治療スケジュール
概要
監修医師

Fostamatinib:ホスタマチニブ(タバリス®)

投与量コース投与日
初回投与量:1回100mg 1日2回経口1~Day 1~
最高投与量:1回150mg 1日2回経口--
1段階減量:1回150mg 1日1回経口--
2段階減量:1回100mg 1日1回経口--
レジメン
Fostamatinib
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

タバリス® (ホスタマチニブ)

添付文書 / 適正使用情報*

キッセイ薬品工業株式会社の外部サイトに遷移します

投与スケジュール

【1コース】連日内服投与
【催吐性】不明
【FN発症】低リスク

初回100mgを1日2回投与。 4週間以上投与しても効果不十分なら150mgを1日2回へ増量

血液学的検査、 肝機能検査、 血圧を定期的に実施して用量を調節し、 12週間投与しても効果不十分なら中止を考慮

 - 血小板数≦5万/μLなら増量を考慮
 - 血小板数>25万/μLでは減量または休薬

主な有害事象

R788-1301試験¹⁾ より引用.

  • 下痢31.8%
  • 高血圧27.3%
  • 好中球減少13.6%
  • 肝機能異常9.1%

特徴と注意点

作用機序

ホスタマチニブは経口投与後、小腸アルカリホスファターゼにより脱リン酸化され、活性本体R406に代謝される。R406は脾臓マクロファージのFcγ受容体シグナル (SYK) を阻害し、自己抗体結合血小板の貪食・破壊を抑制する。

本レジメンの位置付け

持続性及び慢性免疫性血小板減少症

他治療で十分な効果が得られない場合、または忍容性に問題がある場合、あるいは血小板数や臨床症状から出血リスクが高い場合に適応となる。

用量レベル

有害事象による減量又は中止の目安

下痢

  • Grade3以上で休薬.
  • Grade1以下に改善後、 1段階減量して再開.

高血圧

  • 収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上.
  • 必要に応じて降圧剤等の投与を行う.
  • コントロール不良の場合には減量又は休薬.
  • 収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上.
  • 降圧剤の投与等を行う.
  • コントロール不良の場合には休薬.
  • 収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上.
  • 休薬又は減量し、 降圧剤等の投与を行う.
  • いずれの場合も、 血圧がコントロールされた場合は、 一段階減量で再開.

好中球減少

  • 好中球数が1,000/μL未満に減少した場合.
  • 好中球数を追加で測定し、 1,000/μLであった場合は休薬.
  • 休薬により好中球数が1,500/μL超えまで回復したら、 一段階減量で再開.

肝機能障害

① AST又はALTが基準値上限の3倍以上5倍未満

② 総ビリルビンが基準値上限の2倍超

③ AST又はALTが基準値上限の5倍以上

④ AST又はALTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超

  • ①か②のいずれかを満たし、 悪心、 嘔吐、 腹痛等の症状が認められる場合.
  • 休薬.
  • ①か②のいずれかを満たし、 症状が認められない場合.
  • AST又はALTの上昇が持続する場合は、 減量又は休薬.
  • ③を満たす場合
  • 休薬.
  • ④を満たす場合
  • 中止.
  • 休薬後、 AST又はALT及び総ビリルビンが基準値上限の1.5倍未満に回復した場合は、 一段階減量で再開.
*GradeはCTCAE ver 5.0による.

関連する臨床試験の結果

R788-1301試験¹⁾

概要

  • 国内第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間試験
  • 対象 : 治療歴のある又は忍容性に問題のあったcITP患者34例.
  • 主要評価項目 : Stable platelet response.
Stable platelet responseの定義 : 投与14~24週までの6回の来院のうち、 レスキュー治療を行わずに4回以上で血小板数が50,000/μL以上を達成した患者
  • 介入 : 開始用量100mg、 1日2回. 投与開始から4週以降に血小板数が50,000μL未満かつ忍容性が良好である場合は150mg、 1日2回に増量可能.

結果

  • Stable platelet response達成割合 : ホスタマチニブ群 36.4% (8/22例) vs プラセボ群 0% (0/12例)
  • Fisher’s Exact検定は、 p=0.030. (群間差 : 36.4% [95% CI : 3.1, 59.3] p=0.030)

C-788-047試験、 C788-048試験²⁾

概要

  • 海外第Ⅲ相多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験.
  • 対象 : 治療歴のある又は忍容性に問題のあったcITP患者150例.
  • 主要評価項目 : Stable platelet response.

(Stable platelet responseの定義 : 投与14~24週までの6回の来院のうち、 レスキュー治療を行わずに4回以上で血小板数が50,000/μL以上を達成した患者)

  • 介入 : 開始用量100mg1日2回、 投与開始から4週以降に血小板数が50,000/μL未満かつ忍容性が良好である場合は150mg1日2回に増量可能.

結果

  • Stable platelet response達成割合 : ホスタマチニブ群 17.6% (9/51例)及び18.0%(9/50例) vs プラセボ群 0%(0/25例)及び4.2%(1/24例).
  • Fisher’s Exact検定は、 それぞれp=0.0261、 p=0.1519. (群間差 : 17.6% [95% CI:7.2, 28.1] p=0.0261、 13.8% [95% CI:0.5, 27.1] p=0.0261).

参考文献

  1. Br J Haematol. 2023 Mar;200(6):802-811.
  2. Am J Hematol. 2018 Jul;93(7):921-930.
  3. タバリス®製品情報
  4. タバリス®インタビューフォーム

関連コンテンツ

🥼 特発性血小板減少性紫斑病

HOKUTOコンテンツ 専門医監修

🔢 ITP重症度分類

HOKUTO表・計算ツール

最終更新 : 2026年2月9日
執筆担当 : 小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
Fostamatinib
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
Fostamatinib
レジメン
Fostamatinib

Fostamatinib

ホスタマチニブ(タバリス®)
非腫瘍性疾患 > 免疫性血小板減少症
2026年02月09日更新

Fostamatinib:ホスタマチニブ(タバリス®)

投与量コース投与日
初回投与量:1回100mg 1日2回経口1~Day 1~
最高投与量:1回150mg 1日2回経口--
1段階減量:1回150mg 1日1回経口--
2段階減量:1回100mg 1日1回経口--

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

タバリス® (ホスタマチニブ)

添付文書 / 適正使用情報*

キッセイ薬品工業株式会社の外部サイトに遷移します

投与スケジュール

【1コース】連日内服投与
【催吐性】不明
【FN発症】低リスク

初回100mgを1日2回投与。 4週間以上投与しても効果不十分なら150mgを1日2回へ増量

血液学的検査、 肝機能検査、 血圧を定期的に実施して用量を調節し、 12週間投与しても効果不十分なら中止を考慮

 - 血小板数≦5万/μLなら増量を考慮
 - 血小板数>25万/μLでは減量または休薬

主な有害事象

R788-1301試験¹⁾ より引用.

  • 下痢31.8%
  • 高血圧27.3%
  • 好中球減少13.6%
  • 肝機能異常9.1%

特徴と注意点

作用機序

ホスタマチニブは経口投与後、小腸アルカリホスファターゼにより脱リン酸化され、活性本体R406に代謝される。R406は脾臓マクロファージのFcγ受容体シグナル (SYK) を阻害し、自己抗体結合血小板の貪食・破壊を抑制する。

本レジメンの位置付け

持続性及び慢性免疫性血小板減少症

他治療で十分な効果が得られない場合、または忍容性に問題がある場合、あるいは血小板数や臨床症状から出血リスクが高い場合に適応となる。

用量レベル

有害事象による減量又は中止の目安

下痢

  • Grade3以上で休薬.
  • Grade1以下に改善後、 1段階減量して再開.

高血圧

  • 収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上.
  • 必要に応じて降圧剤等の投与を行う.
  • コントロール不良の場合には減量又は休薬.
  • 収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上.
  • 降圧剤の投与等を行う.
  • コントロール不良の場合には休薬.
  • 収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上.
  • 休薬又は減量し、 降圧剤等の投与を行う.
  • いずれの場合も、 血圧がコントロールされた場合は、 一段階減量で再開.

好中球減少

  • 好中球数が1,000/μL未満に減少した場合.
  • 好中球数を追加で測定し、 1,000/μLであった場合は休薬.
  • 休薬により好中球数が1,500/μL超えまで回復したら、 一段階減量で再開.

肝機能障害

① AST又はALTが基準値上限の3倍以上5倍未満

② 総ビリルビンが基準値上限の2倍超

③ AST又はALTが基準値上限の5倍以上

④ AST又はALTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超

  • ①か②のいずれかを満たし、 悪心、 嘔吐、 腹痛等の症状が認められる場合.
  • 休薬.
  • ①か②のいずれかを満たし、 症状が認められない場合.
  • AST又はALTの上昇が持続する場合は、 減量又は休薬.
  • ③を満たす場合
  • 休薬.
  • ④を満たす場合
  • 中止.
  • 休薬後、 AST又はALT及び総ビリルビンが基準値上限の1.5倍未満に回復した場合は、 一段階減量で再開.
*GradeはCTCAE ver 5.0による.

関連する臨床試験の結果

R788-1301試験¹⁾

概要

  • 国内第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間試験
  • 対象 : 治療歴のある又は忍容性に問題のあったcITP患者34例.
  • 主要評価項目 : Stable platelet response.
Stable platelet responseの定義 : 投与14~24週までの6回の来院のうち、 レスキュー治療を行わずに4回以上で血小板数が50,000/μL以上を達成した患者
  • 介入 : 開始用量100mg、 1日2回. 投与開始から4週以降に血小板数が50,000μL未満かつ忍容性が良好である場合は150mg、 1日2回に増量可能.

結果

  • Stable platelet response達成割合 : ホスタマチニブ群 36.4% (8/22例) vs プラセボ群 0% (0/12例)
  • Fisher’s Exact検定は、 p=0.030. (群間差 : 36.4% [95% CI : 3.1, 59.3] p=0.030)

C-788-047試験、 C788-048試験²⁾

概要

  • 海外第Ⅲ相多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験.
  • 対象 : 治療歴のある又は忍容性に問題のあったcITP患者150例.
  • 主要評価項目 : Stable platelet response.

(Stable platelet responseの定義 : 投与14~24週までの6回の来院のうち、 レスキュー治療を行わずに4回以上で血小板数が50,000/μL以上を達成した患者)

  • 介入 : 開始用量100mg1日2回、 投与開始から4週以降に血小板数が50,000/μL未満かつ忍容性が良好である場合は150mg1日2回に増量可能.

結果

  • Stable platelet response達成割合 : ホスタマチニブ群 17.6% (9/51例)及び18.0%(9/50例) vs プラセボ群 0%(0/25例)及び4.2%(1/24例).
  • Fisher’s Exact検定は、 それぞれp=0.0261、 p=0.1519. (群間差 : 17.6% [95% CI:7.2, 28.1] p=0.0261、 13.8% [95% CI:0.5, 27.1] p=0.0261).

参考文献

  1. Br J Haematol. 2023 Mar;200(6):802-811.
  2. Am J Hematol. 2018 Jul;93(7):921-930.
  3. タバリス®製品情報
  4. タバリス®インタビューフォーム

関連コンテンツ

🥼 特発性血小板減少性紫斑病

HOKUTOコンテンツ 専門医監修

🔢 ITP重症度分類

HOKUTO表・計算ツール

最終更新 : 2026年2月9日
執筆担当 : 小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。