治療スケジュール
概要
監修医師

RAM:Ramucirumab(サイラムザ®)

投与量コース投与日
8mg/kg 点滴1~Day1

その他

1コース14日間。
レジメン
RAM
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

サイラムザ® (添付文書¹⁾ /適正使用情報²⁾*)

*日本イーライリリー株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾の用法および用量

サイラムザ®電子添文 (2024年6月改訂第4版)¹⁾より作図

前投薬

Infusion reaction予防としてクロルフェニラミン5mg1A+NS 50mL div

執筆 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

投与開始基準

REGARD試験³⁾のプロトコル

サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成)²⁾より作図

減量基準

電子添文¹⁾の用法および用量

サイラムザ®電子添文 (2024年6月改訂第4版)¹⁾より作図

中止基準

適正使用ガイド²⁾の基準

サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成)²⁾より作図

主な有害事象

REGARD試験³⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 14.8% (6.4%)
  • 嘔吐 19.9% (2.5%)
  • 腹痛 19.1% (5.1%)
  • 悪心 19.1% (1.3%)
  • 便秘 15.3% (0.4%)
  • 下痢 14.4% (0.8%)
  • 上腹部痛 11.4% (1.3%)
  • 疲労 24.6% (4.2%)
  • 無力症 11.9% (2.1%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 15.3% (7.2%)
サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成)²⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

  • 2次治療導入時、 末梢神経障害のため、 PTXまたはnab-PTXが導入できない場合、 RAM単剤で開始し、 末梢神経障害が改善したタイミングでPTXまたはnab-PTXを開始する方法もある。
  • RAMで蛋白尿を生じることがあるが、 尿定性で2+以上でもUPCR<2であれば投与可能である。
執筆 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

特徴と注意点

  • 胃癌治療ガイドライン⁴⁾では、 条件付き推奨レジメンの1つである。
  • RAMのinfusion reactionの頻度は低く⁵⁾⁶⁾、 適正使用ガイドにおいてもinfusion reaction予防の前投与は 「考慮」 となっている。 症例によっては前投薬のヒスタミン阻害剤は省略可能である。
  • RAMはBmabと異なり、 蛋白尿Grade3を生じた場合は次回投与以降減量が必要である。
執筆 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

関連する臨床試験

REGARD試験³⁾

1次治療としてのプラチナ製剤またはフッ化ピリミジン系薬剤を含む併用化学療法において増悪が認められた転移性または切除不能な局所進行性の胃癌 (胃食道接合部腺癌を含む) 患者を対象に、 best supportive care (BSC) との併用においてラムシルマブまたはプラセボを投与したときの全生存期間を評価するための試験。

Lancet. 2014 Jan 4;383(9911):31-39.

出典

  1. 日本イーライリリー株式会社. サイラムザ®電子添文 (2024年6月改訂第4版) [最終閲覧 : 2024/6/24]
  2. 日本イーライリリー株式会社. サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成) [最終閲覧 : 2024/6/24]
  3. Ramucirumab monotherapy for previously treated advanced gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma (REGARD): an international, randomised, multicentre, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2014 Jan 4;383(9911):31-39. PMID: 24094768
  4. 日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン医師用2021年7月改訂 第6版
  5. Safety of Ramucirumab Regimen Without H1-antihistamine Premedication in Patients With Solid Cancers. In Vivo. 2020 Nov-Dec;34(6):3489-3493. PMID: 33144458
  6. Infusion-related reaction to ramucirumab plus FOLFIRI in patients with advanced colorectal cancer. Int J Clin Oncol. 2021 Nov;26(11):2025-2028. PMID: 34476649
最終更新日 : 2023年6月24日
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

レジメン
RAM
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
RAM
レジメン
RAM

RAM

ラムシルマブ (サイラムザ®)
2024年07月01日更新

RAM:Ramucirumab(サイラムザ®)

投与量コース投与日
8mg/kg 点滴1~Day1

その他

1コース14日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

サイラムザ® (添付文書¹⁾ /適正使用情報²⁾*)

*日本イーライリリー株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾の用法および用量

サイラムザ®電子添文 (2024年6月改訂第4版)¹⁾より作図

前投薬

Infusion reaction予防としてクロルフェニラミン5mg1A+NS 50mL div

執筆 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

投与開始基準

REGARD試験³⁾のプロトコル

サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成)²⁾より作図

減量基準

電子添文¹⁾の用法および用量

サイラムザ®電子添文 (2024年6月改訂第4版)¹⁾より作図

中止基準

適正使用ガイド²⁾の基準

サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成)²⁾より作図

主な有害事象

REGARD試験³⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 14.8% (6.4%)
  • 嘔吐 19.9% (2.5%)
  • 腹痛 19.1% (5.1%)
  • 悪心 19.1% (1.3%)
  • 便秘 15.3% (0.4%)
  • 下痢 14.4% (0.8%)
  • 上腹部痛 11.4% (1.3%)
  • 疲労 24.6% (4.2%)
  • 無力症 11.9% (2.1%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 15.3% (7.2%)
サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成)²⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

  • 2次治療導入時、 末梢神経障害のため、 PTXまたはnab-PTXが導入できない場合、 RAM単剤で開始し、 末梢神経障害が改善したタイミングでPTXまたはnab-PTXを開始する方法もある。
  • RAMで蛋白尿を生じることがあるが、 尿定性で2+以上でもUPCR<2であれば投与可能である。
執筆 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

特徴と注意点

  • 胃癌治療ガイドライン⁴⁾では、 条件付き推奨レジメンの1つである。
  • RAMのinfusion reactionの頻度は低く⁵⁾⁶⁾、 適正使用ガイドにおいてもinfusion reaction予防の前投与は 「考慮」 となっている。 症例によっては前投薬のヒスタミン阻害剤は省略可能である。
  • RAMはBmabと異なり、 蛋白尿Grade3を生じた場合は次回投与以降減量が必要である。
執筆 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

関連する臨床試験

REGARD試験³⁾

1次治療としてのプラチナ製剤またはフッ化ピリミジン系薬剤を含む併用化学療法において増悪が認められた転移性または切除不能な局所進行性の胃癌 (胃食道接合部腺癌を含む) 患者を対象に、 best supportive care (BSC) との併用においてラムシルマブまたはプラセボを投与したときの全生存期間を評価するための試験。

Lancet. 2014 Jan 4;383(9911):31-39.

出典

  1. 日本イーライリリー株式会社. サイラムザ®電子添文 (2024年6月改訂第4版) [最終閲覧 : 2024/6/24]
  2. 日本イーライリリー株式会社. サイラムザ®適正使用ガイド (2022年8月作成) [最終閲覧 : 2024/6/24]
  3. Ramucirumab monotherapy for previously treated advanced gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma (REGARD): an international, randomised, multicentre, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2014 Jan 4;383(9911):31-39. PMID: 24094768
  4. 日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン医師用2021年7月改訂 第6版
  5. Safety of Ramucirumab Regimen Without H1-antihistamine Premedication in Patients With Solid Cancers. In Vivo. 2020 Nov-Dec;34(6):3489-3493. PMID: 33144458
  6. Infusion-related reaction to ramucirumab plus FOLFIRI in patients with advanced colorectal cancer. Int J Clin Oncol. 2021 Nov;26(11):2025-2028. PMID: 34476649
最終更新日 : 2023年6月24日
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。