概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

【催吐性】 高度催吐性
*日本化薬の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾²⁾の用法および用量

アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂 第1版)¹⁾、 ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版)²⁾より作図

ドキソルビシン60mg/m²、 シスプラチン50mg/m²を3週間ごと、 6コースまで継続する

*ドキソルビシンの総投与量は≦500mg/m²

重篤な心筋障害を引き起こす可能性があるため、 ≧400mg/m²投与する際は、 心エコーなどのモニタリングを考慮すべきであり
監修 : 勝俣 範之先生日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授

前投薬・投与スケジュール例

- 生食 500ml+硫酸Mg 8~20mEq (60分)

- MK₁阻害剤+DEX 9.9mg+5-HT₃拮抗剤+生食 50ml (30分)

- オランザピン 5mg 経口 (Day1-4)

- DXR 60mg/m²+ 注射用水または生理食塩水 50mL (全開点滴)

- CDDP 50mg/m²+生理食塩水 250mL or 500ml (60分)

投与開始基準

GOG122試験⁴⁾のプロトコル

国際産科婦人科連合 (FIGO) のステージIIIまたはIVの子宮内膜癌の以下に該当する患者

J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44⁴⁾より作図

減量・休薬・中止基準

GOG122試験⁴⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44⁴⁾より作図

KeyData|臨床試験結果

GOG122試験⁴⁾

対象: FIGOステージIIIまたはIVの子宮体癌患者422例
方法: 全腹部照射 (WAI) vs AP療法

【有効性】AP療法

  • 60ヵ月PFS率  50%
  • 60ヵ月OS率 55%

【安全性】主な有害事象 (カッコ内 Grade3~4)

  • 白血球数減少 96% (62%)
  • 好中球数減少 93% (85%)
  • 血小板数減少 70% (21%)
  • 倦怠感 31% (6%)
  • 発熱 24% (6%)
  • 脱毛症 75% (0%)
J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44⁴⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

TC療法が使えない場合の選択肢に

GOG209試験⁵⁾で、 TC療法がTAP療法に非劣性を証明したため、 現場ではTC療法が使われることが多いと思いますが、 アレルギーなどの理由で、 TC療法が使えない場合に、 AP療法も選択肢となります。 シスプラチンが入っていますが、 short hydrationで、 外来治療も可能ですので、 外来投与も考慮してください。

GOG122試験⁴⁾結果

GOG122試験⁴⁾は、 Stage III、 IVの術後残存腫瘍径2cm以下を対象とした術後補助療法として、 全腹部照射と化学療法 (AP療法) を比較しました。 RFS (無再発生存期間)、 OS (全生存期間) で化学療法が有意に優っていた結果であり、 AP療法が術後補助療法として標準治療となりました。

監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. サンドファーマ株式会社. アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  2. 日本化薬. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  3. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/02]
  4. Randomized phase III trial of whole-abdominal irradiation versus doxorubicin and cisplatin chemotherapy in advanced endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group Study. J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44. PMID: 16330675
  5. Carboplatin and Paclitaxel for Advanced Endometrial Cancer: Final Overall Survival and Adverse Event Analysis of a Phase III Trial (NRG Oncology/GOG0209). J Clin Oncol. 2020 Nov 20;38(33):3841-3850. PMID: 33078978
最終更新日 : 2024年8月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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2024年09月13日更新
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薬剤情報

【催吐性】 高度催吐性
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用法用量

電子添文¹⁾²⁾の用法および用量

アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂 第1版)¹⁾、 ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版)²⁾より作図

ドキソルビシン60mg/m²、 シスプラチン50mg/m²を3週間ごと、 6コースまで継続する

*ドキソルビシンの総投与量は≦500mg/m²

重篤な心筋障害を引き起こす可能性があるため、 ≧400mg/m²投与する際は、 心エコーなどのモニタリングを考慮すべきであり
監修 : 勝俣 範之先生日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授

前投薬・投与スケジュール例

- 生食 500ml+硫酸Mg 8~20mEq (60分)

- MK₁阻害剤+DEX 9.9mg+5-HT₃拮抗剤+生食 50ml (30分)

- オランザピン 5mg 経口 (Day1-4)

- DXR 60mg/m²+ 注射用水または生理食塩水 50mL (全開点滴)

- CDDP 50mg/m²+生理食塩水 250mL or 500ml (60分)

投与開始基準

GOG122試験⁴⁾のプロトコル

国際産科婦人科連合 (FIGO) のステージIIIまたはIVの子宮内膜癌の以下に該当する患者

J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44⁴⁾より作図

減量・休薬・中止基準

GOG122試験⁴⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44⁴⁾より作図

KeyData|臨床試験結果

GOG122試験⁴⁾

対象: FIGOステージIIIまたはIVの子宮体癌患者422例
方法: 全腹部照射 (WAI) vs AP療法

【有効性】AP療法

  • 60ヵ月PFS率  50%
  • 60ヵ月OS率 55%

【安全性】主な有害事象 (カッコ内 Grade3~4)

  • 白血球数減少 96% (62%)
  • 好中球数減少 93% (85%)
  • 血小板数減少 70% (21%)
  • 倦怠感 31% (6%)
  • 発熱 24% (6%)
  • 脱毛症 75% (0%)
J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44⁴⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

TC療法が使えない場合の選択肢に

GOG209試験⁵⁾で、 TC療法がTAP療法に非劣性を証明したため、 現場ではTC療法が使われることが多いと思いますが、 アレルギーなどの理由で、 TC療法が使えない場合に、 AP療法も選択肢となります。 シスプラチンが入っていますが、 short hydrationで、 外来治療も可能ですので、 外来投与も考慮してください。

GOG122試験⁴⁾結果

GOG122試験⁴⁾は、 Stage III、 IVの術後残存腫瘍径2cm以下を対象とした術後補助療法として、 全腹部照射と化学療法 (AP療法) を比較しました。 RFS (無再発生存期間)、 OS (全生存期間) で化学療法が有意に優っていた結果であり、 AP療法が術後補助療法として標準治療となりました。

監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. サンドファーマ株式会社. アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  2. 日本化薬. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  3. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/02]
  4. Randomized phase III trial of whole-abdominal irradiation versus doxorubicin and cisplatin chemotherapy in advanced endometrial carcinoma: a Gynecologic Oncology Group Study. J Clin Oncol. 2006 Jan 1;24(1):36-44. PMID: 16330675
  5. Carboplatin and Paclitaxel for Advanced Endometrial Cancer: Final Overall Survival and Adverse Event Analysis of a Phase III Trial (NRG Oncology/GOG0209). J Clin Oncol. 2020 Nov 20;38(33):3841-3850. PMID: 33078978
最終更新日 : 2024年8月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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