概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

【催吐性】 中等度催吐性

用法用量

JCOG0505試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より作図
電子添文の用法および用量
パクリタキセル : 進行又は再発の子宮頸癌にはシスプラチンとの併用において、 D法を使用。 D法 : 1日1回135mg/m²を24時間かけて点滴静注し、 少なくとも3週間休薬。 タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版)¹⁾より引用
カルボプラチン : 1日1回300~400mg/m²を投与し、 少なくとも4週間休薬。 パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版)²⁾より引用

前投薬・投与スケジュール例

Day1

- NK₁125mg 経口 (抗がん剤開始60~90分前)

- 抗ヒスタミン薬 50mg 経口 (点滴開始時)

- DEX9.9mg+H₂拮抗薬+5-HT₃ 1mg+生食 100mL (30分)

- PTX 175mg/m²+5%ブ糖液 500mL (3時間)

- CBDCA AUC5+5%ブ糖液 250mL (30~60分)

- 生食 50mL (全開投与)

Day2,3

- NK₁80mg 経口 (朝食後)

- DEX 8mg 経口 (朝食後)

Day4 (5)

- DEX 8mg 経口 (朝食後)

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
参考 : パクリタキセル電子添文¹⁾
投与約30分前までに投与を終了するように、 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液 (デキサメタゾンとして8mg) 及びラニチジン塩酸塩注射液 (ラニチジンとして50mg) または注射用ファモチジン (ファモチジンとして20mg) を静脈内投与、 ジフェンヒドラミン塩酸塩錠 (ジフェンヒドラミン塩酸塩として50mg) を経口投与すること。
デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、 次回投与時までに過敏症状の発現がみられなかった場合または臨床上特に問題のない過敏症状の場合は、 2週目の投与より半量 (4mg) に減量し投与してもよい。 以降の投与週においても同様の場合、 半量ずつ最低1mgまで減量し投与してもよい。
タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版)¹⁾より引用

投与開始基準

JCOG0505試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より作図

減量・休薬・中止基準

JCOG0505試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より作図

KeyData|臨床試験結果

JCOG0505試験³⁾

対象: IVB期または再発子宮頸癌253例
方法: TP群 vs TC群

【有効性】TC群

  • ORR 69.7%
  • mPFS 6.2ヵ月
  • mOS 17.5ヵ月

【安全性】Grade3以上の主な有害事象

  • 好中球数減少 76.2% (うちGrade4 45.2%)
  • 貧血 44.4%
  • 血小板数減少 24.6%
  • 発熱性好中球減少症 7.1%
  • 倦怠感 7.9%
  • Cre増加 0% (Grade2 4.8%)
  • 悪心 / 嘔吐 3.2%
  • 感覚性ニューロパチー 4.8%
J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

TP療法と比べ非劣性を示す

日本で行われたJCOG0505試験³⁾により、 TC療法が、 TP療法と比べて非劣性を示し、 TC療法が子宮頸がんの標準治療の仲間入りをしました。

初回から外来投与が可能

TC療法は、 特別に輸液が必要ではなく、 吐き気も少ないので、 初回投与から、 外来で投与が可能です。 患者さんのQOLを保つためにも、 外来治療で初めてはいかがでしょうか。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. クリニジェン株式会社. タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版) [最終閲覧 : 2024/03/27]
  2. クリニジェン株式会社. パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/03/27]
  3. Paclitaxel Plus Carboplatin Versus Paclitaxel Plus Cisplatin in Metastatic or Recurrent Cervical Cancer: The Open-Label Randomized Phase III Trial JCOG0505. J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35. PMID: 25732161
最終更新日 : 2024年7月5日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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パクリタキセル (タキソール®) + カルボプラチン (パラプラチン®)
2024年07月05日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

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【催吐性】 中等度催吐性

用法用量

JCOG0505試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より作図
電子添文の用法および用量
パクリタキセル : 進行又は再発の子宮頸癌にはシスプラチンとの併用において、 D法を使用。 D法 : 1日1回135mg/m²を24時間かけて点滴静注し、 少なくとも3週間休薬。 タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版)¹⁾より引用
カルボプラチン : 1日1回300~400mg/m²を投与し、 少なくとも4週間休薬。 パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版)²⁾より引用

前投薬・投与スケジュール例

Day1

- NK₁125mg 経口 (抗がん剤開始60~90分前)

- 抗ヒスタミン薬 50mg 経口 (点滴開始時)

- DEX9.9mg+H₂拮抗薬+5-HT₃ 1mg+生食 100mL (30分)

- PTX 175mg/m²+5%ブ糖液 500mL (3時間)

- CBDCA AUC5+5%ブ糖液 250mL (30~60分)

- 生食 50mL (全開投与)

Day2,3

- NK₁80mg 経口 (朝食後)

- DEX 8mg 経口 (朝食後)

Day4 (5)

- DEX 8mg 経口 (朝食後)

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
参考 : パクリタキセル電子添文¹⁾
投与約30分前までに投与を終了するように、 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液 (デキサメタゾンとして8mg) 及びラニチジン塩酸塩注射液 (ラニチジンとして50mg) または注射用ファモチジン (ファモチジンとして20mg) を静脈内投与、 ジフェンヒドラミン塩酸塩錠 (ジフェンヒドラミン塩酸塩として50mg) を経口投与すること。
デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、 次回投与時までに過敏症状の発現がみられなかった場合または臨床上特に問題のない過敏症状の場合は、 2週目の投与より半量 (4mg) に減量し投与してもよい。 以降の投与週においても同様の場合、 半量ずつ最低1mgまで減量し投与してもよい。
タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版)¹⁾より引用

投与開始基準

JCOG0505試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より作図

減量・休薬・中止基準

JCOG0505試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より作図

KeyData|臨床試験結果

JCOG0505試験³⁾

対象: IVB期または再発子宮頸癌253例
方法: TP群 vs TC群

【有効性】TC群

  • ORR 69.7%
  • mPFS 6.2ヵ月
  • mOS 17.5ヵ月

【安全性】Grade3以上の主な有害事象

  • 好中球数減少 76.2% (うちGrade4 45.2%)
  • 貧血 44.4%
  • 血小板数減少 24.6%
  • 発熱性好中球減少症 7.1%
  • 倦怠感 7.9%
  • Cre増加 0% (Grade2 4.8%)
  • 悪心 / 嘔吐 3.2%
  • 感覚性ニューロパチー 4.8%
J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35³⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

TP療法と比べ非劣性を示す

日本で行われたJCOG0505試験³⁾により、 TC療法が、 TP療法と比べて非劣性を示し、 TC療法が子宮頸がんの標準治療の仲間入りをしました。

初回から外来投与が可能

TC療法は、 特別に輸液が必要ではなく、 吐き気も少ないので、 初回投与から、 外来で投与が可能です。 患者さんのQOLを保つためにも、 外来治療で初めてはいかがでしょうか。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. クリニジェン株式会社. タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版) [最終閲覧 : 2024/03/27]
  2. クリニジェン株式会社. パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/03/27]
  3. Paclitaxel Plus Carboplatin Versus Paclitaxel Plus Cisplatin in Metastatic or Recurrent Cervical Cancer: The Open-Label Randomized Phase III Trial JCOG0505. J Clin Oncol. 2015 Jul 1;33(19):2129-35. PMID: 25732161
最終更新日 : 2024年7月5日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(婦人科)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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