2026年6月19日に 「内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認され疾患進行が認められないホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」 を対象として承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

エトカマ®錠 (カミゼストラント)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾* / CDx情報

*アストラゼネカ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】28日間 (連日内服)
【催吐性】未収載³⁾⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*
*SERENA-6試験⁵⁾のFN発生率0.6%に基づき、 編集部が分類

カミゼストラント : CDK4/6阻害薬と併用し、 75mgを1日1回経口投与。 閉経前乳癌および男性では、 LH-RHアゴニスト投与下で使用する。

エトカマ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成
▼CDK4/6阻害薬の選択
SERENA-6試験⁵⁾で併用されたCDK4/6阻害薬は、 パルボシクリブ75.6%、 Ribociclib (本邦未承認) 14.9%、 アベマシクリブ9.5%であった。
▼HOKUTO薬剤情報

ベージニオ錠150mg / イブランス錠125mg

Key Data|臨床試験結果

📊 SERENA-6試験

N Engl J Med. 2025;393(6):569-580.

ER陽性・HER2陰性進行乳癌に対し、 アロマターゼ阻害薬 (AI)+CDK4/6阻害薬による1次治療中にctDNAでESR1変異が検出され、 病勢進行を認めない患者315例を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 CDK4/6阻害薬継続下で、 カミゼストラント群157例、 AI継続群158例に1:1で割り付け、 主要評価項目はPFSとした。 

【有効性】カミゼストラント群 (vs AI群)

- PFS中央値 16.0ヵ月 (vs 9.2ヵ月)

  • HR 0.44 (95%CI 0.31–0.60、 p<0.0001)
  • 24ヵ月PFS率 29.7% (vs 5.4%)

- OS (immature)

  • HR 0.91 (95%CI 0.48–1.73) 

‐ QoL悪化中央値 21.0ヵ月 (vs 6.4ヵ月)

  • HR 0.54 (95%CI 0.34–0.84)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 好中球減少症 54.8% (45.2%)

- 貧血 17.4% (4.5%)

- 白血球減少症 16.8% (9.7%)

- 光視症 20.0% (0.6%)

- 関節痛 16.1% (0%)

- 疲労 15.5% (0%)

- ドライアイ 11.6% (0%)

- 悪心 9.7% (0%)

- 背部痛 9.7% (0.6%)

- 下痢 9.0% (0%)

- 頭痛 7.7% (0.6%)

各プロトコル

適格基準

SERENA-6試験⁵⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- PS : ECOG PS 0–1

- ヘモグロビン≧8g/dL

- 好中球数≧1,000/mm³

- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 ALT/AST≦3×ULN

- 腎機能 : 血清Cre≦1.5×ULNまたはCrCl≧30mL/min

腎障害患者に対する用量調整

エトカマ®錠インタビューフォームでは、 母集団薬物動態解析において、 軽度及び中等度腎機能障害はカミゼストラントの薬物動態に臨床的に意味のある影響を及ぼさないことが示されている。 ただし、 重度腎機能障害患者の検討例は限られ、 CrCL 15mL/min未満又は透析患者は臨床試験に含まれていなかった⁶⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

エトカマ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

SERENA-6試験のプロトコル (参考情報) : プロトコル上は減量規定があるが、 本邦では75mg規格のみが承認されており、 減量できない点に注意する。

SERENA-6試験⁵⁾のプロトコルを基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️カミゼストラントは、 ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の転移・再発乳癌に対する1次内分泌療法として承認された経口SERDです。 日本では、 イムルネストラントに次いで2剤目の経口SERDとなります。 承認はSERENA-6試験の結果に基づくもので、 ESR1遺伝子変異の確認が必須です。
画像上の増悪を認める前に、 ESR1遺伝子変異が確認された時点で治療を変更する、 いわゆる 「1.5次治療」 に相当する戦略であり、 従来とは異なる治療概念です。 一方、 コンパニオン診断薬であるGuardant360 CDxを現状では1回しか実施できず、 実臨床への実装には課題が残っています。
がん研有明病院 乳腺内科 尾崎由記範先生

作用機序

カミゼストラントは、 野生型および変異型ERαに結合する選択的エストロゲン受容体分解薬 (SERD) である。 ERαを分解し、 ER依存性の遺伝子発現を調節することで、 ESR1遺伝子変異陽性乳癌に対して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 また、 未成熟ラットで子宮重量増加作用を示さなかったことから、 アゴニスト様作用を示さずに乳癌細胞の増殖を抑制すると考えられる¹⁾。

コンパニオン診断薬

本剤の適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。

- Guardant360 CDx がん遺伝子パネル

出典

1) アストラゼネカ株式会社. エトカマ錠75mg 添付文書 (2026年6月作成第1版).

2) アストラゼネカ株式会社. エトカマ錠75mg 適正使用ガイド (2026年6月作成).

3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版

4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.

5) N Engl J Med. 2025;393(6):569-580.

6) アストラゼネカ株式会社. エトカマ®錠75mg インタビューフォーム. 2026年6月作成 (第1版) .

最終更新日 : 2026年7月10日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修 : がん研有明病院 乳腺内科 尾崎由記範

レジメン
Camizestrant+CDK4/6 inhibitor
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
レジメン
Camizestrant+CDK4/6 inhibitor
レジメン
Camizestrant+CDK4/6 inhibitor

Camizestrant+CDK4/6 inhibitor

カミゼストラント (エトカマ®)+CDK4/6阻害剤
ホルモン受容体陽性 / HER2陰性 > 内分泌療法 (転移・再発)
2026年07月10日更新
2026年6月19日に 「内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認され疾患進行が認められないホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」 を対象として承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

エトカマ®錠 (カミゼストラント)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾* / CDx情報

*アストラゼネカ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】28日間 (連日内服)
【催吐性】未収載³⁾⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*
*SERENA-6試験⁵⁾のFN発生率0.6%に基づき、 編集部が分類

カミゼストラント : CDK4/6阻害薬と併用し、 75mgを1日1回経口投与。 閉経前乳癌および男性では、 LH-RHアゴニスト投与下で使用する。

エトカマ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成
▼CDK4/6阻害薬の選択
SERENA-6試験⁵⁾で併用されたCDK4/6阻害薬は、 パルボシクリブ75.6%、 Ribociclib (本邦未承認) 14.9%、 アベマシクリブ9.5%であった。
▼HOKUTO薬剤情報

ベージニオ錠150mg / イブランス錠125mg

Key Data|臨床試験結果

📊 SERENA-6試験

N Engl J Med. 2025;393(6):569-580.

ER陽性・HER2陰性進行乳癌に対し、 アロマターゼ阻害薬 (AI)+CDK4/6阻害薬による1次治療中にctDNAでESR1変異が検出され、 病勢進行を認めない患者315例を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 CDK4/6阻害薬継続下で、 カミゼストラント群157例、 AI継続群158例に1:1で割り付け、 主要評価項目はPFSとした。 

【有効性】カミゼストラント群 (vs AI群)

- PFS中央値 16.0ヵ月 (vs 9.2ヵ月)

  • HR 0.44 (95%CI 0.31–0.60、 p<0.0001)
  • 24ヵ月PFS率 29.7% (vs 5.4%)

- OS (immature)

  • HR 0.91 (95%CI 0.48–1.73) 

‐ QoL悪化中央値 21.0ヵ月 (vs 6.4ヵ月)

  • HR 0.54 (95%CI 0.34–0.84)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 好中球減少症 54.8% (45.2%)

- 貧血 17.4% (4.5%)

- 白血球減少症 16.8% (9.7%)

- 光視症 20.0% (0.6%)

- 関節痛 16.1% (0%)

- 疲労 15.5% (0%)

- ドライアイ 11.6% (0%)

- 悪心 9.7% (0%)

- 背部痛 9.7% (0.6%)

- 下痢 9.0% (0%)

- 頭痛 7.7% (0.6%)

各プロトコル

適格基準

SERENA-6試験⁵⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- PS : ECOG PS 0–1

- ヘモグロビン≧8g/dL

- 好中球数≧1,000/mm³

- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 ALT/AST≦3×ULN

- 腎機能 : 血清Cre≦1.5×ULNまたはCrCl≧30mL/min

腎障害患者に対する用量調整

エトカマ®錠インタビューフォームでは、 母集団薬物動態解析において、 軽度及び中等度腎機能障害はカミゼストラントの薬物動態に臨床的に意味のある影響を及ぼさないことが示されている。 ただし、 重度腎機能障害患者の検討例は限られ、 CrCL 15mL/min未満又は透析患者は臨床試験に含まれていなかった⁶⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

エトカマ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

SERENA-6試験のプロトコル (参考情報) : プロトコル上は減量規定があるが、 本邦では75mg規格のみが承認されており、 減量できない点に注意する。

SERENA-6試験⁵⁾のプロトコルを基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️カミゼストラントは、 ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の転移・再発乳癌に対する1次内分泌療法として承認された経口SERDです。 日本では、 イムルネストラントに次いで2剤目の経口SERDとなります。 承認はSERENA-6試験の結果に基づくもので、 ESR1遺伝子変異の確認が必須です。
画像上の増悪を認める前に、 ESR1遺伝子変異が確認された時点で治療を変更する、 いわゆる 「1.5次治療」 に相当する戦略であり、 従来とは異なる治療概念です。 一方、 コンパニオン診断薬であるGuardant360 CDxを現状では1回しか実施できず、 実臨床への実装には課題が残っています。
がん研有明病院 乳腺内科 尾崎由記範先生

作用機序

カミゼストラントは、 野生型および変異型ERαに結合する選択的エストロゲン受容体分解薬 (SERD) である。 ERαを分解し、 ER依存性の遺伝子発現を調節することで、 ESR1遺伝子変異陽性乳癌に対して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 また、 未成熟ラットで子宮重量増加作用を示さなかったことから、 アゴニスト様作用を示さずに乳癌細胞の増殖を抑制すると考えられる¹⁾。

コンパニオン診断薬

本剤の適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。

- Guardant360 CDx がん遺伝子パネル

出典

1) アストラゼネカ株式会社. エトカマ錠75mg 添付文書 (2026年6月作成第1版).

2) アストラゼネカ株式会社. エトカマ錠75mg 適正使用ガイド (2026年6月作成).

3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版

4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.

5) N Engl J Med. 2025;393(6):569-580.

6) アストラゼネカ株式会社. エトカマ®錠75mg インタビューフォーム. 2026年6月作成 (第1版) .

最終更新日 : 2026年7月10日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修 : がん研有明病院 乳腺内科 尾崎由記範

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(乳腺)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。