治療スケジュール
概要
監修医師

RAM:Ramucirumab(サイラムザ®)

投与量コース投与日
8mg/kg 点滴1~Day1

その他

1コース14日間。
レジメン
Ramucirumab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

サイラムザ® (添付文書/適正使用情報)

*日本イーライリリーの外部サイトへ遷移します

用法用量

REACH-2試験¹⁾のプロトコル

Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70.より作図
電子添文²⁾の用法および用量
2週間に1回、 1回8mg/kgをおよそ60分かけて点滴静注する。 初回投与の忍容性が良好であれば、 2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) より引用

前投薬

電子添文²⁾の前投薬

infusion reactionを軽減させるため、 投与前に抗ヒスタミン剤 (ジフェンヒドラミン等) の前投与を考慮すること。

Grade1、 2のinfusion reactionがあらわれた場合には、 次回投与から必ず抗ヒスタミン剤を前投与し、 その後もGrade1、 2のinfusion reactionがあらわれる場合には、 抗ヒスタミン剤に加え、 解熱鎮痛剤 (アセトアミノフェン等) および副腎皮質ホルモン剤 (デキサメタゾン等) を前投与すること。

サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) より引用

投与開始基準

REACH-2試験¹⁾のプロトコル

Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70.より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文²⁾の減量・休薬・中止基準

サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) より作図

主な有害事象

REACH-2試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 血小板数減少 11.2% (3.0%)
  • 血中ビリルビン増加 10.7% (3.6%)
  • 貧血 8.6% (2.5%)
  • 好中球数減少 6.1% (2.0%)
  • 疲労 27.4% (3.6%)
  • 食欲減退 23.4% (1.5%)
  • 腹痛 19.8% (1.5%)
  • 悪心 18.8% (0%)
  • 下痢 16.2% (0%)
  • 便秘 13.7% (0.5%)
  • 嘔吐 10.2% (0%)
  • 発熱 10.2% (0%)
  • 体重減少 9.6% (0%)
  • 倦怠感 7.1% (0%)
  • 腹部膨満 7.6% (0%)
  • 上腹部痛 5.1% (0.5%)

注意すべき有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 24.4% (12.2%)
  • 蛋白尿 20.3% (2.0%)
  • 腹水 17.8% (4.1%)
Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70.より引用

上手に使うためのワンポイント

  • REACH-2試験¹⁾において、 ラムシルマブ群は副作用として高血圧が見られやすく、 また腹水も報告されている。 これはVEGF-2を阻害するため肝臓血管系に作用して門脈圧亢進にも影響するためと考察されている。 それに関連して肝性脳症も報告されていることにも注意を払う必要がある。
  • またVEGF阻害作用のあるレジメンであるため蛋白尿が出現しやすく、 治療中は尿蛋白のモニタリングが必要である。
執筆医 : 愛媛県立中央病院 消化器内科主任部長 平岡 淳先生

特徴と注意点

  • 本レジメンは切除不能肝細胞癌に対するソラフェニブ後の二次治療として承認された。 Child-Pugh分類AかつAFP400ng/mL以上が適応とされる抗VEGF-2抗体で、 2週間ごとの点滴治療である。
  • REACH-2試験¹⁾において奏効率は4.6%と低いが病勢制御率は59.9%で、 治療強度はプラセボ群の99.8%に対してラムシルマブ97.9%と良好な忍容性が報告されている。
  • 初回投与に対する主な注意点として尿蛋白1+以下、 コントロール不良な高血圧が無いこと、 血栓塞栓症やその既往がないこと、 出血リスクの高い病態でないことなどが挙げられている。
執筆医 : 愛媛県立中央病院 消化器内科主任部長 平岡 淳先生

関連する臨床試験|REACH-2試験¹⁾

ソラフェニブ投与歴のあるAFP≧400ng/mLの進行肝細胞癌患者において、 ラムシルマブの効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験REACH-2の結果より、 全生存期間 (OS) における有効性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

OS中央値

  • ラムシルマブ群 : 8.5ヵ月
(95%CI 7.0-10.6ヵ月)
  • プラセボ群 : 7.3ヵ月
(95%CI 5.4-9.1ヵ月)
HR 0.710 (95%CI 0.531-0.949)、 p=0.0199

PFS中央値

  • ラムシルマブ群 : 2.8ヵ月
(95%CI 2.8-4.1ヵ月)
  • プラセボ群 : 1.6ヵ月
(95%CI 1.5-2.7ヵ月)
HR 0.452 (95%CI 0.339-0.603)、 p<0.0001

TTP中央値

  • ラムシルマブ群 : 3.0ヵ月
(95%CI 2.8-4.2ヵ月)
  • プラセボ群 : 1.6ヵ月
(95%CI 1.5-2.7ヵ月)
HR 0.427 (95%CI 0.313-0.582)、 p<0.0001

ORR

  • ラムシルマブ群 : 4.6%
(95%CI 1.7-7.5%)
  • プラセボ群 : 1.1%
(95%CI 0.0-3.1%)
p=0.1697

病勢コントロール率

  • ラムシルマブ群 : 59.9%
(95%CI 53.1-66.7%)
  • プラセボ群 : 38.9%
(95%CI 29.1-48.8%)
p=0.0006

患者報告アウトカム (FHSI-8スコア悪化までの期間中央値)

  • ラムシルマブ群 : 3.7ヵ月
(95%CI 2.8-4.4ヵ月)
  • プラセボ群 : 2.8ヵ月
(95%CI 1.6-2.9ヵ月)
HR 0.799 (95%CI 0.545-1.171)、 p=0.238

出典

  1. Ramucirumab versus placebo as second-line treatment in patients with advanced hepatocellular carcinoma following first-line therapy with sorafenib (REACH): a randomised, double-blind, multicentre, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70. PMID: 26095784
  2. 日本イーライリリー. サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/09]
  3. 日本イーライリリー. サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成) [最終閲覧 : 2024/04/09]
最終更新日 : 2024年4月23日
執筆医 : 愛媛県立中央病院 消化器内科主任部長 平岡 淳先生
監修医 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生

レジメン
Ramucirumab
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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Ramucirumab
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Ramucirumab

Ramucirumab

ラムシルマブ (サイラムザ®)
2024年05月08日更新

RAM:Ramucirumab(サイラムザ®)

投与量コース投与日
8mg/kg 点滴1~Day1

その他

1コース14日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

サイラムザ® (添付文書/適正使用情報)

*日本イーライリリーの外部サイトへ遷移します

用法用量

REACH-2試験¹⁾のプロトコル

Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70.より作図
電子添文²⁾の用法および用量
2週間に1回、 1回8mg/kgをおよそ60分かけて点滴静注する。 初回投与の忍容性が良好であれば、 2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) より引用

前投薬

電子添文²⁾の前投薬

infusion reactionを軽減させるため、 投与前に抗ヒスタミン剤 (ジフェンヒドラミン等) の前投与を考慮すること。

Grade1、 2のinfusion reactionがあらわれた場合には、 次回投与から必ず抗ヒスタミン剤を前投与し、 その後もGrade1、 2のinfusion reactionがあらわれる場合には、 抗ヒスタミン剤に加え、 解熱鎮痛剤 (アセトアミノフェン等) および副腎皮質ホルモン剤 (デキサメタゾン等) を前投与すること。

サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) より引用

投与開始基準

REACH-2試験¹⁾のプロトコル

Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70.より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文²⁾の減量・休薬・中止基準

サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) より作図

主な有害事象

REACH-2試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 血小板数減少 11.2% (3.0%)
  • 血中ビリルビン増加 10.7% (3.6%)
  • 貧血 8.6% (2.5%)
  • 好中球数減少 6.1% (2.0%)
  • 疲労 27.4% (3.6%)
  • 食欲減退 23.4% (1.5%)
  • 腹痛 19.8% (1.5%)
  • 悪心 18.8% (0%)
  • 下痢 16.2% (0%)
  • 便秘 13.7% (0.5%)
  • 嘔吐 10.2% (0%)
  • 発熱 10.2% (0%)
  • 体重減少 9.6% (0%)
  • 倦怠感 7.1% (0%)
  • 腹部膨満 7.6% (0%)
  • 上腹部痛 5.1% (0.5%)

注意すべき有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 24.4% (12.2%)
  • 蛋白尿 20.3% (2.0%)
  • 腹水 17.8% (4.1%)
Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70.より引用

上手に使うためのワンポイント

  • REACH-2試験¹⁾において、 ラムシルマブ群は副作用として高血圧が見られやすく、 また腹水も報告されている。 これはVEGF-2を阻害するため肝臓血管系に作用して門脈圧亢進にも影響するためと考察されている。 それに関連して肝性脳症も報告されていることにも注意を払う必要がある。
  • またVEGF阻害作用のあるレジメンであるため蛋白尿が出現しやすく、 治療中は尿蛋白のモニタリングが必要である。
執筆医 : 愛媛県立中央病院 消化器内科主任部長 平岡 淳先生

特徴と注意点

  • 本レジメンは切除不能肝細胞癌に対するソラフェニブ後の二次治療として承認された。 Child-Pugh分類AかつAFP400ng/mL以上が適応とされる抗VEGF-2抗体で、 2週間ごとの点滴治療である。
  • REACH-2試験¹⁾において奏効率は4.6%と低いが病勢制御率は59.9%で、 治療強度はプラセボ群の99.8%に対してラムシルマブ97.9%と良好な忍容性が報告されている。
  • 初回投与に対する主な注意点として尿蛋白1+以下、 コントロール不良な高血圧が無いこと、 血栓塞栓症やその既往がないこと、 出血リスクの高い病態でないことなどが挙げられている。
執筆医 : 愛媛県立中央病院 消化器内科主任部長 平岡 淳先生

関連する臨床試験|REACH-2試験¹⁾

ソラフェニブ投与歴のあるAFP≧400ng/mLの進行肝細胞癌患者において、 ラムシルマブの効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験REACH-2の結果より、 全生存期間 (OS) における有効性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

OS中央値

  • ラムシルマブ群 : 8.5ヵ月
(95%CI 7.0-10.6ヵ月)
  • プラセボ群 : 7.3ヵ月
(95%CI 5.4-9.1ヵ月)
HR 0.710 (95%CI 0.531-0.949)、 p=0.0199

PFS中央値

  • ラムシルマブ群 : 2.8ヵ月
(95%CI 2.8-4.1ヵ月)
  • プラセボ群 : 1.6ヵ月
(95%CI 1.5-2.7ヵ月)
HR 0.452 (95%CI 0.339-0.603)、 p<0.0001

TTP中央値

  • ラムシルマブ群 : 3.0ヵ月
(95%CI 2.8-4.2ヵ月)
  • プラセボ群 : 1.6ヵ月
(95%CI 1.5-2.7ヵ月)
HR 0.427 (95%CI 0.313-0.582)、 p<0.0001

ORR

  • ラムシルマブ群 : 4.6%
(95%CI 1.7-7.5%)
  • プラセボ群 : 1.1%
(95%CI 0.0-3.1%)
p=0.1697

病勢コントロール率

  • ラムシルマブ群 : 59.9%
(95%CI 53.1-66.7%)
  • プラセボ群 : 38.9%
(95%CI 29.1-48.8%)
p=0.0006

患者報告アウトカム (FHSI-8スコア悪化までの期間中央値)

  • ラムシルマブ群 : 3.7ヵ月
(95%CI 2.8-4.4ヵ月)
  • プラセボ群 : 2.8ヵ月
(95%CI 1.6-2.9ヵ月)
HR 0.799 (95%CI 0.545-1.171)、 p=0.238

出典

  1. Ramucirumab versus placebo as second-line treatment in patients with advanced hepatocellular carcinoma following first-line therapy with sorafenib (REACH): a randomised, double-blind, multicentre, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):859-70. PMID: 26095784
  2. 日本イーライリリー. サイラムザ®電子添文 (2024年2月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/09]
  3. 日本イーライリリー. サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成) [最終閲覧 : 2024/04/09]
最終更新日 : 2024年4月23日
執筆医 : 愛媛県立中央病院 消化器内科主任部長 平岡 淳先生
監修医 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。