リムパーザ®錠 (オラパリブ)
アバスチン®点滴静注用 (ベバシズマブ : Bev)
【1コース】21日間
【催吐性】オラパリブ : 中等度⁵⁾ (NCCN : 中等度~高度⁶⁾)、 Bev : 最小度⁵⁾ (NCCN : 最小度⁶⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

オラパリブ : 1回300mgを1日2回、 連日経口投与

Bev : 1回15mg/kgを3週間間隔で点滴静注。 初回投与時は90分かけて点滴静注し、 初回投与の忍容性が良好であれば2回目の投与は60分間、 2回目の投与においても忍容性が良好であればそれ以降の投与は30分間で投与可能
PAOLA-1試験では、 オラパリブは投与開始後2年間または病勢進行が認められるまで継続投与され (投与開始後2年時点で病変が認められる患者は治験担当医師の判断により2年を超えて投与継続可)、 Bevは化学療法併用時を合わせて最長15ヵ月・計22サイクルまで投与された⁷⁾。
N Engl J Med. 2019;381(25):2416-2428.
新規診断進行卵巣癌806例を対象とした第III相無作為化比較試験。 初回プラチナ製剤+タキサン系化学療法+Bev後に病勢コントロールが得られた患者を、 BRCA変異の有無を問わず対象とし、 オラパリブ+Bev群537例、 プラセボ+Bev群269例に2 : 1で割り付け、 主要評価項目は治験医師評価によるPFSとした。
【有効性】オラパリブ群 (vs プラセボ群)
- PFS中央値 22.1ヵ月 (vs 16.6ヵ月)
HR 0.59 (95%CI 0.49–0.72、 p<0.001)
- PFS中央値 37.2ヵ月 (vs 21.7ヵ月)
HR 0.31 (95%CI 0.20–0.47)
- PFS中央値 18.9ヵ月 (vs 16.0ヵ月)
HR 0.71 (95%CI 0.58–0.88)
- PFS中央値 37.2ヵ月 (vs 17.7ヵ月)
HR 0.33 (95%CI 0.25–0.45)
- PFS中央値 28.1ヵ月 (vs 16.6ヵ月)
HR 0.43 (95%CI 0.28–0.66)
- PFS中央値 16.9ヵ月 (vs 16.0ヵ月)
HR 0.92 (95%CI 0.72–1.17)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 53% (2%)
- 疲労・無力症 53% (5%)
- 高血圧 46% (19%)
- 貧血 41% (17%)
- リンパ球減少 24% (7%)
- 嘔吐 22% (1%)
- 腹痛 22% (1%)
- 関節痛 22% (1%)
- 下痢 18% (2%)
- 好中球減少 18% (6%)
- 白血球減少 18% (2%)
- 尿路感染症 15% (<1%)
- 頭痛 14% (<1%)
- 筋骨格痛 12% (1%)
- 末梢神経障害 11% (1%)
- 便秘 10% (0%)
- 蛋白尿 6% (1%)
PAOLA-1試験⁷⁾の主な適格基準
- 新規診断のFIGO Stage IIIB–IVの高異型度漿液性又は類内膜卵巣癌、 原発性腹膜癌、 卵管癌 (生殖細胞系列BRCA1/2病的変異を有する場合は他の非粘液性上皮性卵巣癌も対象)
- 無作為化前に、 白金製剤ベース化学療法の直近3サイクルでBevを併用
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧10.0g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦2.5×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
- 腎機能 : 血清Cre≦1.25×ULNかつCrCl>50mL/min
オラパリブの減量規定は以下のとおり。 (ベバシズマブは減量規定なし。 )

オラパリブ : 軽度腎機能障害 (CrCl 51~80mL/min) および中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) では、 オラパリブのAUCがそれぞれ約24%、 約44%上昇することが報告されており、 減量を考慮する¹⁾。
FDA添付文書⁸⁾では、 中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) 患者に投与する際、 1回200mg 1日2回への減量が推奨されている。
Bev : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる
オラパリブ :

Bev :

PAOLA-1試験⁷⁾のプロトコルに基づく、 オラパリブ投与中のAE発現時の対応方法 (参考情報) :

オラパリブは、 ヒトPARP-1及びPARP-2に対して阻害作用を示す¹⁾。
ベバシズマブは、 ヒト血管内皮増殖因子 (VEGF) に対する遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体である。 VEGFは血管内皮細胞の増殖・生存や血管透過性亢進に関与し、 種々の癌細胞で発現が亢進している。 ベバシズマブはヒトVEGFに特異的に結合し、 VEGF受容体との結合を阻害することで、 腫瘍組織の血管新生を抑制し腫瘍増殖を阻害する。 また、 VEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、 腫瘍組織の間質圧を低減する³⁾。
骨髄抑制 : 骨髄抑制があらわれることがあるので、 本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
肝機能障害 : 肝機能障害があらわれることがあるので、 本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
創傷治癒遅延 : 創傷治癒遅延による合併症があらわれることがある。 本剤の投与終了後に手術を行う場合は、 本剤の投与終了からその後の手術まで十分な期間をおく。 本剤の最終投与から手術までの適切な間隔は明らかになっていないが、 本剤の半減期を考慮する。
FDA添付文書⁹⁾では、 術前後4週間の休薬が推奨されている。
高血圧 : 高血圧があらわれることがあるので、 投与期間中は血圧を定期的に測定し、 適切な処置を行う。
蛋白尿 : 蛋白尿があらわれることがあるので、 投与期間中は尿蛋白を定期的に検査する。
脳転移・脳出血 : 脳転移を疑う症状がなく、 本剤の投与が開始された患者においても、 慎重に患者を観察し、 神経学的異常が疑われた場合には脳転移及び脳出血の可能性を考慮して、 本剤の投与中止を含めて適切な対応を行う。
骨髄抑制 : 骨髄抑制があらわれることがあるので、 定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行う。
血栓性微小血管症 : 血栓性微小血管症があらわれることがあるので、 定期的に検査を行うなど観察を十分に行う。
- 骨髄抑制
- 間質性肺疾患
- 静脈血栓塞栓症
- 感染症
- 出血
- 動脈血栓塞栓症
- 高血圧、 高血圧性クリーゼ
- うっ血性心不全
- 蛋白尿、 ネフローゼ症候群
- 創傷治癒遅延
- 消化管穿孔
- 可逆性後白質脳症症候群 (PRES)
- 骨髄抑制
- 静脈血栓塞栓症
- 瘻孔
- ショック、 アナフィラキシー、 過敏症反応、 Infusion reaction
- 間質性肺炎
- 血栓性微小血管症 (TMA)
- 壊死性筋膜炎
- 動脈解離
- 胚・胎児発生に対する影響
- 小児等における骨壊死 (顎以外の部位)
- 適応外疾患に対する硝子体内投与後に発現する有害事象
オラパリブの投与には、 相同組換え修復欠損 (HRD) 又はBRCA遺伝子変異の確認が必要であり、 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により陽性が確認された患者に投与する¹⁾。 使用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり¹²⁾。

初回化学療法後の維持療法としてのオラパリブ+Bevは、 第Ⅲ相PAOLA-1試験においてPlacebo+Bevと比較し、 主要評価項目であるPFSを有意に延長しました⁷⁾。 その後報告された全生存期間 (OS) については、 ITT集団では有意差は認められませんでした (HR 0.92、 95%CI 0.76-1.12、 p=0.4118)¹³⁾。
一方、 サブグループ解析では、 HRD陽性群においてOSが良好な結果を示しました (HR 0.62、 95%CI 0.45-0.85)¹³⁾。 以上より、 上皮性卵巣癌 (高異型度漿液性癌または類内膜癌) のHRD陽性例では、 初回化学療法後の維持療法としてオラパリブ+Bevが臨床的ベネフィットを有すると解釈されます。
PAOLA-1試験⁷⁾では、 維持療法として両群にBevが投与されているため、 オラパリブとBevの併用が相加効果または相乗効果を示すかどうかは明らかではありません。
PAOLA-1試験⁷⁾の選択基準では、 初回化学療法でBevを2サイクル以上併用した患者が対象とされていました。 そのため、 初回化学療法後の維持療法としてオラパリブ+Bevを考慮する対象は、 初回化学療法でBevを併用したHRD陽性患者と考えられます。
1) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg/150mg 電子添文 (2026年3月改訂 第7版)
2) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg/150mg 適正使用のためのガイド (卵巣癌)
3) 中外製薬株式会社. アバスチン®点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL 電子添文 (2026年6月改訂 第7版)
4) 中外製薬株式会社. アバスチン®点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL 適正使用ガイド (卵巣癌)
5) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
6) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
7) N Engl J Med. 2019;381(25):2416-2428.
8) Lynparza® (olaparib) tablets, prescribing information. Revised July 2025. AstraZeneca Pharmaceuticals LP. FDA.
9) Avastin® (bevacizumab), prescribing information. Revised May 2009. Genentech, Inc. FDA.
10) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠に係る医薬品リスク管理計画書.
11) 中外製薬株式会社. アバスチン®点滴静注用に係る医薬品リスク管理計画書.
12) 医薬品の適応判定を目的として承認されたコンパニオン診断薬等. 2026年6月16日版.
13) Ann Oncol. 2023;34(8):681-692.
最終更新日 : 2026年7月9日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
リムパーザ®錠 (オラパリブ)
アバスチン®点滴静注用 (ベバシズマブ : Bev)
【1コース】21日間
【催吐性】オラパリブ : 中等度⁵⁾ (NCCN : 中等度~高度⁶⁾)、 Bev : 最小度⁵⁾ (NCCN : 最小度⁶⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

オラパリブ : 1回300mgを1日2回、 連日経口投与

Bev : 1回15mg/kgを3週間間隔で点滴静注。 初回投与時は90分かけて点滴静注し、 初回投与の忍容性が良好であれば2回目の投与は60分間、 2回目の投与においても忍容性が良好であればそれ以降の投与は30分間で投与可能
PAOLA-1試験では、 オラパリブは投与開始後2年間または病勢進行が認められるまで継続投与され (投与開始後2年時点で病変が認められる患者は治験担当医師の判断により2年を超えて投与継続可)、 Bevは化学療法併用時を合わせて最長15ヵ月・計22サイクルまで投与された⁷⁾。
N Engl J Med. 2019;381(25):2416-2428.
新規診断進行卵巣癌806例を対象とした第III相無作為化比較試験。 初回プラチナ製剤+タキサン系化学療法+Bev後に病勢コントロールが得られた患者を、 BRCA変異の有無を問わず対象とし、 オラパリブ+Bev群537例、 プラセボ+Bev群269例に2 : 1で割り付け、 主要評価項目は治験医師評価によるPFSとした。
【有効性】オラパリブ群 (vs プラセボ群)
- PFS中央値 22.1ヵ月 (vs 16.6ヵ月)
HR 0.59 (95%CI 0.49–0.72、 p<0.001)
- PFS中央値 37.2ヵ月 (vs 21.7ヵ月)
HR 0.31 (95%CI 0.20–0.47)
- PFS中央値 18.9ヵ月 (vs 16.0ヵ月)
HR 0.71 (95%CI 0.58–0.88)
- PFS中央値 37.2ヵ月 (vs 17.7ヵ月)
HR 0.33 (95%CI 0.25–0.45)
- PFS中央値 28.1ヵ月 (vs 16.6ヵ月)
HR 0.43 (95%CI 0.28–0.66)
- PFS中央値 16.9ヵ月 (vs 16.0ヵ月)
HR 0.92 (95%CI 0.72–1.17)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 53% (2%)
- 疲労・無力症 53% (5%)
- 高血圧 46% (19%)
- 貧血 41% (17%)
- リンパ球減少 24% (7%)
- 嘔吐 22% (1%)
- 腹痛 22% (1%)
- 関節痛 22% (1%)
- 下痢 18% (2%)
- 好中球減少 18% (6%)
- 白血球減少 18% (2%)
- 尿路感染症 15% (<1%)
- 頭痛 14% (<1%)
- 筋骨格痛 12% (1%)
- 末梢神経障害 11% (1%)
- 便秘 10% (0%)
- 蛋白尿 6% (1%)
PAOLA-1試験⁷⁾の主な適格基準
- 新規診断のFIGO Stage IIIB–IVの高異型度漿液性又は類内膜卵巣癌、 原発性腹膜癌、 卵管癌 (生殖細胞系列BRCA1/2病的変異を有する場合は他の非粘液性上皮性卵巣癌も対象)
- 無作為化前に、 白金製剤ベース化学療法の直近3サイクルでBevを併用
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧10.0g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦2.5×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
- 腎機能 : 血清Cre≦1.25×ULNかつCrCl>50mL/min
オラパリブの減量規定は以下のとおり。 (ベバシズマブは減量規定なし。 )

オラパリブ : 軽度腎機能障害 (CrCl 51~80mL/min) および中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) では、 オラパリブのAUCがそれぞれ約24%、 約44%上昇することが報告されており、 減量を考慮する¹⁾。
FDA添付文書⁸⁾では、 中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) 患者に投与する際、 1回200mg 1日2回への減量が推奨されている。
Bev : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる
オラパリブ :

Bev :

PAOLA-1試験⁷⁾のプロトコルに基づく、 オラパリブ投与中のAE発現時の対応方法 (参考情報) :

オラパリブは、 ヒトPARP-1及びPARP-2に対して阻害作用を示す¹⁾。
ベバシズマブは、 ヒト血管内皮増殖因子 (VEGF) に対する遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体である。 VEGFは血管内皮細胞の増殖・生存や血管透過性亢進に関与し、 種々の癌細胞で発現が亢進している。 ベバシズマブはヒトVEGFに特異的に結合し、 VEGF受容体との結合を阻害することで、 腫瘍組織の血管新生を抑制し腫瘍増殖を阻害する。 また、 VEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、 腫瘍組織の間質圧を低減する³⁾。
骨髄抑制 : 骨髄抑制があらわれることがあるので、 本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
肝機能障害 : 肝機能障害があらわれることがあるので、 本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
創傷治癒遅延 : 創傷治癒遅延による合併症があらわれることがある。 本剤の投与終了後に手術を行う場合は、 本剤の投与終了からその後の手術まで十分な期間をおく。 本剤の最終投与から手術までの適切な間隔は明らかになっていないが、 本剤の半減期を考慮する。
FDA添付文書⁹⁾では、 術前後4週間の休薬が推奨されている。
高血圧 : 高血圧があらわれることがあるので、 投与期間中は血圧を定期的に測定し、 適切な処置を行う。
蛋白尿 : 蛋白尿があらわれることがあるので、 投与期間中は尿蛋白を定期的に検査する。
脳転移・脳出血 : 脳転移を疑う症状がなく、 本剤の投与が開始された患者においても、 慎重に患者を観察し、 神経学的異常が疑われた場合には脳転移及び脳出血の可能性を考慮して、 本剤の投与中止を含めて適切な対応を行う。
骨髄抑制 : 骨髄抑制があらわれることがあるので、 定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行う。
血栓性微小血管症 : 血栓性微小血管症があらわれることがあるので、 定期的に検査を行うなど観察を十分に行う。
- 骨髄抑制
- 間質性肺疾患
- 静脈血栓塞栓症
- 感染症
- 出血
- 動脈血栓塞栓症
- 高血圧、 高血圧性クリーゼ
- うっ血性心不全
- 蛋白尿、 ネフローゼ症候群
- 創傷治癒遅延
- 消化管穿孔
- 可逆性後白質脳症症候群 (PRES)
- 骨髄抑制
- 静脈血栓塞栓症
- 瘻孔
- ショック、 アナフィラキシー、 過敏症反応、 Infusion reaction
- 間質性肺炎
- 血栓性微小血管症 (TMA)
- 壊死性筋膜炎
- 動脈解離
- 胚・胎児発生に対する影響
- 小児等における骨壊死 (顎以外の部位)
- 適応外疾患に対する硝子体内投与後に発現する有害事象
オラパリブの投与には、 相同組換え修復欠損 (HRD) 又はBRCA遺伝子変異の確認が必要であり、 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により陽性が確認された患者に投与する¹⁾。 使用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり¹²⁾。

初回化学療法後の維持療法としてのオラパリブ+Bevは、 第Ⅲ相PAOLA-1試験においてPlacebo+Bevと比較し、 主要評価項目であるPFSを有意に延長しました⁷⁾。 その後報告された全生存期間 (OS) については、 ITT集団では有意差は認められませんでした (HR 0.92、 95%CI 0.76-1.12、 p=0.4118)¹³⁾。
一方、 サブグループ解析では、 HRD陽性群においてOSが良好な結果を示しました (HR 0.62、 95%CI 0.45-0.85)¹³⁾。 以上より、 上皮性卵巣癌 (高異型度漿液性癌または類内膜癌) のHRD陽性例では、 初回化学療法後の維持療法としてオラパリブ+Bevが臨床的ベネフィットを有すると解釈されます。
PAOLA-1試験⁷⁾では、 維持療法として両群にBevが投与されているため、 オラパリブとBevの併用が相加効果または相乗効果を示すかどうかは明らかではありません。
PAOLA-1試験⁷⁾の選択基準では、 初回化学療法でBevを2サイクル以上併用した患者が対象とされていました。 そのため、 初回化学療法後の維持療法としてオラパリブ+Bevを考慮する対象は、 初回化学療法でBevを併用したHRD陽性患者と考えられます。
1) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg/150mg 電子添文 (2026年3月改訂 第7版)
2) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg/150mg 適正使用のためのガイド (卵巣癌)
3) 中外製薬株式会社. アバスチン®点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL 電子添文 (2026年6月改訂 第7版)
4) 中外製薬株式会社. アバスチン®点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL 適正使用ガイド (卵巣癌)
5) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
6) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
7) N Engl J Med. 2019;381(25):2416-2428.
8) Lynparza® (olaparib) tablets, prescribing information. Revised July 2025. AstraZeneca Pharmaceuticals LP. FDA.
9) Avastin® (bevacizumab), prescribing information. Revised May 2009. Genentech, Inc. FDA.
10) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠に係る医薬品リスク管理計画書.
11) 中外製薬株式会社. アバスチン®点滴静注用に係る医薬品リスク管理計画書.
12) 医薬品の適応判定を目的として承認されたコンパニオン診断薬等. 2026年6月16日版.
13) Ann Oncol. 2023;34(8):681-692.
最終更新日 : 2026年7月9日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。