治療スケジュール
概要
監修医師

S-1:Tegafur/Gimeracil/Oteracil(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
40mg/回 経口 分2朝夕食後1~Day1~28

前投薬

前治療にフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬、 フッ化ピリミジン系抗真菌薬が含まれる場合は最低7日間が空いていることを確認する (併用禁忌)。

その他

1コース42日間。
腎排泄型の薬剤であり、 投与開始にあたっては腎機能 (クレアチニンクリアランス:CCr値) に基づく投与開始用量の調整が推奨されている。
原則、 4週内服2週休薬を1サイクルとするが、 有害事象や高齢者などでスケジュール通りの投与が困難な症例においては投与期間の短縮 (2週内服1週休薬) も考慮する。
レジメン
S-1
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ティーエスワン® (添付文書¹⁾/ 適正使用ガイド²⁾*)

*大鵬薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

国内第Ⅱ相試験³⁾のプロトコル

4週内服、2週間休薬を1コースとする。

Br J Cancer. 2004 Nov 15;91(10):1769-74³⁾より作図
電子添文¹⁾/ 適正使用ガイド²⁾の用法および用量
<胆道癌にはA法、 E法又はF法を使用>
A法 : 朝食後・夕食後の1日2回、 28日間連日経口投与し、 その後14日間休薬 (<1.25m² : 40mg/回、 1.25~<1.5m² : 50mg/回、 ≧1.5m² : 60mg/回)
E法 : 朝食後及び夕食後の1日2回、 7日間連日経口投与し、 その後7日間休薬 (<1.25m² : 40mg/回、 1.25~<1.5m² : 50mg/回、 ≧1.5m² : 60mg/回)
F法 : 朝食後及び夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与し、 その後7日間休薬 (<1.25m² : 朝 40mg/回、 夕 20mg/回、 1.25~<1.5m² : 40mg/回、 ≧1.5m² : 50mg/回)
ティーエスワン®電子添文 (2023年9月改訂 第3版) ¹⁾、 適正使用ガイド (2023年10月27日 更新)²⁾ より引用

投与開始基準

適正使用ガイド²⁾の投与開始基準

ティーエスワン®適正使用ガイド (2023年10月27日)²⁾より作図

減量・休薬・中止基準

適正使用ガイド²⁾の減量・休薬・中止基準

ティーエスワン®適正使用ガイド(2023年10月27日) ²⁾より作図

主な有害事象

適正使用ガイド²⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • ヘモグロビン減少 50.8% (6.8%)
  • 白血球減少 49.2% (3.4%)
  • 好中球減少 42.4% (5.1%)
  • AST上昇 37.3% (0%)
  • ALT上昇 27.1% (0%)
  • 血小板減少 23.7% (0%)
  • 全身倦怠感 35.6% (0%)
  • 食欲不振 33.9% (6.8%)
  • 悪心 32.2% (3.4%)
  • 口内炎 27.1% (0%)
  • 下痢 22.0% (1.7%)
  • 嘔吐 20.3% (1.7%)
ティーエスワン®適正使用ガイド (2023年10月27日 更新) ²⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

S-1単剤療法は本邦における切除不能胆道癌に対する2次化学療法のみなし標準治療として広く実施されている治療である。

欧米ではABC-06試験の結果をうけ、 modifiedFOLFOX療法が標準治療とされている。

原則、 4週内服2週休薬を1サイクルとするが、 有害事象や高齢者などでスケジュール通りの投与が困難な症例においては投与期間の短縮 (2週内服1週休薬) も考慮する。

特に消化器毒性 (口内炎、 下痢、 食欲不振) は漫然と継続することでしばしば重篤化しやすいため、 適切なタイミング (Grade 2で一度休薬を検討) での休薬指導が重要である。

執筆医 : 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット統括マネージャー・特任講師 林秀幸先生

特徴と注意点

  • 腎排泄型の薬剤であり、 投与開始にあたっては腎機能 (クレアチニンクリアランス : CrCl値) に基づく投与開始用量の調整が推奨されている。
  • 前治療にフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬、 フッ化ピリミジン系抗真菌薬が含まれる場合は最低7日間が空いていることを確認する (併用禁忌)。
  • フェニトイン、 ワルファリンカリウムの血中濃度を上昇させるため、 併用注意とされており、 投与開始にあたってはこれらの薬剤は同効の別の薬剤への変更を考慮する。
  • 空腹時に内服すると血中濃度の増加により副作用が増強する可能性があるため、 食後の服用および経口不良時の休薬を遵守する。
執筆医 : 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット統括マネージャー・特任講師 林秀幸先生

出典

  1. 大鵬薬品工業株式会社 . ティーエスワン®電子添文 (2023年9月改訂 第3版) [最終閲覧:2024/03/26]
  2. 大鵬薬品工業株式会社 . ティーエスワン®適正使用ガイド (2023年10月27日 更新) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  3. Phase II study of S-1 in patients with advanced biliary tract cancer. Br J Cancer. 2004 Nov 15;91(10):1769-74. PMID: 15505626
  4. S-1 monotherapy as first-line treatment in patients with advanced biliary tract cancer: a multicenter phase II study. Cancer Chemother Pharmacol. 2008 Oct;62(5):849-55. PMID: 18214482
最終更新日 : 2024年4月2日
執筆医 : 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット統括マネージャー・特任講師 林秀幸先生
監修医 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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テガフール・ギメラシル・オテラシル (ティーエスワン®)
2024年05月02日更新

S-1:Tegafur/Gimeracil/Oteracil(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
40mg/回 経口 分2朝夕食後1~Day1~28

前投薬

前治療にフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬、 フッ化ピリミジン系抗真菌薬が含まれる場合は最低7日間が空いていることを確認する (併用禁忌)。

その他

1コース42日間。
腎排泄型の薬剤であり、 投与開始にあたっては腎機能 (クレアチニンクリアランス:CCr値) に基づく投与開始用量の調整が推奨されている。
原則、 4週内服2週休薬を1サイクルとするが、 有害事象や高齢者などでスケジュール通りの投与が困難な症例においては投与期間の短縮 (2週内服1週休薬) も考慮する。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ティーエスワン® (添付文書¹⁾/ 適正使用ガイド²⁾*)

*大鵬薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

国内第Ⅱ相試験³⁾のプロトコル

4週内服、2週間休薬を1コースとする。

Br J Cancer. 2004 Nov 15;91(10):1769-74³⁾より作図
電子添文¹⁾/ 適正使用ガイド²⁾の用法および用量
<胆道癌にはA法、 E法又はF法を使用>
A法 : 朝食後・夕食後の1日2回、 28日間連日経口投与し、 その後14日間休薬 (<1.25m² : 40mg/回、 1.25~<1.5m² : 50mg/回、 ≧1.5m² : 60mg/回)
E法 : 朝食後及び夕食後の1日2回、 7日間連日経口投与し、 その後7日間休薬 (<1.25m² : 40mg/回、 1.25~<1.5m² : 50mg/回、 ≧1.5m² : 60mg/回)
F法 : 朝食後及び夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与し、 その後7日間休薬 (<1.25m² : 朝 40mg/回、 夕 20mg/回、 1.25~<1.5m² : 40mg/回、 ≧1.5m² : 50mg/回)
ティーエスワン®電子添文 (2023年9月改訂 第3版) ¹⁾、 適正使用ガイド (2023年10月27日 更新)²⁾ より引用

投与開始基準

適正使用ガイド²⁾の投与開始基準

ティーエスワン®適正使用ガイド (2023年10月27日)²⁾より作図

減量・休薬・中止基準

適正使用ガイド²⁾の減量・休薬・中止基準

ティーエスワン®適正使用ガイド(2023年10月27日) ²⁾より作図

主な有害事象

適正使用ガイド²⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • ヘモグロビン減少 50.8% (6.8%)
  • 白血球減少 49.2% (3.4%)
  • 好中球減少 42.4% (5.1%)
  • AST上昇 37.3% (0%)
  • ALT上昇 27.1% (0%)
  • 血小板減少 23.7% (0%)
  • 全身倦怠感 35.6% (0%)
  • 食欲不振 33.9% (6.8%)
  • 悪心 32.2% (3.4%)
  • 口内炎 27.1% (0%)
  • 下痢 22.0% (1.7%)
  • 嘔吐 20.3% (1.7%)
ティーエスワン®適正使用ガイド (2023年10月27日 更新) ²⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

S-1単剤療法は本邦における切除不能胆道癌に対する2次化学療法のみなし標準治療として広く実施されている治療である。

欧米ではABC-06試験の結果をうけ、 modifiedFOLFOX療法が標準治療とされている。

原則、 4週内服2週休薬を1サイクルとするが、 有害事象や高齢者などでスケジュール通りの投与が困難な症例においては投与期間の短縮 (2週内服1週休薬) も考慮する。

特に消化器毒性 (口内炎、 下痢、 食欲不振) は漫然と継続することでしばしば重篤化しやすいため、 適切なタイミング (Grade 2で一度休薬を検討) での休薬指導が重要である。

執筆医 : 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット統括マネージャー・特任講師 林秀幸先生

特徴と注意点

  • 腎排泄型の薬剤であり、 投与開始にあたっては腎機能 (クレアチニンクリアランス : CrCl値) に基づく投与開始用量の調整が推奨されている。
  • 前治療にフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬、 フッ化ピリミジン系抗真菌薬が含まれる場合は最低7日間が空いていることを確認する (併用禁忌)。
  • フェニトイン、 ワルファリンカリウムの血中濃度を上昇させるため、 併用注意とされており、 投与開始にあたってはこれらの薬剤は同効の別の薬剤への変更を考慮する。
  • 空腹時に内服すると血中濃度の増加により副作用が増強する可能性があるため、 食後の服用および経口不良時の休薬を遵守する。
執筆医 : 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット統括マネージャー・特任講師 林秀幸先生

出典

  1. 大鵬薬品工業株式会社 . ティーエスワン®電子添文 (2023年9月改訂 第3版) [最終閲覧:2024/03/26]
  2. 大鵬薬品工業株式会社 . ティーエスワン®適正使用ガイド (2023年10月27日 更新) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  3. Phase II study of S-1 in patients with advanced biliary tract cancer. Br J Cancer. 2004 Nov 15;91(10):1769-74. PMID: 15505626
  4. S-1 monotherapy as first-line treatment in patients with advanced biliary tract cancer: a multicenter phase II study. Cancer Chemother Pharmacol. 2008 Oct;62(5):849-55. PMID: 18214482
最終更新日 : 2024年4月2日
執筆医 : 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター ゲノム医療ユニット統括マネージャー・特任講師 林秀幸先生
監修医 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。