概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

- タルセバ®︎ (添付文書 / 適正使用ガイド*)

 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (エルロチニブ)
 *中外製薬株式会社の外部サイトへ遷移します

- サイラムザ® (添付文書 / 適正使用ガイド*)

 ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体 (ラムシルマブ)
 *日本イーライリリー株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】14日
【催吐性】 両剤ともに最小度催吐性
サイラムザ®︎適正使用ガイド 2022年8月作成より引用

KeyData|臨床試験結果

📊RELAY試験³⁾⁴⁾

化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性の進行・ 再発の非小細胞肺癌患者 (日本人症例を含む) を対象に、 Erlotinib+RAM群とErlotinib+プラセボ群とを比較した13ヵ国100施設実施の国際共同無作為化二重盲検第3相試験 

有効性|Erlotinib+RAM群

- mPFS (ITT集団):19.6ヵ月

- mPFS (日本人) :19.6ヵ月

- mOS (ITT集団) :51.1ヵ月

- mOS (日本人) :53.3ヵ月

>>その他の結果詳細はこちら

各プロトコル

開始基準

RELAY試験より一部抜粋³⁾

EGFR遺伝子変異 (exon19欠損またはL858R変異) を有する未治療の進行NSCLCで、 脳転移がなく、 以下の基準を満たす患者

Lancet Oncol. 2019 Dec;20(12):1655-1669. より作図

減量・中止基準例¹⁾

エルロチニブ (Erlotinib)

サイラムザ®︎適正使用ガイド 2022年8月作成より一部抜粋

ラムシルマブ (Ramucirumab)

サイラムザ®︎適正使用ガイド 2022年8月作成より一部抜粋

レジメンの特徴と注意点

遺伝子パネル検査・コンパニオン診断

日本肺癌学会の各種手引きHOKUTO編集部のまとめコンテンツを参照ください。

肺癌遺伝子パネル検査・コンパニオン診断薬一覧ページへ遷移

RELAY試験における皮膚障害の対応

許容できる発疹であれば対症療法を行う¹⁾

ミノサイクリン、 局所用テトラサイクリン、 局所用クリンダマイシン、 局所用スルファジアジン銀、 ジフェンヒドラミン、 経口プレドニゾン (短期投与)
Lancet Oncol. 2019 Dec;20(12):1655-1669. より引用

肺癌診療ガイドライン2023の推奨²⁾

▼PS 0-1の場合

1次治療としてオシメルチニブ単剤療法を行うよう「推奨」する (推奨の強さ:1、エビデンスの強さ:A)。
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

その他のEGFR-TKIでの「提案」は下記のとおり

- Gefitinib+CBDCA/PEM (提案 2A)

- Erlotinib+RAM (提案 2A)

- Dacomitinib (提案 2B)

日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

なお、以下は2023年版よりPS0-1での記載なし

Gefitinib Erlotinib Afatinib

▼PS 2の場合

1次治療として、 EGFR-TKI単剤療法を行うよう「推奨」する  (1C) Gefitinib+CBDCA/PEMを行うよう勧めるだけの根拠が明確ではない。 
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

▼PS 3~4

1次治療として、 ゲフィチニブ単剤療法を行うよう「推奨」する  (1C)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

▼Uncommon mutation

エクソン18-21の遺伝子変異 (E709X、G719X、S768I、P848L、L861Q、エクソン19の挿入変異など) にはEGFR-TKI単剤療法を行うよう「提案」する (2C)
EGFR-TKI未治療のT790M変異にオシメルチニブ単剤療法を行うよう「提案」する (2D)
エクソン20の挿入変異にはEGFR-TKI療法を行わないよう「推奨」する (1C)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

▼EGFR遺伝子変異陽性の2次治療以降

1次治療EGFR-TKI耐性または増悪後のT790M変異陽性例に対して、 オシメルチニブ単剤療法を行うよう「推奨」(1B)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

出典

1)  日本イーライリリー株式会社. サイラムザ®︎適正使用ガイド (EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌<エルロチニブ塩酸塩又はゲフィチニブ併用投与>)  2024年6月作成 [最終確認 2024/8/13]

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2) 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・ 胸腺腫瘍含む-2023年版

3)  Ramucirumab plus erlotinib in patients with untreated, EGFR-mutated, advanced non-small-cell lung cancer (RELAY): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2019 Dec;20(12):1655-1669. PMID: 31591063

4) JSMO 2024 日本臨床腫瘍学会発表データ

最終更新日 : 2024年8月13日
HOKUTO編集部医師監修

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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エルロチニブ+ラムシルマブ
2024年08月15日更新
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【1コース】14日
【催吐性】 両剤ともに最小度催吐性
サイラムザ®︎適正使用ガイド 2022年8月作成より引用

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📊RELAY試験³⁾⁴⁾

化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性の進行・ 再発の非小細胞肺癌患者 (日本人症例を含む) を対象に、 Erlotinib+RAM群とErlotinib+プラセボ群とを比較した13ヵ国100施設実施の国際共同無作為化二重盲検第3相試験 

有効性|Erlotinib+RAM群

- mPFS (ITT集団):19.6ヵ月

- mPFS (日本人) :19.6ヵ月

- mOS (ITT集団) :51.1ヵ月

- mOS (日本人) :53.3ヵ月

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各プロトコル

開始基準

RELAY試験より一部抜粋³⁾

EGFR遺伝子変異 (exon19欠損またはL858R変異) を有する未治療の進行NSCLCで、 脳転移がなく、 以下の基準を満たす患者

Lancet Oncol. 2019 Dec;20(12):1655-1669. より作図

減量・中止基準例¹⁾

エルロチニブ (Erlotinib)

サイラムザ®︎適正使用ガイド 2022年8月作成より一部抜粋

ラムシルマブ (Ramucirumab)

サイラムザ®︎適正使用ガイド 2022年8月作成より一部抜粋

レジメンの特徴と注意点

遺伝子パネル検査・コンパニオン診断

日本肺癌学会の各種手引きHOKUTO編集部のまとめコンテンツを参照ください。

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RELAY試験における皮膚障害の対応

許容できる発疹であれば対症療法を行う¹⁾

ミノサイクリン、 局所用テトラサイクリン、 局所用クリンダマイシン、 局所用スルファジアジン銀、 ジフェンヒドラミン、 経口プレドニゾン (短期投与)
Lancet Oncol. 2019 Dec;20(12):1655-1669. より引用

肺癌診療ガイドライン2023の推奨²⁾

▼PS 0-1の場合

1次治療としてオシメルチニブ単剤療法を行うよう「推奨」する (推奨の強さ:1、エビデンスの強さ:A)。
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

その他のEGFR-TKIでの「提案」は下記のとおり

- Gefitinib+CBDCA/PEM (提案 2A)

- Erlotinib+RAM (提案 2A)

- Dacomitinib (提案 2B)

日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

なお、以下は2023年版よりPS0-1での記載なし

Gefitinib Erlotinib Afatinib

▼PS 2の場合

1次治療として、 EGFR-TKI単剤療法を行うよう「推奨」する  (1C) Gefitinib+CBDCA/PEMを行うよう勧めるだけの根拠が明確ではない。 
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

▼PS 3~4

1次治療として、 ゲフィチニブ単剤療法を行うよう「推奨」する  (1C)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

▼Uncommon mutation

エクソン18-21の遺伝子変異 (E709X、G719X、S768I、P848L、L861Q、エクソン19の挿入変異など) にはEGFR-TKI単剤療法を行うよう「提案」する (2C)
EGFR-TKI未治療のT790M変異にオシメルチニブ単剤療法を行うよう「提案」する (2D)
エクソン20の挿入変異にはEGFR-TKI療法を行わないよう「推奨」する (1C)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

▼EGFR遺伝子変異陽性の2次治療以降

1次治療EGFR-TKI耐性または増悪後のT790M変異陽性例に対して、 オシメルチニブ単剤療法を行うよう「推奨」(1B)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン 2023年版より引用

出典

1)  日本イーライリリー株式会社. サイラムザ®︎適正使用ガイド (EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌<エルロチニブ塩酸塩又はゲフィチニブ併用投与>)  2024年6月作成 [最終確認 2024/8/13]

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2) 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・ 胸腺腫瘍含む-2023年版

3)  Ramucirumab plus erlotinib in patients with untreated, EGFR-mutated, advanced non-small-cell lung cancer (RELAY): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2019 Dec;20(12):1655-1669. PMID: 31591063

4) JSMO 2024 日本臨床腫瘍学会発表データ

最終更新日 : 2024年8月13日
HOKUTO編集部医師監修

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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