イムデトラ® (添付文書など近日掲載)
DeLLphi-301試験¹⁾のプロトコル
1サイクル28日間で、 1サイクル目のDay1に1mgを、 その後Day8とDay15に10mgを、 2サイクル目以降は病勢進行または許容できない毒性が認められるまで2週間ごと (Day1とDay15) に静脈投与する
第2相非盲検多施設共同多コホート試験であるDeLLphi-301試験の結果に基づくFDA承認
N Engl J Med. 2023;389(22):2063-75.
第2相非盲検多施設共同多コホート試験。 タルラタマブ10mgを2週ごとに投与患者99人の結果詳細は、 2023年10月に開催されたESMOで発表され、 同時にNEJM誌に掲載された。 主要有効性評価項目は、 RECIST 1.1に基づく全奏効率 (ORR) と、 盲検独立中央判定による奏効期間 (DOR) であった。
有効性
- ORR : 40% (95%CI 31~51%)
- mDOR : 9.7ヵ月 (95%CI 2.7~20.7ヵ月超)
- mOS : 14.3ヵ月
安全性|特に頻度が高かった有害事象
- サイトカイン放出症候群 : 51%*
- 食欲不振 : 29%
- 発熱 : 35%
DeLLphi-301試験¹⁾に基づく各プロトコル
18歳以上の組織学的または細胞学的に確認された再発性/難治性SCLC。 1回のプラチナベースのレジメンと少なくとも1回のその他の前治療後に進行または再発した全身状態良好な患者 (ECOG PS 0-1)
プロトコル詳細はclinicalTrials.govを参照
SCLC患者の約85~96%の腫瘍細胞表面に発現しているとされるデルタ様リガンド3 (DLL3) と、 免疫系のT細胞の表面に発現するCD3の両方に結合するよう設計された二重特異性抗体である(BiTE®)。 T細胞とSCLC細胞との間に複合体を形成し、 これによりT細胞を活性化させて腫瘍細胞を溶解させる。
初回投与後および増量時に、 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) や サイトカイン放出症候群 (CRS) などの免疫関連AEが高頻度に出現するため、 最適使用推進ガイドライン等を参考に『厳密な副作用モニタリングと管理が可能な環境』で行うという点が非常に重要。
CRSは投与後1カ月以内がほとんどである。投与中止にならないよう、早期の介入が必要。
参考: ICANS重症度判定基準 >>計算する
参考: ICEスコア >>計算する
タルラタマブは、 2024年2月9日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受け、 2024年5月15日に進行・再発の進展型SCLCを対象に承認申請され、 2024年12月6日の承認了承となった。 今後、 正式な承認予定である。
DeLLphi-301試験の結果をもとに、 全身状態良好 PS (0-1) の再発小細胞肺癌に対して、 3次治療以降に行うよう強く推奨されている [2C]。
2) 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・ 胸腺腫瘍含む-2024年版
最終更新日 : 2024年12月7日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
イムデトラ® (添付文書など近日掲載)
DeLLphi-301試験¹⁾のプロトコル
1サイクル28日間で、 1サイクル目のDay1に1mgを、 その後Day8とDay15に10mgを、 2サイクル目以降は病勢進行または許容できない毒性が認められるまで2週間ごと (Day1とDay15) に静脈投与する
第2相非盲検多施設共同多コホート試験であるDeLLphi-301試験の結果に基づくFDA承認
N Engl J Med. 2023;389(22):2063-75.
第2相非盲検多施設共同多コホート試験。 タルラタマブ10mgを2週ごとに投与患者99人の結果詳細は、 2023年10月に開催されたESMOで発表され、 同時にNEJM誌に掲載された。 主要有効性評価項目は、 RECIST 1.1に基づく全奏効率 (ORR) と、 盲検独立中央判定による奏効期間 (DOR) であった。
有効性
- ORR : 40% (95%CI 31~51%)
- mDOR : 9.7ヵ月 (95%CI 2.7~20.7ヵ月超)
- mOS : 14.3ヵ月
安全性|特に頻度が高かった有害事象
- サイトカイン放出症候群 : 51%*
- 食欲不振 : 29%
- 発熱 : 35%
DeLLphi-301試験¹⁾に基づく各プロトコル
18歳以上の組織学的または細胞学的に確認された再発性/難治性SCLC。 1回のプラチナベースのレジメンと少なくとも1回のその他の前治療後に進行または再発した全身状態良好な患者 (ECOG PS 0-1)
プロトコル詳細はclinicalTrials.govを参照
SCLC患者の約85~96%の腫瘍細胞表面に発現しているとされるデルタ様リガンド3 (DLL3) と、 免疫系のT細胞の表面に発現するCD3の両方に結合するよう設計された二重特異性抗体である(BiTE®)。 T細胞とSCLC細胞との間に複合体を形成し、 これによりT細胞を活性化させて腫瘍細胞を溶解させる。
初回投与後および増量時に、 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) や サイトカイン放出症候群 (CRS) などの免疫関連AEが高頻度に出現するため、 最適使用推進ガイドライン等を参考に『厳密な副作用モニタリングと管理が可能な環境』で行うという点が非常に重要。
CRSは投与後1カ月以内がほとんどである。投与中止にならないよう、早期の介入が必要。
参考: ICANS重症度判定基準 >>計算する
参考: ICEスコア >>計算する
タルラタマブは、 2024年2月9日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受け、 2024年5月15日に進行・再発の進展型SCLCを対象に承認申請され、 2024年12月6日の承認了承となった。 今後、 正式な承認予定である。
DeLLphi-301試験の結果をもとに、 全身状態良好 PS (0-1) の再発小細胞肺癌に対して、 3次治療以降に行うよう強く推奨されている [2C]。
2) 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・ 胸腺腫瘍含む-2024年版
最終更新日 : 2024年12月7日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。