治療スケジュール
概要
監修医師

Ipilimumab:イピリムマブ(ヤーボイ®)

投与量コース投与日
1mg/kg1,3,5・・・Day 1 (6週ごと)

Nivolumab:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
360mg/body1,2,3,4・・・Day 1 (3週ごと)

その他

1コース21日間でPDになるまで継続.
Ipiは6週ごと、Nivoは3週ごと投与.
Nivoは240mg/body 2週間ごとの投与も可能.
臓器移植歴のある患者にはGVHDが発現する恐れがあるため注意。
免疫チェックポイント阻害薬を2種類併用するため、 irAEにより注意。
レジメン
IPI+Nivo
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

ヤーボイ® (添付文書 / 適正使用ガイド*)

 ヒト型抗ヒトCTLA−4モノクローナル抗体 (イピリムマブ)
  *ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の外部サイトへ遷移します

オプジーボ® (添付文書 / 適正使用ガイド*)

 ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体 (ニボルマブ)
  *小野薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

主な有害事象

CheckMate227 Part1 試験¹⁾より引用

主な有害事象

  • 皮膚障害 (37.3%、 ≧Grade3 4.7%)
  • 下痢 (17.0%、 ≧Grade3 1.7%
  • 疲労 (14.4%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 甲状腺機能低下症 (12.5%、≧Grade3 0.3%)
  • 食欲減退 (13.2%、 ≧Grade3 0.7%)

レジメンの特徴と注意点

薬剤の説明

ヤーボイ®

世界初の免疫チェックポイント阻害薬 (ヒト型抗ヒトCTLA−4モノクローナル抗体)

リンパ球T細胞上に発現するCTLA-4とCD80/CD86との結合を阻害することで、 細胞の活性化を維持させ、 腫瘍抗原特異的なT細胞の増殖、 活性化及び細胞傷害活性の増強により抗腫瘍効果を示すとされる。

オプジーボ®

世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体

PD-1は、 リンパ球表面にある受容体の一種で、 活性化したリンパ球を抑制するシステムに関与している。 オプジーボは、 リンパ球を抑制するPD-1の働き (PD-1 と結合するPD-L1 およびPD-L2 との相互作用) を阻害することで、 癌細胞への免疫細反応を亢進させ抗腫瘍効果を示すとされる。

投与開始前の注意点

  • EGFRおよびALK融合遺伝子陰性を確認。
  • PSが0〜1が治験時の患者登録基準である。
  • 自己免疫疾患、 間質性肺疾患等の既往がある患者はirAEのリスク因子となるため投与前に事前に評価を行う。

副作用と対策

  • PD-1阻害薬とCTLA-4阻害薬の併用は、 各単剤投与と比較して内分泌障害、 肺臓炎、 皮疹、 下痢等のirAEリスクがより高まるため毒性管理に注意。

irAE:免疫関連副作用 (>>もっと見る)

  • 内分泌機能検査 (TSH、 FT4、 ACTHなど) や血液検査など定期的に実施し、 注意深く観察する。
  • その他尿検査や画像評価などの定期的なモニタリングも必要。
  • 有害事象が疑われた場合には、 各専門医へのコンサルトも検討。
  • 免疫チェックポイント阻害薬は投与を終了してから数か月後に副作用が認められることもあるため、 投与終了後のモニタリングにも注意が必要。

>> irAEのマネジメントについてはこちら

主要な臨床試験

📊CheckMate 227試験

Nivolumab plus Ipilimumab in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2019 Nov 21;381(21):2020-2031. PMID: 31562796

化学療法未治療のEGFR遺伝子変異/ALK融合遺伝子陰性かつPD-L1高発現 (TPS≧1%) の進行・再発のNSCLC患者1739例(国内206例) を対象とした日本を含む国際共同ランダム化非盲検第Ⅲ相試験
  • 介入群:Nivo + Ipi 併用
  • 対照群:化学療法
化学療法=CDDP/CBDCA+GEM、 CDDP/CBDCA+PEM maintenance PEM 

評価項目

  • 主要評価項目:OS[PD-L1≧1%]
  • 副次評価項目:OS[PD-L1<1%] など

研究結果

  • OS[PD-L1≧1%]中央値
  • Nivo + Ipi 併用群 17.1ヵ月
  • 化学療法群 14.9ヵ月
  • OS[PD-L1<1%]中央値
  • Nivo + Ipi 併用群 17.2ヵ月
  • 化学療法群 12.2ヵ月

参考文献

1) Nivolumab plus Ipilimumab in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2019 Nov 21;381(21):2020-2031. PMID: 31562796

2) オプジーボ (ヤーボイ又は他の抗悪性腫瘍剤併用療法)・ヤーボイ適正使用ガイド (2024年2月作成) [最終閲覧 2023/3/1]

最終更新日:2024年3月1日
監修・作図:HOKUTO編集部専門医

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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イピリムマブ +ニボルマブ
2024年03月01日更新

Ipilimumab:イピリムマブ(ヤーボイ®)

投与量コース投与日
1mg/kg1,3,5・・・Day 1 (6週ごと)

Nivolumab:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
360mg/body1,2,3,4・・・Day 1 (3週ごと)

その他

1コース21日間でPDになるまで継続.
Ipiは6週ごと、Nivoは3週ごと投与.
Nivoは240mg/body 2週間ごとの投与も可能.
臓器移植歴のある患者にはGVHDが発現する恐れがあるため注意。
免疫チェックポイント阻害薬を2種類併用するため、 irAEにより注意。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

ヤーボイ® (添付文書 / 適正使用ガイド*)

 ヒト型抗ヒトCTLA−4モノクローナル抗体 (イピリムマブ)
  *ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の外部サイトへ遷移します

オプジーボ® (添付文書 / 適正使用ガイド*)

 ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体 (ニボルマブ)
  *小野薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

主な有害事象

CheckMate227 Part1 試験¹⁾より引用

主な有害事象

  • 皮膚障害 (37.3%、 ≧Grade3 4.7%)
  • 下痢 (17.0%、 ≧Grade3 1.7%
  • 疲労 (14.4%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 甲状腺機能低下症 (12.5%、≧Grade3 0.3%)
  • 食欲減退 (13.2%、 ≧Grade3 0.7%)

レジメンの特徴と注意点

薬剤の説明

ヤーボイ®

世界初の免疫チェックポイント阻害薬 (ヒト型抗ヒトCTLA−4モノクローナル抗体)

リンパ球T細胞上に発現するCTLA-4とCD80/CD86との結合を阻害することで、 細胞の活性化を維持させ、 腫瘍抗原特異的なT細胞の増殖、 活性化及び細胞傷害活性の増強により抗腫瘍効果を示すとされる。

オプジーボ®

世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体

PD-1は、 リンパ球表面にある受容体の一種で、 活性化したリンパ球を抑制するシステムに関与している。 オプジーボは、 リンパ球を抑制するPD-1の働き (PD-1 と結合するPD-L1 およびPD-L2 との相互作用) を阻害することで、 癌細胞への免疫細反応を亢進させ抗腫瘍効果を示すとされる。

投与開始前の注意点

  • EGFRおよびALK融合遺伝子陰性を確認。
  • PSが0〜1が治験時の患者登録基準である。
  • 自己免疫疾患、 間質性肺疾患等の既往がある患者はirAEのリスク因子となるため投与前に事前に評価を行う。

副作用と対策

  • PD-1阻害薬とCTLA-4阻害薬の併用は、 各単剤投与と比較して内分泌障害、 肺臓炎、 皮疹、 下痢等のirAEリスクがより高まるため毒性管理に注意。

irAE:免疫関連副作用 (>>もっと見る)

  • 内分泌機能検査 (TSH、 FT4、 ACTHなど) や血液検査など定期的に実施し、 注意深く観察する。
  • その他尿検査や画像評価などの定期的なモニタリングも必要。
  • 有害事象が疑われた場合には、 各専門医へのコンサルトも検討。
  • 免疫チェックポイント阻害薬は投与を終了してから数か月後に副作用が認められることもあるため、 投与終了後のモニタリングにも注意が必要。

>> irAEのマネジメントについてはこちら

主要な臨床試験

📊CheckMate 227試験

Nivolumab plus Ipilimumab in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2019 Nov 21;381(21):2020-2031. PMID: 31562796

化学療法未治療のEGFR遺伝子変異/ALK融合遺伝子陰性かつPD-L1高発現 (TPS≧1%) の進行・再発のNSCLC患者1739例(国内206例) を対象とした日本を含む国際共同ランダム化非盲検第Ⅲ相試験
  • 介入群:Nivo + Ipi 併用
  • 対照群:化学療法
化学療法=CDDP/CBDCA+GEM、 CDDP/CBDCA+PEM maintenance PEM 

評価項目

  • 主要評価項目:OS[PD-L1≧1%]
  • 副次評価項目:OS[PD-L1<1%] など

研究結果

  • OS[PD-L1≧1%]中央値
  • Nivo + Ipi 併用群 17.1ヵ月
  • 化学療法群 14.9ヵ月
  • OS[PD-L1<1%]中央値
  • Nivo + Ipi 併用群 17.2ヵ月
  • 化学療法群 12.2ヵ月

参考文献

1) Nivolumab plus Ipilimumab in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2019 Nov 21;381(21):2020-2031. PMID: 31562796

2) オプジーボ (ヤーボイ又は他の抗悪性腫瘍剤併用療法)・ヤーボイ適正使用ガイド (2024年2月作成) [最終閲覧 2023/3/1]

最終更新日:2024年3月1日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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