投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
80~120mg/日 経口 分2 朝夕食後 | 1~ | Day1~28 |
1コース42日間。 |
JASPAC 01試験³⁾のプロトコル
4週内服、2週間休薬を1コースとする。
適正使用ガイド²⁾の基準
適正使用ガイド²⁾の基準
再開方法の目安
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
経口薬であるため、 簡便であるが、 口腔粘膜炎、 下痢、 食欲不振などの消化器毒性や血液毒性が発現する場合もあるため、 非血液毒性を中心とした有害事象が起こりうることを十分説明しておく。
4週投与2週休薬が基本であるが、 2-3週目に有害事象が発現する患者では、 2週投与1週休薬や隔日内服も選択肢である。 ただし、 隔日内服の有用性は示されておらず³⁾、 全例で行うべきではない。
膵癌診療ガイドライン2022年版では、 遠隔転移を有する膵癌に対してFOLFIRINOX療法またはGEM+nab-PTX併用療法が適用とならない場合の治療として推奨されている。
S-1の成分であるギメラシルは腎排泄性であるため、 腎機能低下例ではギメラシルの排泄が低下し、 5-FU血中濃度が上昇するため、 重篤な有害事象が発生しやすい。 クレアチニンクリアランス60-40ml/分では少なくとも一段階減量し、 30-40ml/分では少なくとも2段階減量が必要である。
浸潤性膵管癌の切除術後患者において、 S-1による術後化学療法の効果を、 ゲムシタビン(GEM) を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験JASPAC 01の結果より、 全生存期間 (OS) および無再発生存期間 (RFS) に対する有効性が示された。
両群間で手術術式以外は同様であった。
HR 0.57 (95%CI 0.44-0.72)、 非劣性p<0.0001、 優越性p<0.0001
HR 0.60 (95%CI 0.47-0.76)、 p<0.0001
6ヵ月以内のスコアの平均変化は両群間に有意差はなかったが、 12ヵ月から24ヵ月にかけてはS-1群の方がGEM群より有意に良好であった。
最終更新日:2024年8月21日
執筆医:神奈川県立がんセンター 消化器内科 小林 智先生
監修医:神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
80~120mg/日 経口 分2 朝夕食後 | 1~ | Day1~28 |
1コース42日間。 |
JASPAC 01試験³⁾のプロトコル
4週内服、2週間休薬を1コースとする。
適正使用ガイド²⁾の基準
適正使用ガイド²⁾の基準
再開方法の目安
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
経口薬であるため、 簡便であるが、 口腔粘膜炎、 下痢、 食欲不振などの消化器毒性や血液毒性が発現する場合もあるため、 非血液毒性を中心とした有害事象が起こりうることを十分説明しておく。
4週投与2週休薬が基本であるが、 2-3週目に有害事象が発現する患者では、 2週投与1週休薬や隔日内服も選択肢である。 ただし、 隔日内服の有用性は示されておらず³⁾、 全例で行うべきではない。
膵癌診療ガイドライン2022年版では、 遠隔転移を有する膵癌に対してFOLFIRINOX療法またはGEM+nab-PTX併用療法が適用とならない場合の治療として推奨されている。
S-1の成分であるギメラシルは腎排泄性であるため、 腎機能低下例ではギメラシルの排泄が低下し、 5-FU血中濃度が上昇するため、 重篤な有害事象が発生しやすい。 クレアチニンクリアランス60-40ml/分では少なくとも一段階減量し、 30-40ml/分では少なくとも2段階減量が必要である。
浸潤性膵管癌の切除術後患者において、 S-1による術後化学療法の効果を、 ゲムシタビン(GEM) を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験JASPAC 01の結果より、 全生存期間 (OS) および無再発生存期間 (RFS) に対する有効性が示された。
両群間で手術術式以外は同様であった。
HR 0.57 (95%CI 0.44-0.72)、 非劣性p<0.0001、 優越性p<0.0001
HR 0.60 (95%CI 0.47-0.76)、 p<0.0001
6ヵ月以内のスコアの平均変化は両群間に有意差はなかったが、 12ヵ月から24ヵ月にかけてはS-1群の方がGEM群より有意に良好であった。
最終更新日:2024年8月21日
執筆医:神奈川県立がんセンター 消化器内科 小林 智先生
監修医:神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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