治療スケジュール
概要
監修医師

ペムブロリズマブ:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴(21日)1~Day1
400mg/body 点滴(42日)1~Day1

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する。

関連する薬剤情報

キイトルーダ点滴静注100mg
抗悪性腫瘍薬 > ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体
1).悪性黒色腫。 2).切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。 3).再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫。 4).がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌。 5).*がん化学療法後に増悪し...
レジメン
Pembrolizumab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

キイトルーダ® (添付文書/適正使用情報*)

*MSD製薬の外部サイトへ遷移します

用法用量 (1コース3週間、 6週間)

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する。

投与開始基準

KEYNOTE-181試験¹⁾より抜粋

食道胃接合部腺癌を含む組織学的に確認された食道の扁平上皮癌または腺癌 (転移性または局所進行性で切除不能) を有する18歳以上のPSが0、 1の患者

休薬・中止・減量基準

主な有害事象

KEYNOTE-181試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~5)

主な有害事象

  • 貧血 2.5% (1.3%)
  • 好中球数減少 0.6% (0.3%) 
  • 白血球数減少 0.3% (0%)
  • 疲労 11.8% (0.6%)
  • 甲状腺機能低下症 10.5% (0%)
  • 食欲減退 8.6% (0.6%)
  • 悪心 7.0% (0%)
  • 下痢 5.4% (0.6%)
  • 発熱 4.5% (0%)
  • 嘔吐 3.2% (0.3%)
  • 倦怠感 3.2% (0%)
  • 口内炎 1.3% (0%)

注意すべき有害事象

  • 末梢性ニューロパチー 0.6% (0%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 0.3% (0%)
  • 脱毛症 0.6% (0%)

上手に使うためのワンポイント

  • 本レジメンはフッ化ピリミジンおよびプラチナに不応・不耐となった食道扁平上皮癌かつCPS≥10に対する二次治療として用いられる。
  • CRT後半年以内に再発した症例や術前化学療法が終了し半年以内に再発した症例も二次治療として扱われるため対象となる。
  • 自己免疫性疾患を有し10mgを超えるプレドニゾロンを内服している症例や免疫調整剤を服用している症例は自己免疫性疾患増悪のリスクがあるため避け、 パクリタキセルやドセタキセルを検討する。

特徴と注意点

  • 二次治療でのペムブロリズマブは扁平上皮癌かつCPS≥10の症例に対して承認されており、 ニボルマブとは異なりCPSの測定が必要であるため注意する。
  • irAEに注意が必要であり、 定期的な甲状腺機能や血糖などの内分泌機能、 肝障害、腎障害のチェック、 SPO₂の測定が必要である。 irAEを来した場合、 甲状腺機能低下症や副腎皮質機能低下症などのホルモン補充で対処可能な内分泌障害は治療継続可能であるが、 それ以外では治療を中断しPSLによる治療を要する。

  • irAE後のペムブロリズマブの再開についてはリスク、 ベネフィットを考慮し慎重に検討する。

  • ホルモン補充で対処可能な内分泌障害以外のGrade≧3のirAEに関しては再投与を控える。 肺臓炎に関してはGrade≧2で再投与を控える。

  • 食道癌では喫煙歴のある症例が多いためしばしば肺に間質影を伴う症例を経験する。 CT画像で肺底部に間質影が存在しないか注意深く観察する必要がある。

関連する臨床試験

KEYNOTE-181試験¹⁾

切除不能進行・再発食道扁平上皮癌 (ESCC) 及び食道腺癌 (EAC) 患者におけるペムブロリズマブと化学療法の有効性及び安全性を比較検討するための国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験。 1次治療として全身治療歴のある切除不能進行・再発ESCC及びEAC患者628例を対象とし、 主要評価項目はPD-L1発現陽性 (CPS≧10) 患者、 ESCC患者、 ITT集団における全生存期間 (OS)、 副次評価項目はCPS≧10患者、 ESCC患者、 ITT集団における無増悪生存期間 (PFS) 及び奏効率 (ORR) 、 安全性とされた。

J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. 

参考文献

  1. Randomized Phase III KEYNOTE-181 Study of Pembrolizumab Versus Chemotherapy in Advanced Esophageal Cancer. J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. PMID: 33026938
最終更新日:2023年11月5日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

関連する薬剤情報

キイトルーダ点滴静注100mg
抗悪性腫瘍薬 > ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体
1).悪性黒色腫。 2).切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。 3).再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫。 4).がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌。 5).*がん化学療法後に増悪し...
レジメン
Pembrolizumab
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧

関連する薬剤情報

キイトルーダ点滴静注100mg
抗悪性腫瘍薬 > ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体
1).悪性黒色腫。 2).切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。 3).再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫。 4).がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌。 5).*がん化学療法後に増悪し...
レジメン
Pembrolizumab
レジメン
Pembrolizumab

Pembrolizumab

ペムブロリズマブ (キイトルーダ®)
2023年11月14日更新

ペムブロリズマブ:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴(21日)1~Day1
400mg/body 点滴(42日)1~Day1

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

キイトルーダ® (添付文書/適正使用情報*)

*MSD製薬の外部サイトへ遷移します

用法用量 (1コース3週間、 6週間)

前投薬

infusion reactionが生じた場合、 ステロイドや抗ヒスタミンなどを考慮する。

投与開始基準

KEYNOTE-181試験¹⁾より抜粋

食道胃接合部腺癌を含む組織学的に確認された食道の扁平上皮癌または腺癌 (転移性または局所進行性で切除不能) を有する18歳以上のPSが0、 1の患者

休薬・中止・減量基準

主な有害事象

KEYNOTE-181試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~5)

主な有害事象

  • 貧血 2.5% (1.3%)
  • 好中球数減少 0.6% (0.3%) 
  • 白血球数減少 0.3% (0%)
  • 疲労 11.8% (0.6%)
  • 甲状腺機能低下症 10.5% (0%)
  • 食欲減退 8.6% (0.6%)
  • 悪心 7.0% (0%)
  • 下痢 5.4% (0.6%)
  • 発熱 4.5% (0%)
  • 嘔吐 3.2% (0.3%)
  • 倦怠感 3.2% (0%)
  • 口内炎 1.3% (0%)

注意すべき有害事象

  • 末梢性ニューロパチー 0.6% (0%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 0.3% (0%)
  • 脱毛症 0.6% (0%)

上手に使うためのワンポイント

  • 本レジメンはフッ化ピリミジンおよびプラチナに不応・不耐となった食道扁平上皮癌かつCPS≥10に対する二次治療として用いられる。
  • CRT後半年以内に再発した症例や術前化学療法が終了し半年以内に再発した症例も二次治療として扱われるため対象となる。
  • 自己免疫性疾患を有し10mgを超えるプレドニゾロンを内服している症例や免疫調整剤を服用している症例は自己免疫性疾患増悪のリスクがあるため避け、 パクリタキセルやドセタキセルを検討する。

特徴と注意点

  • 二次治療でのペムブロリズマブは扁平上皮癌かつCPS≥10の症例に対して承認されており、 ニボルマブとは異なりCPSの測定が必要であるため注意する。
  • irAEに注意が必要であり、 定期的な甲状腺機能や血糖などの内分泌機能、 肝障害、腎障害のチェック、 SPO₂の測定が必要である。 irAEを来した場合、 甲状腺機能低下症や副腎皮質機能低下症などのホルモン補充で対処可能な内分泌障害は治療継続可能であるが、 それ以外では治療を中断しPSLによる治療を要する。

  • irAE後のペムブロリズマブの再開についてはリスク、 ベネフィットを考慮し慎重に検討する。

  • ホルモン補充で対処可能な内分泌障害以外のGrade≧3のirAEに関しては再投与を控える。 肺臓炎に関してはGrade≧2で再投与を控える。

  • 食道癌では喫煙歴のある症例が多いためしばしば肺に間質影を伴う症例を経験する。 CT画像で肺底部に間質影が存在しないか注意深く観察する必要がある。

関連する臨床試験

KEYNOTE-181試験¹⁾

切除不能進行・再発食道扁平上皮癌 (ESCC) 及び食道腺癌 (EAC) 患者におけるペムブロリズマブと化学療法の有効性及び安全性を比較検討するための国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験。 1次治療として全身治療歴のある切除不能進行・再発ESCC及びEAC患者628例を対象とし、 主要評価項目はPD-L1発現陽性 (CPS≧10) 患者、 ESCC患者、 ITT集団における全生存期間 (OS)、 副次評価項目はCPS≧10患者、 ESCC患者、 ITT集団における無増悪生存期間 (PFS) 及び奏効率 (ORR) 、 安全性とされた。

J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. 

参考文献

  1. Randomized Phase III KEYNOTE-181 Study of Pembrolizumab Versus Chemotherapy in Advanced Esophageal Cancer. J Clin Oncol. 2020 Dec 10;38(35):4138-4148. PMID: 33026938
最終更新日:2023年11月5日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

食道癌
胃癌
大腸癌
肝細胞癌
胆道癌
膵癌
膵・消化管神経内分泌腫瘍
胃癌
大腸癌
一次、 二次治療
FOLFOX+Bmab
ベバシズマブ+オキサリプラチン+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル
CAPOX+Bmab
カペシタビン+オキサリプラチン+ベマシズマブ
FOLFOX+Cmab
フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム+オキサリプラチン+セツキシマブ
FOLFOX+Pmab
オキサリプラチン+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル+パニツムマブ
FOLFOXIRI+Bmab
イリノテカン塩酸塩水和物+オキサリプラチン+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル+ベバシズマブ
Pembrolizumab
ペムブロリズマブ (キイトルーダ®) [大腸癌]
IRIS+Bmab
イリノテカン塩酸塩水和物+S-1+ベバシズマブ
FOLFIRI+Bmab
フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム+イリノテカン塩酸塩水和物++ベバシズマブ
FOLFIRI+RAM
イリノテカン塩酸塩水和物+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル+ラムシルマブ
SOX+Bmab
S-1+オキサリプラチン+ベバシズマブ
IRI+Cmab
イリノテカン塩酸塩水和物+セツキシマブ
IRI+Pmab
イリノテカン塩酸塩水和物+パニツムマブ
IPI+Nivo
ニボルマブ (オプジーボ®) +イピリムマブ (ヤーボイ®)
Nivolumab
ニボルマブ (オプジーボ®)
ENCO+Cmab
エンコラフェニブ(ビラフトビ®)+セツキシマブ(アービタックス®)
ENCO+BIN+Cmab
エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブ
mFOLFOXIRI+Bmab
オキサリプラチン+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル+ベバシズマブ
Entrectinib
エヌトレクチニブ(ロズリートレク®)
Larotrectinib
ラロトレクチニブ (ヴァイトラックビ®)
膵・消化管神経内分泌腫瘍