電子添文¹⁾の用法および用量
▼1回240mgを2週間間隔の場合
▼1回480mgを4週間間隔の場合
※術後補助療法の場合、 投与期間は12ヵ月間
ONO-4538-08試験³⁾のプロトコル
主な有害事象 (5%以上発現)
化学療法未治療および既治療の根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者に用いられる。 ニボルマブの成分に対し過敏症がある場合は禁忌、 間質性肺疾患の合併や既往がある、 肺に炎症性変化がみられる、 自己免疫疾患の合併がある、 臓器移植歴がある、 結核の感染または既往がある、 ECOG PSが3-4である場合の投与は推奨されていない。
また、 免疫関連有害事象が生じた際には多くの場合ステロイドの全身投与を要することから、 ステロイドの長期全身投与に耐えられない全身状態や合併症を有する場合の投与の可否は慎重に判断する必要がある。
1回240㎎を2週間間隔または1回480㎎を4週間間隔で30分以上かけて点滴静注する。 減量基準はなく、 ホルモン補充療法でコントロール可能な内分泌関連の免疫関連有害事象を除き、 Grade3以上またはGradeに関わらず致死的になり得る場合には中止する。
📊 国内第Ⅱ相試験 (ONO-4538-02試験)¹⁾
ダカルバジン (DTIC) による化学療法歴を有する根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者 (ECOG PS0および1) 35例を対象に、 ニボルマブ2mg/kgを3週間間隔で点滴静注した。
主要評価項目である奏効率 (RECISTガイ ドライン1.1版に基づく中央判定によるCRまたはPR) は22.9% (90%CI : 13.4~36.2%) であった。 なお、 事前に設定した閾値は12.5%であった。
📊 国内第Ⅱ相試験 (ONO-4538-08試験)³⁾
化学療法未治療の根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者 (ECOG Performance Status0および1) 24例を対象に、 ニボルマブ3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。
主要評価項目である奏効率 (RECIST ガイドライン 1.1 版に基づく中央判定によるCRまたはPR) は29.2% (90%CI : 16.7~45.9%) であった。 なお、 事前に設定した閾値は6.0%であった。
📊 海外第Ⅲ相試験 (CA209066試験)⁴⁾
BRAFV600変異のない化学療法未治療の根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者 (ECOG Performance Status0および1) 418例 (ニボルマブ群210例、 DTIC群208例) を対象に、 DTICを対照としてニボルマブ3mg/kgを2週間間隔で点滴静注したときの有効性および安全性を検討した。
主要評価項目である全生存期間 (OS) (中央値 [95%CI] ) の中間解析結果は、 ニボルマブ群は NE*[NE~NE]ヵ月、 DTIC群で10.84 [9.33~12.09]ヵ月であり、 ニボルマブはDTIC に対し統計学的に有意な延長を示した (HR 0.42 [99.79%CI : 0.25~0.73]、 p<0.001)。
投与終了後、 数週間~数ヵ月経過してから副作用が発現することがあるためニボルマブの投与終了後にも副作用の発現に十分に注意すること。
▼間質性肺疾患
臨床症状 (呼吸困難、 咳嗽、 発熱等) の確認および胸部X線検査の実施等、 観察を十分に行うこと。 また、 必要に応じて胸部CT、 血清マーカー等の検査を実施すること。
▼下痢、大腸炎
数日単位で急速に重症化することがある。 治療中に、 Grade 2以上の消化器症状 (下痢など) を認めた場合や大腸炎が疑われた場合は、 休薬または中止し、 速やかに消化器専門医にコンサルト、 ステロイドの投与を行う。
▼重度infusion reaction
緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。 また、 2回目以降のニボルマブ投与時にinfusion reactionがあらわれることもあるので、 ニボルマブ投与中およびニボルマブ投与終了後はバイタルサインを測定する等、 患者の状態を十分に観察すること。 なお、 infusion reactionを発現した場合には、 全ての徴候および症状が完全に回復するまで患者を十分観察すること。
▼甲状腺、 下垂体機能障害および副腎障害
投与開始前および投与期間中は定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離 T3、 遊離 T4、ACTH、 血中コルチゾール等の測定) を実施すること。
▼1型糖尿病 (劇症1型糖尿病を含む)
糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、 口渇、 悪心、 嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。 1型糖尿病が疑われた場合には投与を中止し、 インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
▼劇症肝炎、肝不全、肝障害、 肝炎、硬化性胆管炎
定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。
▼重症筋無力症
発現時期は初回投与後から複数回投与後までと様々である。 初発症状として眼障害が最も多い一般的な重症筋無力症と異なり、 早期からの下障害、 息切れ/呼吸困難、 筋力低下といった全身型の症状の発現、 急速な増悪が報告されている。
重症筋無力症を疑う症状を認めたら、 速やかに病原性自己抗体検査を行い、 神経内科専門医にコンサルトすること。
▼ぶどう膜炎
眼の異常の有無を定期的に確認すること。 また、 眼の異常が認められた場合には、 速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
▼その他、 過度の免疫反応によると考えうる疾患や病態
異常が認められた場合には、 発現した事象に応じた 専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適切な鑑別診断を行い、 過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、 ニボルマブの休薬または中止、 および副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。 なお、 副腎皮質ホルモンの投与により副作用の改善が認められない場合には、 副腎皮質ホルモン以外の免疫抑制剤の追加も考慮すること。
最終更新日 : 2024年7月29日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
電子添文¹⁾の用法および用量
▼1回240mgを2週間間隔の場合
▼1回480mgを4週間間隔の場合
※術後補助療法の場合、 投与期間は12ヵ月間
ONO-4538-08試験³⁾のプロトコル
主な有害事象 (5%以上発現)
化学療法未治療および既治療の根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者に用いられる。 ニボルマブの成分に対し過敏症がある場合は禁忌、 間質性肺疾患の合併や既往がある、 肺に炎症性変化がみられる、 自己免疫疾患の合併がある、 臓器移植歴がある、 結核の感染または既往がある、 ECOG PSが3-4である場合の投与は推奨されていない。
また、 免疫関連有害事象が生じた際には多くの場合ステロイドの全身投与を要することから、 ステロイドの長期全身投与に耐えられない全身状態や合併症を有する場合の投与の可否は慎重に判断する必要がある。
1回240㎎を2週間間隔または1回480㎎を4週間間隔で30分以上かけて点滴静注する。 減量基準はなく、 ホルモン補充療法でコントロール可能な内分泌関連の免疫関連有害事象を除き、 Grade3以上またはGradeに関わらず致死的になり得る場合には中止する。
📊 国内第Ⅱ相試験 (ONO-4538-02試験)¹⁾
ダカルバジン (DTIC) による化学療法歴を有する根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者 (ECOG PS0および1) 35例を対象に、 ニボルマブ2mg/kgを3週間間隔で点滴静注した。
主要評価項目である奏効率 (RECISTガイ ドライン1.1版に基づく中央判定によるCRまたはPR) は22.9% (90%CI : 13.4~36.2%) であった。 なお、 事前に設定した閾値は12.5%であった。
📊 国内第Ⅱ相試験 (ONO-4538-08試験)³⁾
化学療法未治療の根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者 (ECOG Performance Status0および1) 24例を対象に、 ニボルマブ3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。
主要評価項目である奏効率 (RECIST ガイドライン 1.1 版に基づく中央判定によるCRまたはPR) は29.2% (90%CI : 16.7~45.9%) であった。 なお、 事前に設定した閾値は6.0%であった。
📊 海外第Ⅲ相試験 (CA209066試験)⁴⁾
BRAFV600変異のない化学療法未治療の根治切除不能なⅢ期/Ⅳ期または再発の悪性黒色腫患者 (ECOG Performance Status0および1) 418例 (ニボルマブ群210例、 DTIC群208例) を対象に、 DTICを対照としてニボルマブ3mg/kgを2週間間隔で点滴静注したときの有効性および安全性を検討した。
主要評価項目である全生存期間 (OS) (中央値 [95%CI] ) の中間解析結果は、 ニボルマブ群は NE*[NE~NE]ヵ月、 DTIC群で10.84 [9.33~12.09]ヵ月であり、 ニボルマブはDTIC に対し統計学的に有意な延長を示した (HR 0.42 [99.79%CI : 0.25~0.73]、 p<0.001)。
投与終了後、 数週間~数ヵ月経過してから副作用が発現することがあるためニボルマブの投与終了後にも副作用の発現に十分に注意すること。
▼間質性肺疾患
臨床症状 (呼吸困難、 咳嗽、 発熱等) の確認および胸部X線検査の実施等、 観察を十分に行うこと。 また、 必要に応じて胸部CT、 血清マーカー等の検査を実施すること。
▼下痢、大腸炎
数日単位で急速に重症化することがある。 治療中に、 Grade 2以上の消化器症状 (下痢など) を認めた場合や大腸炎が疑われた場合は、 休薬または中止し、 速やかに消化器専門医にコンサルト、 ステロイドの投与を行う。
▼重度infusion reaction
緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。 また、 2回目以降のニボルマブ投与時にinfusion reactionがあらわれることもあるので、 ニボルマブ投与中およびニボルマブ投与終了後はバイタルサインを測定する等、 患者の状態を十分に観察すること。 なお、 infusion reactionを発現した場合には、 全ての徴候および症状が完全に回復するまで患者を十分観察すること。
▼甲状腺、 下垂体機能障害および副腎障害
投与開始前および投与期間中は定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離 T3、 遊離 T4、ACTH、 血中コルチゾール等の測定) を実施すること。
▼1型糖尿病 (劇症1型糖尿病を含む)
糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、 口渇、 悪心、 嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。 1型糖尿病が疑われた場合には投与を中止し、 インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
▼劇症肝炎、肝不全、肝障害、 肝炎、硬化性胆管炎
定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。
▼重症筋無力症
発現時期は初回投与後から複数回投与後までと様々である。 初発症状として眼障害が最も多い一般的な重症筋無力症と異なり、 早期からの下障害、 息切れ/呼吸困難、 筋力低下といった全身型の症状の発現、 急速な増悪が報告されている。
重症筋無力症を疑う症状を認めたら、 速やかに病原性自己抗体検査を行い、 神経内科専門医にコンサルトすること。
▼ぶどう膜炎
眼の異常の有無を定期的に確認すること。 また、 眼の異常が認められた場合には、 速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
▼その他、 過度の免疫反応によると考えうる疾患や病態
異常が認められた場合には、 発現した事象に応じた 専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適切な鑑別診断を行い、 過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、 ニボルマブの休薬または中止、 および副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。 なお、 副腎皮質ホルモンの投与により副作用の改善が認められない場合には、 副腎皮質ホルモン以外の免疫抑制剤の追加も考慮すること。
最終更新日 : 2024年7月29日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。