治療スケジュール
概要
監修医師

CPT-11:イリノテカン塩酸塩水和物(トポテシン®)

投与量コース投与日
150mg/m² 点滴1~Day1

Cmab:セツキシマブ(アービタックス®)

投与量コース投与日
400mg/m² 点滴 1Day1
250mg/m² 点滴1Day8
250mg/m² 点滴2~Day1,8

その他

1コース14日間。
レジメン
IRI+Cmab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*メルクバイオファーマの外部サイトへ遷移します

用法用量

前投薬

CmabはIgG1キメラ型ヒト/マウスモノクローナル抗体であり、 infusion reaction予防のため、 前投薬として、 抗ヒスタミン剤+ステロイド剤を投与する。 加えてIRIの悪心・嘔吐予防のため、 5–HT3受容体阻害薬を投与する。

例:クロルフェニラミン注5mgⓇ1A+デキサメタゾン注射液3.3mg2A+パロノセトロン点滴静注バッグ0.75mg

投与開始基準

①CPT-11の投与開始基準

②Cmabの投与開始基準

減量基準

初回基準量と減量レベル

①CPT-11の減量基準

②Cmabの減量基準

Grade3以上の皮膚毒性が生じた場合

初回発現時:減量せず

2回目以降発現時:1段階減量

主な有害事象

N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45¹⁾

主な有害事象 (Grade3~4)

  • 貧血 4.7%
  • 好中球減少 9.4%
  • 血小板減少 0.5%
  • 下痢 21.2%
  • 悪心/嘔吐 7.1%
  • 口内炎 2.4%
  • 発熱 2.4%

上手に使うためのワンポイント

  • 本レジメンをリチャレンジとして投与する場合は、 効果が得られる症例は限定的であることに留意する。 これまでの臨床試験の結果²⁾³⁾からは、 投与直前のOncoBEAM RAS検査でRAS野生型、 1次治療でPR以上の奏効が得られている、 抗EGFR抗体最終投与からの期間が4ヵ月以上空いている症例がリチャレンジでの有効性が期待出来る症例像と考えられている。
  • 一般的には抗EGFR抗体はGrade2以上の皮膚障害が出現した場合は休薬することが推奨されている。 著者は、 本レジメンでは後方治療であるため、 抗EGFR抗体による皮膚障害がGrade2まで到達しなくても、 患者さんがQOL低下を訴えている場合は、抗EGFR抗体は無理せず休薬し、 IRI単剤のみ投与、 皮膚障害回復後に再開している。 また、 好中球数減少など明らかなイリノテカンの有害事象でイリノテカンが投与出来ない場合でも抗EGFR抗体は投与する。

特徴と注意点

  • イリノテカン不応例を対象とし、 セツキシマブ単剤に対するIRI+Cmabは奏効率 (10.8% vs. 22.9%、 P=0.007) 、 PFS中央値 (1.5ヵ月 vs. 4.1ヵ月、 HR 0.54;、 95%CI 0.42–0.71)で有意な改善を示した⁴⁾。
  • 試験が実施された時代と異なり、 PARADIGM試験⁵⁾の結果から、 RAS野生型・左側結腸に対しては1次治療で抗EGFR抗体併用療法が使用されていると考えられる。 現在では多くの場合、 右側結腸例の3次治療以降、 左側結腸例ではリチャレンジとして使用する事が想定される。

関連する臨床試験

N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45¹⁾

イリノテカン治療抵抗性の転移性大腸癌において、 セツキシマブとイリノテカンの併用療法とセツキシマブ単独療法の有効性を比較した試験。 患者は腫瘍反応について放射線学的、 腫瘍進行までの時間、 生存期間、 および治療の副作用についても評価された。

N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45. 

出典

  1. Cetuximab monotherapy and cetuximab plus irinotecan in irinotecan-refractory metastatic colorectal cancer. N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45. PMID: 15269313
  2. Rechallenge for Patients With RAS and BRAF Wild-Type Metastatic Colorectal Cancer With Acquired Resistance to First-line Cetuximab and Irinotecan: A Phase 2 Single-Arm Clinical Trial. JAMA Oncol. 2019 Mar 1;5(3):343-350. PMID: 30476968
  3. Panitumumab vs Bevacizumab Added to Standard First-line Chemotherapy and Overall Survival Among Patients With RAS Wild-type, Left-Sided Metastatic Colorectal Cancer: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Apr 18;329(15):1271-1282. PMID: 37071094
  4. Cetuximab monotherapy and cetuximab plus irinotecan in irinotecan-refractory metastatic colorectal cancer. N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45. 
  5. Panitumumab vs Bevacizumab Added to Standard First-line Chemotherapy and Overall Survival Among Patients With RAS Wild-type, Left-Sided Metastatic Colorectal Cancer: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Apr 18;329(15):1271-1282. PMID: 37071094
最終更新日:2023年10月2日
執筆医:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

レジメン
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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イリノテカン塩酸塩水和物+セツキシマブ
2024年04月23日更新

CPT-11:イリノテカン塩酸塩水和物(トポテシン®)

投与量コース投与日
150mg/m² 点滴1~Day1

Cmab:セツキシマブ(アービタックス®)

投与量コース投与日
400mg/m² 点滴 1Day1
250mg/m² 点滴1Day8
250mg/m² 点滴2~Day1,8

その他

1コース14日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

前投薬

CmabはIgG1キメラ型ヒト/マウスモノクローナル抗体であり、 infusion reaction予防のため、 前投薬として、 抗ヒスタミン剤+ステロイド剤を投与する。 加えてIRIの悪心・嘔吐予防のため、 5–HT3受容体阻害薬を投与する。

例:クロルフェニラミン注5mgⓇ1A+デキサメタゾン注射液3.3mg2A+パロノセトロン点滴静注バッグ0.75mg

投与開始基準

①CPT-11の投与開始基準

②Cmabの投与開始基準

減量基準

初回基準量と減量レベル

①CPT-11の減量基準

②Cmabの減量基準

Grade3以上の皮膚毒性が生じた場合

初回発現時:減量せず

2回目以降発現時:1段階減量

主な有害事象

N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45¹⁾

主な有害事象 (Grade3~4)

  • 貧血 4.7%
  • 好中球減少 9.4%
  • 血小板減少 0.5%
  • 下痢 21.2%
  • 悪心/嘔吐 7.1%
  • 口内炎 2.4%
  • 発熱 2.4%

上手に使うためのワンポイント

  • 本レジメンをリチャレンジとして投与する場合は、 効果が得られる症例は限定的であることに留意する。 これまでの臨床試験の結果²⁾³⁾からは、 投与直前のOncoBEAM RAS検査でRAS野生型、 1次治療でPR以上の奏効が得られている、 抗EGFR抗体最終投与からの期間が4ヵ月以上空いている症例がリチャレンジでの有効性が期待出来る症例像と考えられている。
  • 一般的には抗EGFR抗体はGrade2以上の皮膚障害が出現した場合は休薬することが推奨されている。 著者は、 本レジメンでは後方治療であるため、 抗EGFR抗体による皮膚障害がGrade2まで到達しなくても、 患者さんがQOL低下を訴えている場合は、抗EGFR抗体は無理せず休薬し、 IRI単剤のみ投与、 皮膚障害回復後に再開している。 また、 好中球数減少など明らかなイリノテカンの有害事象でイリノテカンが投与出来ない場合でも抗EGFR抗体は投与する。

特徴と注意点

  • イリノテカン不応例を対象とし、 セツキシマブ単剤に対するIRI+Cmabは奏効率 (10.8% vs. 22.9%、 P=0.007) 、 PFS中央値 (1.5ヵ月 vs. 4.1ヵ月、 HR 0.54;、 95%CI 0.42–0.71)で有意な改善を示した⁴⁾。
  • 試験が実施された時代と異なり、 PARADIGM試験⁵⁾の結果から、 RAS野生型・左側結腸に対しては1次治療で抗EGFR抗体併用療法が使用されていると考えられる。 現在では多くの場合、 右側結腸例の3次治療以降、 左側結腸例ではリチャレンジとして使用する事が想定される。

関連する臨床試験

N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45¹⁾

イリノテカン治療抵抗性の転移性大腸癌において、 セツキシマブとイリノテカンの併用療法とセツキシマブ単独療法の有効性を比較した試験。 患者は腫瘍反応について放射線学的、 腫瘍進行までの時間、 生存期間、 および治療の副作用についても評価された。

N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45. 

出典

  1. Cetuximab monotherapy and cetuximab plus irinotecan in irinotecan-refractory metastatic colorectal cancer. N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45. PMID: 15269313
  2. Rechallenge for Patients With RAS and BRAF Wild-Type Metastatic Colorectal Cancer With Acquired Resistance to First-line Cetuximab and Irinotecan: A Phase 2 Single-Arm Clinical Trial. JAMA Oncol. 2019 Mar 1;5(3):343-350. PMID: 30476968
  3. Panitumumab vs Bevacizumab Added to Standard First-line Chemotherapy and Overall Survival Among Patients With RAS Wild-type, Left-Sided Metastatic Colorectal Cancer: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Apr 18;329(15):1271-1282. PMID: 37071094
  4. Cetuximab monotherapy and cetuximab plus irinotecan in irinotecan-refractory metastatic colorectal cancer. N Engl J Med. 2004 Jul 22;351(4):337-45. 
  5. Panitumumab vs Bevacizumab Added to Standard First-line Chemotherapy and Overall Survival Among Patients With RAS Wild-type, Left-Sided Metastatic Colorectal Cancer: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Apr 18;329(15):1271-1282. PMID: 37071094
最終更新日:2023年10月2日
執筆医:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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