本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.
薬剤情報
- カイプロリス® (添付文書 / 適正使用ガイド)
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- レブラミド® (添付文書 / 適正使用ガイド)
*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.
主な有害事象
ASPIRE試験¹⁾より引用
骨髄抑制
- 貧血 (25.5%、 ≧Grade3 8.4%)
- ヘモグロビン減少 (1.3%、 ≧Grade3 0.8%)
- 白血球数減少 (0.5%、 ≧Grade3 0.5%)
- 白血球減少症 (5.1%、 ≧Grade3 2.6%)
- 好中球減少症 (34.2%、 ≧Grade3 27.0%)
- 好中球数減少 (3.3%、 ≧Grade3 2.0%)
- 発熱性好中球減少症 (2.8%、 ≧Grade3 2.0%)
- リンパ球減少症 (2.8%、 ≧Grade3 2.6%)
- 血小板数減少 (3.3%、 ≧Grade3 2.3%)
- 血小板減少症 (22.4%、 ≧Grade3 14.3%)
主な有害事象
- 感染症 (30.4%、 ≧Grade3 10.5%)
- Infusion reaction (22.4%、 ≧Grade3 1.8%)
- 静脈血栓塞栓症 (12.2%、 ≧Grade3 5.4%)
- 下痢 (42.3%、 ≧Grade3 3.8%)
- 疲労・倦怠感 (32.9%、 ≧Grade3 7.7%)
- 咳 (28.8%、 ≧Grade3 0.3%)
- 発熱 (28.6%、 ≧Grade3 1.8%)
- 上気道感染 (28.6%、 ≧Grade3 1.8%)
- 低カリウム血症 (27.6%、 ≧Grade3 9.4%)
- 筋攣縮 (26.5%、 ≧Grade3 1.0%)
その他重要な有害事象
- 肝不全・肝機能障害 (7.4%、 ≧Grade3 3.6%)
- 高血圧・高血圧クリーゼ (6.6%、 ≧Grade3 1.0%)
- 出血 (4.6%、 ≧Grade3 0.3%)
- 心障害 (3.8%、 ≧Grade3 2.0%)
- 急性腎障害 (2.8%、 ≧Grade3 1.3%)
- 腫瘍崩壊症候群 (0.8%、 ≧Grade3 0.8%)
- 間質性肺疾患 (0.3%、 ≧Grade3 0.3%)
特徴と注意点
カルフィルゾミブ (Carfilzomib:CFZ)
- CFZはプロテアソーム阻害薬で再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
- CFZはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
- 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
- CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.
レナリドミド (Lenalidomide:LEN)
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- 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
- その他LENに関する詳細はPd療法の項目を参照.
関連する臨床試験の結果
概要
除外患者:ボルテゾミブによる治療中に病勢進行が見られた患者、 直近のRd療法で治療中に病勢進行が見られた患者、 又はRd療法開始3か月以内に病勢進行が見られた患者.
- 介入群:カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン (KRd群)
- 対照群:レナリドミド+デキサメタゾン (Rd群)
※18サイクル後はKRd群・Rd群ともにRd継続.
- 主要評価項目:PFS
- 副次評価項目:OS、 ORR、 DoR
PFS:無増悪生存期間、 OS:全生存期間、 ORR:全奏効率、 DoR:奏効持続期間
結果
- PFS中央値: KRd群26.3ヵ月 vs Rd群17.6ヵ月 (HR0.69、 95%CI 0.57-0.83、 p=0.0001)
- OS中央値:KRd群未到達 vs Rd群未到達
- 2年OS:KRd群73.3% vs Rd群65.0% (HR0.79、 95%CI 0.63-0.99、 p=0.04)
- ORR:KRd群87.1% vs Rd群66.7% (p<0.001)
- DoR:KRd群28.6ヵ月 vs Rd群21.2ヵ月
- Grade 3以上の有害事象発現率:KRd群83.7% vs Rd群80.7%
- 観察期間中央値:67.1ヵ月
- OS中央値:KRd群48.3ヵ月 vs Rd群40.4ヵ月 (HR0.79、 95%CI 0.67-0.95、 p=0.0045)
参考文献
- N Engl J Med. 2015 Jan 8;372(2):142-52.
- J Clin Oncol. 2018 Mar 10;36(8):728-734.
最終更新:2025年7月9日
執筆:HOKUTO編集部
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔