アクプラ®静注用 (ネダプラチン : CDGP)
添付文書¹⁾
5-FU®注 (フルオロウラシル : 5ーFU)
添付文書²⁾
【1コース】 28日間
【催吐性】中等度
【FN発症】 記載なし*

下記を1コース28日間として計4コース施行
CDGP : 90mg/m²をDay 1に2時間で点滴静注
5-FU : 800mg/m²をDay 1–5に、 24時間で5日間連日持続静注
CDGPは300mL以上の輸液に溶解して点滴静注し、 投与後は1L以上の後輸液を行う。
Esophagus. 2014 Jul;11(3):183-188.
転移を有する食道扁平上皮癌を対象とした非無作為化第II相試験。 42例 (適格38例) にCDGP 90mg/m² (Day 1) +5-FU 800mg/m² (Day 1–5) を4週ごとに投与し、 主要評価項目は客観的奏効率 (ORR) とした。
【有効性】
- ORR 39.5% (95%CI 24.0–56.6%)
- OS中央値 8.8ヵ月 (95%CI 7.4–10.2ヵ月)
- PFS中央値 2.5ヵ月 (95%CI 1.6–3.5ヵ月)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 白血球減少症 48.8% (7.3%)
- 好中球減少症 58.5% (19.5%)
- 貧血 90.2% (4.9%)
- 血小板減少症 9.8% (4.9%)
- 悪心 63.4% (14.6%)
- 嘔吐 7.3% (0%)
- 下痢 22.0% (2.4%)
- 口内炎 48.8% (2.4%)
- AST/ALT上昇 46.3% (0%)
- 総ビリルビン上昇 12.2% (0%)
- クレアチニン上昇 9.8% (0%)
- アレルギー 4.9% (0%)
JCOG 9905-DI試験の主な適格基準³⁾
- 病理学的に診断された胸部食道扁平上皮癌
- ECOG PS 0–2
- 20~75歳
- 白血球数≧4000/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧10g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦2×ULN、 T-Bil≦1.5mg/dL
- 腎機能 : Cre≦1.2mg/dL、 CrCl≧60mL/min

CDGP : 腎毒性のため、 重篤な腎障害のある患者では禁忌¹⁾
5ーFU : 減量は不要だが、 末期腎不全患者では代謝物蓄積により高アンモニア血症を来す可能性がある⁴⁾
次コース開始基準 :
- WBC≧3000/μL
- 血小板数≧7.5万/μL
- 総ビリルビン≦2.0mg/dL
- 血清クレアチニン≦1.2mg/dL
- 非血液毒性 Grade≦1
減量規定 :
以下の毒性が発現した場合、 次コースの投与量を30%減量する。

🧑⚕️CDGPは腎機能障害の軽減を目的に開発された第2世代プラチナ系薬剤であり、 切除不能進行食道扁平上皮癌の第II相試験で当時の標準であったCF (シスプラチン+5-FU) 療法とほぼ同等の効果を示したことから腎機能障害例を中心に用いられてきたが、 2019年以降はオキサリプラチンを含むFOLFOX療法が食道癌でも使用可能となり実臨床での出番は限定的である。 一方、 有害事象は腎機能障害や悪心・嘔吐はCF療法より少ないものの、 血球減少、 とくにGrade 3以上の血小板減少 (4.9%) や好中球減少 (19.5%) に注意が必要であり、 血算をこまめに評価する必要がある。
CDGPは細胞内で生成された活性種がシスプラチンと同様にDNAと結合し、 複製を阻害して抗腫瘍作用を発揮する。
5-FUは代謝物F-deoxy UMPがチミジル酸合成酵素を阻害してDNA合成を抑制し、 RNAへの組み込みによるF-RNA生成やリボゾームRNA形成阻害も抗腫瘍効果に寄与する。
骨髄抑制 : 重篤な骨髄抑制があらわれることがあり、 感染症や出血傾向の発現または増悪に十分注意する。
腎機能障害 : 尿量減少により腎毒性が増強するため、 尿量確保に留意し、 必要に応じて輸液や利尿剤 (D-マンニトール、 フロセミド等) を使用する。 なお、 フロセミドによる強制利尿の場合は腎障害や聴器障害が増強するおそれがあるため十分な水分補給を行い、 特に経口摂取困難例や悪心・嘔吐、 食欲不振、 下痢を伴う患者では慎重に対応する。
消化器症状 : 悪心・嘔吐、 食欲不振、 激しい下痢があらわれることがあるため、 脱水等に注意し適切な処置を行う。
聴覚障害 : 難聴、 聴力低下、 耳鳴があらわれることがあるため適宜聴力検査を実施し、 白金製剤の前治療歴や既存の聴力・腎機能低下がある患者では特に注意する。
1) 日医工株式会社. アクプラ®電子添文情報. 2022年3月改訂 第1版.
2) 協和キリン株式会社. 5-FU®電子添文情報. 2024年6月改訂 第4版
3) Esophagus. 2014 Jul;11(3):183-188.
4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
最終更新日 : 2026年1月26日
執筆 : 京都桂病院 薬剤科 冨士原あゆみ
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
アクプラ®静注用 (ネダプラチン : CDGP)
添付文書¹⁾
5-FU®注 (フルオロウラシル : 5ーFU)
添付文書²⁾
【1コース】 28日間
【催吐性】中等度
【FN発症】 記載なし*

下記を1コース28日間として計4コース施行
CDGP : 90mg/m²をDay 1に2時間で点滴静注
5-FU : 800mg/m²をDay 1–5に、 24時間で5日間連日持続静注
CDGPは300mL以上の輸液に溶解して点滴静注し、 投与後は1L以上の後輸液を行う。
Esophagus. 2014 Jul;11(3):183-188.
転移を有する食道扁平上皮癌を対象とした非無作為化第II相試験。 42例 (適格38例) にCDGP 90mg/m² (Day 1) +5-FU 800mg/m² (Day 1–5) を4週ごとに投与し、 主要評価項目は客観的奏効率 (ORR) とした。
【有効性】
- ORR 39.5% (95%CI 24.0–56.6%)
- OS中央値 8.8ヵ月 (95%CI 7.4–10.2ヵ月)
- PFS中央値 2.5ヵ月 (95%CI 1.6–3.5ヵ月)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 白血球減少症 48.8% (7.3%)
- 好中球減少症 58.5% (19.5%)
- 貧血 90.2% (4.9%)
- 血小板減少症 9.8% (4.9%)
- 悪心 63.4% (14.6%)
- 嘔吐 7.3% (0%)
- 下痢 22.0% (2.4%)
- 口内炎 48.8% (2.4%)
- AST/ALT上昇 46.3% (0%)
- 総ビリルビン上昇 12.2% (0%)
- クレアチニン上昇 9.8% (0%)
- アレルギー 4.9% (0%)
JCOG 9905-DI試験の主な適格基準³⁾
- 病理学的に診断された胸部食道扁平上皮癌
- ECOG PS 0–2
- 20~75歳
- 白血球数≧4000/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧10g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦2×ULN、 T-Bil≦1.5mg/dL
- 腎機能 : Cre≦1.2mg/dL、 CrCl≧60mL/min

CDGP : 腎毒性のため、 重篤な腎障害のある患者では禁忌¹⁾
5ーFU : 減量は不要だが、 末期腎不全患者では代謝物蓄積により高アンモニア血症を来す可能性がある⁴⁾
次コース開始基準 :
- WBC≧3000/μL
- 血小板数≧7.5万/μL
- 総ビリルビン≦2.0mg/dL
- 血清クレアチニン≦1.2mg/dL
- 非血液毒性 Grade≦1
減量規定 :
以下の毒性が発現した場合、 次コースの投与量を30%減量する。

🧑⚕️CDGPは腎機能障害の軽減を目的に開発された第2世代プラチナ系薬剤であり、 切除不能進行食道扁平上皮癌の第II相試験で当時の標準であったCF (シスプラチン+5-FU) 療法とほぼ同等の効果を示したことから腎機能障害例を中心に用いられてきたが、 2019年以降はオキサリプラチンを含むFOLFOX療法が食道癌でも使用可能となり実臨床での出番は限定的である。 一方、 有害事象は腎機能障害や悪心・嘔吐はCF療法より少ないものの、 血球減少、 とくにGrade 3以上の血小板減少 (4.9%) や好中球減少 (19.5%) に注意が必要であり、 血算をこまめに評価する必要がある。
CDGPは細胞内で生成された活性種がシスプラチンと同様にDNAと結合し、 複製を阻害して抗腫瘍作用を発揮する。
5-FUは代謝物F-deoxy UMPがチミジル酸合成酵素を阻害してDNA合成を抑制し、 RNAへの組み込みによるF-RNA生成やリボゾームRNA形成阻害も抗腫瘍効果に寄与する。
骨髄抑制 : 重篤な骨髄抑制があらわれることがあり、 感染症や出血傾向の発現または増悪に十分注意する。
腎機能障害 : 尿量減少により腎毒性が増強するため、 尿量確保に留意し、 必要に応じて輸液や利尿剤 (D-マンニトール、 フロセミド等) を使用する。 なお、 フロセミドによる強制利尿の場合は腎障害や聴器障害が増強するおそれがあるため十分な水分補給を行い、 特に経口摂取困難例や悪心・嘔吐、 食欲不振、 下痢を伴う患者では慎重に対応する。
消化器症状 : 悪心・嘔吐、 食欲不振、 激しい下痢があらわれることがあるため、 脱水等に注意し適切な処置を行う。
聴覚障害 : 難聴、 聴力低下、 耳鳴があらわれることがあるため適宜聴力検査を実施し、 白金製剤の前治療歴や既存の聴力・腎機能低下がある患者では特に注意する。
1) 日医工株式会社. アクプラ®電子添文情報. 2022年3月改訂 第1版.
2) 協和キリン株式会社. 5-FU®電子添文情報. 2024年6月改訂 第4版
3) Esophagus. 2014 Jul;11(3):183-188.
4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
最終更新日 : 2026年1月26日
執筆 : 京都桂病院 薬剤科 冨士原あゆみ
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。