治療スケジュール
概要
監修医師

GEM:ゲムシタビン(ジェムザール®)

投与量コース投与日
1000mg/m² 点滴1~Day1,8

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
60~100mg/日 経口 分2朝夕食後1~Day1夕~15朝

その他

1コース21日間。
GEM+S-1をGS療法と呼ぶ。
レジメン
GS (GEM+S-1)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*日本イーライリリーの外部サイトへ遷移します

用法用量

S-1用量  >>もっと詳しく見る

体表面積により以下の通り調整

  • <1.25m²:60mg/日
  • 1.25m~ <1.50m²:80mg/日
  • ≧1.50m²:100mg/日

投与開始基準

GEST試験¹⁾より抜粋

継続基準

GEST試験¹⁾より抜粋

2サイクル目以降のDay1の継続基準

Day8の継続基準

好中球数が1000/μLよりわずかに少ない場合、 白血球数が≧2000/μLであれば、 医師の判断で各サイクルを継続可能

増量基準

GEST試験¹⁾より抜粋

初回基準量と増量レベル

減量基準

GEST試験¹⁾より抜粋

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

Grade3以上の有害事象データを一部引用 

GEST試験¹⁾

主な有害事象

  • 白血球減少 37.8%
  • 好中球減少 62.2%
  • 血小板減少 17.2%
  • Hb減少 17.2%
  • ALT増加 10.9%
  • AST増加 12.0%
  • 倦怠感 4.9%
  • 下痢 4.5%
  • 粘膜炎 / 口内炎 2.2%
  • 悪心 4.5%
  • 嘔吐 4.5%
  • 発熱性好中球減少症 1.9%

上手に使うためのワンポイント

膵癌診療ガイドライン2022年版では、 切除可能膵癌 (浸潤癌) に対する術前補助化学療法として本レジメンが提案 (弱く推奨) されているが、 performance status 1~2、 20-79歳の症例に限定された結果のため切除可能膵癌すべての患者に対して推奨されたわけではないことを熟知する必要がある。 GEST試験においてゲムシタビンに対する優越性は証明されておらず、 局所進行切除不能・遠隔転移を有する膵癌に対して本レジメンは推奨されていない。

特徴と注意点

S-1の用量はCcCl 50ml/min以上であれば、 80mg/m² (体表面積 1.25 m²未満:80mg/日、 1.25 m²以上~1.5 m²未満:100mg/日、 1.5m²以上:120mg/日) で行う。 S-1は経口薬であるため投与が簡便であるが、 口腔粘膜炎、 下痢、 食欲不振などの消化器毒性や血液毒性が発現する場合もあるため、 十分注意する。 S-1の成分であるギメラシルは腎排泄性であるため、 腎機能低下例ではギメラシルの排泄が低下し、 5-FU血中濃度が上昇するため、 重篤な有害事象が発生しやすいので注意する。

出典

  1. Randomized phase III study of gemcitabine plus S-1, S-1 alone, or gemcitabine alone in patients with locally advanced and metastatic pancreatic cancer in Japan and Taiwan: GEST study. J Clin Oncol. 2013 May 1;31(13):1640-8. PMID: 23547081
  2. Randomized phase II/III trial of neoadjuvant chemotherapy with gemcitabine and S-1 versus upfront surgery for resectable pancreatic cancer (Prep-02/JSAP05). Jpn J Clin Oncol. 2019 Feb 1;49(2):190-194. PMID: 30608598
最終更新日:2023年9月14日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

レジメン
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ゲムシタビン(ジェムザール®) +テガフール・ギメラシル・オテラシル (ティーエスワン®)
2024年04月24日更新

GEM:ゲムシタビン(ジェムザール®)

投与量コース投与日
1000mg/m² 点滴1~Day1,8

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
60~100mg/日 経口 分2朝夕食後1~Day1夕~15朝

その他

1コース21日間。
GEM+S-1をGS療法と呼ぶ。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

S-1用量  >>もっと詳しく見る

体表面積により以下の通り調整

  • <1.25m²:60mg/日
  • 1.25m~ <1.50m²:80mg/日
  • ≧1.50m²:100mg/日

投与開始基準

GEST試験¹⁾より抜粋

継続基準

GEST試験¹⁾より抜粋

2サイクル目以降のDay1の継続基準

Day8の継続基準

好中球数が1000/μLよりわずかに少ない場合、 白血球数が≧2000/μLであれば、 医師の判断で各サイクルを継続可能

増量基準

GEST試験¹⁾より抜粋

初回基準量と増量レベル

減量基準

GEST試験¹⁾より抜粋

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

Grade3以上の有害事象データを一部引用 

GEST試験¹⁾

主な有害事象

  • 白血球減少 37.8%
  • 好中球減少 62.2%
  • 血小板減少 17.2%
  • Hb減少 17.2%
  • ALT増加 10.9%
  • AST増加 12.0%
  • 倦怠感 4.9%
  • 下痢 4.5%
  • 粘膜炎 / 口内炎 2.2%
  • 悪心 4.5%
  • 嘔吐 4.5%
  • 発熱性好中球減少症 1.9%

上手に使うためのワンポイント

膵癌診療ガイドライン2022年版では、 切除可能膵癌 (浸潤癌) に対する術前補助化学療法として本レジメンが提案 (弱く推奨) されているが、 performance status 1~2、 20-79歳の症例に限定された結果のため切除可能膵癌すべての患者に対して推奨されたわけではないことを熟知する必要がある。 GEST試験においてゲムシタビンに対する優越性は証明されておらず、 局所進行切除不能・遠隔転移を有する膵癌に対して本レジメンは推奨されていない。

特徴と注意点

S-1の用量はCcCl 50ml/min以上であれば、 80mg/m² (体表面積 1.25 m²未満:80mg/日、 1.25 m²以上~1.5 m²未満:100mg/日、 1.5m²以上:120mg/日) で行う。 S-1は経口薬であるため投与が簡便であるが、 口腔粘膜炎、 下痢、 食欲不振などの消化器毒性や血液毒性が発現する場合もあるため、 十分注意する。 S-1の成分であるギメラシルは腎排泄性であるため、 腎機能低下例ではギメラシルの排泄が低下し、 5-FU血中濃度が上昇するため、 重篤な有害事象が発生しやすいので注意する。

出典

  1. Randomized phase III study of gemcitabine plus S-1, S-1 alone, or gemcitabine alone in patients with locally advanced and metastatic pancreatic cancer in Japan and Taiwan: GEST study. J Clin Oncol. 2013 May 1;31(13):1640-8. PMID: 23547081
  2. Randomized phase II/III trial of neoadjuvant chemotherapy with gemcitabine and S-1 versus upfront surgery for resectable pancreatic cancer (Prep-02/JSAP05). Jpn J Clin Oncol. 2019 Feb 1;49(2):190-194. PMID: 30608598
最終更新日:2023年9月14日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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