治療スケジュール
概要
監修医師

Tirabrutinib:チラブルチニブ(べレキシブル®)

投与量コース投与日
480mg 1日1回 経口1~Day 1~

その他

空腹時に内服.
320mgへの減量後に、 再度有害事象が発現した場合、 同様のフローに従い2段階目の減量を行う (320mg→160mg).
レジメン
Tirabrutinib
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ONO-4059-05試験¹⁾より引用

※ここでは27例全例 (コホートA 18例+コホートB 9例) における結果を引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (25.9%、 ≧Grade3 11.1%).
  • 白血球減少症 (22.2%、 ≧Grade3 7.4%).
  • リンパ球減少症 (11.1%、 ≧Grade3 11.1%).
  • 血小板減少症 (11.1%).

その他の有害事象 (10%以上)

  • 皮疹 (44.4%).

※皮疹はコホートA (未治療例) で61.1%、 コホートB (再発難治例) で11.1%.

  • 口内炎 (14.8%).
  • 斑状丘疹状皮疹 (11.1%).
  • 悪心 (11.1%).
  • 鼻咽頭炎 (11.1%).

特徴と注意点

  • 原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、 再発又は難治性の原発性中枢神経系リンパ腫に保険適用.
  • 脳病変が認められない眼内PCNSL患者は臨床試験から除外されているが、チラブルチニブの使用は可能 (適正使用ガイドにその旨記載あり).
PCNSL: 原発性中枢神経系リンパ腫
  • CYP3A4関連の相互作用に注意.
  • 中等度以上の肝機能障害患者、 重度の腎機能障害患者における臨床試験は実施されていない.
但し肝臓で代謝される薬剤であるので肝障害患者では副作用に注意することを推奨.
  • 皮疹の予防に、 抗ヒスタミン薬又はステロイドの投与を推奨.
  • 皮疹は特に未治療例で61.1%と頻度が高かった.¹⁾
  • 感染症予防ST合剤抗ヘルペスウイルス薬抗真菌薬の投与を推奨.

減量・休薬基準

関連する臨床試験の結果

ONO-4059-05試験¹⁾

概要

  • 多施設共同非盲検第2相試験
  • 対象:WM及びLPL患者27例
WM:原発性マクログロブリン血症 LPL:リンパ形質細胞リンパ腫
  • 27例のうち18人が未治療 (コホートA)、 9人は再発又は難治性 (コホートB).
  • 主要評価項目:MRR
  • 副次評価項目:ORR、 TTMR、 PFS、 OS、 安全性
MRR: 部分奏効以上の割合、 ORR: 全奏功率、 TTMR: 部分奏効以上までの期間、 PFS:無増悪生存期間、 OS:全生存期間

結果

  • MRR: コホートA(未治療) 88.9%、 コホートB(再発/難治性) 88.9%.
  • ORR: コホートA(未治療) 94.4%、 コホートB(再発/難治性) 100%.

参考文献

  1. Cancer Sci. 2020 Sep;111(9):3327-3337.
  2. ベレキシブル® 適正使用ガイド
*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

最終更新:2023年5月13日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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チラブルチニブ(べレキシブル®)
2023年11月07日更新

Tirabrutinib:チラブルチニブ(べレキシブル®)

投与量コース投与日
480mg 1日1回 経口1~Day 1~

その他

空腹時に内服.
320mgへの減量後に、 再度有害事象が発現した場合、 同様のフローに従い2段階目の減量を行う (320mg→160mg).

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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主な有害事象

ONO-4059-05試験¹⁾より引用

※ここでは27例全例 (コホートA 18例+コホートB 9例) における結果を引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (25.9%、 ≧Grade3 11.1%).
  • 白血球減少症 (22.2%、 ≧Grade3 7.4%).
  • リンパ球減少症 (11.1%、 ≧Grade3 11.1%).
  • 血小板減少症 (11.1%).

その他の有害事象 (10%以上)

  • 皮疹 (44.4%).

※皮疹はコホートA (未治療例) で61.1%、 コホートB (再発難治例) で11.1%.

  • 口内炎 (14.8%).
  • 斑状丘疹状皮疹 (11.1%).
  • 悪心 (11.1%).
  • 鼻咽頭炎 (11.1%).

特徴と注意点

  • 原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、 再発又は難治性の原発性中枢神経系リンパ腫に保険適用.
  • 脳病変が認められない眼内PCNSL患者は臨床試験から除外されているが、チラブルチニブの使用は可能 (適正使用ガイドにその旨記載あり).
PCNSL: 原発性中枢神経系リンパ腫
  • CYP3A4関連の相互作用に注意.
  • 中等度以上の肝機能障害患者、 重度の腎機能障害患者における臨床試験は実施されていない.
但し肝臓で代謝される薬剤であるので肝障害患者では副作用に注意することを推奨.
  • 皮疹の予防に、 抗ヒスタミン薬又はステロイドの投与を推奨.
  • 皮疹は特に未治療例で61.1%と頻度が高かった.¹⁾
  • 感染症予防ST合剤抗ヘルペスウイルス薬抗真菌薬の投与を推奨.

減量・休薬基準

関連する臨床試験の結果

ONO-4059-05試験¹⁾

概要

  • 多施設共同非盲検第2相試験
  • 対象:WM及びLPL患者27例
WM:原発性マクログロブリン血症 LPL:リンパ形質細胞リンパ腫
  • 27例のうち18人が未治療 (コホートA)、 9人は再発又は難治性 (コホートB).
  • 主要評価項目:MRR
  • 副次評価項目:ORR、 TTMR、 PFS、 OS、 安全性
MRR: 部分奏効以上の割合、 ORR: 全奏功率、 TTMR: 部分奏効以上までの期間、 PFS:無増悪生存期間、 OS:全生存期間

結果

  • MRR: コホートA(未治療) 88.9%、 コホートB(再発/難治性) 88.9%.
  • ORR: コホートA(未治療) 94.4%、 コホートB(再発/難治性) 100%.

参考文献

  1. Cancer Sci. 2020 Sep;111(9):3327-3337.
  2. ベレキシブル® 適正使用ガイド
*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

最終更新:2023年5月13日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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