がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
タラゾパリブとして1日1回1mgを経口投与
※乳癌の適応は0.25mg、1mgカプセルのみ
0.1mgカプセルはBRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌のみ適応
N Engl J Med. 2018;379(8):753-763.
生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異 (病的変異又は病的変異疑い) 陽性かつHER2陰性であり、 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤又はタキサン系抗悪性腫瘍剤 (禁忌でない場合) による治療歴を有する手術不能又は再発乳癌患者431例を対象に、 タラゾパリブ1mgを1日1回連続経口投与と標準治療群*の有効性を検討することを目的とした、 無作為化非盲検並行群間 海外第Ⅲ相試験²⁾
サブグループ解析では、 ホルモン受容体陽性例でより良好な成績が認められた(HR 0.47[同 0.32-0.70] )。 一方で、 OSはオラパリブと同様、 両群で有意差を認めなかった (中央値 19.3ヵ月 vs 19.5ヵ月、 HR 0.848 [同 0.670-1.073]、 p=0.17)。
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
注意すべき有害事象
EMBRACA試験³⁾のプロトコールより引用
生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異 (病的変異又は病的変異疑い) 陽性かつHER2陰性であり、 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤又はタキサン系抗悪性腫瘍剤 (禁忌でない場合) による治療歴を有する手術不能又は再発乳癌患者
以下は電子添文より引用
- eGFR 60~30mL/min/1.73m² : 0.75mg/日
- eGFR<30mL/min/1.73m² : 原則投与は避け、 やむを得ず投与する際は血中濃度上昇による副作用に留意し、 慎重に観察する
本レジメンは、 生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で、 アントラサイクリン系またはタキサン系抗悪性腫瘍剤 (禁忌でない場合) の治療歴を有する手術不能または再発乳がんに適用される。
本剤は単剤で使用するが、 卵巣機能抑制を目的とした性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRHアゴニスト等) との併用は許容される。 また、 前立腺癌での使用とは用量が異なるため、 乳がんへの適用時には用量設定に留意する必要がある。
主な有害事象は骨髄抑制であり、 特に貧血 (Grade≧3) は40.2%に発現し、 発現までの中央値は83日 (13~961日) であった。 貧血の評価にあたっては、 正球性かつ網赤血球の上昇を伴わない場合には内因性エリスロポエチン (EPO) 欠乏の可能性を考慮し、 血中EPO測定を検討する。 大球性 (MCV >115 fL) の場合には、 ビタミンB₁₂や葉酸の欠乏を除外する必要がある。
骨髄抑制 : 定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察。
本レジメンを適用する場合、 生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性を確認する必要がある。 適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。
BRCA1/2遺伝子変異
- BRACAnalysis診断システム
1) ファイザー株式会社. ターゼナ® 電子添文 (2024年1月作成 第1版)
2) ファイザー株式会社. ターゼナ® 適正使用ガイド 乳癌 (2024年4月作成 第2版)
3) N Engl J Med. 2018;379(8):753-763.
最終更新日 : 2025年6月30日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
タラゾパリブとして1日1回1mgを経口投与
※乳癌の適応は0.25mg、1mgカプセルのみ
0.1mgカプセルはBRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌のみ適応
N Engl J Med. 2018;379(8):753-763.
生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異 (病的変異又は病的変異疑い) 陽性かつHER2陰性であり、 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤又はタキサン系抗悪性腫瘍剤 (禁忌でない場合) による治療歴を有する手術不能又は再発乳癌患者431例を対象に、 タラゾパリブ1mgを1日1回連続経口投与と標準治療群*の有効性を検討することを目的とした、 無作為化非盲検並行群間 海外第Ⅲ相試験²⁾
サブグループ解析では、 ホルモン受容体陽性例でより良好な成績が認められた(HR 0.47[同 0.32-0.70] )。 一方で、 OSはオラパリブと同様、 両群で有意差を認めなかった (中央値 19.3ヵ月 vs 19.5ヵ月、 HR 0.848 [同 0.670-1.073]、 p=0.17)。
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
注意すべき有害事象
EMBRACA試験³⁾のプロトコールより引用
生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異 (病的変異又は病的変異疑い) 陽性かつHER2陰性であり、 アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤又はタキサン系抗悪性腫瘍剤 (禁忌でない場合) による治療歴を有する手術不能又は再発乳癌患者
以下は電子添文より引用
- eGFR 60~30mL/min/1.73m² : 0.75mg/日
- eGFR<30mL/min/1.73m² : 原則投与は避け、 やむを得ず投与する際は血中濃度上昇による副作用に留意し、 慎重に観察する
本レジメンは、 生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で、 アントラサイクリン系またはタキサン系抗悪性腫瘍剤 (禁忌でない場合) の治療歴を有する手術不能または再発乳がんに適用される。
本剤は単剤で使用するが、 卵巣機能抑制を目的とした性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRHアゴニスト等) との併用は許容される。 また、 前立腺癌での使用とは用量が異なるため、 乳がんへの適用時には用量設定に留意する必要がある。
主な有害事象は骨髄抑制であり、 特に貧血 (Grade≧3) は40.2%に発現し、 発現までの中央値は83日 (13~961日) であった。 貧血の評価にあたっては、 正球性かつ網赤血球の上昇を伴わない場合には内因性エリスロポエチン (EPO) 欠乏の可能性を考慮し、 血中EPO測定を検討する。 大球性 (MCV >115 fL) の場合には、 ビタミンB₁₂や葉酸の欠乏を除外する必要がある。
骨髄抑制 : 定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察。
本レジメンを適用する場合、 生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性を確認する必要がある。 適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。
BRCA1/2遺伝子変異
- BRACAnalysis診断システム
1) ファイザー株式会社. ターゼナ® 電子添文 (2024年1月作成 第1版)
2) ファイザー株式会社. ターゼナ® 適正使用ガイド 乳癌 (2024年4月作成 第2版)
3) N Engl J Med. 2018;379(8):753-763.
最終更新日 : 2025年6月30日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。