概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ゼローダ® (添付文書/適正使用情報* )

*中外製薬会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

A法

B法

投与開始基準

第II相試験¹⁾より抜粋
  • 18歳以上
  • 組織学的または細胞学的に確認された進行性および/または転移性乳癌
  • KPS70%以上
  • 女性患者

減量・休薬・中止基準

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

第Ⅱ相試験¹⁾

有害事象データ (5%以上出現) を一部引用 (カッコ内はGrade3、 4)

主な有害事象

  • 下痢 58.1% (18.9%)
  • 口内炎 33.8% (12.2%)
  • 悪心 55.4% (9.5%)
  • 倦怠感 23.0% (8.1%)
  • 嘔吐 36.5% (5.4%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 62.2% (21.6%*)
*Grade3のみの数値
ベースラインからの変化がGrade3、 4の有害事象データを一部引用
  • 血小板数減少 2.8%
  • 好中球数減少 8.1%
  • Hb減少 2.7%
  • リンパ球数減少 6.8%
  • 白血球数減少 6.8%

特徴と注意点

  • 単剤療法は手術不能又は再発乳癌に対してA法またはB法で使用される。
  • A法は825mg/m²/回を3週1休 (4週毎) 、 B法は1250mg/m²/回を2週1休 (3週毎) だが、 海外の臨床試験はB法で行われていた。
  • 添付文書上ではアントラサイクリン系レジメン治療後の増悪もしくは再発例と記載されているが、 乳癌診療ガイドライン2022年版²⁾においてHER2陰性転移・再発乳癌に対して1次化学療法から推奨されている。
  • 腎機能によって用量調整が必要である。
  • クレアチニンクリアランス 30-50mL/min:1段階減量
  • クレアチニンクリアランス <30mL/min:禁忌
  • 手足症候群が高頻度に発現するため、 予防的な保湿剤 (ヘパリン類似物質含有製剤または尿素製剤) の使用を指導し、 発赤部位に対してステロイド外用剤の使用を指導しておく。
  • 術前化学療法で病理学的完全奏効 (pCR) が得られなかったHER2陰性早期乳癌に対する術後化学療法として、 カペシタビン6-8サイクル投与の有用性がCREATE-X試験で示されているが、 本邦では保険適応外である (2023年11月時点)。

関連する臨床試験|第Ⅱ相試験¹⁾

タキサン系抗癌薬に抵抗性または不応の転移性乳癌患者において、 カペシタビンの効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験の結果より、 カペシタビンの高い有効性と忍容性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

ORR

26%

(95%CI 15.7-35.6%)
  • パクリタキセル前治療歴群 : 27%
  • ドセタキセル前治療歴群 : 20%

奏効期間中央値

8.3ヵ月

(95%CI 7.0-9.9ヵ月)

PDまでの期間 (中央値)

3.2ヵ月

(95%CI 2.3-4.3ヵ月)

治療成功期間 (TTF)

3.2ヵ月

(95%CI 2.2-4.4ヵ月)

OS中央値

12.2ヵ月

(95%CI 8.0-15.3ヵ月)

病勢安定 (SD)

12.9ヵ月

完全奏効 (CR) +部分奏効 (PR)

未到達

CBR

CBR評価が可能だった54例(ITT集団の73%)のうち、8例 (14.8%) が良好なCBRを達成し、 22例 (40.7%) が安定したCBRスコアを示した。

参考文献

  1. Multicenter, Phase II study of capecitabine in taxane-pretreated metastatic breast carcinoma patients. Cancer. 2001 Oct 1;92(7):1759-68. PMID: 11745247
  2. 乳癌診療ガイドライン2022年版.日本 乳癌学会
最終更新日:2024年1月26日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
執筆:NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平 暖先生

レジメン
Capecitabine
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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Capecitabine

Capecitabine

カペシタビン(ゼローダ®)
2024年03月06日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

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用法用量

A法

B法

投与開始基準

第II相試験¹⁾より抜粋
  • 18歳以上
  • 組織学的または細胞学的に確認された進行性および/または転移性乳癌
  • KPS70%以上
  • 女性患者

減量・休薬・中止基準

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

第Ⅱ相試験¹⁾

有害事象データ (5%以上出現) を一部引用 (カッコ内はGrade3、 4)

主な有害事象

  • 下痢 58.1% (18.9%)
  • 口内炎 33.8% (12.2%)
  • 悪心 55.4% (9.5%)
  • 倦怠感 23.0% (8.1%)
  • 嘔吐 36.5% (5.4%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 62.2% (21.6%*)
*Grade3のみの数値
ベースラインからの変化がGrade3、 4の有害事象データを一部引用
  • 血小板数減少 2.8%
  • 好中球数減少 8.1%
  • Hb減少 2.7%
  • リンパ球数減少 6.8%
  • 白血球数減少 6.8%

特徴と注意点

  • 単剤療法は手術不能又は再発乳癌に対してA法またはB法で使用される。
  • A法は825mg/m²/回を3週1休 (4週毎) 、 B法は1250mg/m²/回を2週1休 (3週毎) だが、 海外の臨床試験はB法で行われていた。
  • 添付文書上ではアントラサイクリン系レジメン治療後の増悪もしくは再発例と記載されているが、 乳癌診療ガイドライン2022年版²⁾においてHER2陰性転移・再発乳癌に対して1次化学療法から推奨されている。
  • 腎機能によって用量調整が必要である。
  • クレアチニンクリアランス 30-50mL/min:1段階減量
  • クレアチニンクリアランス <30mL/min:禁忌
  • 手足症候群が高頻度に発現するため、 予防的な保湿剤 (ヘパリン類似物質含有製剤または尿素製剤) の使用を指導し、 発赤部位に対してステロイド外用剤の使用を指導しておく。
  • 術前化学療法で病理学的完全奏効 (pCR) が得られなかったHER2陰性早期乳癌に対する術後化学療法として、 カペシタビン6-8サイクル投与の有用性がCREATE-X試験で示されているが、 本邦では保険適応外である (2023年11月時点)。

関連する臨床試験|第Ⅱ相試験¹⁾

タキサン系抗癌薬に抵抗性または不応の転移性乳癌患者において、 カペシタビンの効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験の結果より、 カペシタビンの高い有効性と忍容性が示された。

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ORR

26%

(95%CI 15.7-35.6%)
  • パクリタキセル前治療歴群 : 27%
  • ドセタキセル前治療歴群 : 20%

奏効期間中央値

8.3ヵ月

(95%CI 7.0-9.9ヵ月)

PDまでの期間 (中央値)

3.2ヵ月

(95%CI 2.3-4.3ヵ月)

治療成功期間 (TTF)

3.2ヵ月

(95%CI 2.2-4.4ヵ月)

OS中央値

12.2ヵ月

(95%CI 8.0-15.3ヵ月)

病勢安定 (SD)

12.9ヵ月

完全奏効 (CR) +部分奏効 (PR)

未到達

CBR

CBR評価が可能だった54例(ITT集団の73%)のうち、8例 (14.8%) が良好なCBRを達成し、 22例 (40.7%) が安定したCBRスコアを示した。

参考文献

  1. Multicenter, Phase II study of capecitabine in taxane-pretreated metastatic breast carcinoma patients. Cancer. 2001 Oct 1;92(7):1759-68. PMID: 11745247
  2. 乳癌診療ガイドライン2022年版.日本 乳癌学会
最終更新日:2024年1月26日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
執筆:NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平 暖先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(乳腺)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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