治療スケジュール
概要
監修医師

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
80~120mg/m² 経口分2 朝夕食後1~day1夕~22朝

CDDP:シスプラチン(シスプラチン®)

投与量コース投与日
60mg/m² 点滴1~Day8

その他

S-1+シスプラチンをSP療法と呼ぶ。
1コース35日間。
レジメン
SP
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

前投薬

悪心・嘔吐予防

Day8:デキサメタゾン3.3mg/mL 3mL+パロノセトロン0.75mg 50mL 

            経口NK1受容体拮抗薬(Day9-10にも投与)もしくは静注NK1受容体拮抗薬

Day9-11:デキサメタゾン注射液3.3mg/mL 2mL

Day8-11:オランザピン5mg 1錠

減量・休薬・再開基準

減量・休薬を考慮する基準

再開の目安

初回基準量と減量レベル

投与開始基準

主な有害事象

SPIRITS試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 82.4% (29.1%)
  • 好中球数減少 75.7% (40.5%)
  • 白血球数減少 72.3% (11.5%)
  • 血小板減少 52.0% (6.8%)
  • AST増加 35.1% (4.1%)
  • ALT増加 29.7% (2.7%)
  • 食欲不振 81.8% (37.8%)
  • 悪心 71.6% (12.8%)
  • 疲労 71.6% (6.1%)
  • 下痢 41.9% (4.7%)
  • 体重減少 45.9% (6.1%)
  • 嘔吐 41.2% (4.7%)
  • 口内炎 31.1% (0.7%)

上手に使うためのワンポイント

  • 末梢神経障害を回避したい症例には良い適応であるが、 CDDPも漫然と投与するとオキサリプラチン同様、 末梢神経障害が生じるため注意が必要。
  • 腎保護のため、 大量補液を要するため、 大量腹水を有する症例には不向きである。

特徴と注意点

  • 胃癌治療ガイドライン²⁾では、 1次治療の標準治療の1つである。 Nivoとの併用は認めら れていない。
  • S-1特有の有害事象として流涙がある。 流涙の予防には1日5〜6回の人工涙液の点眼が有効である。 休薬期間中も忘れずに点眼するように指導しておく。 防腐剤フリーの点眼薬が望ましい。 著者の施設ではソフトサンティア®を購入いただいている。
  • 稀ではあるが、 角膜障害を生じることがあるため、 視力低下を訴える場合は必ず眼科へコンサルトする。
  • シスプラチンの腎毒性のため、 CrCl< 50mL/minは禁忌である。

関連する臨床試験

SPIRITS試験¹⁾

前治療がなく組織学的に腺癌であることが確認された切除不能または再発胃癌症例を対象にS-1+CDDP療法とS-1単剤の有用性について比較検証することを目的とした国内第Ⅲ相無作為化比較試験。 主要評価項目が全生存期間、 副次評価項目が無増悪生存期間、 安全性に設定された。

Lancet Oncol. 2008 Mar;9(3):215-21. 

出典

  1. S-1 plus cisplatin versus S-1 alone for first-line treatment of advanced gastric cancer (SPIRITS trial): a phase III trial. Lancet Oncol. 2008 Mar;9(3):215-21. PMID: 18282805
  2.  日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン医師用2021年7月改訂 第6版
最終更新日:2023年9月14日
執筆医:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

レジメン
SP
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
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レジメン
SP

SP

S-1+シスプラチン
2024年04月24日更新

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
80~120mg/m² 経口分2 朝夕食後1~day1夕~22朝

CDDP:シスプラチン(シスプラチン®)

投与量コース投与日
60mg/m² 点滴1~Day8

その他

S-1+シスプラチンをSP療法と呼ぶ。
1コース35日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

前投薬

悪心・嘔吐予防

Day8:デキサメタゾン3.3mg/mL 3mL+パロノセトロン0.75mg 50mL 

            経口NK1受容体拮抗薬(Day9-10にも投与)もしくは静注NK1受容体拮抗薬

Day9-11:デキサメタゾン注射液3.3mg/mL 2mL

Day8-11:オランザピン5mg 1錠

減量・休薬・再開基準

減量・休薬を考慮する基準

再開の目安

初回基準量と減量レベル

投与開始基準

主な有害事象

SPIRITS試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 82.4% (29.1%)
  • 好中球数減少 75.7% (40.5%)
  • 白血球数減少 72.3% (11.5%)
  • 血小板減少 52.0% (6.8%)
  • AST増加 35.1% (4.1%)
  • ALT増加 29.7% (2.7%)
  • 食欲不振 81.8% (37.8%)
  • 悪心 71.6% (12.8%)
  • 疲労 71.6% (6.1%)
  • 下痢 41.9% (4.7%)
  • 体重減少 45.9% (6.1%)
  • 嘔吐 41.2% (4.7%)
  • 口内炎 31.1% (0.7%)

上手に使うためのワンポイント

  • 末梢神経障害を回避したい症例には良い適応であるが、 CDDPも漫然と投与するとオキサリプラチン同様、 末梢神経障害が生じるため注意が必要。
  • 腎保護のため、 大量補液を要するため、 大量腹水を有する症例には不向きである。

特徴と注意点

  • 胃癌治療ガイドライン²⁾では、 1次治療の標準治療の1つである。 Nivoとの併用は認めら れていない。
  • S-1特有の有害事象として流涙がある。 流涙の予防には1日5〜6回の人工涙液の点眼が有効である。 休薬期間中も忘れずに点眼するように指導しておく。 防腐剤フリーの点眼薬が望ましい。 著者の施設ではソフトサンティア®を購入いただいている。
  • 稀ではあるが、 角膜障害を生じることがあるため、 視力低下を訴える場合は必ず眼科へコンサルトする。
  • シスプラチンの腎毒性のため、 CrCl< 50mL/minは禁忌である。

関連する臨床試験

SPIRITS試験¹⁾

前治療がなく組織学的に腺癌であることが確認された切除不能または再発胃癌症例を対象にS-1+CDDP療法とS-1単剤の有用性について比較検証することを目的とした国内第Ⅲ相無作為化比較試験。 主要評価項目が全生存期間、 副次評価項目が無増悪生存期間、 安全性に設定された。

Lancet Oncol. 2008 Mar;9(3):215-21. 

出典

  1. S-1 plus cisplatin versus S-1 alone for first-line treatment of advanced gastric cancer (SPIRITS trial): a phase III trial. Lancet Oncol. 2008 Mar;9(3):215-21. PMID: 18282805
  2.  日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン医師用2021年7月改訂 第6版
最終更新日:2023年9月14日
執筆医:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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