治療スケジュール
概要
監修医師

Pembrolizumab:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴(3週間間隔)1~Day1
400mg/body 点滴(6週間間隔)1~Day1

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する。
レジメン
Pembrolizumab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

キイトルーダ® (添付文書/適正使用情報*)

*MSD製薬の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾

▼1回200mgを3週間間隔の場合

▼1回400mgを6週間間隔の場合

キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂第17版)より作図

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する

休薬・中止・減量基準

電子添文¹⁾

キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂第17版)より作図

主な有害事象

KEYNOTE-181試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 貧血 2.5% (1.3%)
  • 好中球数減少 0.6% (0.3%) 
  • 白血球数減少 0.3% (0%)
  • 疲労 11.8% (0.6%)
  • 甲状腺機能低下症 10.5% (0%)
  • 食欲減退 8.6% (0.6%)
  • 悪心 7.0% (0%)
  • 下痢 5.4% (0.6%)
  • 発熱 4.5% (0%)
  • 嘔吐 3.2% (0.3%)
  • 倦怠感 3.2% (0%)
  • 口内炎 1.3% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 末梢性ニューロパチー 0.6% (0%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 0.3% (0%)
  • 脱毛症 0.6% (0%)
J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148.より引用

上手に使うためのワンポイント

  • 本レジメンはフッ化ピリミジンおよびプラチナに不応・不耐となった食道扁平上皮癌かつCPS≥10に対する2次治療として用いられる。
  • CRT後半年以内に再発した症例や術前化学療法が終了し半年以内に再発した症例も2次治療として扱われるため対象となる。
  • 自己免疫性疾患を有し10mgを超えるプレドニゾロンを内服している症例や免疫調整剤を服用している症例は自己免疫性疾患増悪のリスクがあるため避け、 パクリタキセルやドセタキセルを検討する。

特徴と注意点

  • 2次治療でのペムブロリズマブは扁平上皮癌かつCPS≥10の症例に対して承認されており、 ニボルマブとは異なりCPSの測定が必要であるため注意する。
  • irAEに注意が必要であり、 定期的な甲状腺機能や血糖などの内分泌機能、 肝障害、 腎障害のチェック、 SPO₂の測定が必要である。 irAEを来した場合、 甲状腺機能低下症や副腎皮質機能低下症などのホルモン補充で対処可能な内分泌障害は治療継続可能であるが、 それ以外では治療を中断しPSLによる治療を要する。
  • irAE後のペムブロリズマブの再開についてはリスク、 ベネフィットを考慮し慎重に検討する。
  • ホルモン補充で対処可能な内分泌障害以外のGrade≧3のirAEに関しては再投与を控える。 肺臓炎に関してはGrade≧2で再投与を控える。
  • 食道癌では喫煙歴のある症例が多いためしばしば肺に間質影を伴う症例を経験する。 CT画像で肺底部に間質影が存在しないか注意深く観察する必要がある。

関連する臨床試験

KEYNOTE-181試験³⁾

切除不能進行・再発食道扁平上皮癌 (ESCC) 及び食道腺癌 (EAC) 患者におけるペムブロリズマブと化学療法の有効性及び安全性を比較検討するための国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験。 1次治療として全身治療歴のある切除不能進行・再発ESCC及びEAC患者628例を対象とし、 主要評価項目はPD-L1発現陽性 (CPS≧10) 患者、 ESCC患者、 ITT集団における全生存期間 (OS)、 副次評価項目はCPS≧10患者、 ESCC患者、 ITT集団における無増悪生存期間 (PFS) 及び奏効率 (ORR)、 安全性とされた。

J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. 

出典

  1. MSD株式会社. キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  2. MSD株式会社. キイトルーダ®適正使用ガイド (2023年12月改訂) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  3. Randomized Phase III KEYNOTE-181 Study of Pembrolizumab Versus Chemotherapy in Advanced Esophageal Cancer. J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. PMID: 33026938
最終更新日 : 2024年3月25日
執筆医:神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田 望先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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Pembrolizumab

ペムブロリズマブ (キイトルーダ®)
2024年03月25日更新

Pembrolizumab:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴(3週間間隔)1~Day1
400mg/body 点滴(6週間間隔)1~Day1

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

キイトルーダ® (添付文書/適正使用情報*)

*MSD製薬の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾

▼1回200mgを3週間間隔の場合

▼1回400mgを6週間間隔の場合

キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂第17版)より作図

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する

休薬・中止・減量基準

電子添文¹⁾

キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂第17版)より作図

主な有害事象

KEYNOTE-181試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 貧血 2.5% (1.3%)
  • 好中球数減少 0.6% (0.3%) 
  • 白血球数減少 0.3% (0%)
  • 疲労 11.8% (0.6%)
  • 甲状腺機能低下症 10.5% (0%)
  • 食欲減退 8.6% (0.6%)
  • 悪心 7.0% (0%)
  • 下痢 5.4% (0.6%)
  • 発熱 4.5% (0%)
  • 嘔吐 3.2% (0.3%)
  • 倦怠感 3.2% (0%)
  • 口内炎 1.3% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 末梢性ニューロパチー 0.6% (0%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 0.3% (0%)
  • 脱毛症 0.6% (0%)
J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148.より引用

上手に使うためのワンポイント

  • 本レジメンはフッ化ピリミジンおよびプラチナに不応・不耐となった食道扁平上皮癌かつCPS≥10に対する2次治療として用いられる。
  • CRT後半年以内に再発した症例や術前化学療法が終了し半年以内に再発した症例も2次治療として扱われるため対象となる。
  • 自己免疫性疾患を有し10mgを超えるプレドニゾロンを内服している症例や免疫調整剤を服用している症例は自己免疫性疾患増悪のリスクがあるため避け、 パクリタキセルやドセタキセルを検討する。

特徴と注意点

  • 2次治療でのペムブロリズマブは扁平上皮癌かつCPS≥10の症例に対して承認されており、 ニボルマブとは異なりCPSの測定が必要であるため注意する。
  • irAEに注意が必要であり、 定期的な甲状腺機能や血糖などの内分泌機能、 肝障害、 腎障害のチェック、 SPO₂の測定が必要である。 irAEを来した場合、 甲状腺機能低下症や副腎皮質機能低下症などのホルモン補充で対処可能な内分泌障害は治療継続可能であるが、 それ以外では治療を中断しPSLによる治療を要する。
  • irAE後のペムブロリズマブの再開についてはリスク、 ベネフィットを考慮し慎重に検討する。
  • ホルモン補充で対処可能な内分泌障害以外のGrade≧3のirAEに関しては再投与を控える。 肺臓炎に関してはGrade≧2で再投与を控える。
  • 食道癌では喫煙歴のある症例が多いためしばしば肺に間質影を伴う症例を経験する。 CT画像で肺底部に間質影が存在しないか注意深く観察する必要がある。

関連する臨床試験

KEYNOTE-181試験³⁾

切除不能進行・再発食道扁平上皮癌 (ESCC) 及び食道腺癌 (EAC) 患者におけるペムブロリズマブと化学療法の有効性及び安全性を比較検討するための国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験。 1次治療として全身治療歴のある切除不能進行・再発ESCC及びEAC患者628例を対象とし、 主要評価項目はPD-L1発現陽性 (CPS≧10) 患者、 ESCC患者、 ITT集団における全生存期間 (OS)、 副次評価項目はCPS≧10患者、 ESCC患者、 ITT集団における無増悪生存期間 (PFS) 及び奏効率 (ORR)、 安全性とされた。

J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. 

出典

  1. MSD株式会社. キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  2. MSD株式会社. キイトルーダ®適正使用ガイド (2023年12月改訂) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  3. Randomized Phase III KEYNOTE-181 Study of Pembrolizumab Versus Chemotherapy in Advanced Esophageal Cancer. J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. PMID: 33026938
最終更新日 : 2024年3月25日
執筆医:神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田 望先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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