ゲムシタビン (GEM) : 添付文書¹⁾
シスプラチン (CDDP) : 添付文書²⁾
【1コース】21日間 (導入化学療法)
【催吐性】高度³⁾ (NCCN : 高度)⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*

GEM : 3週間を1サイクルとして、 ゲムシタビンとして1回1,000mg/m²をDay 1および8に30分かけて点滴静注し、 3サイクル繰り返す。
CDDP : 3週間を1サイクルとして、 シスプラチンとして1回80mg/m²をDay 1に点滴静注し、 3サイクル繰り返す。

CDDP : 放射線療法と同時に、 1回100mg/m²をDay 1、 22、 43に点滴静注 (3週ごと、 計3回)。
強度変調放射線治療 (IMRT) : 1回2.0–2.2 Gy、 1日1回・週5回、 原発巣に66–70 Gyを30–33回に分割して照射する (肉眼的頸部リンパ節病変64–70 Gy、 高リスク領域60–62 Gy、 予防照射領域54–56 Gy)。
NPC-GP試験⁵⁾では、 導入GP療法の最終サイクル開始後3–4週に化学放射線療法を開始した。
N Engl J Med. 2019;381(12):1124–1135.
未治療で遠隔転移のないStage III-IVB*の非角化型上咽頭癌患者480例を対象とした第III相無作為化比較試験。 GEM+CDDPによる導入化学療法群242例、 化学放射線療法 (CCRT) 単独群238例に1:1で割り付け、 主要評価項目はITT集団における無再発生存とした。
【有効性】GP療法群 (vs CCRT単独群)
- 3年無再発生存率 : 85.3% (vs 76.5%)
- 3年全生存率 : 94.6% (vs 90.3%)
- 3年遠隔転移なし生存率 : 91.1% (vs 84.4%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 白血球減少 96.7% (26.4%)
- 好中球減少 84.5% (28.0%)
- 発熱性好中球減少症 0.4% (0.4%)
- 貧血 84.1% (9.6%)
- 血小板減少 49.4% (11.3%)
- 粘膜炎 87.0% (28.9%)
- 嘔吐 58.2% (22.6%)
- 悪心 96.7% (23.0%)
- 口腔乾燥 75.3% (5.0%)
- 下痢 10.0% (2.5%)
- 皮膚炎 61.1% (2.1%)
- 体重減少 64.0% (2.1%)
- 難聴・中耳炎 72.0% (0%)
- 腎毒性 21.8% (2.5%)
- 肝毒性 31.0% (2.5%)
- 症候性側頭葉壊死 5.9% (0%)
- 脳神経障害 3.3% (0.8%)
- 末梢神経障害 10.0% (1.3%)
- 眼障害 1.3% (0%)
- 難聴・中耳炎 30.5% (5.4%)
- 口腔乾燥 77.8% (2.9%)
- 頸部組織損傷 26.4% (0.4%)
- 骨壊死 1.7% (0%)
- 開口障害 2.9% (0%)
- 腎毒性 2.9% (0%)
NPC-GP試験⁵⁾の主な適格基準
- 18歳以上64歳以下
- PS : Karnofsky scale (KPS) ≧70
- 白血球数>4000/μL
- 好中球数>2000/μL
- 血小板数>10万/μL
- Hb>9.0g/dL
- 肝機能 : ALT/AST<1.5×ULN、 ALP<2.5×ULN、 T-Bil<ULN
- 腎機能 : CrCl≧60mL/min
GP療法の減量規定は以下のとおり。

化学放射線療法時におけるCDDP減量規定は以下のとおり。

GEM : 腎機能低下や透析時の減量は原則不要。 ただし、 代謝産物dFdUは腎機能低下時に蓄積しやすく、 皮膚障害などの有害事象が増える可能性があるため注意⁶⁾
CDDP : 重篤な腎障害例への投与は禁忌²⁾
- CrCl 46~60mL/minでは75%、 31~45mL/minでは50%に減量し、 CrCl≦30mL/minでは投与を推奨しない⁶⁾
- 別の報告 : CrCl 30~49mL/minでは75%、 10~29mL/minでは投与が必要な場合に75%、 CrCl<10mL/minでは投与が必要な場合に50%に減量⁶⁾
次サイクル開始基準⁵⁾ :
- 好中球数>1500/μL
- 血小板数>10万/μL
- T-Bil - CrCl>60mL/minDay 8のGEMは、 好中球数>1500/μL、 血小板数>7.5万/μLを満たすまで延期 (延期は最大5日間)。 導入化学療法・CCRTのいずれの相においても、 Grade 3/4の毒性 (脱毛・疲労・倦怠感・爪の変化を除く) がGrade 1以下に回復するまで1サイクルあたり最大2週間の延期が可能で、 延期が2週間を超える場合は化学療法を中止する⁵⁾。
GP療法 : 下表に加え、 毒性により次サイクル開始が1週間を超えて延期された場合は、 GEM・CDDPを各1段階減量する。 初回減量後に同一毒性が再発した場合は、 開始用量から2段階減量する。
出典⁵⁾を基に編集部作成
CCRT :
出典⁵⁾を基に編集部作成
レジメンの特徴と注意点
🧑⚕️ゲムシタビンは上咽頭癌に対する有用な治療選択肢の1つであるが、 長らく本邦では保険適用外であった。 2026年1月29日に公知申請が了承され、 同年8月に電子添文へ上咽頭癌の効能・効果が追加された。 これにより、 本邦でも世界標準の治療であるゲムシタビン+シスプラチン (GP) 療法が使用可能となった。 局所進行上咽頭癌に対しては、 根治的化学放射線療法 (CRT) に先行する導入化学療法として承認されており、 GP療法の投与は最大3コースに限られる。 CRT後の追加化学療法は適応外であることに注意を要する。 また、 ドセタキセル+シスプラチン+5-FU (TPF療法) との使い分けについては、 CSCO/ASCOガイドライン (J Clin Oncol 2021; 39: 840-859) でも同列に扱われており、 最新のメタ解析 (Lancet Oncol 2023; 24: 611-23) でも同等の治療効果が示されている。 患者の全身状態と各レジメンの有害事象プロファイルを踏まえ、 治療を選択することが望ましい。国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 本間義崇先生
作用機序の特徴
GEM : 細胞内でdFdCDPおよびdFdCTPに代謝され、 DNA合成を直接・間接的に阻害して殺細胞作用を示す。 dFdCTPはDNA鎖への取り込み後にアポトーシスを誘発し、 dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼ阻害を介して細胞内dCTP濃度を低下させる¹⁾。
CDDP : 癌細胞内のDNAと結合し、 DNA合成及びそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害するものと考えられている²⁾。
レジメン適用時の注意事項
ゲムシタビン電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約
病態進行時の対応 : 腫瘍の明らかな増大、 新病変の出現等の病態進行が認められた場合は投与を中止し、 他の適切な治療法に切り替える。
重篤な副作用の観察 : 骨髄抑制、 間質性肺炎等の重篤な副作用が起こり、 ときに致命的な経過をたどることがあるため、 臨床症状を十分に観察し、 頻回に臨床検査 (血液学的検査、 肝機能検査、 腎機能検査等) を、 定期的に胸部X線検査を行う。
骨髄抑制 : 白血球数及び血小板数の変動に十分留意し、 投与当日の白血球数が2000/μL未満又は血小板数が7万/μL未満であれば骨髄機能が回復するまで投与を延期する。 前治療により骨髄機能が低下している患者では骨髄抑制が強くあらわれることがあるため、 投与量を適宜減量し臨床検査値に十分注意する。
間質性肺炎等の肺毒性 : 臨床症状 (呼吸状態、 咳及び発熱等の有無) を十分に観察し、 定期的に胸部X線検査を行う。 必要に応じて胸部CT検査、 動脈血酸素分圧 (PaO2)、 肺胞気動脈血酸素分圧較差 (A-aDO2)、 肺拡散能力 (DLco) 等の検査を行う。
感染症 : 感染症の発現又は増悪に十分注意する。
自動車の運転等 : 傾眠が認められることがあるため、 症状が発現しないことが確認されるまで自動車の運転等は行わないよう注意する。
シスプラチン電子添文²⁾ 「重要な基本的注意」 の要約
消化器症状 : 悪心・嘔吐、 食欲不振等の消化器症状がほとんど全例に起こるため、 患者の状態を十分に観察し適切な処置を行う。
重篤な副作用の観察 : 腎障害、 骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるため、 頻回に臨床検査 (腎機能検査、 血液検査、 肝機能検査等) を行うなど患者の状態を十分に観察する。 長期間の使用では副作用が強くあらわれ遷延性に推移することがあるため慎重に投与する。 フロセミドによる強制利尿を行う場合は腎障害、 聴器障害が増強されることがあるため、 輸液等による水分補給を十分行う。
感染症・出血傾向 : 感染症、 出血傾向の発現又は増悪に十分注意する。
G-CSF製剤等の使用 : G-CSF製剤等の適切な使用についても考慮する。
聴器障害 : 投与量の増加に伴い聴器障害の発現頻度が高くなり、 特に1日投与量80mg/m²以上、 総投与量300mg/m²超でその傾向が顕著となるため十分な観察を行い投与する。
高血糖・糖尿病の悪化 : 高血糖、 糖尿病の悪化があらわれることがあるため、 血糖値や尿糖に注意するなど観察を十分に行う。
出典
1) 日本化薬株式会社. ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL 「NK」 ・1g/25mL 「NK」 ® 電子添文 (2026年8月改訂 第5版)
2) 日医工ファーマ株式会社 (販売元 : 日医工株式会社) . シスプラチン点滴静注10mg 「マルコ」 ・25mg 「マルコ」 ・50mg 「マルコ」 ® 電子添文 (2025年9月改訂 第2版)
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026 — April 3, 2026.
5) N Engl J Med. 2019;381(12):1124–1135.
6) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
最終更新日 : 2026年8月27日執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 本間義崇監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
ゲムシタビン (GEM) : 添付文書¹⁾
シスプラチン (CDDP) : 添付文書²⁾
【1コース】21日間 (導入化学療法)
【催吐性】高度³⁾ (NCCN : 高度)⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*

GEM : 3週間を1サイクルとして、 ゲムシタビンとして1回1,000mg/m²をDay 1および8に30分かけて点滴静注し、 3サイクル繰り返す。
CDDP : 3週間を1サイクルとして、 シスプラチンとして1回80mg/m²をDay 1に点滴静注し、 3サイクル繰り返す。

CDDP : 放射線療法と同時に、 1回100mg/m²をDay 1、 22、 43に点滴静注 (3週ごと、 計3回)。
強度変調放射線治療 (IMRT) : 1回2.0–2.2 Gy、 1日1回・週5回、 原発巣に66–70 Gyを30–33回に分割して照射する (肉眼的頸部リンパ節病変64–70 Gy、 高リスク領域60–62 Gy、 予防照射領域54–56 Gy)。
NPC-GP試験⁵⁾では、 導入GP療法の最終サイクル開始後3–4週に化学放射線療法を開始した。
N Engl J Med. 2019;381(12):1124–1135.
未治療で遠隔転移のないStage III-IVB*の非角化型上咽頭癌患者480例を対象とした第III相無作為化比較試験。 GEM+CDDPによる導入化学療法群242例、 化学放射線療法 (CCRT) 単独群238例に1:1で割り付け、 主要評価項目はITT集団における無再発生存とした。
【有効性】GP療法群 (vs CCRT単独群)
- 3年無再発生存率 : 85.3% (vs 76.5%)
- 3年全生存率 : 94.6% (vs 90.3%)
- 3年遠隔転移なし生存率 : 91.1% (vs 84.4%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 白血球減少 96.7% (26.4%)
- 好中球減少 84.5% (28.0%)
- 発熱性好中球減少症 0.4% (0.4%)
- 貧血 84.1% (9.6%)
- 血小板減少 49.4% (11.3%)
- 粘膜炎 87.0% (28.9%)
- 嘔吐 58.2% (22.6%)
- 悪心 96.7% (23.0%)
- 口腔乾燥 75.3% (5.0%)
- 下痢 10.0% (2.5%)
- 皮膚炎 61.1% (2.1%)
- 体重減少 64.0% (2.1%)
- 難聴・中耳炎 72.0% (0%)
- 腎毒性 21.8% (2.5%)
- 肝毒性 31.0% (2.5%)
- 症候性側頭葉壊死 5.9% (0%)
- 脳神経障害 3.3% (0.8%)
- 末梢神経障害 10.0% (1.3%)
- 眼障害 1.3% (0%)
- 難聴・中耳炎 30.5% (5.4%)
- 口腔乾燥 77.8% (2.9%)
- 頸部組織損傷 26.4% (0.4%)
- 骨壊死 1.7% (0%)
- 開口障害 2.9% (0%)
- 腎毒性 2.9% (0%)
NPC-GP試験⁵⁾の主な適格基準
- 18歳以上64歳以下
- PS : Karnofsky scale (KPS) ≧70
- 白血球数>4000/μL
- 好中球数>2000/μL
- 血小板数>10万/μL
- Hb>9.0g/dL
- 肝機能 : ALT/AST<1.5×ULN、 ALP<2.5×ULN、 T-Bil<ULN
- 腎機能 : CrCl≧60mL/min
GP療法の減量規定は以下のとおり。

化学放射線療法時におけるCDDP減量規定は以下のとおり。

GEM : 腎機能低下や透析時の減量は原則不要。 ただし、 代謝産物dFdUは腎機能低下時に蓄積しやすく、 皮膚障害などの有害事象が増える可能性があるため注意⁶⁾
CDDP : 重篤な腎障害例への投与は禁忌²⁾
- CrCl 46~60mL/minでは75%、 31~45mL/minでは50%に減量し、 CrCl≦30mL/minでは投与を推奨しない⁶⁾
- 別の報告 : CrCl 30~49mL/minでは75%、 10~29mL/minでは投与が必要な場合に75%、 CrCl<10mL/minでは投与が必要な場合に50%に減量⁶⁾
次サイクル開始基準⁵⁾ :
- 好中球数>1500/μL
- 血小板数>10万/μL
- T-Bil - CrCl>60mL/minDay 8のGEMは、 好中球数>1500/μL、 血小板数>7.5万/μLを満たすまで延期 (延期は最大5日間)。 導入化学療法・CCRTのいずれの相においても、 Grade 3/4の毒性 (脱毛・疲労・倦怠感・爪の変化を除く) がGrade 1以下に回復するまで1サイクルあたり最大2週間の延期が可能で、 延期が2週間を超える場合は化学療法を中止する⁵⁾。
GP療法 : 下表に加え、 毒性により次サイクル開始が1週間を超えて延期された場合は、 GEM・CDDPを各1段階減量する。 初回減量後に同一毒性が再発した場合は、 開始用量から2段階減量する。
出典⁵⁾を基に編集部作成
CCRT :
出典⁵⁾を基に編集部作成
レジメンの特徴と注意点
🧑⚕️ゲムシタビンは上咽頭癌に対する有用な治療選択肢の1つであるが、 長らく本邦では保険適用外であった。 2026年1月29日に公知申請が了承され、 同年8月に電子添文へ上咽頭癌の効能・効果が追加された。 これにより、 本邦でも世界標準の治療であるゲムシタビン+シスプラチン (GP) 療法が使用可能となった。 局所進行上咽頭癌に対しては、 根治的化学放射線療法 (CRT) に先行する導入化学療法として承認されており、 GP療法の投与は最大3コースに限られる。 CRT後の追加化学療法は適応外であることに注意を要する。 また、 ドセタキセル+シスプラチン+5-FU (TPF療法) との使い分けについては、 CSCO/ASCOガイドライン (J Clin Oncol 2021; 39: 840-859) でも同列に扱われており、 最新のメタ解析 (Lancet Oncol 2023; 24: 611-23) でも同等の治療効果が示されている。 患者の全身状態と各レジメンの有害事象プロファイルを踏まえ、 治療を選択することが望ましい。国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 本間義崇先生
作用機序の特徴
GEM : 細胞内でdFdCDPおよびdFdCTPに代謝され、 DNA合成を直接・間接的に阻害して殺細胞作用を示す。 dFdCTPはDNA鎖への取り込み後にアポトーシスを誘発し、 dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼ阻害を介して細胞内dCTP濃度を低下させる¹⁾。
CDDP : 癌細胞内のDNAと結合し、 DNA合成及びそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害するものと考えられている²⁾。
レジメン適用時の注意事項
ゲムシタビン電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約
病態進行時の対応 : 腫瘍の明らかな増大、 新病変の出現等の病態進行が認められた場合は投与を中止し、 他の適切な治療法に切り替える。
重篤な副作用の観察 : 骨髄抑制、 間質性肺炎等の重篤な副作用が起こり、 ときに致命的な経過をたどることがあるため、 臨床症状を十分に観察し、 頻回に臨床検査 (血液学的検査、 肝機能検査、 腎機能検査等) を、 定期的に胸部X線検査を行う。
骨髄抑制 : 白血球数及び血小板数の変動に十分留意し、 投与当日の白血球数が2000/μL未満又は血小板数が7万/μL未満であれば骨髄機能が回復するまで投与を延期する。 前治療により骨髄機能が低下している患者では骨髄抑制が強くあらわれることがあるため、 投与量を適宜減量し臨床検査値に十分注意する。
間質性肺炎等の肺毒性 : 臨床症状 (呼吸状態、 咳及び発熱等の有無) を十分に観察し、 定期的に胸部X線検査を行う。 必要に応じて胸部CT検査、 動脈血酸素分圧 (PaO2)、 肺胞気動脈血酸素分圧較差 (A-aDO2)、 肺拡散能力 (DLco) 等の検査を行う。
感染症 : 感染症の発現又は増悪に十分注意する。
自動車の運転等 : 傾眠が認められることがあるため、 症状が発現しないことが確認されるまで自動車の運転等は行わないよう注意する。
シスプラチン電子添文²⁾ 「重要な基本的注意」 の要約
消化器症状 : 悪心・嘔吐、 食欲不振等の消化器症状がほとんど全例に起こるため、 患者の状態を十分に観察し適切な処置を行う。
重篤な副作用の観察 : 腎障害、 骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるため、 頻回に臨床検査 (腎機能検査、 血液検査、 肝機能検査等) を行うなど患者の状態を十分に観察する。 長期間の使用では副作用が強くあらわれ遷延性に推移することがあるため慎重に投与する。 フロセミドによる強制利尿を行う場合は腎障害、 聴器障害が増強されることがあるため、 輸液等による水分補給を十分行う。
感染症・出血傾向 : 感染症、 出血傾向の発現又は増悪に十分注意する。
G-CSF製剤等の使用 : G-CSF製剤等の適切な使用についても考慮する。
聴器障害 : 投与量の増加に伴い聴器障害の発現頻度が高くなり、 特に1日投与量80mg/m²以上、 総投与量300mg/m²超でその傾向が顕著となるため十分な観察を行い投与する。
高血糖・糖尿病の悪化 : 高血糖、 糖尿病の悪化があらわれることがあるため、 血糖値や尿糖に注意するなど観察を十分に行う。
出典
1) 日本化薬株式会社. ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL 「NK」 ・1g/25mL 「NK」 ® 電子添文 (2026年8月改訂 第5版)
2) 日医工ファーマ株式会社 (販売元 : 日医工株式会社) . シスプラチン点滴静注10mg 「マルコ」 ・25mg 「マルコ」 ・50mg 「マルコ」 ® 電子添文 (2025年9月改訂 第2版)
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026 — April 3, 2026.
5) N Engl J Med. 2019;381(12):1124–1135.
6) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
最終更新日 : 2026年8月27日執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 本間義崇監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。