治療スケジュール
概要
監修医師

ATO:三酸化二ヒ素(トリセノックス®)

投与量コース投与日
再寛解導入療法--
0.15mg/kg最長60日Day 1~ 連日

ATO:三酸化二ヒ素(トリセノックス®)

投与量コース投与日
地固め療法--
0.15mg/kg1週目Day 1~5
0.15mg/kg2週目Day 8~12
0.15mg/kg3週目Day 15~19
0.15mg/kg4週目Day 22~26
0.15mg/kg5週目Day 29~33

その他

ATO 0.15mg/kgを1日1回、 1~2時間かけて点滴静注.
再寛解導入療法の場合、 寛解が得られるまで連日投与. 最大60日を超えない.
寛解が得られた場合、 寛解導入終了後3~6週間後に開始する.
寛解後療法の場合、 5日間投与 2日間休薬を5回 (5週間)繰り返す.

関連する薬剤情報

トリセノックス注10mg
抗悪性腫瘍薬 > 三酸化ヒ素製剤
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病。
トリセノックス注10mg
抗悪性腫瘍薬 > 三酸化ヒ素製剤
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病。
レジメン
ATO
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

トリセノックス®添付文書より引用

主な有害事象

  • 心電図QT延長 (46.1%)
  • ALT増加 (27.7%)
  • 肝機能異常 (25.8%)
  • AST増加 (21.4%)
  • 白血球増加症 (14.6%)
  • LDH増加 (11.6%)
  • CRP増加 (11.6%)
  • APL分化症候群 (10.1%)
  • ALP増加 (10.1%)

その他の重要な有害事象

  • ウェルニッケ脳症 (頻度不明)
  • 神経症状
  • 皮膚障害

特徴と注意点

特徴

  • APLの再発例ではATOによる再寛解導入療法を行う.
  • ATOにより80%以上に再寛解が得られる.
  • 再寛解後はATOによる寛解後療法を行い、 骨髄PML-RARA陰性となった例では末梢血幹細胞移植を行う.
  • ATO治療後、 PML-RARA陽性例や若年者では同種移植も考慮する.
  • 近年海外では初発APLにATRAとATOの併用の高い有効性が示されている.¹⁾

心電図異常・不整脈

  • QT延長や完全房室ブロックなどの不整脈を合併することがある.
  • 12誘導心電図を週に最低2回実施.
  • QTc 500 msec以上に延長時には休薬.
  • 心電図モニターによる監視も考慮.
  • QT延長を起こす薬剤と併用注意 (例:抗精神薬、 抗不整脈薬、 H2ブロッカー、 一部のマクロライド系抗菌薬等).
  • 血清K≧4mEq/L、 Mg≧1.8mEq/Lに維持.

分化症候群 (Differentiation Syndrome:DS)

  • 詳細は分化症候群を参照.
  • 症状:呼吸困難、 発熱、 5kg超の体重増加、 低血圧、 急性腎不全、 胸部X線で肺浸潤影・胸水・心嚢水.
  • 治療:早期にデキサメタゾン10mgを1日2回点滴静注開始.

ウェルニッケ脳症

  • ATOによりウェルニッケ脳症が現れることがある.
  • 症状:意識障害、 運動失調、 眼球運動障害等.
  • 検査:ビタミンB1の測定、 MRIによる画像診断等を行う.
  • 治療:ビタミンB1の投与ATOの中止等の適切な処置を行う.

調剤・投与上の注意

  • ATOの使用にあたり、 ATOの薬剤使用基準、 廃棄基準を施設が満たしていることを確認する.
  • 過量投与による重篤な急性ヒ素中毒を示唆する症状が発現した場合、 本剤の投与を速やかに中止し、 キレート治療等 (ジメルカプロールやペニシラミン) を検討.
  • ATOは10mLの使い切りアンプル. 残った溶液をその後の投与に使用しない.
  • 血管外に漏出した場合、 直ちに投与を中止し可能な限り局所から残薬を回収する.
  • 催奇形性があるため避妊を含め十分な説明を行う.

関連する臨床試験の結果

JALSG APL205R²⁾

概要

  • 本邦において行われた再発APLに対してATOによる寛解導入後自家移植を行う試験.

結果

  • 完全寛解率:81%
  • 5年無イベント生存率:65%
  • 5年生存率:77%

米国の多施設共同研究³⁾

概要

  • ATRA+化学療法後の再発APLに対するATO単剤の多施設共同試験.
  • 40例中21例が初回再発、 10例が2回以上の再発、 5例が造血幹細胞移植後の再発であった.

結果

  • 完全寛解率:85% (34/40例)
  • 18ヵ月生存率:66%
  • 18ヵ月無再発生存率:56%

参考文献

  1. N Engl J Med. 2013 Jul 11;369(2):111-21.
  2. Leukemia, 16(4), 617-622(2002)
  3. J Clin Oncol. 2001 Sep 15;19(18):3852-60.

最終更新:2022年8月24日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

関連する薬剤情報

トリセノックス注10mg
抗悪性腫瘍薬 > 三酸化ヒ素製剤
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病。
トリセノックス注10mg
抗悪性腫瘍薬 > 三酸化ヒ素製剤
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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関連する薬剤情報

トリセノックス注10mg
抗悪性腫瘍薬 > 三酸化ヒ素製剤
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病。
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ATO

ATO

三酸化二ヒ素(トリセノックス®)
2023年05月27日更新

ATO:三酸化二ヒ素(トリセノックス®)

投与量コース投与日
再寛解導入療法--
0.15mg/kg最長60日Day 1~ 連日

ATO:三酸化二ヒ素(トリセノックス®)

投与量コース投与日
地固め療法--
0.15mg/kg1週目Day 1~5
0.15mg/kg2週目Day 8~12
0.15mg/kg3週目Day 15~19
0.15mg/kg4週目Day 22~26
0.15mg/kg5週目Day 29~33

その他

ATO 0.15mg/kgを1日1回、 1~2時間かけて点滴静注.
再寛解導入療法の場合、 寛解が得られるまで連日投与. 最大60日を超えない.
寛解が得られた場合、 寛解導入終了後3~6週間後に開始する.
寛解後療法の場合、 5日間投与 2日間休薬を5回 (5週間)繰り返す.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

トリセノックス®添付文書より引用

主な有害事象

  • 心電図QT延長 (46.1%)
  • ALT増加 (27.7%)
  • 肝機能異常 (25.8%)
  • AST増加 (21.4%)
  • 白血球増加症 (14.6%)
  • LDH増加 (11.6%)
  • CRP増加 (11.6%)
  • APL分化症候群 (10.1%)
  • ALP増加 (10.1%)

その他の重要な有害事象

  • ウェルニッケ脳症 (頻度不明)
  • 神経症状
  • 皮膚障害

特徴と注意点

特徴

  • APLの再発例ではATOによる再寛解導入療法を行う.
  • ATOにより80%以上に再寛解が得られる.
  • 再寛解後はATOによる寛解後療法を行い、 骨髄PML-RARA陰性となった例では末梢血幹細胞移植を行う.
  • ATO治療後、 PML-RARA陽性例や若年者では同種移植も考慮する.
  • 近年海外では初発APLにATRAとATOの併用の高い有効性が示されている.¹⁾

心電図異常・不整脈

  • QT延長や完全房室ブロックなどの不整脈を合併することがある.
  • 12誘導心電図を週に最低2回実施.
  • QTc 500 msec以上に延長時には休薬.
  • 心電図モニターによる監視も考慮.
  • QT延長を起こす薬剤と併用注意 (例:抗精神薬、 抗不整脈薬、 H2ブロッカー、 一部のマクロライド系抗菌薬等).
  • 血清K≧4mEq/L、 Mg≧1.8mEq/Lに維持.

分化症候群 (Differentiation Syndrome:DS)

  • 詳細は分化症候群を参照.
  • 症状:呼吸困難、 発熱、 5kg超の体重増加、 低血圧、 急性腎不全、 胸部X線で肺浸潤影・胸水・心嚢水.
  • 治療:早期にデキサメタゾン10mgを1日2回点滴静注開始.

ウェルニッケ脳症

  • ATOによりウェルニッケ脳症が現れることがある.
  • 症状:意識障害、 運動失調、 眼球運動障害等.
  • 検査:ビタミンB1の測定、 MRIによる画像診断等を行う.
  • 治療:ビタミンB1の投与ATOの中止等の適切な処置を行う.

調剤・投与上の注意

  • ATOの使用にあたり、 ATOの薬剤使用基準、 廃棄基準を施設が満たしていることを確認する.
  • 過量投与による重篤な急性ヒ素中毒を示唆する症状が発現した場合、 本剤の投与を速やかに中止し、 キレート治療等 (ジメルカプロールやペニシラミン) を検討.
  • ATOは10mLの使い切りアンプル. 残った溶液をその後の投与に使用しない.
  • 血管外に漏出した場合、 直ちに投与を中止し可能な限り局所から残薬を回収する.
  • 催奇形性があるため避妊を含め十分な説明を行う.

関連する臨床試験の結果

JALSG APL205R²⁾

概要

  • 本邦において行われた再発APLに対してATOによる寛解導入後自家移植を行う試験.

結果

  • 完全寛解率:81%
  • 5年無イベント生存率:65%
  • 5年生存率:77%

米国の多施設共同研究³⁾

概要

  • ATRA+化学療法後の再発APLに対するATO単剤の多施設共同試験.
  • 40例中21例が初回再発、 10例が2回以上の再発、 5例が造血幹細胞移植後の再発であった.

結果

  • 完全寛解率:85% (34/40例)
  • 18ヵ月生存率:66%
  • 18ヵ月無再発生存率:56%

参考文献

  1. N Engl J Med. 2013 Jul 11;369(2):111-21.
  2. Leukemia, 16(4), 617-622(2002)
  3. J Clin Oncol. 2001 Sep 15;19(18):3852-60.

最終更新:2022年8月24日
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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