概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 悪性黒色腫に対して本邦適応外レジメン

薬剤情報

ダカルバジン (添付文書¹⁾)

抗悪性腫瘍薬 > アルキル化薬 (DTIC)

用法用量 ※適応外

国際第Ⅲ相試験²⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2745-51²⁾より作図

主な有害事象

国際第Ⅲ相試験²⁾

≧Grade3の主な有害事象

  • 好中球数減少 19%
  • 白血球数減少  1%
  • 貧血 6%
  • 血小板数減少 7%
  • 悪心/嘔吐 5%
  • 呼吸困難 1%
J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2745-51²⁾より作図

エキスパートによるワンポイント

DAC-Tam療法の原型

本邦で悪性黒色腫の多剤併用療法として利用されるDAC-Tam療法の原型となった方法である。

臨床試験と奏効割合

ダカルバジン、 シスプラチン、 カルムスチン、 およびタモキシフェン併用療法は数件の単施設におけるステージIVの悪性黒色腫患者に対する第II相試験で40%から50%の奏効割合が報告され³⁾、 多施設共同第III相試験が行われた²⁾。

この試験は、 測定可能なステージIVの黒色腫の患者240人をダートマスレジメン群とダカルバジン単剤群に無作為に割りつけるランダム化比較試験であった。

評価項目は奏効率、 全生存期間、 および毒性であった。 その結果ダカルバジンに対する奏効割合は10.2%であったのに対し、 ダートマスレジメンでは18.5% (p=0.09)、 生存期間の中央値は7ヵ月で両群間に有意な差は認められなかった。

また毒性評価において骨髄抑制、 悪心/嘔吐、 および疲労は、 ダートマスレジメン群で有意に高かった。 この結果から標準治療はダカルバジン単剤から変更されることはなかったが、 日本では、 ダカルバジン単剤に比べ、 少しでも奏効率の高い治療ということで注目され、 カルムスチン (BCNU) をにニスムチン (ACNU) に変更する形で、 DAC-Tam療法として取り入れられた。

出典

  1. サンドファーマ株式会社. ダカルバジン®電子添文 (2023年8月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/13]
  2. Phase III multicenter randomized trial of the Dartmouth regimen versus dacarbazine in patients with metastatic melanoma. J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2745-51. PMID: 10561349
  3. Systemic chemotherapy for the treatment of metastatic melanoma. Semin Oncol. 1996 Dec;23(6):744-53. PMID: 8970597
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年8月13日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ダカルバジン + カルムスチン + シスプラチン + タモキシフェン
2024年10月08日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 悪性黒色腫に対して本邦適応外レジメン

薬剤情報

ダカルバジン (添付文書¹⁾)

抗悪性腫瘍薬 > アルキル化薬 (DTIC)

用法用量 ※適応外

国際第Ⅲ相試験²⁾のプロトコル

J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2745-51²⁾より作図

主な有害事象

国際第Ⅲ相試験²⁾

≧Grade3の主な有害事象

  • 好中球数減少 19%
  • 白血球数減少  1%
  • 貧血 6%
  • 血小板数減少 7%
  • 悪心/嘔吐 5%
  • 呼吸困難 1%
J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2745-51²⁾より作図

エキスパートによるワンポイント

DAC-Tam療法の原型

本邦で悪性黒色腫の多剤併用療法として利用されるDAC-Tam療法の原型となった方法である。

臨床試験と奏効割合

ダカルバジン、 シスプラチン、 カルムスチン、 およびタモキシフェン併用療法は数件の単施設におけるステージIVの悪性黒色腫患者に対する第II相試験で40%から50%の奏効割合が報告され³⁾、 多施設共同第III相試験が行われた²⁾。

この試験は、 測定可能なステージIVの黒色腫の患者240人をダートマスレジメン群とダカルバジン単剤群に無作為に割りつけるランダム化比較試験であった。

評価項目は奏効率、 全生存期間、 および毒性であった。 その結果ダカルバジンに対する奏効割合は10.2%であったのに対し、 ダートマスレジメンでは18.5% (p=0.09)、 生存期間の中央値は7ヵ月で両群間に有意な差は認められなかった。

また毒性評価において骨髄抑制、 悪心/嘔吐、 および疲労は、 ダートマスレジメン群で有意に高かった。 この結果から標準治療はダカルバジン単剤から変更されることはなかったが、 日本では、 ダカルバジン単剤に比べ、 少しでも奏効率の高い治療ということで注目され、 カルムスチン (BCNU) をにニスムチン (ACNU) に変更する形で、 DAC-Tam療法として取り入れられた。

出典

  1. サンドファーマ株式会社. ダカルバジン®電子添文 (2023年8月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/13]
  2. Phase III multicenter randomized trial of the Dartmouth regimen versus dacarbazine in patients with metastatic melanoma. J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2745-51. PMID: 10561349
  3. Systemic chemotherapy for the treatment of metastatic melanoma. Semin Oncol. 1996 Dec;23(6):744-53. PMID: 8970597
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年8月13日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生

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