治療スケジュール
概要
監修医師

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg 点滴静注 ※内服も可1~Day 1~4

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
400mg/m² 24hr持続点滴1~Day 1~4

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
40mg/m² 24hr持続点滴1~Day 1~4

CDDP:シスプラチン(ランダ®)

投与量コース投与日
10mg/m² 24hr持続点滴1~Day 1~4

前投薬

5HT3受容体拮抗薬を使用

その他

1コースは21or28日間
DEXは点滴と内服どちらでも可
レジメン
DCEP
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

詳細な有害事象についての記載なし.

発熱性好中球減少 (FN)、 骨髄毒性の頻度が高いとの報告¹⁾²⁾ あり注意.

特徴と注意点

  • 進行又は再発難治性多発性骨髄腫に対するサルベージ療法の一つ.

感染対策

  • FNと治療関連死亡率の関連が強く、 予防的なG-CSF製剤の併用を考慮.
  • ST合剤の予防内服を考慮 (特にG-CSFを使用する際).
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • デキサメタゾンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病や出血性消化性潰瘍)に注意.
  • シクロホスファミドは出血性膀胱炎のリスクがあるため、 水分摂取を励行し排尿を促す.
  • シスプラチンによる末梢神経障害は累積投与量が200~300mg/m²以上になると発生頻度が高くなり、 聴覚障害は累積300mg/m²以上から注意を要する. 聴覚障害については、 不可逆的と考えられ、 特に高音域に障害を受けるとされる.

関連する臨床試験

Ann Hematol. 2014 Jan;93(1):99-105.¹⁾

概要

  • DCEP施行患者59人に対する遡及的調査
  • サリドマイド、 レナリドマイド、 又はボルテゾミブによる前治療歴のある患者にDCEPを施行
  • 年齢中央値は58歳、 DCEPは診断から中央値34.9ヵ月で開始

結果

  • 奏効評価可能な51人のうち、 奏効率は45.1% (完全奏効1人、非常に良好な部分奏効1人、部分奏効21人) 
  • 全生存期間 中央値:8.0ヵ月 (推定値)
  • 無増悪生存期間 中央値:3.7ヵ月 (推定値)
  • Grade3以上の好中球減少症:91.5%
  • 治療関連死亡は患者8名 (14.8%)で報告され、 死亡8名中7名は発熱性好中球減少症に関連していた.
  • DCEPは前治療歴のある再発又は難治性の多発性骨髄腫に対して効果的な救済治療の一つとなるが、 血液毒性と治療関連死亡は相当なものであり、 予防的なG-CSF製剤の併用が推奨される.

参考文献

  1. Ann Hematol. 2014 Jan;93(1):99-105.
  2. Cancer. 2015 Oct 15;121(20):3622-30.

最終更新:2023年9月28日
執筆担当:牛久愛和総合病院 薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
DCEP
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
レジメン
DCEP
レジメン
DCEP

DCEP

デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
2023年09月30日更新

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg 点滴静注 ※内服も可1~Day 1~4

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
400mg/m² 24hr持続点滴1~Day 1~4

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
40mg/m² 24hr持続点滴1~Day 1~4

CDDP:シスプラチン(ランダ®)

投与量コース投与日
10mg/m² 24hr持続点滴1~Day 1~4

前投薬

5HT3受容体拮抗薬を使用

その他

1コースは21or28日間
DEXは点滴と内服どちらでも可

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

詳細な有害事象についての記載なし.

発熱性好中球減少 (FN)、 骨髄毒性の頻度が高いとの報告¹⁾²⁾ あり注意.

特徴と注意点

  • 進行又は再発難治性多発性骨髄腫に対するサルベージ療法の一つ.

感染対策

  • FNと治療関連死亡率の関連が強く、 予防的なG-CSF製剤の併用を考慮.
  • ST合剤の予防内服を考慮 (特にG-CSFを使用する際).
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • デキサメタゾンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病や出血性消化性潰瘍)に注意.
  • シクロホスファミドは出血性膀胱炎のリスクがあるため、 水分摂取を励行し排尿を促す.
  • シスプラチンによる末梢神経障害は累積投与量が200~300mg/m²以上になると発生頻度が高くなり、 聴覚障害は累積300mg/m²以上から注意を要する. 聴覚障害については、 不可逆的と考えられ、 特に高音域に障害を受けるとされる.

関連する臨床試験

Ann Hematol. 2014 Jan;93(1):99-105.¹⁾

概要

  • DCEP施行患者59人に対する遡及的調査
  • サリドマイド、 レナリドマイド、 又はボルテゾミブによる前治療歴のある患者にDCEPを施行
  • 年齢中央値は58歳、 DCEPは診断から中央値34.9ヵ月で開始

結果

  • 奏効評価可能な51人のうち、 奏効率は45.1% (完全奏効1人、非常に良好な部分奏効1人、部分奏効21人) 
  • 全生存期間 中央値:8.0ヵ月 (推定値)
  • 無増悪生存期間 中央値:3.7ヵ月 (推定値)
  • Grade3以上の好中球減少症:91.5%
  • 治療関連死亡は患者8名 (14.8%)で報告され、 死亡8名中7名は発熱性好中球減少症に関連していた.
  • DCEPは前治療歴のある再発又は難治性の多発性骨髄腫に対して効果的な救済治療の一つとなるが、 血液毒性と治療関連死亡は相当なものであり、 予防的なG-CSF製剤の併用が推奨される.

参考文献

  1. Ann Hematol. 2014 Jan;93(1):99-105.
  2. Cancer. 2015 Oct 15;121(20):3622-30.

最終更新:2023年9月28日
執筆担当:牛久愛和総合病院 薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。