効 PD:部分奏効 SD:病勢安定 PD:病勢進行 PFS:無増悪生存期間 OS:全生存期間
結果
- 《全患者26例》ORR:42% (95% CI 23%-63%)、 CR/CRu:19%、 PR:23%、 SD:31%、 PD:27%.
- 《急性型15例》ORR:33%、 CR/CRu:20%、 PR:13%、 SD:40%、 PD:27%.
- 《リンパ腫型7例》ORR:57%、 CR/CRu:29%、 PR:29%、 SD:0%、 PD:43%.
- 《予後不良因子を有する慢性型4例》ORR:50%、 CR/CRu:0%、 PR:50%、 SD:50%、 PD:0%.
- PFS中央値:3.8ヵ月 (95% CI 1.9-not estimable).
- OS中央値:20.3ヵ月 (95% CI 9.1-not estimable).
参考文献
- J Clin Oncol. 2016 Dec;34(34):4086-4093.
最終更新:2025年1月14日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔