ベプシド®など (添付文書¹⁾)
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
本邦での一般的な投与法としては、 経口投与25-50mg/日で連日投与とされることが多い¹⁾が、 3週間連続投与後に1~2週間の休薬を挟んで継続することもある。 なお、 添付文書の用法及び用量も確認の上判断すること。
進行期の菌状息肉症やセザリー症候群において、 2次治療以降に使用される。 ただし、 エトポシドは経口投与が可能で外来管理がしやすい利点があるものの、 菌状息肉症やセザリー症候群の患者に対してはエトポシド単剤で長期寛解を得ることは難しく、 安易な使用は勧められない。 多くの場合、 他の治療法が無効であった場合や、 他の治療選択肢が限られている患者に対して使用が検討される。
エトポシドは本邦において、 悪性リンパ腫に保険適用がある。 本邦での一般的な投与法としては、 経口投与25-50mg/日で連日投与とされることが多い¹⁾が、 3週間連続投与後に1~2週間の休薬を挟んで継続することもある。 ただし、 エトポシド単剤療法では長期間の使用は避けるべきとされ、 副作用や治療効果を十分にモニタリングする必要がある。 副腎皮質ステロイド内服との併用が行われることもあるが、 臨床試験は実施されていないため、 実臨床では患者の状態に応じた柔軟な対応が求められる。 減量や休薬は好中球減少やリンパ球減少の程度に基づくことが多い。
皮膚リンパ腫に対するエトポシド単剤の臨床試験は国内外ともに施行されておらず、 有効性に関するデータは限定的である。 代表的な研究としてPurnakらの後ろ向き研究²⁾があり、 13人の進行期および再発性菌状息肉症患者に対して投与量、 投与方法の異なるエトポシド単剤療法の結果をまとめている。 69%の患者で奏功が得られたものの、 完全寛解には至っていない。 奏効までの期間は12.5週と報告されているが、 治療が奏功した9例のうち6例は種々の理由で治療継続できていない。 治療が継続できた3症例における奏効持続期間は43週と報告されているが、 ばらつきが大きい。 副作用として血液毒性 (好中球減少、 リンパ球減少、 敗血症) が高頻度で報告されており、 治療関連死も確認されている。
エトポシド単剤療法は外来管理が可能であるという利点がある一方で、 血液毒性や感染症リスクが高く、 その管理には慎重な血算モニタリングと感染症予防策が必要である。 特にグレード3~4の好中球減少は、 敗血症や致死的な感染症につながる可能性がある。 さらに、 長期間の投与では二次性悪性腫瘍の発症リスクも懸念される。 したがって、 エトポシド単剤による治療は、 他の治療選択肢が使用できない場合に限られ、 適応は慎重に判断されるべきである。
1) 小野薬品工業株式会社. ベプシド®電子添文 (2024年7月改訂第2版) [最終閲覧 : 2025/1/7]
2) 井村明浩, 松村泰洋,吉川義顕ほか : 皮膚リンフォーマに対する経口剤etoposideの効果.皮膚のリンフォーマ, 1993; 12: 112-115.
最終更新日 : 2025年1月7日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
ベプシド®など (添付文書¹⁾)
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
本邦での一般的な投与法としては、 経口投与25-50mg/日で連日投与とされることが多い¹⁾が、 3週間連続投与後に1~2週間の休薬を挟んで継続することもある。 なお、 添付文書の用法及び用量も確認の上判断すること。
進行期の菌状息肉症やセザリー症候群において、 2次治療以降に使用される。 ただし、 エトポシドは経口投与が可能で外来管理がしやすい利点があるものの、 菌状息肉症やセザリー症候群の患者に対してはエトポシド単剤で長期寛解を得ることは難しく、 安易な使用は勧められない。 多くの場合、 他の治療法が無効であった場合や、 他の治療選択肢が限られている患者に対して使用が検討される。
エトポシドは本邦において、 悪性リンパ腫に保険適用がある。 本邦での一般的な投与法としては、 経口投与25-50mg/日で連日投与とされることが多い¹⁾が、 3週間連続投与後に1~2週間の休薬を挟んで継続することもある。 ただし、 エトポシド単剤療法では長期間の使用は避けるべきとされ、 副作用や治療効果を十分にモニタリングする必要がある。 副腎皮質ステロイド内服との併用が行われることもあるが、 臨床試験は実施されていないため、 実臨床では患者の状態に応じた柔軟な対応が求められる。 減量や休薬は好中球減少やリンパ球減少の程度に基づくことが多い。
皮膚リンパ腫に対するエトポシド単剤の臨床試験は国内外ともに施行されておらず、 有効性に関するデータは限定的である。 代表的な研究としてPurnakらの後ろ向き研究²⁾があり、 13人の進行期および再発性菌状息肉症患者に対して投与量、 投与方法の異なるエトポシド単剤療法の結果をまとめている。 69%の患者で奏功が得られたものの、 完全寛解には至っていない。 奏効までの期間は12.5週と報告されているが、 治療が奏功した9例のうち6例は種々の理由で治療継続できていない。 治療が継続できた3症例における奏効持続期間は43週と報告されているが、 ばらつきが大きい。 副作用として血液毒性 (好中球減少、 リンパ球減少、 敗血症) が高頻度で報告されており、 治療関連死も確認されている。
エトポシド単剤療法は外来管理が可能であるという利点がある一方で、 血液毒性や感染症リスクが高く、 その管理には慎重な血算モニタリングと感染症予防策が必要である。 特にグレード3~4の好中球減少は、 敗血症や致死的な感染症につながる可能性がある。 さらに、 長期間の投与では二次性悪性腫瘍の発症リスクも懸念される。 したがって、 エトポシド単剤による治療は、 他の治療選択肢が使用できない場合に限られ、 適応は慎重に判断されるべきである。
1) 小野薬品工業株式会社. ベプシド®電子添文 (2024年7月改訂第2版) [最終閲覧 : 2025/1/7]
2) 井村明浩, 松村泰洋,吉川義顕ほか : 皮膚リンフォーマに対する経口剤etoposideの効果.皮膚のリンフォーマ, 1993; 12: 112-115.
最終更新日 : 2025年1月7日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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