概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

アブラキサン® (添付文書/適正使用情報*)

*大鵬薬品の外部サイトへ遷移します

用法用量

前投薬

  • 軽度催吐性リスクに分類され、デキサメタゾン注6.6mg (Day 1) を投与することがあるが、 必須ではない。
  • 抗ヒスタミン薬の前投薬は不要である。

投与開始基準

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋

18歳以上で、 組織学的または細胞学的に転移性乳癌と確認された非授乳中の女性

減量・休薬・中止基準

好中球数及び血小板数の変動に留意し、 次コース投与前に好中球数が<1,500/μL又は血小板数が<10万/μLであれば、 骨髄機能が回復するまで投与延期

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋

過敏症反応<1%

好中球数減少 (Grade4)  9%

発熱性好中球減少症  <2%

特徴と注意点

  • 単剤療法は転移・再発症例に対する1次治療以降での適応である。
  • 単剤療法においてはtri-weeklyで使用し、 weeklyは併用療法の用法であることに留意する。
  • パクリタキセル製剤に含有されていたポリオキシエチレンヒマシ油および無水エタノールを含有していないため、 抗ヒスタミン薬の前投薬は不要である。
  • 本レジメンの用法では、 他のパクリタキセル製剤よりも相対的にパクリタキセルの投与量が多く、 末梢神経障害の発現頻度が高いため注意を要する。
  • ヒト血清アルブミンを用いた特定生物由来製品であり、 そのリスクなどを十分に説明する必要がある。

関連する臨床試験|第Ⅲ相試験¹⁾

転移性乳癌患者において、 アルブミン懸濁型パクリタキセル (nab-PTX) の効果を、 他のパクリタキセル製剤を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果より、 奏効率 (ORR) に対する有効性と良好な安全性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

ORR

全患者

  • nab-PTX群 : 33%
  • PTX群 : 19%
p=0.001

1次治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 42%
  • PTX群 : 27%
p=0.029

2次治療以降の治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 27%
  • PTX群 : 13%
p=0.006

術後または転移に対してアントラサイクリンを投与された患者

  • nab-PTX群 : 34%
  • PTX群 : 18%
p=0.002

転移に対してアントラサイクリンを投与された患者

  • nab-PTX群 : 27%
  • PTX群 : 14%
p=0.010

TTP中央値

全患者

  • nab-PTX群 : 23.0週
  • PTX群 : 16.9週
HR 0.75、 p=0.006

2次治療以降の治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 20.9週
  • PTX群 : 16.1週
HR 0.73、 p=0.020

OS中央値

全患者

  • nab-PTX群 : 65.0週
  • PTX群 : 55.7週
p=0.374

2次治療以降の治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 56.4週
  • PTX群 : 46.7週
HR 0.73、 p=0.024

参考文献

  1. Phase III trial of nanoparticle albumin-bound paclitaxel compared with polyethylated castor oil-based paclitaxel in women with breast cancer. J Clin Oncol. 2005 Nov 1;23(31):7794-803. PMID: 16172456
最終更新日:2024年1月26日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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アルブミン懸濁型 (nab) パクリタキセル (アブラキサン®)
2024年03月06日更新
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用法用量

前投薬

  • 軽度催吐性リスクに分類され、デキサメタゾン注6.6mg (Day 1) を投与することがあるが、 必須ではない。
  • 抗ヒスタミン薬の前投薬は不要である。

投与開始基準

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋

18歳以上で、 組織学的または細胞学的に転移性乳癌と確認された非授乳中の女性

減量・休薬・中止基準

好中球数及び血小板数の変動に留意し、 次コース投与前に好中球数が<1,500/μL又は血小板数が<10万/μLであれば、 骨髄機能が回復するまで投与延期

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋

過敏症反応<1%

好中球数減少 (Grade4)  9%

発熱性好中球減少症  <2%

特徴と注意点

  • 単剤療法は転移・再発症例に対する1次治療以降での適応である。
  • 単剤療法においてはtri-weeklyで使用し、 weeklyは併用療法の用法であることに留意する。
  • パクリタキセル製剤に含有されていたポリオキシエチレンヒマシ油および無水エタノールを含有していないため、 抗ヒスタミン薬の前投薬は不要である。
  • 本レジメンの用法では、 他のパクリタキセル製剤よりも相対的にパクリタキセルの投与量が多く、 末梢神経障害の発現頻度が高いため注意を要する。
  • ヒト血清アルブミンを用いた特定生物由来製品であり、 そのリスクなどを十分に説明する必要がある。

関連する臨床試験|第Ⅲ相試験¹⁾

転移性乳癌患者において、 アルブミン懸濁型パクリタキセル (nab-PTX) の効果を、 他のパクリタキセル製剤を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果より、 奏効率 (ORR) に対する有効性と良好な安全性が示された。

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ORR

全患者

  • nab-PTX群 : 33%
  • PTX群 : 19%
p=0.001

1次治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 42%
  • PTX群 : 27%
p=0.029

2次治療以降の治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 27%
  • PTX群 : 13%
p=0.006

術後または転移に対してアントラサイクリンを投与された患者

  • nab-PTX群 : 34%
  • PTX群 : 18%
p=0.002

転移に対してアントラサイクリンを投与された患者

  • nab-PTX群 : 27%
  • PTX群 : 14%
p=0.010

TTP中央値

全患者

  • nab-PTX群 : 23.0週
  • PTX群 : 16.9週
HR 0.75、 p=0.006

2次治療以降の治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 20.9週
  • PTX群 : 16.1週
HR 0.73、 p=0.020

OS中央値

全患者

  • nab-PTX群 : 65.0週
  • PTX群 : 55.7週
p=0.374

2次治療以降の治療を受けた患者

  • nab-PTX群 : 56.4週
  • PTX群 : 46.7週
HR 0.73、 p=0.024

参考文献

  1. Phase III trial of nanoparticle albumin-bound paclitaxel compared with polyethylated castor oil-based paclitaxel in women with breast cancer. J Clin Oncol. 2005 Nov 1;23(31):7794-803. PMID: 16172456
最終更新日:2024年1月26日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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