概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 悪性黒色腫に対して本邦適応外レジメン、 ただし保険償還で一般的に利用されることがある (監修医)

薬剤情報

ダカルバジン (添付文書¹⁾)

抗悪性腫瘍薬 > アルキル化薬

用法用量

- Dacarbazine 220mg/m² 点滴静注 (day1-3)
- Nimustine 60mg/m² 点滴静注 (day1)
- Cisplatin 25mg/m² 点滴静注 (day1-3) 
- Tamoxifen 20mg/日 内服 (連日投与)
以後3-4週間休薬。 年齢、症状により適宜増減

上記を1コースとし、繰り返し投与する。 年齢、 症状により適宜増減

⚠本邦適応外、承認外使用を推奨するものではありません

エキスパートによるワンポイント

日本版のDartmothレジメン

悪性黒色腫の治療薬として、 2014年にニボルマブが承認されるまで、 30年以上にわたって唯一の全身薬物療法薬として広く使われてきたDTIC (ダカルバジン) を含む多剤併用療法であり、 Dartmothレジメン (別名 : DBDT) のBCNU (カルムスチン) を ACNU (ニムスチン) に置き換えた日本版レジメンである。

臨床試験の結果

全国13施設からの皮膚悪性黒色腫77例を集計した後ろ向き研究によれば、 52名に対し完全奏効 (CR) 1例 (奏効割合 1.3%)、 部分奏効15例 (奏効割合 19.5%) で、 全体の奏効割合は20.8%であった。 また臓器別の奏効割合も報告されており、 肺転移25%、 肝臓転移33%、 リンパ節転移12.9%であった¹⁾。

主な副作用とその対策

主な副作用として悪心・嘔吐、 骨髄抑制、 肝機能障害などが挙げられる。

悪心・嘔吐について

悪心・嘔吐は投与当日の急性嘔吐が主体であり、 5-HT3受容体拮抗薬やステロイド内服薬または静脈内への前投与で予防できることが多い。 上記報告によれば悪心・嘔吐は53.2%にみられたが、 2例を除いてGrade1-2であった¹⁾。

骨髄抑制について

骨髄抑制では血小板減少が80.5%にみられ、 過半数 (50.6%) がGrade3-4であった。 白血球 (好中球減少) も同じく80.5%にみられたが、 そのうちわけは77例中Grade1 15例、 Grade2 28例、 Grade3 18例、 Grade4 1例あった。 高齢者や放射線治療併用例などは注意が必要である¹⁾。

血管痛について

またダカルバジンの光分解物質によって血管痛が生じる場合があり投与にあたっては遮光を徹底する²⁾。

出典

  1. 進行期悪性黒色腫に対するDAC-Tam療法の多施設集計. 日本皮膚科学会雑誌 2005;115:879-85
  2. サンドファーマ株式会社. ダカルバジン®電子添文 (2023年8月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/13]
最終更新日 : 2024年8月13日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ダカルバジン+ニムスチン+シスプラチン+タモキシフェン
2024年08月29日更新
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2024/8/25時点で、 悪性黒色腫に対して本邦適応外レジメン、 ただし保険償還で一般的に利用されることがある (監修医)

薬剤情報

ダカルバジン (添付文書¹⁾)

抗悪性腫瘍薬 > アルキル化薬

用法用量

- Dacarbazine 220mg/m² 点滴静注 (day1-3)
- Nimustine 60mg/m² 点滴静注 (day1)
- Cisplatin 25mg/m² 点滴静注 (day1-3) 
- Tamoxifen 20mg/日 内服 (連日投与)
以後3-4週間休薬。 年齢、症状により適宜増減

上記を1コースとし、繰り返し投与する。 年齢、 症状により適宜増減

⚠本邦適応外、承認外使用を推奨するものではありません

エキスパートによるワンポイント

日本版のDartmothレジメン

悪性黒色腫の治療薬として、 2014年にニボルマブが承認されるまで、 30年以上にわたって唯一の全身薬物療法薬として広く使われてきたDTIC (ダカルバジン) を含む多剤併用療法であり、 Dartmothレジメン (別名 : DBDT) のBCNU (カルムスチン) を ACNU (ニムスチン) に置き換えた日本版レジメンである。

臨床試験の結果

全国13施設からの皮膚悪性黒色腫77例を集計した後ろ向き研究によれば、 52名に対し完全奏効 (CR) 1例 (奏効割合 1.3%)、 部分奏効15例 (奏効割合 19.5%) で、 全体の奏効割合は20.8%であった。 また臓器別の奏効割合も報告されており、 肺転移25%、 肝臓転移33%、 リンパ節転移12.9%であった¹⁾。

主な副作用とその対策

主な副作用として悪心・嘔吐、 骨髄抑制、 肝機能障害などが挙げられる。

悪心・嘔吐について

悪心・嘔吐は投与当日の急性嘔吐が主体であり、 5-HT3受容体拮抗薬やステロイド内服薬または静脈内への前投与で予防できることが多い。 上記報告によれば悪心・嘔吐は53.2%にみられたが、 2例を除いてGrade1-2であった¹⁾。

骨髄抑制について

骨髄抑制では血小板減少が80.5%にみられ、 過半数 (50.6%) がGrade3-4であった。 白血球 (好中球減少) も同じく80.5%にみられたが、 そのうちわけは77例中Grade1 15例、 Grade2 28例、 Grade3 18例、 Grade4 1例あった。 高齢者や放射線治療併用例などは注意が必要である¹⁾。

血管痛について

またダカルバジンの光分解物質によって血管痛が生じる場合があり投与にあたっては遮光を徹底する²⁾。

出典

  1. 進行期悪性黒色腫に対するDAC-Tam療法の多施設集計. 日本皮膚科学会雑誌 2005;115:879-85
  2. サンドファーマ株式会社. ダカルバジン®電子添文 (2023年8月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/13]
最終更新日 : 2024年8月13日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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