治療スケジュール
概要
監修医師

MTX:Methotrexate(メソトレキセート®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴1~Day1

VLB:Vinblastine(エクザール®)

投与量コース投与日
3mg/m² 点滴1~Day2

DXR:Doxorubicin(アドリアシン®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴1~Day2

CDDP:Cisplatin(シスプラチン®)

投与量コース投与日
70mg/m² 点滴1~Day2

その他

1コース14日間。
レジメン
ddMVAC
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*日本化薬株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

VESPER試験⁶⁾のプロトコル

※電子添文の効能又は効果、 用法及び用量と異なる
J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022⁶⁾より作図
電子添文の用法及び用量
MVACとして
メトトレキサート30mg/m²を1日目に投与した後に、 2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/m²、 ドキソルビシン塩酸塩30mg (力価) /m²及びシスプラチン70mg/m²を静注する。 15日目及び22日目にメトトレキサート30mg/m²及びビンブラスチン硫酸塩3mg/m²を静注する。 これを1コースとし、 4週毎に繰り返す。
メソトレキセート®電子添文 (2023年6月改訂第3版)¹⁾より引用

投与開始基準

VESPER試験⁶⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022⁶⁾より作図

継続基準

VESPER試験⁶⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022⁶⁾より作図

上手に使うためのワンポイント

dose-dense MVACは14日ごとに1サイクルのレジメンである。

オリジナルレジメンはG-CSFを連日投与するプロトコールだが、 日本の実臨床では peg G-CSFを使用することで退院が可能となる。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

特徴と注意点

ClassicMVACレジメンに比べると、 粘膜炎や発熱性好中球減少症などの重篤な有害事象が少ないとされている。 一方でGCと比較すると頻度の高い有害事象が多いため、 忍容性がある症例を選択して適用することが重要。 VESPER試験⁶⁾の参加者の年齢中央値は63歳であったことに留意する。 腎機能のよい症例 (CrCl≧50ml/min) にのみ適用

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|EORTC30924試験⁷⁾

EORTC30924試験⁷⁾

局所進行性または転移性尿路上皮癌患者において、 2週毎にドキソルビシン (ADM)、 シスプラチン (CDDP)、 メトトレキサート (MTX)、 ビンブラスチン (VLB) の投与を行うddMVAC療法の効果を、 4週毎投与の古典的MVAC群を対照に検証した第Ⅲ相比較試験EORTC30924の結果より、 全生存期間 (OS) は差は認められないが、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) に対する有効性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

OS中央値

  • ddMVAC群 : 15.5ヵ月
  • 古典的MVAC群 : 14.1ヵ月
HR 0.80 (95%CI 0.60-1.06)、 p=0.122

OS率 (2年時)

  • ddMVAC群 : 35.3%
(95%CI 26.8-43.8%)
  • 古典的MVAC群 : 25.4%
(95%CI 17.5-33.4%)

PFS中央値

  • ddMVAC群 : 9.1ヵ月
  • 古典的MVAC群 : 8.2ヵ月
HR 0.75 (95%CI 0.58-0.98)、 p=0.037

PFS率 (2年)

  • ddMVAC群 : 24.7%
(95%CI 17.1-32.3%)
  • 古典的MVAC群 : 11.6%
(95%CI 5.9-17.4%)

TTP中央値

  • ddMVAC群 : 11.1ヵ月
  • 古典的MVAC群 : 9.6ヵ月
HR 0.79 (95%CI 0.59-1.06)、 p=0.114

ORR

  • ddMVAC群 : 62%
(95%CI 54-70%)
  • 古典的MVAC群 : 50%
(95%CI 42-59%)
p=0.06

VESPER試験⁶⁾

非転移性筋層浸潤性膀胱がん患者を対象に、 周術期化学療法としてのdose-denseスケジュールのメトトレキサート、 ビンブラスチン、 ドキソルビシン、 シスプラチン (dd-MVAC) 療法とゲムシタビン、 シスプラチン (GC) 療法の毒性および病理学的奏効を比較した無作為化第III相試験

J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022.

出典

  1. ファイザー株式会社. メソトレキセート®電子添文 (2023年6月改訂第3版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  2. 日本化薬株式会社. エクザール®電子添文 (2023年4月改訂第1版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  3. 日本化薬株式会社. アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂第1版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  4. 日本化薬株式会社. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂第1版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  5. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/03]
  6. Dose-Dense Methotrexate, Vinblastine, Doxorubicin, and Cisplatin or Gemcitabine and Cisplatin as Perioperative Chemotherapy for Patients With Nonmetastatic Muscle-Invasive Bladder Cancer: Results of the GETUG-AFU V05 VESPER Trial. J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022. PMID: 35254888
  7. Randomized phase III trial of high-dose-intensity methotrexate, vinblastine, doxorubicin, and cisplatin (MVAC) chemotherapy and recombinant human granulocyte colony-stimulating factor versus classic MVAC in advanced urothelial tract tumors: European Organization for Research and Treatment of Cancer Protocol no. 30924. J Clin Oncol . 2001 May 15;19(10):2638-46. PMID: 11352955
最終更新日 : 2024年6月25日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
ddMVAC
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
レジメン
ddMVAC
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メトトレキサート + ビンブラスチン + ドキソルビシン + シスプラチン
2024年06月28日更新

MTX:Methotrexate(メソトレキセート®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴1~Day1

VLB:Vinblastine(エクザール®)

投与量コース投与日
3mg/m² 点滴1~Day2

DXR:Doxorubicin(アドリアシン®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴1~Day2

CDDP:Cisplatin(シスプラチン®)

投与量コース投与日
70mg/m² 点滴1~Day2

その他

1コース14日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

VESPER試験⁶⁾のプロトコル

※電子添文の効能又は効果、 用法及び用量と異なる
J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022⁶⁾より作図
電子添文の用法及び用量
MVACとして
メトトレキサート30mg/m²を1日目に投与した後に、 2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/m²、 ドキソルビシン塩酸塩30mg (力価) /m²及びシスプラチン70mg/m²を静注する。 15日目及び22日目にメトトレキサート30mg/m²及びビンブラスチン硫酸塩3mg/m²を静注する。 これを1コースとし、 4週毎に繰り返す。
メソトレキセート®電子添文 (2023年6月改訂第3版)¹⁾より引用

投与開始基準

VESPER試験⁶⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022⁶⁾より作図

継続基準

VESPER試験⁶⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022⁶⁾より作図

上手に使うためのワンポイント

dose-dense MVACは14日ごとに1サイクルのレジメンである。

オリジナルレジメンはG-CSFを連日投与するプロトコールだが、 日本の実臨床では peg G-CSFを使用することで退院が可能となる。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

特徴と注意点

ClassicMVACレジメンに比べると、 粘膜炎や発熱性好中球減少症などの重篤な有害事象が少ないとされている。 一方でGCと比較すると頻度の高い有害事象が多いため、 忍容性がある症例を選択して適用することが重要。 VESPER試験⁶⁾の参加者の年齢中央値は63歳であったことに留意する。 腎機能のよい症例 (CrCl≧50ml/min) にのみ適用

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|EORTC30924試験⁷⁾

EORTC30924試験⁷⁾

局所進行性または転移性尿路上皮癌患者において、 2週毎にドキソルビシン (ADM)、 シスプラチン (CDDP)、 メトトレキサート (MTX)、 ビンブラスチン (VLB) の投与を行うddMVAC療法の効果を、 4週毎投与の古典的MVAC群を対照に検証した第Ⅲ相比較試験EORTC30924の結果より、 全生存期間 (OS) は差は認められないが、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) に対する有効性が示された。

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OS中央値

  • ddMVAC群 : 15.5ヵ月
  • 古典的MVAC群 : 14.1ヵ月
HR 0.80 (95%CI 0.60-1.06)、 p=0.122

OS率 (2年時)

  • ddMVAC群 : 35.3%
(95%CI 26.8-43.8%)
  • 古典的MVAC群 : 25.4%
(95%CI 17.5-33.4%)

PFS中央値

  • ddMVAC群 : 9.1ヵ月
  • 古典的MVAC群 : 8.2ヵ月
HR 0.75 (95%CI 0.58-0.98)、 p=0.037

PFS率 (2年)

  • ddMVAC群 : 24.7%
(95%CI 17.1-32.3%)
  • 古典的MVAC群 : 11.6%
(95%CI 5.9-17.4%)

TTP中央値

  • ddMVAC群 : 11.1ヵ月
  • 古典的MVAC群 : 9.6ヵ月
HR 0.79 (95%CI 0.59-1.06)、 p=0.114

ORR

  • ddMVAC群 : 62%
(95%CI 54-70%)
  • 古典的MVAC群 : 50%
(95%CI 42-59%)
p=0.06

VESPER試験⁶⁾

非転移性筋層浸潤性膀胱がん患者を対象に、 周術期化学療法としてのdose-denseスケジュールのメトトレキサート、 ビンブラスチン、 ドキソルビシン、 シスプラチン (dd-MVAC) 療法とゲムシタビン、 シスプラチン (GC) 療法の毒性および病理学的奏効を比較した無作為化第III相試験

J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022.

出典

  1. ファイザー株式会社. メソトレキセート®電子添文 (2023年6月改訂第3版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  2. 日本化薬株式会社. エクザール®電子添文 (2023年4月改訂第1版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  3. 日本化薬株式会社. アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂第1版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  4. 日本化薬株式会社. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂第1版) [最終閲覧 : 2024/6/19]
  5. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/03]
  6. Dose-Dense Methotrexate, Vinblastine, Doxorubicin, and Cisplatin or Gemcitabine and Cisplatin as Perioperative Chemotherapy for Patients With Nonmetastatic Muscle-Invasive Bladder Cancer: Results of the GETUG-AFU V05 VESPER Trial. J Clin Oncol. 2022 Jun 20;40(18):2013-2022. PMID: 35254888
  7. Randomized phase III trial of high-dose-intensity methotrexate, vinblastine, doxorubicin, and cisplatin (MVAC) chemotherapy and recombinant human granulocyte colony-stimulating factor versus classic MVAC in advanced urothelial tract tumors: European Organization for Research and Treatment of Cancer Protocol no. 30924. J Clin Oncol . 2001 May 15;19(10):2638-46. PMID: 11352955
最終更新日 : 2024年6月25日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。