2026年6月19日に 「大量化学療法後の神経芽腫」 を対象として承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イソトレックス®カプセル (イソトレチノイン)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報 (準備中)²⁾

投与スケジュール

【1コース】28日間
【催吐性】未収載³⁾⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*
*jRCT2031220687¹⁾およびCCG-3891試験⁵⁾ではFNの報告がなく、 編集部で分類した。

イソトレチノイン : 下表に示す体重・体表面積に基づく1回投与量を1日2回、 14日間連日経口投与し、 その後14日間休薬する。 これを1サイクルとして投与を繰り返す。 患者の状態により適宜減量する。 ただし、 6サイクルを超えて投与した場合の有効性および安全性は確立していない。 ビタミンA製剤とは併用禁忌である。

▼体重は小数点以下1桁、 体表面積は小数点以下2桁に四捨五入
イソトレックス®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 国内第II相試験

大量化学療法を含む集学的治療後に疾患進行が認められない1歳以上18歳未満の高リスク群神経芽腫患者16例を対象に、 イソトレチノインを投与した国内第II相単群試験。 主要評価項目は、 本剤との因果関係が否定できない重症有害事象の発現割合、 副次評価項目はEFSおよびOSとされた¹⁾。 

【有効性】イソトレチノイン群 (単群)

- 1年EFS率 93.8% (95%CI 63.2–99.1)

- 1年OS率 100% (95%CI 100.0–100.0)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 高カルシウム血症 62.5% (6.3%)

- 皮膚乾燥 62.5% (0%)

- 高トリグリセリド血症 56.3% (12.5%)

- 湿疹 37.5% (0%)

- 口唇炎 37.5% (0%)

- そう痒症 31.3% (0%)

主要評価項目である因果関係が否定できない重症有害事象の発現割合は18.8% (90%CI : 5.3–41.7) であった。

📊 CCG-3891試験

N Engl J Med. 1999;341(16):1165-1173.

新規診断の高リスク神経芽腫患者 (1~18歳) を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 大量化学療法後に疾患進行が認められなかった患者を、 イソトレチノイン群130例または無治療群128例に1:1で割り付け、 主要評価項目はEFSとされた⁵⁾。 
CCG-3891試験におけるイソトレチノインの投与量は160mg/m²/日 (1日2回分割) であり、 添付文書上の承認用量 (64mg/m²/日) より高用量であった。 また、 大量化学療法後の既存の骨髄抑制が反映されている点に注意が必要である。

【有効性】イソトレチノイン群 (vs 無治療群)

- 3年EFS率 46±6% (vs 29±5%)、 p=0.027

- 3年OS率 56±6% (vs 50±6%)、 p=0.45

【安全性】Grade≧3の有害事象

- 感染症 12%

- 血液学的毒性 9%

- 皮膚症状 (口唇炎・乾燥・発疹) 2%

- 腎障害 2%

- アミノトランスフェラーゼ上昇 2%

- 消化器症状 2%

- 高カルシウム血症 1%

各プロトコル

適格基準

国内第II相試験¹⁾の主な適格基準

- 1歳以上18歳未満

- 高リスク群*

*International Neuroblastoma Risk Groupによるリスク分類(2009年版) 基づく評価

用量レベル

▼体重は小数点以下1桁、 体表面積は小数点以下2桁に四捨五入
イソトレックス®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

イソトレチノインは主にCYP3AおよびCYP2C8による代謝、 UGT1A9によるグルクロン酸抱合により消失する¹⁾。 投与72時間後の尿中に未変化体は検出されなかったとの報告があり¹⁾、 腎クリアランスの寄与は小さいと考えられる。

ただし、 次サイクルの投与開始基準には腎機能が含まれるため、 下記の 「有害事象発現時の減量・休薬・中止基準」 を確認する。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

イソトレックス®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

イソトレチノインは、 レチノイン酸受容体 (RAR) に結合し、 RARを介した転写を活性化すること等により、 MYCN遺伝子の発現を抑制し、 細胞周期停止を誘導すること、 神経芽腫細胞の分化を誘導すること等により、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

イソトレックス®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

催奇形性・副作用説明 : 本剤には催奇形性があり、 副作用の発現頻度も高いため、 使用上の注意を厳守する。 患者または代諾者に副作用について十分説明した上で使用する。

精神障害 : うつ病、 自殺念慮、 不安等の精神障害があらわれることがある。 患者および家族等に、 症状があらわれた場合は直ちに医師へ相談するよう指導する。

脂質異常症 : 脂質異常症があらわれることがあるため、 投与開始前および投与期間中は定期的に総コレステロールおよびTGを測定し、 患者の状態を十分に観察する。

肝機能障害 : 肝機能障害があらわれることがあるため、 投与開始前および投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

骨端早期閉鎖 : 骨端早期閉鎖があらわれることがあるため、 投与中に関節痛・骨痛がみられた場合は速やかに医師へ相談するよう指導する。 また、 骨密度の変化により骨粗鬆症、 骨折があらわれることがあるため、 長期投与時は定期的な問診、 X線検査、 ALP、 Ca、 P、 Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。

横紋筋融解症 : 横紋筋融解症があらわれることがあるため、 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中・尿中ミオグロビン上昇等に注意する。

電解質異常 : 電解質異常があらわれることがあるため、 投与中は定期的に血清電解質検査 (Ca、 K、 Na等) を行う。

出典

1) サンファーマ株式会社. イソトレックス®カプセル. 電子添文情報 (2026年6月作成 第1版).

2) 準備中

3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.

4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.

5) N Engl J Med. 1999;341(16):1165-1173.

最終更新 : 2026年6月23日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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イソトレチノイン (イソトレックス®)
小児固形腫瘍 > 神経芽腫
2026年07月05日更新
2026年6月19日に 「大量化学療法後の神経芽腫」 を対象として承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イソトレックス®カプセル (イソトレチノイン)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報 (準備中)²⁾

投与スケジュール

【1コース】28日間
【催吐性】未収載³⁾⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*
*jRCT2031220687¹⁾およびCCG-3891試験⁵⁾ではFNの報告がなく、 編集部で分類した。

イソトレチノイン : 下表に示す体重・体表面積に基づく1回投与量を1日2回、 14日間連日経口投与し、 その後14日間休薬する。 これを1サイクルとして投与を繰り返す。 患者の状態により適宜減量する。 ただし、 6サイクルを超えて投与した場合の有効性および安全性は確立していない。 ビタミンA製剤とは併用禁忌である。

▼体重は小数点以下1桁、 体表面積は小数点以下2桁に四捨五入
イソトレックス®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 国内第II相試験

大量化学療法を含む集学的治療後に疾患進行が認められない1歳以上18歳未満の高リスク群神経芽腫患者16例を対象に、 イソトレチノインを投与した国内第II相単群試験。 主要評価項目は、 本剤との因果関係が否定できない重症有害事象の発現割合、 副次評価項目はEFSおよびOSとされた¹⁾。 

【有効性】イソトレチノイン群 (単群)

- 1年EFS率 93.8% (95%CI 63.2–99.1)

- 1年OS率 100% (95%CI 100.0–100.0)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 高カルシウム血症 62.5% (6.3%)

- 皮膚乾燥 62.5% (0%)

- 高トリグリセリド血症 56.3% (12.5%)

- 湿疹 37.5% (0%)

- 口唇炎 37.5% (0%)

- そう痒症 31.3% (0%)

主要評価項目である因果関係が否定できない重症有害事象の発現割合は18.8% (90%CI : 5.3–41.7) であった。

📊 CCG-3891試験

N Engl J Med. 1999;341(16):1165-1173.

新規診断の高リスク神経芽腫患者 (1~18歳) を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 大量化学療法後に疾患進行が認められなかった患者を、 イソトレチノイン群130例または無治療群128例に1:1で割り付け、 主要評価項目はEFSとされた⁵⁾。 
CCG-3891試験におけるイソトレチノインの投与量は160mg/m²/日 (1日2回分割) であり、 添付文書上の承認用量 (64mg/m²/日) より高用量であった。 また、 大量化学療法後の既存の骨髄抑制が反映されている点に注意が必要である。

【有効性】イソトレチノイン群 (vs 無治療群)

- 3年EFS率 46±6% (vs 29±5%)、 p=0.027

- 3年OS率 56±6% (vs 50±6%)、 p=0.45

【安全性】Grade≧3の有害事象

- 感染症 12%

- 血液学的毒性 9%

- 皮膚症状 (口唇炎・乾燥・発疹) 2%

- 腎障害 2%

- アミノトランスフェラーゼ上昇 2%

- 消化器症状 2%

- 高カルシウム血症 1%

各プロトコル

適格基準

国内第II相試験¹⁾の主な適格基準

- 1歳以上18歳未満

- 高リスク群*

*International Neuroblastoma Risk Groupによるリスク分類(2009年版) 基づく評価

用量レベル

▼体重は小数点以下1桁、 体表面積は小数点以下2桁に四捨五入
イソトレックス®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

イソトレチノインは主にCYP3AおよびCYP2C8による代謝、 UGT1A9によるグルクロン酸抱合により消失する¹⁾。 投与72時間後の尿中に未変化体は検出されなかったとの報告があり¹⁾、 腎クリアランスの寄与は小さいと考えられる。

ただし、 次サイクルの投与開始基準には腎機能が含まれるため、 下記の 「有害事象発現時の減量・休薬・中止基準」 を確認する。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

イソトレックス®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

イソトレチノインは、 レチノイン酸受容体 (RAR) に結合し、 RARを介した転写を活性化すること等により、 MYCN遺伝子の発現を抑制し、 細胞周期停止を誘導すること、 神経芽腫細胞の分化を誘導すること等により、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

イソトレックス®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

催奇形性・副作用説明 : 本剤には催奇形性があり、 副作用の発現頻度も高いため、 使用上の注意を厳守する。 患者または代諾者に副作用について十分説明した上で使用する。

精神障害 : うつ病、 自殺念慮、 不安等の精神障害があらわれることがある。 患者および家族等に、 症状があらわれた場合は直ちに医師へ相談するよう指導する。

脂質異常症 : 脂質異常症があらわれることがあるため、 投与開始前および投与期間中は定期的に総コレステロールおよびTGを測定し、 患者の状態を十分に観察する。

肝機能障害 : 肝機能障害があらわれることがあるため、 投与開始前および投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

骨端早期閉鎖 : 骨端早期閉鎖があらわれることがあるため、 投与中に関節痛・骨痛がみられた場合は速やかに医師へ相談するよう指導する。 また、 骨密度の変化により骨粗鬆症、 骨折があらわれることがあるため、 長期投与時は定期的な問診、 X線検査、 ALP、 Ca、 P、 Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。

横紋筋融解症 : 横紋筋融解症があらわれることがあるため、 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中・尿中ミオグロビン上昇等に注意する。

電解質異常 : 電解質異常があらわれることがあるため、 投与中は定期的に血清電解質検査 (Ca、 K、 Na等) を行う。

出典

1) サンファーマ株式会社. イソトレックス®カプセル. 電子添文情報 (2026年6月作成 第1版).

2) 準備中

3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.

4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.

5) N Engl J Med. 1999;341(16):1165-1173.

最終更新 : 2026年6月23日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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