概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

レミトロ® (添付文書/適正使用情報)

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用法用量

第Ⅲ相試験¹⁾ / 電子添文²⁾の用法用量

J Clin Oncol. 2010 Apr 10;28(11):1870-7.、 レミトロ®電子添文 (2023年7月改訂 第5版) より作図

減量・休薬・中止基準

適正使用ガイドの減量・休薬・中止基準

レミトロ®適正使用ガイド (2022年4月作成)より作図

初回基準量と減量レベル

レミトロ®適正使用ガイド (2022年4月作成)より作図

エキスパートのワンポイント

どのような患者で選択されるレジメンか、同ライン薬剤との比較

承認が現時点での皮膚リンパ腫ガイドライン (2020年版) 作成後であったこともあり、 ガイドラインのアルゴリズムには入っていない。

保険適応は再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫/皮膚T細胞リンパ腫であるが、 皮膚科領域ではskin directed therapy抵抗性の進行期菌状息肉症においてsecond line以降 (一般的にはthird line以降) に用いられることが多い。

レジメンの用法および用量、減量・休薬・中止基準について実臨床での対応

1日1回9μg/kgを1時間かけて5日間点滴静注した後、 16日間休薬する。 この21日間を1サイクルとして、 最大8サイクル投与を繰り返す。

各サイクルの第2~5日目の投与開始前にGrade 3以上の副作用が認められた場合、 Grade 2以下 (低Alb血症はGrade 1以下) に回復するまで休薬する。 回復後は、 同一用量で再開することができる副作用等により、 2サイクル連続で次サイクルの投与を延期した場合、 6μg/kgに減量する。

生命を脅かす重篤な副作用が認められた場合、 次サイクル開始予定日より21日を超えて投与を再開できない場合、 6μg/kgに減量後、 さらに減量が必要な場合は投与を中止する。

過去の主要な臨床試験名と、その有効性および安全性の解釈について

国内第II相試験 (E7777-J081-205) では17例の末梢性T細胞リンパ腫と19例の皮膚T細胞リンパ腫の患者が登録された。 皮膚T細胞リンパ腫では奏効例は6例 (31.6%) であった。 菌状息肉症に限っては12例中5例 (41.7%) で奏効が得られた。 無増悪奏効期間は4.2ヵ月であった。 皮膚T細胞リンパ腫群における副作用は低Alb血症を73.7%(Grade3以上は5.3%)認め、 毛細血管漏出症候群も26.3% (Grade3以上は21.1%) 認めている。

因果関係は不明だが、 本試験で毛細血管漏出症候群を呈したのは全例皮膚T細胞リンパ腫群であった。 他の頻度の高い副作用としてAST/ALT高値、 リンパ球減少、 倦怠感、 発熱などであった。

特徴的な副作用について

本剤に特徴的な副作用として、 毛細血管漏出症候群、 横紋筋融解、 視力障害、 色覚異常がある。

毛細血管漏出症候群

本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清Alb値、 血圧、 脈拍、 体重の測定を行う必要がある。 特にAlb値に関してはサイクル開始前に3.0g/dL未満であった場合、 投与を延期する必要がある。

横紋筋融解症

本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的にCK、 クレアチニン等の検査を行い、 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行う。

視力障害、 色覚異常

本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に眼科検査を実施し、 患者の状態を十分に観察する必要がある。

出典

  1. Phase III placebo-controlled trial of denileukin diftitox for patients with cutaneous T-cell lymphoma. J Clin Oncol. 2010 Apr 10;28(11):1870-7. PMID: 20212249
  2. エーザイ株式会社. レミトロ®電子添文 (2023年7月改訂 第5版) [最終閲覧 : 2024/03/07]
  3. エーザイ株式会社. レミトロ®適正使用ガイド (2022年4月作成) [最終閲覧 : 2024/03/07]
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年7月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生

レジメン
Denileukin Diftitox
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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デニロイキン ジフチトクス (レミトロ®)
2024年07月16日更新
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第Ⅲ相試験¹⁾ / 電子添文²⁾の用法用量

J Clin Oncol. 2010 Apr 10;28(11):1870-7.、 レミトロ®電子添文 (2023年7月改訂 第5版) より作図

減量・休薬・中止基準

適正使用ガイドの減量・休薬・中止基準

レミトロ®適正使用ガイド (2022年4月作成)より作図

初回基準量と減量レベル

レミトロ®適正使用ガイド (2022年4月作成)より作図

エキスパートのワンポイント

どのような患者で選択されるレジメンか、同ライン薬剤との比較

承認が現時点での皮膚リンパ腫ガイドライン (2020年版) 作成後であったこともあり、 ガイドラインのアルゴリズムには入っていない。

保険適応は再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫/皮膚T細胞リンパ腫であるが、 皮膚科領域ではskin directed therapy抵抗性の進行期菌状息肉症においてsecond line以降 (一般的にはthird line以降) に用いられることが多い。

レジメンの用法および用量、減量・休薬・中止基準について実臨床での対応

1日1回9μg/kgを1時間かけて5日間点滴静注した後、 16日間休薬する。 この21日間を1サイクルとして、 最大8サイクル投与を繰り返す。

各サイクルの第2~5日目の投与開始前にGrade 3以上の副作用が認められた場合、 Grade 2以下 (低Alb血症はGrade 1以下) に回復するまで休薬する。 回復後は、 同一用量で再開することができる副作用等により、 2サイクル連続で次サイクルの投与を延期した場合、 6μg/kgに減量する。

生命を脅かす重篤な副作用が認められた場合、 次サイクル開始予定日より21日を超えて投与を再開できない場合、 6μg/kgに減量後、 さらに減量が必要な場合は投与を中止する。

過去の主要な臨床試験名と、その有効性および安全性の解釈について

国内第II相試験 (E7777-J081-205) では17例の末梢性T細胞リンパ腫と19例の皮膚T細胞リンパ腫の患者が登録された。 皮膚T細胞リンパ腫では奏効例は6例 (31.6%) であった。 菌状息肉症に限っては12例中5例 (41.7%) で奏効が得られた。 無増悪奏効期間は4.2ヵ月であった。 皮膚T細胞リンパ腫群における副作用は低Alb血症を73.7%(Grade3以上は5.3%)認め、 毛細血管漏出症候群も26.3% (Grade3以上は21.1%) 認めている。

因果関係は不明だが、 本試験で毛細血管漏出症候群を呈したのは全例皮膚T細胞リンパ腫群であった。 他の頻度の高い副作用としてAST/ALT高値、 リンパ球減少、 倦怠感、 発熱などであった。

特徴的な副作用について

本剤に特徴的な副作用として、 毛細血管漏出症候群、 横紋筋融解、 視力障害、 色覚異常がある。

毛細血管漏出症候群

本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清Alb値、 血圧、 脈拍、 体重の測定を行う必要がある。 特にAlb値に関してはサイクル開始前に3.0g/dL未満であった場合、 投与を延期する必要がある。

横紋筋融解症

本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的にCK、 クレアチニン等の検査を行い、 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行う。

視力障害、 色覚異常

本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に眼科検査を実施し、 患者の状態を十分に観察する必要がある。

出典

  1. Phase III placebo-controlled trial of denileukin diftitox for patients with cutaneous T-cell lymphoma. J Clin Oncol. 2010 Apr 10;28(11):1870-7. PMID: 20212249
  2. エーザイ株式会社. レミトロ®電子添文 (2023年7月改訂 第5版) [最終閲覧 : 2024/03/07]
  3. エーザイ株式会社. レミトロ®適正使用ガイド (2022年4月作成) [最終閲覧 : 2024/03/07]
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年7月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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