イミフィンジ® (デュルバルマブ)
【1コース】4週間
【催吐性³⁾】デュルバルマブ : 最小度、 L-OHP : 中等度、 DTX/5-FU : 軽度
【FN発症】低リスク (<10%)*


術前補助療法 : FLOTとの併用でデュルバルマブ1500mgを4週間間隔で2サイクルまで点滴静注し、 FLOTは2週間間隔で4サイクルまで (ドセタキセル50mg/m²を60分かけて、 オキサリプラチン85mg/m²を2時間かけて、 レボホリナート100mg/m²を60分かけて、 フルオロウラシル2600mg/m²を24時間かけて点滴静注)
術後補助療法 : FLOTとの併用でデュルバルマブ1500mgを4週間間隔で2サイクルまで、 FLOTを2週間間隔で4サイクルまで投与し、 その後デュルバルマブ単独で1500mgを4週間間隔で10サイクルまで点滴静注する (術後のデュルバルマブ合計最大12回)。
食道胃接合部腺癌患者は本レジメンの投与対象となり得る¹⁾。 MATTERHORN試験⁴⁾では、 術前D+FLOT終了後4~8週で手術を行い、 術後D+FLOTは術後4~12週に開始すると規定された。
N Engl J Med. 2025;393(3):217-230.
臨床病期II–IVAの周術期の胃腺癌または食道胃接合部腺癌患者を対象とした第III相無作為化比較試験。 デュルバルマブ (D)+FLOT群474例、 プラセボ+FLOT群474例に1:1で割り付け、 主要評価項目はEFSとした。
【有効性】D+FLOT群 (vs プラセボ+FLOT群)
- EFS中央値 未到達 (vs 32.8ヵ月)
HR 0.71 (95%CI 0.58–0.86、 p<0.001)
2年EFS率 67.4% (vs 58.5%)
- pCR率 19.2% (vs 7.2%)
リスク比 2.69 (95%CI 1.86–3.90)
- 2年OS率* 75.7% (vs 70.4%)
HR (0–12ヵ月) 0.99 (95%CI 0.70–1.39)
HR (12ヵ月以降) 0.67 (95%CI 0.50–0.90)
- R0切除例の2年DFS率 75.2% (vs 66.2%)
HR 0.70 (95%CI 0.53–0.93)
【安全性】主なAE : 全Grade (Grade 3/4)
- 下痢 62.3% (6.3%)
- 悪心 50.7% (2.5%)
- 好中球減少症 32.2% (21.3%)
- 脱毛症 30.5%
- 食欲減退 30.5% (3.2%)
- 疲労 28.8% (1.9%)
- 嘔吐 26.1% (1.9%)
- 貧血 25.1% (5.1%)
- 末梢性感覚ニューロパチー 20.2%
- 発熱 20.0% (0.8%)
- 白血球数減少 9.7% (5.3%)
- IRR 6.9% (1.1%)
- 免疫関連有害事象 23.2% (7.2%)
MATTERHORN試験⁴⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0または1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧9.0g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦2.5×ULN
- 腎機能 : CrCl>50mL/min (CG式)
- 臨床病期II–IVA (AJCC第8版) の切除可能な胃腺癌または食道胃接合部腺癌
- 根治切除 (radical surgery) 適格
MATTERHORN試験⁴⁾では、 デュルバルマブの減量は許可されておらず、 休薬のみ対応可能とされた。 FLOTの減量・毒性管理は現地の標準診療に従うとされ、 FLOTが標準治療でない国では、 各薬剤の現地添付文書またはFLOT dose modification guidance (Al-Batran et al. 2019) の参照を考慮するとされた。 参考情報として、 FLOT4-AIO試験⁵⁾に記載された用量レベルを以下に示す。

デュルバルマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。
DTX : 主に肝代謝⁶⁾ (CYP3A4) のため腎機能障害時の減量は一般に不要。
L-OHP : CrCl<30mL/minは、 初期投与量85mg/m²を65mg/m²に減量 (CrCL≧20mL/minでは減量不要との報告もある)⁷⁾。 FLOT4-AIO試験⁵⁾のプロトコルでは以下のとおり規定された。
- CrCl 30–40mL/min : L-OHP 75%に減量
- CrCl <30mL/min : L-OHP投与中止
5-FU : 減量不要。 ただし、 末期腎不全患者では代謝物の蓄積により高アンモニア血症を来す可能性が報告されている⁷⁾。
デュルバルマブ :

FLOT : MATTERHORN試験⁴⁾では、 殺細胞性抗癌薬の毒性管理は現地の標準診療・添文情報に従い、 FLOT dose modification guidance (Al-Batran et al. 2019) の参照を考慮するとされた。

デュルバルマブはヒトPD-L1に対するIgG1κモノクローナル抗体であり、 PD-L1と受容体PD-1の結合を阻害することで抗腫瘍免疫応答を高め、 腫瘍増殖を抑制すると考えられる¹⁾。
過度の免疫反応 : T細胞活性化作用により、 過度の免疫反応に起因すると考えられる疾患や病態があらわれることがある。 異常が認められた場合は、 過度の免疫反応による副作用を考慮して鑑別診断を行い、 副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮する。 投与終了後も重篤な副作用に注意し、 十分に観察する。
ILD (放射線肺臓炎を含む) : 息切れ、 呼吸困難、 咳嗽、 発熱等の初期症状の確認、 胸部X線検査等により十分に観察する。 必要に応じて胸部CT、 血清マーカー等の検査を実施する。
内分泌機能障害 : 甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害があらわれることがある。 投与開始前および投与期間中は、 定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾール等) を行い、 十分に観察する。 必要に応じて画像検査等も考慮する。
1型糖尿病 : 口渇、 悪心、 嘔吐等の発現や血糖値上昇に十分注意する。
肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎 : 投与開始前および投与期間中は、 定期的に肝機能検査を行い、 十分に観察する。
腎障害 : 投与開始前および投与期間中は、 定期的に腎機能検査を行い、 十分に観察する。
筋炎・横紋筋融解症 : 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中・尿中ミオグロビン上昇等に注意し、 十分に観察する。
心筋炎 : 胸痛、 CK上昇、 心電図異常等に注意し、 十分に観察する。
重症筋無力症 : 筋力低下、 眼瞼下垂、 呼吸困難、 嚥下障害等に注意し、 十分に観察する。
Infusion reaction : 2回目以降の投与時にもあらわれることがあるため、 毎回投与時に患者の状態を十分に観察する。
- 間質性肺疾患
- 大腸炎・重度の下痢
- 肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎
- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害)
- 1型糖尿病
- 腎障害 (間質性腎炎等)
- 筋炎
- 心筋炎
- 重症筋無力症
- 免疫性血小板減少症
- 脳炎
- 重度の皮膚障害
- 神経障害 (ギラン・バレー症候群を含む)
- Infusion reaction
- 赤芽球癆
1) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ®点滴静注 電子添文 (2026年6月改訂 第11版).
2) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ® 適正使用ガイド (2026年6月作成).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) N Engl J Med. 2025;393(3):217-230.
5) Lancet. 2019;393:1948-1957.
6) サノフィ株式会社. タキソテール®電子添文情報. 2025年10月改訂 第6版.
7) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
8) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ点滴静注に係る医薬品リスク管理計画書 (令和8年6月19日提出) .
最終更新日 : 2026年6月22日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 消化管内科 廣瀬俊晴
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
イミフィンジ® (デュルバルマブ)
【1コース】4週間
【催吐性³⁾】デュルバルマブ : 最小度、 L-OHP : 中等度、 DTX/5-FU : 軽度
【FN発症】低リスク (<10%)*


術前補助療法 : FLOTとの併用でデュルバルマブ1500mgを4週間間隔で2サイクルまで点滴静注し、 FLOTは2週間間隔で4サイクルまで (ドセタキセル50mg/m²を60分かけて、 オキサリプラチン85mg/m²を2時間かけて、 レボホリナート100mg/m²を60分かけて、 フルオロウラシル2600mg/m²を24時間かけて点滴静注)
術後補助療法 : FLOTとの併用でデュルバルマブ1500mgを4週間間隔で2サイクルまで、 FLOTを2週間間隔で4サイクルまで投与し、 その後デュルバルマブ単独で1500mgを4週間間隔で10サイクルまで点滴静注する (術後のデュルバルマブ合計最大12回)。
食道胃接合部腺癌患者は本レジメンの投与対象となり得る¹⁾。 MATTERHORN試験⁴⁾では、 術前D+FLOT終了後4~8週で手術を行い、 術後D+FLOTは術後4~12週に開始すると規定された。
N Engl J Med. 2025;393(3):217-230.
臨床病期II–IVAの周術期の胃腺癌または食道胃接合部腺癌患者を対象とした第III相無作為化比較試験。 デュルバルマブ (D)+FLOT群474例、 プラセボ+FLOT群474例に1:1で割り付け、 主要評価項目はEFSとした。
【有効性】D+FLOT群 (vs プラセボ+FLOT群)
- EFS中央値 未到達 (vs 32.8ヵ月)
HR 0.71 (95%CI 0.58–0.86、 p<0.001)
2年EFS率 67.4% (vs 58.5%)
- pCR率 19.2% (vs 7.2%)
リスク比 2.69 (95%CI 1.86–3.90)
- 2年OS率* 75.7% (vs 70.4%)
HR (0–12ヵ月) 0.99 (95%CI 0.70–1.39)
HR (12ヵ月以降) 0.67 (95%CI 0.50–0.90)
- R0切除例の2年DFS率 75.2% (vs 66.2%)
HR 0.70 (95%CI 0.53–0.93)
【安全性】主なAE : 全Grade (Grade 3/4)
- 下痢 62.3% (6.3%)
- 悪心 50.7% (2.5%)
- 好中球減少症 32.2% (21.3%)
- 脱毛症 30.5%
- 食欲減退 30.5% (3.2%)
- 疲労 28.8% (1.9%)
- 嘔吐 26.1% (1.9%)
- 貧血 25.1% (5.1%)
- 末梢性感覚ニューロパチー 20.2%
- 発熱 20.0% (0.8%)
- 白血球数減少 9.7% (5.3%)
- IRR 6.9% (1.1%)
- 免疫関連有害事象 23.2% (7.2%)
MATTERHORN試験⁴⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0または1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧9.0g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦2.5×ULN
- 腎機能 : CrCl>50mL/min (CG式)
- 臨床病期II–IVA (AJCC第8版) の切除可能な胃腺癌または食道胃接合部腺癌
- 根治切除 (radical surgery) 適格
MATTERHORN試験⁴⁾では、 デュルバルマブの減量は許可されておらず、 休薬のみ対応可能とされた。 FLOTの減量・毒性管理は現地の標準診療に従うとされ、 FLOTが標準治療でない国では、 各薬剤の現地添付文書またはFLOT dose modification guidance (Al-Batran et al. 2019) の参照を考慮するとされた。 参考情報として、 FLOT4-AIO試験⁵⁾に記載された用量レベルを以下に示す。

デュルバルマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。
DTX : 主に肝代謝⁶⁾ (CYP3A4) のため腎機能障害時の減量は一般に不要。
L-OHP : CrCl<30mL/minは、 初期投与量85mg/m²を65mg/m²に減量 (CrCL≧20mL/minでは減量不要との報告もある)⁷⁾。 FLOT4-AIO試験⁵⁾のプロトコルでは以下のとおり規定された。
- CrCl 30–40mL/min : L-OHP 75%に減量
- CrCl <30mL/min : L-OHP投与中止
5-FU : 減量不要。 ただし、 末期腎不全患者では代謝物の蓄積により高アンモニア血症を来す可能性が報告されている⁷⁾。
デュルバルマブ :

FLOT : MATTERHORN試験⁴⁾では、 殺細胞性抗癌薬の毒性管理は現地の標準診療・添文情報に従い、 FLOT dose modification guidance (Al-Batran et al. 2019) の参照を考慮するとされた。

デュルバルマブはヒトPD-L1に対するIgG1κモノクローナル抗体であり、 PD-L1と受容体PD-1の結合を阻害することで抗腫瘍免疫応答を高め、 腫瘍増殖を抑制すると考えられる¹⁾。
過度の免疫反応 : T細胞活性化作用により、 過度の免疫反応に起因すると考えられる疾患や病態があらわれることがある。 異常が認められた場合は、 過度の免疫反応による副作用を考慮して鑑別診断を行い、 副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮する。 投与終了後も重篤な副作用に注意し、 十分に観察する。
ILD (放射線肺臓炎を含む) : 息切れ、 呼吸困難、 咳嗽、 発熱等の初期症状の確認、 胸部X線検査等により十分に観察する。 必要に応じて胸部CT、 血清マーカー等の検査を実施する。
内分泌機能障害 : 甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害があらわれることがある。 投与開始前および投与期間中は、 定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾール等) を行い、 十分に観察する。 必要に応じて画像検査等も考慮する。
1型糖尿病 : 口渇、 悪心、 嘔吐等の発現や血糖値上昇に十分注意する。
肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎 : 投与開始前および投与期間中は、 定期的に肝機能検査を行い、 十分に観察する。
腎障害 : 投与開始前および投与期間中は、 定期的に腎機能検査を行い、 十分に観察する。
筋炎・横紋筋融解症 : 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中・尿中ミオグロビン上昇等に注意し、 十分に観察する。
心筋炎 : 胸痛、 CK上昇、 心電図異常等に注意し、 十分に観察する。
重症筋無力症 : 筋力低下、 眼瞼下垂、 呼吸困難、 嚥下障害等に注意し、 十分に観察する。
Infusion reaction : 2回目以降の投与時にもあらわれることがあるため、 毎回投与時に患者の状態を十分に観察する。
- 間質性肺疾患
- 大腸炎・重度の下痢
- 肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎
- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害)
- 1型糖尿病
- 腎障害 (間質性腎炎等)
- 筋炎
- 心筋炎
- 重症筋無力症
- 免疫性血小板減少症
- 脳炎
- 重度の皮膚障害
- 神経障害 (ギラン・バレー症候群を含む)
- Infusion reaction
- 赤芽球癆
1) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ®点滴静注 電子添文 (2026年6月改訂 第11版).
2) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ® 適正使用ガイド (2026年6月作成).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) N Engl J Med. 2025;393(3):217-230.
5) Lancet. 2019;393:1948-1957.
6) サノフィ株式会社. タキソテール®電子添文情報. 2025年10月改訂 第6版.
7) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.
8) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ点滴静注に係る医薬品リスク管理計画書 (令和8年6月19日提出) .
最終更新日 : 2026年6月22日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 消化管内科 廣瀬俊晴
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。