概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

リムパーザ® (添付文書 / 適正使用情報)

PARP阻害薬 オラパリブ *MSD株式会社の外部サイトへ遷移

用法用量

投与開始基準

減量・休薬・中止基準

主な有害事象

OlympiAD試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内は≧Grade3)

主な有害事象

  • 貧血 40.0% (16.1%)
  • 好中球減少 27.3% (9.3%)
  • 白血球減少 16.1% (3.4%)
  • 悪心 58.0% (0%)
  • 嘔吐 29.8% (0%)
  • 食欲減退 16.1% (0%)
  • 倦怠感 28.8% (2.9%)
  • 発熱 14.1% (0%)
  • ALT増加 11.2% (1.5%)
  • AST増加 9.3% (2.4%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 0.5% (0%)

特徴と注意点

  • 添付文書での適応は以下の2種類である。
  • がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌¹⁾
  • BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法²⁾
  • 承認された体外診断用医薬品を用いた検査により、 生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異 (病的変異又は病的変異疑い) を有することの確認が必要である。
  • 貧血、 好中球減少、 血小板減少、 間質性肺疾患、 静脈血栓塞栓症、 感染症、 悪心・嘔吐などの副作用に注意が必要である。
  • 早期乳癌の術後薬物療法の場合、 投与期間は1年間までとする。
  • 腎機能障害のある患者への投与は、 オラパリブの血中濃度が上昇する可能性があるため、 減量を考慮する。
  • CYP3Aの基質であり、 CYP3A阻害剤又はCYP3A誘導剤との併用は注意が必要である。 やむを得ず中程度または強いCYP3A阻害剤を併用する場合は減量を考慮。 薬剤以外では、 グレープフルーツ含有食品、 セイヨウオトギリソウ (St. John's Wort) 含有食品を摂取しないよう指導する。
  • 本剤300mgを投与する際には150mg錠2錠を使用し、 100mg錠は減量時にのみ使用すること。 100mg錠は150mg錠に比べ、 ヒトに投与したときの吸収速度が速いことが示されている。 また、 生物学的同等性試験を実施していないため、 150mg錠と100mg錠との間での互換使用は適切ではないとされている。
  • 服用タイミングは、 1日2回12時間ごとを目安にする。 食事の影響は受けない。
  • 飲み忘れた際、 気が付いた時間がいつもの服用時間の2時間以内であれば内服可能。
  • 早期乳癌患者を対象とした臨床試験 (OlympiA試験²⁾) では、 リムパーザが内分泌療法と併用で使用されていた。

参考文献

  1. Olaparib for Metastatic Breast Cancer in Patients with a Germline BRCA Mutation. N Engl J Med. 2017 Aug 10;377(6):523-533. PMID: 28578601
  2. Adjuvant Olaparib for Patients with BRCA1- or BRCA2-Mutated Breast Cancer. N Engl J Med. 2021 Jun 24;384(25):2394-2405. PMID: 34081848
最終更新日:2024年11月29日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
執筆:公益財団法人 がん研究会 がん研有明病院 薬剤部 平岡 知子先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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オラパリブ (リムパーザ®)
2024年11月29日更新
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主な有害事象

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主な有害事象

  • 貧血 40.0% (16.1%)
  • 好中球減少 27.3% (9.3%)
  • 白血球減少 16.1% (3.4%)
  • 悪心 58.0% (0%)
  • 嘔吐 29.8% (0%)
  • 食欲減退 16.1% (0%)
  • 倦怠感 28.8% (2.9%)
  • 発熱 14.1% (0%)
  • ALT増加 11.2% (1.5%)
  • AST増加 9.3% (2.4%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 0.5% (0%)

特徴と注意点

  • 添付文書での適応は以下の2種類である。
  • がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌¹⁾
  • BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法²⁾
  • 承認された体外診断用医薬品を用いた検査により、 生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異 (病的変異又は病的変異疑い) を有することの確認が必要である。
  • 貧血、 好中球減少、 血小板減少、 間質性肺疾患、 静脈血栓塞栓症、 感染症、 悪心・嘔吐などの副作用に注意が必要である。
  • 早期乳癌の術後薬物療法の場合、 投与期間は1年間までとする。
  • 腎機能障害のある患者への投与は、 オラパリブの血中濃度が上昇する可能性があるため、 減量を考慮する。
  • CYP3Aの基質であり、 CYP3A阻害剤又はCYP3A誘導剤との併用は注意が必要である。 やむを得ず中程度または強いCYP3A阻害剤を併用する場合は減量を考慮。 薬剤以外では、 グレープフルーツ含有食品、 セイヨウオトギリソウ (St. John's Wort) 含有食品を摂取しないよう指導する。
  • 本剤300mgを投与する際には150mg錠2錠を使用し、 100mg錠は減量時にのみ使用すること。 100mg錠は150mg錠に比べ、 ヒトに投与したときの吸収速度が速いことが示されている。 また、 生物学的同等性試験を実施していないため、 150mg錠と100mg錠との間での互換使用は適切ではないとされている。
  • 服用タイミングは、 1日2回12時間ごとを目安にする。 食事の影響は受けない。
  • 飲み忘れた際、 気が付いた時間がいつもの服用時間の2時間以内であれば内服可能。
  • 早期乳癌患者を対象とした臨床試験 (OlympiA試験²⁾) では、 リムパーザが内分泌療法と併用で使用されていた。

参考文献

  1. Olaparib for Metastatic Breast Cancer in Patients with a Germline BRCA Mutation. N Engl J Med. 2017 Aug 10;377(6):523-533. PMID: 28578601
  2. Adjuvant Olaparib for Patients with BRCA1- or BRCA2-Mutated Breast Cancer. N Engl J Med. 2021 Jun 24;384(25):2394-2405. PMID: 34081848
最終更新日:2024年11月29日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
執筆:公益財団法人 がん研究会 がん研有明病院 薬剤部 平岡 知子先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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