オプジーボ® (ニボルマブ)
【1コース】14日間
【催吐性³⁾】FOLFOX : 中等度、 Nivo : 最小度
【FN発症】低リスク (<10%)*

オキサリプラチン (L-OHP) : 2週を1サイクルとして、 1日目に85mg/m²を点滴静注する。
レボホリナート (l-LV) : 2週を1サイクルとして、 1日目に200mg/m²を点滴静注する。
フルオロウラシル (5-FU) : 2週を1サイクルとして、 1日目に400mg/m²を急速静注後、 2,400mg/m²を46時間持続静注する。
ニボルマブ : 2週を1サイクルとして、 1日目に240mgを30分以上かけて点滴静注する。
L-OHPは、 蓄積性の末梢神経障害を軽減する目的で、 6サイクル後に中止を考慮⁴⁾
Esophagus. 2026 Jun 10. PMID: 42265434
シスプラチン不適*の未治療進行食道扁平上皮癌 (ESCC) 患者を対象とした単施設後ろ向き観察研究。 FOLFOX+ニボルマブの1次治療を受けた17例を解析し、 PFS、 OS、 奏効率を有効性、 有害事象を安全性の評価項目とした。
【有効性】
- 奏効率 57.1% (測定可能病変14例中8例)
- 病勢制御率 78.6%
- PFS中央値 6.5ヵ月 (95%CI 3.6–未到達)
12ヵ月PFS率 34.7% (95%CI 13.0–57.8)
- OS中央値 15.6ヵ月 (95%CI 4.5–未到達)
12ヵ月OS率 66.2% (95%CI 36.3–84.6)
- DOR中央値 6.4ヵ月 (95%CI 1.4–未到達)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 白血球減少症 35.3% (11.8%)
- 好中球減少症 41.2% (29.4%)
- 貧血 23.5% (0%)
- 血小板減少症 17.6% (0%)
- 悪心 17.6% (0%)
- 末梢性ニューロパチー 11.8% (0%)
- 肺臓炎 23.5% (11.8%)
- 発疹 17.6% (5.9%)
- 副腎機能不全 11.8% (0%)
- 甲状腺機能低下症 5.9% (0%)
- ぶどう膜炎 5.9% (0%)
ニボルマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。
L-OHP : CrCl<30mL/minは、 初期投与量85mg/m²を65mg/m²に減量 (CrCl≧20mL/minでは減量不要との報告もある)⁵⁾。
5-FU : 減量不要。 ただし、 末期腎不全患者では代謝物の蓄積により高アンモニア血症を来す可能性が報告されている⁵⁾。
有害事象発現時の対応は、 FOLFOX療法で一般に用いられる投与可能条件・減量基準を参考に、 患者状態や施設基準に応じて判断すること。
🧑⚕️切除不能な進行食道扁平上皮癌に対する標準的な初回治療レジメンとして、 シスプラチンと5-FU、 抗PD-1抗体薬が頻用されているが、 実臨床では腎機能低下や心機能低下、 高齢等によりシスプラチン投与が困難な症例もしばしば見受けられる。 そのような場合に選択肢となりうるレジメンがFOLFOX+Nivoであり、 本邦の後ろ向き研究では一定の治療効果が報告されている。 しかし、 オキサリプラチンとニボルマブを用いることから、 肺臓炎のリスクが懸念されうるため、 実臨床では問診やSpO₂の確認、 呼吸器症状出現時の画像検査の追加が必要であろう。
ニボルマブはヒトPD-1に対する抗体であり、 PD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害する。 これにより、 がん抗原特異的T細胞の増殖、 活性化および細胞傷害活性を増強し、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている¹⁾。
過度の免疫反応に起因する副作用 : T細胞活性化作用により、 過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。 観察を十分に行い、 異常時は適切な鑑別診断を行い、 必要に応じて副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮する。 投与終了後も観察を十分に行う。
間質性肺疾患 : 呼吸困難、 咳嗽、 発熱、 肺音の異常 (捻髪音) 等の臨床症状の確認及び胸部X線検査の実施等、 観察を十分に行う。 必要に応じて胸部CT、 血清マーカー等の検査を実施する。
重症筋無力症・心筋炎・筋炎・横紋筋融解症 : 筋力低下、 眼瞼下垂、 呼吸困難、 嚥下障害、 CK上昇、 心電図異常、 血中・尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行う。
1型糖尿病 : 口渇、 悪心、 嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意する。
肝機能障害 : 劇症肝炎、 肝不全、 肝機能障害、 肝炎、 硬化性胆管炎があらわれることがあるので、 定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
内分泌障害 : 甲状腺機能障害、 下垂体機能障害及び副腎障害があらわれることがあるので、 投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾール等) を実施する。 必要に応じて画像検査等の実施も考慮する。
腎障害 : 定期的に腎機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
Infusion reaction : 重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で投与を開始する。 2回目以降の投与時にもあらわれることがあるので、 投与中及び投与終了後はバイタルサインを測定するなど、 患者の状態を十分に観察する。
ぶどう膜炎 : 眼の異常の有無を定期的に観察する。
- 間質性肺疾患
- 重症筋無力症、 心筋炎、 筋炎、 横紋筋融解症
- 大腸炎、 小腸炎、 重度の下痢
- 1型糖尿病
- 劇症肝炎、 肝不全、 肝機能障害、 肝炎、 硬化性胆管炎
- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 下垂体機能障害、 副腎障害)
- 神経障害
- 腎障害
- 脳炎、 髄膜炎、 脊髄炎
- 重度の皮膚障害
- 静脈血栓塞栓症
- Infusion reaction
- 重篤な血液障害
- 血球貪食症候群
- 結核
- 膵炎
- 重度の胃炎
- ぶどう膜炎
- 腫瘍崩壊症候群
- 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴を含む) のある患者への使用
1) 小野薬品工業株式会社. オプジーボ®点滴静注 電子添文 (2026年4月改訂 第27版).
2) 小野薬品工業株式会社. オプジーボ®点滴静注 適正使用ガイド (2026年5月作成).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) Esophagus. 2026. doi:10.1007/s10388-026-01227-x
5) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
6) 小野薬品工業株式会社. オプジーボ®点滴静注20mg/100mg/120mg/240mgに係る医薬品リスク管理計画書 (2026年5月18日提出) .
最終更新日 : 2026年7月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
オプジーボ® (ニボルマブ)
【1コース】14日間
【催吐性³⁾】FOLFOX : 中等度、 Nivo : 最小度
【FN発症】低リスク (<10%)*

オキサリプラチン (L-OHP) : 2週を1サイクルとして、 1日目に85mg/m²を点滴静注する。
レボホリナート (l-LV) : 2週を1サイクルとして、 1日目に200mg/m²を点滴静注する。
フルオロウラシル (5-FU) : 2週を1サイクルとして、 1日目に400mg/m²を急速静注後、 2,400mg/m²を46時間持続静注する。
ニボルマブ : 2週を1サイクルとして、 1日目に240mgを30分以上かけて点滴静注する。
L-OHPは、 蓄積性の末梢神経障害を軽減する目的で、 6サイクル後に中止を考慮⁴⁾
Esophagus. 2026 Jun 10. PMID: 42265434
シスプラチン不適*の未治療進行食道扁平上皮癌 (ESCC) 患者を対象とした単施設後ろ向き観察研究。 FOLFOX+ニボルマブの1次治療を受けた17例を解析し、 PFS、 OS、 奏効率を有効性、 有害事象を安全性の評価項目とした。
【有効性】
- 奏効率 57.1% (測定可能病変14例中8例)
- 病勢制御率 78.6%
- PFS中央値 6.5ヵ月 (95%CI 3.6–未到達)
12ヵ月PFS率 34.7% (95%CI 13.0–57.8)
- OS中央値 15.6ヵ月 (95%CI 4.5–未到達)
12ヵ月OS率 66.2% (95%CI 36.3–84.6)
- DOR中央値 6.4ヵ月 (95%CI 1.4–未到達)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 白血球減少症 35.3% (11.8%)
- 好中球減少症 41.2% (29.4%)
- 貧血 23.5% (0%)
- 血小板減少症 17.6% (0%)
- 悪心 17.6% (0%)
- 末梢性ニューロパチー 11.8% (0%)
- 肺臓炎 23.5% (11.8%)
- 発疹 17.6% (5.9%)
- 副腎機能不全 11.8% (0%)
- 甲状腺機能低下症 5.9% (0%)
- ぶどう膜炎 5.9% (0%)
ニボルマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。
L-OHP : CrCl<30mL/minは、 初期投与量85mg/m²を65mg/m²に減量 (CrCl≧20mL/minでは減量不要との報告もある)⁵⁾。
5-FU : 減量不要。 ただし、 末期腎不全患者では代謝物の蓄積により高アンモニア血症を来す可能性が報告されている⁵⁾。
有害事象発現時の対応は、 FOLFOX療法で一般に用いられる投与可能条件・減量基準を参考に、 患者状態や施設基準に応じて判断すること。
🧑⚕️切除不能な進行食道扁平上皮癌に対する標準的な初回治療レジメンとして、 シスプラチンと5-FU、 抗PD-1抗体薬が頻用されているが、 実臨床では腎機能低下や心機能低下、 高齢等によりシスプラチン投与が困難な症例もしばしば見受けられる。 そのような場合に選択肢となりうるレジメンがFOLFOX+Nivoであり、 本邦の後ろ向き研究では一定の治療効果が報告されている。 しかし、 オキサリプラチンとニボルマブを用いることから、 肺臓炎のリスクが懸念されうるため、 実臨床では問診やSpO₂の確認、 呼吸器症状出現時の画像検査の追加が必要であろう。
ニボルマブはヒトPD-1に対する抗体であり、 PD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害する。 これにより、 がん抗原特異的T細胞の増殖、 活性化および細胞傷害活性を増強し、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている¹⁾。
過度の免疫反応に起因する副作用 : T細胞活性化作用により、 過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。 観察を十分に行い、 異常時は適切な鑑別診断を行い、 必要に応じて副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮する。 投与終了後も観察を十分に行う。
間質性肺疾患 : 呼吸困難、 咳嗽、 発熱、 肺音の異常 (捻髪音) 等の臨床症状の確認及び胸部X線検査の実施等、 観察を十分に行う。 必要に応じて胸部CT、 血清マーカー等の検査を実施する。
重症筋無力症・心筋炎・筋炎・横紋筋融解症 : 筋力低下、 眼瞼下垂、 呼吸困難、 嚥下障害、 CK上昇、 心電図異常、 血中・尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行う。
1型糖尿病 : 口渇、 悪心、 嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意する。
肝機能障害 : 劇症肝炎、 肝不全、 肝機能障害、 肝炎、 硬化性胆管炎があらわれることがあるので、 定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
内分泌障害 : 甲状腺機能障害、 下垂体機能障害及び副腎障害があらわれることがあるので、 投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾール等) を実施する。 必要に応じて画像検査等の実施も考慮する。
腎障害 : 定期的に腎機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
Infusion reaction : 重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で投与を開始する。 2回目以降の投与時にもあらわれることがあるので、 投与中及び投与終了後はバイタルサインを測定するなど、 患者の状態を十分に観察する。
ぶどう膜炎 : 眼の異常の有無を定期的に観察する。
- 間質性肺疾患
- 重症筋無力症、 心筋炎、 筋炎、 横紋筋融解症
- 大腸炎、 小腸炎、 重度の下痢
- 1型糖尿病
- 劇症肝炎、 肝不全、 肝機能障害、 肝炎、 硬化性胆管炎
- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 下垂体機能障害、 副腎障害)
- 神経障害
- 腎障害
- 脳炎、 髄膜炎、 脊髄炎
- 重度の皮膚障害
- 静脈血栓塞栓症
- Infusion reaction
- 重篤な血液障害
- 血球貪食症候群
- 結核
- 膵炎
- 重度の胃炎
- ぶどう膜炎
- 腫瘍崩壊症候群
- 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴を含む) のある患者への使用
1) 小野薬品工業株式会社. オプジーボ®点滴静注 電子添文 (2026年4月改訂 第27版).
2) 小野薬品工業株式会社. オプジーボ®点滴静注 適正使用ガイド (2026年5月作成).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) Esophagus. 2026. doi:10.1007/s10388-026-01227-x
5) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
6) 小野薬品工業株式会社. オプジーボ®点滴静注20mg/100mg/120mg/240mgに係る医薬品リスク管理計画書 (2026年5月18日提出) .
最終更新日 : 2026年7月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。