治療スケジュール
概要
監修医師

Atezolizumab:アテゾリズマブ(テセントリク®)

投与量コース投与日
1200mg/body1~ Day 1

その他

3週間毎に投与、 PDまで継続する。
初回投与時間は60分間、 忍容性により2回目以降は30分間に短縮可能。
レジメン
Atezolizumab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

💊アテゾリズマブ (テセントリク®)

ヒト化抗ヒトPD−L1モノクローナル抗体

添付文書 / 適正使用ガイド*

*中外製薬株式会社の外部サイトへ遷移します

効果または効能

添付文書情報2022年5月改訂 (効能変更、用法及び用量変更) (第5版)

テセントリク点滴静注840mg

  • PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
HER2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2 (ヒト上皮増殖因子受容体2型、 別称: c-erbB-2)

テセントリク点滴静注1200mg

  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • PD-L1陽性非小細胞肺癌の術後補助療法
  • 進展型小細胞肺癌
  • 切除不能な肝細胞癌

レジメンの特徴と注意点

投与開始前の注意点

  • PD-L1の発現頻度により効果に差がある
  • 1次治療:SP142で評価、 TC3ないしはIC3なことを確認する。
  • 2次治療〜:PD-L1検査は必須ではない
  • コンパニオン診断薬については「肺癌患者におけるPD-L1検査の手引き⁴⁾」を参照する。
  • 自己免疫疾患、 間質性肺疾患等の既往がある患者はirAEのリスク因子となるため投与前に事前に評価を行う。

副作用と対策

  • 本剤のT細胞活性化作用により、 過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態 (irAE) が現れることがある。
  • 内分泌機能検査 (TSH、 FT4、 ACTHなど) を定期的に実施し、モニタリングする。
  • その他尿検査や画像評価などの定期的なモニタリングも必要である。
  • 有害事象が疑われた場合には、 各専門医へのコンサルトも検討する。

>>irAEについてはこちらを参照下さい

主要な臨床試験

📊IMpower110試験²⁾ 

国際共同第Ⅲ相臨床試験 [1次治療]

SP142を用いたPD-L1免疫染色でTC1もしくはIC1以上 (PD-L1発現あり相当)、 PS 0-1のⅣ期NSCLC患者を対象として、 アテゾリズマブ単剤療法とプラチナ製剤併用療法を比較。 PD-L1別によるヒエラルキー解析が用いられ、TC≧1% (PD-L1高発現相当) の患者205人を対象とした解析において有効性が証明された。

同サブグループにおけるOS

  • アテゾリズマブ単剤療法群 20.2ヵ月
  • プラチナ製剤併用療法群  13.1ヵ月

HR 0.59 (95%CI:0.40-0.89)

同サブグループにおけるPFS

  • アテゾリズマブ単剤療法群 8.1ヵ月
  • プラチナ製剤併用療法群  5.0ヵ月

HR 0.63 (95%CI:0.45-0.88)

同サブグループにおけるOPR

  • アテゾリズマブ単剤療法群 38.3%
  • プラチナ製剤併用療法群  28.6%

📊OAK試験³⁾

国際共同第Ⅲ相臨床試験  [2次治療以降]

プラチナ併用療法の治療歴を有するPS0〜1の非小細胞肺癌を対象として、 アテゾリズマブ単剤療法とDTX単剤療法を比較。 

OS中央値 (主要評価項目)

  • ITT集団、 TC1/2/3またはIC1/2/3集団のいずれにおいてもアテゾリズマブ単剤療法群で統計学的に有意に延長した
  • PD-L1発現がない (TC0かつIC0) 集団でも、 アテゾリズマブ単剤療法群でOSを有意に延長した。

ITT解析の結果

  • OS 13.8ヶ月
  • PFS中央値 2.8ヶ月
  • OPR 14.0%

参考文献

1) 中外製薬株式会社 「テセントリク®︎適正使用ガイド」 (2023年9月改訂) [最終閲覧 2023/11/15]

*中外製薬株式会社の外部サイトへ遷移します

2) Atezolizumab for First-Line Treatment of PD-L1-Selected Patients with NSCLC. N Engl J Med. 2020 Oct 1;383(14):1328-1339. PMID: 32997907

3) Atezolizumab versus docetaxel in patients with previously treated non-small-cell lung cancer (OAK): a phase 3, open-label, multicentre randomised controlled trial. Lancet. 2017 Jan 21;389(10066):255-265. PMID: 27979383

最終更新日:2023年11月18日
監修・作図:HOKUTO編集部専門医

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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アテゾリズマブ (テセントリク®)
2024年02月29日更新

Atezolizumab:アテゾリズマブ(テセントリク®)

投与量コース投与日
1200mg/body1~ Day 1

その他

3週間毎に投与、 PDまで継続する。
初回投与時間は60分間、 忍容性により2回目以降は30分間に短縮可能。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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ヒト化抗ヒトPD−L1モノクローナル抗体

添付文書 / 適正使用ガイド*

*中外製薬株式会社の外部サイトへ遷移します

効果または効能

添付文書情報2022年5月改訂 (効能変更、用法及び用量変更) (第5版)

テセントリク点滴静注840mg

  • PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
HER2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2 (ヒト上皮増殖因子受容体2型、 別称: c-erbB-2)

テセントリク点滴静注1200mg

  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • PD-L1陽性非小細胞肺癌の術後補助療法
  • 進展型小細胞肺癌
  • 切除不能な肝細胞癌

レジメンの特徴と注意点

投与開始前の注意点

  • PD-L1の発現頻度により効果に差がある
  • 1次治療:SP142で評価、 TC3ないしはIC3なことを確認する。
  • 2次治療〜:PD-L1検査は必須ではない
  • コンパニオン診断薬については「肺癌患者におけるPD-L1検査の手引き⁴⁾」を参照する。
  • 自己免疫疾患、 間質性肺疾患等の既往がある患者はirAEのリスク因子となるため投与前に事前に評価を行う。

副作用と対策

  • 本剤のT細胞活性化作用により、 過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態 (irAE) が現れることがある。
  • 内分泌機能検査 (TSH、 FT4、 ACTHなど) を定期的に実施し、モニタリングする。
  • その他尿検査や画像評価などの定期的なモニタリングも必要である。
  • 有害事象が疑われた場合には、 各専門医へのコンサルトも検討する。

>>irAEについてはこちらを参照下さい

主要な臨床試験

📊IMpower110試験²⁾ 

国際共同第Ⅲ相臨床試験 [1次治療]

SP142を用いたPD-L1免疫染色でTC1もしくはIC1以上 (PD-L1発現あり相当)、 PS 0-1のⅣ期NSCLC患者を対象として、 アテゾリズマブ単剤療法とプラチナ製剤併用療法を比較。 PD-L1別によるヒエラルキー解析が用いられ、TC≧1% (PD-L1高発現相当) の患者205人を対象とした解析において有効性が証明された。

同サブグループにおけるOS

  • アテゾリズマブ単剤療法群 20.2ヵ月
  • プラチナ製剤併用療法群  13.1ヵ月

HR 0.59 (95%CI:0.40-0.89)

同サブグループにおけるPFS

  • アテゾリズマブ単剤療法群 8.1ヵ月
  • プラチナ製剤併用療法群  5.0ヵ月

HR 0.63 (95%CI:0.45-0.88)

同サブグループにおけるOPR

  • アテゾリズマブ単剤療法群 38.3%
  • プラチナ製剤併用療法群  28.6%

📊OAK試験³⁾

国際共同第Ⅲ相臨床試験  [2次治療以降]

プラチナ併用療法の治療歴を有するPS0〜1の非小細胞肺癌を対象として、 アテゾリズマブ単剤療法とDTX単剤療法を比較。 

OS中央値 (主要評価項目)

  • ITT集団、 TC1/2/3またはIC1/2/3集団のいずれにおいてもアテゾリズマブ単剤療法群で統計学的に有意に延長した
  • PD-L1発現がない (TC0かつIC0) 集団でも、 アテゾリズマブ単剤療法群でOSを有意に延長した。

ITT解析の結果

  • OS 13.8ヶ月
  • PFS中央値 2.8ヶ月
  • OPR 14.0%

参考文献

1) 中外製薬株式会社 「テセントリク®︎適正使用ガイド」 (2023年9月改訂) [最終閲覧 2023/11/15]

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2) Atezolizumab for First-Line Treatment of PD-L1-Selected Patients with NSCLC. N Engl J Med. 2020 Oct 1;383(14):1328-1339. PMID: 32997907

3) Atezolizumab versus docetaxel in patients with previously treated non-small-cell lung cancer (OAK): a phase 3, open-label, multicentre randomised controlled trial. Lancet. 2017 Jan 21;389(10066):255-265. PMID: 27979383

最終更新日:2023年11月18日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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