ゲムシタビン (GEM) : 添付文書¹⁾
【1コース】28日間
【催吐性】軽度²⁾ (NCCN : 軽度³⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

GEM : 1回1,000mg/m²を30分かけて点滴静注し、 週1回投与を3週連続し、 4週目は休薬する。 これを1コースとして投与を繰り返す。 なお、 患者の状態により適宜減量する¹⁾。
Cancer Chemother Pharmacol. 2008;61(1):33-8.
白金製剤による前治療歴を有する、 進行 (stage IV) 又は遠隔転移を有する上咽頭癌32例を対象とした海外第Ⅱ相単群試験。 ゲムシタビン単独投与を受けた32例において、 主要評価項目は奏効率とした。
【有効性】ゲムシタビン単独投与
- 奏効率 43.8% (部分奏効14例、 安定9例、 進行7例)
- 無増悪期間 (TTP) 中央値 5.1ヵ月
- OS中央値 16ヵ月
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心・嘔吐 34.4% (0%)
- アレルギー 15.6% (0%)
- 白血球減少 71.9% (18.8%)
- 好中球減少 65.6% (18.8%)
- 貧血 25.0% (3.1%)
- 血小板減少 25.0% (3.1%)
- 感染を伴わない発熱 18.8% (0%)
- 脱毛 6.3% (0%)
- AST/ALT上昇 28.1% (9.4%)
Int J Clin Oncol. 2017;22(6):1009-14.
前治療歴≧2レジメンを有する再発又は転移上咽頭癌8例を対象に、 ゲムシタビン単独投与の有効性・安全性を検討した国内後方視的検討。 6例が3次治療、 1例が4次治療、 1例が5次治療としてゲムシタビンが使用された。
【有効性】
- 奏効率 25% (完全奏効1例、 部分奏効1例、 安定4例、 進行2例)
- 病勢コントロール率 75%
【安全性】主な有害事象 : Grade≧2 (Grade≧3)
- 白血球減少 88% (38%)
- 好中球減少 75% (50%)
- 貧血 13% (13%)
- 肺感染症 26% (13%)
- 蕁麻疹 13% (0%)
- 倦怠感 25% (0%)
- 食欲不振 13% (0%)
- 便秘 13% (0%)
投与当日の白血球数<2,000/μLまたは血小板数<7万/μLでは、 骨髄機能の回復まで投与を延期する¹⁾。
以下の場合は投与を中止し、 適切に対応する¹⁾。
- 明らかな腫瘍進行
- 間質性肺炎の発症または急性増悪が疑われる場合
- 溶血性尿毒症症候群を疑う場合
- 白質脳症 (可逆性後白質脳症症候群を含む) を疑う症状を認めた場合
🧑⚕️ゲムシタビン (GEM) は上咽頭癌に対する有用な治療選択肢の1つであるが、 長らく本邦では保険適用外であった。 2026年1月29日に公知申請が了承され、 同年8月に電子添文へ上咽頭癌の効能・効果が追加された。 これにより、 本邦でも再発・転移上咽頭癌に対し、 ゲムシタビン+シスプラチン (GP) 療法およびGEM単剤療法が使用可能となった。 プラチナ製剤感受性の再発・転移上咽頭癌を対象とした無作為化比較試験では、 GP+抗PD-1抗体療法のGP療法に対する優越性が示されている。 最新版のNCCNガイドラインでは、 GP+toripalimabが推奨レジメンに位置付けられているが、 GP療法への抗PD-1抗体併用はいずれも現時点で本邦では適応外であることに注意を要する。 最新情報として、 2026年8月24日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で、 RATIONALE-309試験の結果に基づく再発・転移上咽頭癌へのGP+チスレリズマブ療法の適応拡大が了承された。 本邦でも近い将来、 GP+チスレリズマブ療法が使用可能となる見込みである。
細胞内でdFdCDPおよびdFdCTPに代謝され、 DNA合成を直接・間接的に阻害して殺細胞作用を示す。 dFdCTPはDNA鎖への取り込み後にアポトーシスを誘発し、 dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼ阻害を介して細胞内dCTP濃度を低下させる¹⁾。
病態進行時の対応 : 腫瘍の明らかな増大や新病変の出現等、 病態の進行が認められた場合は投与を中止し、 他の適切な治療法に切り替える。
骨髄抑制 : 骨髄抑制等の重篤な副作用が時に致命的となるため、 臨床症状を観察し、 頻回の血液学的・肝・腎機能検査および定期的な胸部X線検査を行う。 投与当日の白血球数<2,000/μLまたは血小板数<7万/μLでは、 骨髄機能の回復まで投与を延期する。 前治療で骨髄機能が低下した患者では、 適宜減量し、 検査値に十分注意する。 週1回3週連続投与では、 白血球数・好中球数は投与開始約2–3週後に最低値となり、 約1週間で回復する。
間質性肺炎等の肺毒性 : 臨床症状 (呼吸状態、 咳及び発熱等の有無) を十分に観察し、 定期的に胸部X線検査を行う。 必要に応じて胸部CT検査、 動脈血酸素分圧 (PaO2)、 肺胞気動脈血酸素分圧較差 (A-aDO2)、 肺拡散能力 (DLco) 等の検査を行う。
感染症 : 感染症の発現又は増悪に十分注意する。
自動車の運転等 : 傾眠が認められることがあるため、 症状が発現しないことが確認されるまで自動車の運転等は行わないよう注意する。
1) 日本化薬株式会社. ゲムシタビン点滴静注液 「NK」 電子添文 (2026年8月改訂 第5版).
2) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
3) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
4) Cancer Chemother Pharmacol. 2008;61(1):33-8.
5) Int J Clin Oncol. 2017;22(6):1009-14.
最終更新日 : 2026年8月28日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 本間義崇
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
ゲムシタビン (GEM) : 添付文書¹⁾
【1コース】28日間
【催吐性】軽度²⁾ (NCCN : 軽度³⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

GEM : 1回1,000mg/m²を30分かけて点滴静注し、 週1回投与を3週連続し、 4週目は休薬する。 これを1コースとして投与を繰り返す。 なお、 患者の状態により適宜減量する¹⁾。
Cancer Chemother Pharmacol. 2008;61(1):33-8.
白金製剤による前治療歴を有する、 進行 (stage IV) 又は遠隔転移を有する上咽頭癌32例を対象とした海外第Ⅱ相単群試験。 ゲムシタビン単独投与を受けた32例において、 主要評価項目は奏効率とした。
【有効性】ゲムシタビン単独投与
- 奏効率 43.8% (部分奏効14例、 安定9例、 進行7例)
- 無増悪期間 (TTP) 中央値 5.1ヵ月
- OS中央値 16ヵ月
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心・嘔吐 34.4% (0%)
- アレルギー 15.6% (0%)
- 白血球減少 71.9% (18.8%)
- 好中球減少 65.6% (18.8%)
- 貧血 25.0% (3.1%)
- 血小板減少 25.0% (3.1%)
- 感染を伴わない発熱 18.8% (0%)
- 脱毛 6.3% (0%)
- AST/ALT上昇 28.1% (9.4%)
Int J Clin Oncol. 2017;22(6):1009-14.
前治療歴≧2レジメンを有する再発又は転移上咽頭癌8例を対象に、 ゲムシタビン単独投与の有効性・安全性を検討した国内後方視的検討。 6例が3次治療、 1例が4次治療、 1例が5次治療としてゲムシタビンが使用された。
【有効性】
- 奏効率 25% (完全奏効1例、 部分奏効1例、 安定4例、 進行2例)
- 病勢コントロール率 75%
【安全性】主な有害事象 : Grade≧2 (Grade≧3)
- 白血球減少 88% (38%)
- 好中球減少 75% (50%)
- 貧血 13% (13%)
- 肺感染症 26% (13%)
- 蕁麻疹 13% (0%)
- 倦怠感 25% (0%)
- 食欲不振 13% (0%)
- 便秘 13% (0%)
投与当日の白血球数<2,000/μLまたは血小板数<7万/μLでは、 骨髄機能の回復まで投与を延期する¹⁾。
以下の場合は投与を中止し、 適切に対応する¹⁾。
- 明らかな腫瘍進行
- 間質性肺炎の発症または急性増悪が疑われる場合
- 溶血性尿毒症症候群を疑う場合
- 白質脳症 (可逆性後白質脳症症候群を含む) を疑う症状を認めた場合
🧑⚕️ゲムシタビン (GEM) は上咽頭癌に対する有用な治療選択肢の1つであるが、 長らく本邦では保険適用外であった。 2026年1月29日に公知申請が了承され、 同年8月に電子添文へ上咽頭癌の効能・効果が追加された。 これにより、 本邦でも再発・転移上咽頭癌に対し、 ゲムシタビン+シスプラチン (GP) 療法およびGEM単剤療法が使用可能となった。 プラチナ製剤感受性の再発・転移上咽頭癌を対象とした無作為化比較試験では、 GP+抗PD-1抗体療法のGP療法に対する優越性が示されている。 最新版のNCCNガイドラインでは、 GP+toripalimabが推奨レジメンに位置付けられているが、 GP療法への抗PD-1抗体併用はいずれも現時点で本邦では適応外であることに注意を要する。 最新情報として、 2026年8月24日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で、 RATIONALE-309試験の結果に基づく再発・転移上咽頭癌へのGP+チスレリズマブ療法の適応拡大が了承された。 本邦でも近い将来、 GP+チスレリズマブ療法が使用可能となる見込みである。
細胞内でdFdCDPおよびdFdCTPに代謝され、 DNA合成を直接・間接的に阻害して殺細胞作用を示す。 dFdCTPはDNA鎖への取り込み後にアポトーシスを誘発し、 dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼ阻害を介して細胞内dCTP濃度を低下させる¹⁾。
病態進行時の対応 : 腫瘍の明らかな増大や新病変の出現等、 病態の進行が認められた場合は投与を中止し、 他の適切な治療法に切り替える。
骨髄抑制 : 骨髄抑制等の重篤な副作用が時に致命的となるため、 臨床症状を観察し、 頻回の血液学的・肝・腎機能検査および定期的な胸部X線検査を行う。 投与当日の白血球数<2,000/μLまたは血小板数<7万/μLでは、 骨髄機能の回復まで投与を延期する。 前治療で骨髄機能が低下した患者では、 適宜減量し、 検査値に十分注意する。 週1回3週連続投与では、 白血球数・好中球数は投与開始約2–3週後に最低値となり、 約1週間で回復する。
間質性肺炎等の肺毒性 : 臨床症状 (呼吸状態、 咳及び発熱等の有無) を十分に観察し、 定期的に胸部X線検査を行う。 必要に応じて胸部CT検査、 動脈血酸素分圧 (PaO2)、 肺胞気動脈血酸素分圧較差 (A-aDO2)、 肺拡散能力 (DLco) 等の検査を行う。
感染症 : 感染症の発現又は増悪に十分注意する。
自動車の運転等 : 傾眠が認められることがあるため、 症状が発現しないことが確認されるまで自動車の運転等は行わないよう注意する。
1) 日本化薬株式会社. ゲムシタビン点滴静注液 「NK」 電子添文 (2026年8月改訂 第5版).
2) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
3) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
4) Cancer Chemother Pharmacol. 2008;61(1):33-8.
5) Int J Clin Oncol. 2017;22(6):1009-14.
最終更新日 : 2026年8月28日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 本間義崇
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。