治療スケジュール
概要
監修医師

DARA-SC:ダラツムマブ(ダラキューロ®)

投与量コース投与日
1800㎎/body 皮下注1Day 1、8、15、22、29、36
1800㎎/body 皮下注2~9Day 1、22
1800㎎/body 皮下注10~Day 1

DARA-IV:ダラツムマブ(ダラザレックス®)

投与量コース投与日
16mg/kg 点滴静注1Day 1、8、15、22、29、36
16mg/kg 点滴静注2~9Day 1、22
16mg/kg 点滴静注10~Day 1

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1Day 1、4、8、11、22、25、29、32
1.3mg/m² 皮下注2~9Day 1、8、22、29

MEL:メルファラン(アルケラン®)

投与量コース投与日
9mg/m² 経口1~9Day 1~4

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
60mg/m² 経口1~9Day 2~4

前投薬

ダラツムマブ投与1~3時間前に下記薬剤を投与する.
デキサメタゾン 20mg
解熱鎮痛薬
抗ヒスタミン薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬 (モンテルカスト10mg). *任意

その他

1コースは6週間 (※10コース目以降は4週間)
ダラツムマブはダラキューロ®配合皮下注かダラザレックス®点滴静注のどちらかを選択.
ダラキューロ®を投与する場合は1800mg/bodyを3~5分かけて臍周囲の腹部皮下へ投与.
ダラザレックス®を投与する場合は添付文書記載の希釈後の総量と投与速度の規定に従う.
レジメン
D-MPB(D-VMP)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ALCYONE (MMY3007) 試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (49.7%、 ≧Grade3 39.9%)
  • 血小板減少 (48.8%、 ≧Grade3 34.4%)
  • 貧血 (28.0%、 ≧Grade3 15.9%)
  • リンパ球減少 (9.7%、 ≧Grade3 5.8%)
  • 発熱性好中球減少症 (2.9%、 ≧Grade3 2.4%)

主な有害事象

  • 感染症 (66.8%、 ≧Grade3 23.1%)
  • 末梢感覚ニューロパチー (28.3%、 ≧Grade3 1.4%)
  • infusion reaction (27.7%、 ≧Grade3 4.9%)
  • 下痢 (23.7%、 ≧Grade3 2.6%)
  • 発熱 (23.1%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 悪心 (20.8%、 ≧Grade3 0.9%)

その他重要な有害事象

  • 間質性肺疾患 (1.8%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 溶血 (0.6%、 ≧Grade3 0%)

特徴と注意点

  • D-MPB療法は未治療移植非適応多発性骨髄腫に推奨.
  • ダラツムマブは抗CD38モノクローナル抗体で骨髄腫細胞への直接作用と免疫調節作用を介した間接作用を有する.
  • ダラツムマブは、 ダラザレックス®点滴静注ダラキューロ®配合皮下注の製剤がある. ダラキューロ®の発売後、 各施設の運用方針に応じてダラザレックス®からダラキューロ®への切り替えが行われている.
  • ダラザレックス®に対するダラキューロ®の非劣性が証明されており、 ダラキューロ®の方がInfusion reaction (IRR)が少ない.²⁾
  • 投与前に不規則抗体スクリーニング検査を含めた一般的な輸血前検査を実施する (投与後約半年間、 間接クームス試験が偽陽性となることがある).
  • 呼吸器合併症のリスクが高い症例に対しては気管支拡張薬および、 吸入ステロイド薬の投与を考慮.
  • ボルテゾミブによる末梢神経障害や間質性肺炎に対し適切に対処する.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.

関連する臨床試験の結果

ALCYONE (MMY3007) 試験¹⁾

概要

  • 対象:未治療移植非適応の多発性骨髄腫患者706例
  • 対照群:ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン (VMP)
  • 介入群:ダラツムマブ+VMP (D-VMP)
  • 主要評価項目:PFS
  • 副次評価項目:ORR、 ≧VGPR、 MRD陰性化率、 OS、 安全性
PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 VGPR:最良部分奏効 MRD:微小残存病変 OS:全生存期間

結果

  • PFS中央値:D-VMP群 未到達 vs VMP群 18.1ヵ月 (HR 0.50、 95%CI 0.38-0.65、 p<0.001)
  • ORR:D-VMP群 90.9% vs VMP群 73.9%
  • ≧VGPR:D-VMP群 71.1% vs VMP群 49.7%
  • MRD陰性化率:D-VMP群 22.3% vs VMP群 6.2%

参考文献

  1. N Engl J Med. 2018 Feb 8;378(6):518-528.
  2. Lancet Haematol. 2020 May;7(5):e370-e380.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 メルファラン、 プレドニゾロン
2023年05月07日更新

DARA-SC:ダラツムマブ(ダラキューロ®)

投与量コース投与日
1800㎎/body 皮下注1Day 1、8、15、22、29、36
1800㎎/body 皮下注2~9Day 1、22
1800㎎/body 皮下注10~Day 1

DARA-IV:ダラツムマブ(ダラザレックス®)

投与量コース投与日
16mg/kg 点滴静注1Day 1、8、15、22、29、36
16mg/kg 点滴静注2~9Day 1、22
16mg/kg 点滴静注10~Day 1

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1Day 1、4、8、11、22、25、29、32
1.3mg/m² 皮下注2~9Day 1、8、22、29

MEL:メルファラン(アルケラン®)

投与量コース投与日
9mg/m² 経口1~9Day 1~4

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
60mg/m² 経口1~9Day 2~4

前投薬

ダラツムマブ投与1~3時間前に下記薬剤を投与する.
デキサメタゾン 20mg
解熱鎮痛薬
抗ヒスタミン薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬 (モンテルカスト10mg). *任意

その他

1コースは6週間 (※10コース目以降は4週間)
ダラツムマブはダラキューロ®配合皮下注かダラザレックス®点滴静注のどちらかを選択.
ダラキューロ®を投与する場合は1800mg/bodyを3~5分かけて臍周囲の腹部皮下へ投与.
ダラザレックス®を投与する場合は添付文書記載の希釈後の総量と投与速度の規定に従う.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ALCYONE (MMY3007) 試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (49.7%、 ≧Grade3 39.9%)
  • 血小板減少 (48.8%、 ≧Grade3 34.4%)
  • 貧血 (28.0%、 ≧Grade3 15.9%)
  • リンパ球減少 (9.7%、 ≧Grade3 5.8%)
  • 発熱性好中球減少症 (2.9%、 ≧Grade3 2.4%)

主な有害事象

  • 感染症 (66.8%、 ≧Grade3 23.1%)
  • 末梢感覚ニューロパチー (28.3%、 ≧Grade3 1.4%)
  • infusion reaction (27.7%、 ≧Grade3 4.9%)
  • 下痢 (23.7%、 ≧Grade3 2.6%)
  • 発熱 (23.1%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 悪心 (20.8%、 ≧Grade3 0.9%)

その他重要な有害事象

  • 間質性肺疾患 (1.8%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 溶血 (0.6%、 ≧Grade3 0%)

特徴と注意点

  • D-MPB療法は未治療移植非適応多発性骨髄腫に推奨.
  • ダラツムマブは抗CD38モノクローナル抗体で骨髄腫細胞への直接作用と免疫調節作用を介した間接作用を有する.
  • ダラツムマブは、 ダラザレックス®点滴静注ダラキューロ®配合皮下注の製剤がある. ダラキューロ®の発売後、 各施設の運用方針に応じてダラザレックス®からダラキューロ®への切り替えが行われている.
  • ダラザレックス®に対するダラキューロ®の非劣性が証明されており、 ダラキューロ®の方がInfusion reaction (IRR)が少ない.²⁾
  • 投与前に不規則抗体スクリーニング検査を含めた一般的な輸血前検査を実施する (投与後約半年間、 間接クームス試験が偽陽性となることがある).
  • 呼吸器合併症のリスクが高い症例に対しては気管支拡張薬および、 吸入ステロイド薬の投与を考慮.
  • ボルテゾミブによる末梢神経障害や間質性肺炎に対し適切に対処する.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.

関連する臨床試験の結果

ALCYONE (MMY3007) 試験¹⁾

概要

  • 対象:未治療移植非適応の多発性骨髄腫患者706例
  • 対照群:ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン (VMP)
  • 介入群:ダラツムマブ+VMP (D-VMP)
  • 主要評価項目:PFS
  • 副次評価項目:ORR、 ≧VGPR、 MRD陰性化率、 OS、 安全性
PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 VGPR:最良部分奏効 MRD:微小残存病変 OS:全生存期間

結果

  • PFS中央値:D-VMP群 未到達 vs VMP群 18.1ヵ月 (HR 0.50、 95%CI 0.38-0.65、 p<0.001)
  • ORR:D-VMP群 90.9% vs VMP群 73.9%
  • ≧VGPR:D-VMP群 71.1% vs VMP群 49.7%
  • MRD陰性化率:D-VMP群 22.3% vs VMP群 6.2%

参考文献

  1. N Engl J Med. 2018 Feb 8;378(6):518-528.
  2. Lancet Haematol. 2020 May;7(5):e370-e380.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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