概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イムノマックス® (添付文書 / 製品情報サイト*)

インターフェロンガンマ-1a (IFN-γ 1a)
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用法・用量

<菌状息肉症、 セザリー症候群>

通常、 成人には1日1回200万国内標準単位を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、 週5回点滴静注する。 効果が不十分な場合には、 1日1回400万国内標準単位を上限として増量できる。 なお、 患者の状態により適宜減量する。

イムノマックス®添付文書2024年04月改訂(第3版) より引用

エキスパートによるワンポイント

適応患者と同ライン薬剤との比較

インターフェロンγは、 Skin-directed therapy に抵抗性を示す早期の菌状息肉症 (MF) から、 病期IVA1期までの進行期菌状息肉症に対する全身療法として、 第一選択となる薬剤である。

本邦では、 かつてインターフェロンγ製剤が菌状息肉症/セザリー症候群に対して承認されていたが、 一時製造中止となり、 2014年にイムノマックス®として再承認された。 同ラインで使用される薬剤としては、 レチノイド (ベキサロテン、 エトレチナート) があるが、 これらが内服薬であるのに対し、 インターフェロンγは点滴投与であるため、 レチノイドを先に使用することが多い。

用法・用量と実臨床での対応

承認された用法・用量は、 1日1回200万国内標準単位を生理食塩液または5%ブドウ糖注射液に溶解し、 週5回点滴静注するというものである。 効果が不十分な場合、 1日1回400万国内標準単位を上限として増量できる。

しかし、 実臨床では外来で週5回の点滴を継続することは現実的ではなく、 週1~2回外来で点滴を行うのが現実的である (症例によっては隔週、 もしくは月1回の方法も選択可能である)。

⚠添付文書記載とは異なります. 患者病態や、 実際の薬剤情報、 ガイドラインを確認の上、 利用者の判断でご利用ください.

主要臨床試験と有効性・安全性

日本において病期IA~IIIAの菌状息肉症患者15例 (病期IA、 IIIAは各1例) を対象としたイムノマックス®の第II相試験²⁾では、 奏効率73% (全て部分奏効) であった。

治療効果は早期に現れ、 多くの患者で治療開始から4週間以内に反応が見られた。 奏効期間は170日以上であったが、 ランダム化比較試験は実施されておらず、 内臓病変を有する患者に対する有効性および安全性は確立していない。

重篤な副作用として一部の患者に好中球減少症が生じたものの、 全体として治療の忍容性は高く、 副作用の管理は可能であった。

特徴的な注意事項

インフルエンザ様症状が全患者に発現したが、 重篤ではなく、 解熱鎮痛薬による対症療法でコントロール可能であった。

また、 白血球減少や好中球減少などの血液系の副作用も報告されており、 特に好中球減少が進行した患者には治療の中断や調整を要する。

さらに、 腫瘤性病変には反応が弱い点も特徴である。 欧米では主にIFN-α-2a (またはIFN-α-2b) が使用されているが、 本邦で販売されているIFN-α製剤は、 菌状息肉症/セザリー症候群に対しては未承認である。

出典

1) 共和薬品工業株式会社. イムノマックス®添付文書2024年04月改訂(第3版)

2) Phase II study of i.v. interferon-gamma in Japanese patients with mycosis fungoides. J Dermatol. J Dermatol. 2014 Jan;41(1):50-6. PMID: 24354781

最終更新日 : 2024年10月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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インターフェロンγ (イムノマックス®)
2024年10月25日更新
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用法・用量

<菌状息肉症、 セザリー症候群>

通常、 成人には1日1回200万国内標準単位を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、 週5回点滴静注する。 効果が不十分な場合には、 1日1回400万国内標準単位を上限として増量できる。 なお、 患者の状態により適宜減量する。

イムノマックス®添付文書2024年04月改訂(第3版) より引用

エキスパートによるワンポイント

適応患者と同ライン薬剤との比較

インターフェロンγは、 Skin-directed therapy に抵抗性を示す早期の菌状息肉症 (MF) から、 病期IVA1期までの進行期菌状息肉症に対する全身療法として、 第一選択となる薬剤である。

本邦では、 かつてインターフェロンγ製剤が菌状息肉症/セザリー症候群に対して承認されていたが、 一時製造中止となり、 2014年にイムノマックス®として再承認された。 同ラインで使用される薬剤としては、 レチノイド (ベキサロテン、 エトレチナート) があるが、 これらが内服薬であるのに対し、 インターフェロンγは点滴投与であるため、 レチノイドを先に使用することが多い。

用法・用量と実臨床での対応

承認された用法・用量は、 1日1回200万国内標準単位を生理食塩液または5%ブドウ糖注射液に溶解し、 週5回点滴静注するというものである。 効果が不十分な場合、 1日1回400万国内標準単位を上限として増量できる。

しかし、 実臨床では外来で週5回の点滴を継続することは現実的ではなく、 週1~2回外来で点滴を行うのが現実的である (症例によっては隔週、 もしくは月1回の方法も選択可能である)。

⚠添付文書記載とは異なります. 患者病態や、 実際の薬剤情報、 ガイドラインを確認の上、 利用者の判断でご利用ください.

主要臨床試験と有効性・安全性

日本において病期IA~IIIAの菌状息肉症患者15例 (病期IA、 IIIAは各1例) を対象としたイムノマックス®の第II相試験²⁾では、 奏効率73% (全て部分奏効) であった。

治療効果は早期に現れ、 多くの患者で治療開始から4週間以内に反応が見られた。 奏効期間は170日以上であったが、 ランダム化比較試験は実施されておらず、 内臓病変を有する患者に対する有効性および安全性は確立していない。

重篤な副作用として一部の患者に好中球減少症が生じたものの、 全体として治療の忍容性は高く、 副作用の管理は可能であった。

特徴的な注意事項

インフルエンザ様症状が全患者に発現したが、 重篤ではなく、 解熱鎮痛薬による対症療法でコントロール可能であった。

また、 白血球減少や好中球減少などの血液系の副作用も報告されており、 特に好中球減少が進行した患者には治療の中断や調整を要する。

さらに、 腫瘤性病変には反応が弱い点も特徴である。 欧米では主にIFN-α-2a (またはIFN-α-2b) が使用されているが、 本邦で販売されているIFN-α製剤は、 菌状息肉症/セザリー症候群に対しては未承認である。

出典

1) 共和薬品工業株式会社. イムノマックス®添付文書2024年04月改訂(第3版)

2) Phase II study of i.v. interferon-gamma in Japanese patients with mycosis fungoides. J Dermatol. J Dermatol. 2014 Jan;41(1):50-6. PMID: 24354781

最終更新日 : 2024年10月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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